3 Oracle Enterprise ManagerによるOracle ACFSの管理

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlは、Oracle Advanced Cluster File System (Oracle ACFS)の管理用ツールを提供します。

この章では、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してOracle Advanced Cluster File System (Oracle ACFS)を管理する方法について説明します。

すべてのOracle ASM管理タスクは、Oracle Enterprise Manager Cloud ControlのOracle Automatic Storage Managementの「ホーム」ページから始まります。

ノート:

Oracle Flex ASM構成のノードにあるOracle ACFSファイル・システムまたはボリュームを管理または監視するには、ローカルOracle ASMインスタンスではなく、Oracle ASMプロキシ・インスタンスに接続する必要があります。

この章のトピックは、次のとおりです:

関連項目:

Oracle ASMおよびOracle ACFSホーム・ページへのアクセス

すべてのOracle ASM管理タスクは、Oracle Enterprise Manager Cloud ControlのOracle Automatic Storage Managementの「ホーム」ページから始まります。Oracle Automatic Storage Managementの「ホーム」ページには次の内容が表示されます。

  • Oracle ASMインスタンスのステータス。

  • 各ディスク・グループの使用済領域と空き領域、およびディスク・グループの内部の使用状況を示すグラフ。

  • Oracle ASMインスタンスによって提供されるデータベースのリスト。

  • Oracle ASMインスタンスによって提供されるOracle Advanced Cluster File System (Oracle ACFS)ファイル・システム。

  • 他の非Oracle ACFSボリュームのリスト。

  • Oracle ASMインスタンスおよびホスト・コンピュータに対するアラートのリスト。

  • Oracle ASMの「パフォーマンス」ページ、「ディスク・グループ」ページ、「構成」ページ、「「ユーザー」ページ、およびOracle ACFSページへのリンク

単一インスタンス・システムでOracle Automatic Storage Managementの「ホーム」ページにアクセスするには、次のようにします。

  1. Oracle Enterprise Manager Cloud Controlにログインします。

  2. ページの上部にある「ターゲット」ドロップダウン・メニューで、「すべてのターゲット」を選択します。

  3. 「すべてのターゲット」ページにあるターゲットのリストで、Oracle ASMインスタンスのターゲットをクリックします。

  4. Oracle ASMのログイン資格証明を要求された場合は、ユーザーSYS、およびインストール時にOracle ASMインスタンスに設定したSYSパスワードを入力し、SYSASMとして接続します。Oracle Automatic Storage Managementの「ホーム」ページには次の内容が表示されます。

関連項目:

Oracle Enterprise ManagerによるOracle ACFSファイル・システムおよびボリュームの管理

この項では、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してOracle ACFSのファイル・システムおよびボリューム・システムを管理する方法について説明します。

この項では、次の項目について説明します。

Oracle ACFSファイル・システムおよびボリュームの詳細は、Oracle ACFSについてを参照してください。

Oracle ACFSのファイル・システムおよびボリュームの作成

Oracle ACFSボリュームを作成するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページから「ディスク・グループ」ページにアクセスします。

  2. 「ディスク・グループ」ページの 「一般」タブで「ボリューム」リンクをクリックします。

  3. 「ディスク・グループ」ページの「ボリューム」 タブで、「作成」をクリックします。

    「ASMボリュームの作成」ページが表示されます。

    ボリューム名、そのボリュームが含まれるディスク・グループ名およびそのボリュームの初期サイズを入力します。

    また、ボリュームの冗長性設定およびプライマリ・エクテントおよびミラー・エクステントのリージョン設定も選択できます。

ディスク・グループ内のボリュームにOracle ACFSファイル・システムを作成するには、次のステップを実行します。

  1. 「ディスク・グループ」ページの 「ボリューム」タブにアクセスします。

  2. ディスク・グループで既存のボリュームを選択し、「ASMクラスタ・ファイル・システムの作成」をクリックします。

    ディスク・グループの互換性パラメータCOMPATIBLE.ASMおよびCOMPATIBLE.ADVMは、11.2以上に設定する必要があります。

  3. 「ASMクラスタ・ファイル・システムの作成」ページで、ファイル・システムを作成するための情報を入力します。必要に応じて、ファイル・システムを登録およびマウントできます。

    ボリューム名を入力する必要があります。ボリューム・ラベルを必要に応じて入力できます。

    必要に応じて、ファイル・システムの作成時に登録およびマウントを選択できます。使用可能なディレクトリからマウント・ポイントを選択します。

    画面に指示が表示されたら、コマンドの実行に必要なホスト資格証明を入力します。ファイル・システムを登録またはマウントするには、root権限または管理者権限が必要です。

    ディレクトリを選択したら、「コマンドの表示」をクリックして、オペレーティング・システムのプロンプトで実行できるコマンドを生成します。Linuxシステムでのコマンド例を次に示します。

    /sbin/mkfs -t acfs -b 4k /dev/asm/volume1-361
    /sbin/acfsutil registry -f -a /dev/asm/volume1-361 /oracle/acfsmounts/acfs2
    /bin/mount -t acfs -rw /dev/asm/volume1-361 /oracle/acfsmounts/acfs2
    

    また、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブで、Oracle ACFSファイル・システムを登録またはマウントするためのコマンドも生成できます。

関連項目:

Oracle ACFSのボリュームおよびファイル・システムの表示と変更

Oracle ACFSのファイル・システムに関する情報を表示および変更するには、ASMの「ホーム」ページの「ASMクラスタ・ファイル・システム」リンクをクリックします。

Oracle Enterprise Managerの「ASMクラスタ・ファイルシステム」タブには、Oracle ASMインスタンスに関連付けられているすべてのOracle ACFSが一覧表示されます。

このページでは、選択したファイル・システムのマウント、ディスマウント、削除、スナップショット作成、内容表示、登録および登録解除を選択できます。また、ファイル・システムの作成、全ファイル・システムのマウントまたはディスマウントができます。

Oracle ACFSごとに、マウント・ポイント、可用性、状態、スナップショット、使用率(%)、使用量(GB)、サイズ(GB)、割当て済領域、冗長性、ボリュームおよびディスク・グループに関する情報が各列に表示されます。「冗長性」列、「ボリューム」列および「ディスク・グループ」列は、ページの右端にあるため、図には示されていません。マウント・ポイント、スナップショット、ボリュームおよびディスク・グループのリンクがあり、詳細を表示できます。

特定のボリュームに関する情報を表示するには、「ASMクラスタ・ファイルシステム」ページの「ボリューム」列でボリューム名をクリックして、ASMの「ボリューム」ページの「一般」タブを表示します。

ファイル・システムに関する情報を表示するには、「ASMクラスタ・ファイル・システム」ページの「マウント・ポイント」列でリンクをクリックします。

Oracle ACFSのディスク・グループに関する情報を表示するには、「ASMクラスタ・ファイルシステム」ページの「ディスク・グループ」 列でディスク・グループ名をクリックします。「ディスク・グループ」ページの「一般」タブが表示されます。

ディスク・グループ内のボリュームに関する情報を表示するには、 「ディスク・グループ」ページの上部にある「ボリューム」タブをクリックします。

Oracle Enterprise ManagerによるOracle ACFSスナップショットの管理

この項では、Oracle Enterprise Managerを使用してスナップショットを管理する方法について説明します。

Oracle ACFSスナップショットの詳細は、Oracle ACFSスナップショットについてを参照してください。

スナップショットの作成、変更および表示

既存のスナップショットに関する情報を表示および変更したり、ファイル・システムのスナップショットを作成するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで「ASMクラスタ・ファイルシステム」タブをクリックします。

  2. 「マウント・ポイント」列でマウント・ポイントのリンクをクリックします。

  3. 「スナップショット」タブをクリックします。

オプションで、「ASMクラスタ・ファイルシステム」ページの「スナップショット」列で既存のスナップショットの番号リンクをクリックし、「スナップショット」 ページを表示できます。

「スナップショット」ページで、スナップショットを作成したり、特定のスナップショットを検索および表示できます。スナップショットを検索するには、検索フィールドにオプションのワイルドカード文字とともに名前を入力し、「検索」をクリックします。

スナップショットを作成するには、次のステップを実行します。

  1. 「スナップショット」ページで「作成」をクリックします。

  2. 「スナップショットの作成」ページで情報を入力します。

    デフォルトのスナップショット名を受け入れるか、名前を指定します。必要に応じて、最も古いスナップショットの削除を選択できます。

  3. 画面への入力を完了したら、「OK」をクリックしてコマンドを実行するか、「コマンドの表示」をクリックして生成されたコマンドを表示します。

    たとえば、次のものはスナップショットの作成用に生成されるコマンドです:

    /sbin/acfsutil snap create "snapshot_20090702_142135" /oracle/acfsmounts/acfs1
    

    生成されたコマンドを実行するには、ホスト・コンピュータに対する適切な権限が必要です。Oracle Enterprise Managerにホスト資格証明が設定されていない場合、入力するように要求されます。

    「スナップショットの作成」ページからTelnetセッションを開いて、生成されたオペレーティング・システム・コマンドを手動で入力することもできます。

スナップショット・ディレクトリをドリルダウンするには、「スナップショット」ページでスナップショット名をクリックし、「検索と表示: ディレクトリ」ページを表示します。

読取り専用と読取り-書込み間のスナップショットの変換

スナップショットの編集を使用して、スナップショット属性を「読取り専用」と「読取り/書込み」との間で変換できます。スナップショットを編集するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを選択して、クラスタ・ファイル・システムでマウント・ポイントを表示します。
  2. スナップショットを編集するファイルまたはディレクトリをクリックします。

    ASMクラスタ・ファイル・システム・ページが表示されます。

  3. 「スナップショット」タブをクリックします。
  4. 編集するスナップショットを選択し、「編集」をクリックします。

    スナップショット・ページが表示されます。

  5. 属性を変更します。「読取り専用」または「読取り/書込み」を選択できます。
  6. 「OK」をクリックします。

既存のスナップショットからの子スナップショットの作成

スナップショット操作の「子の作成」により、既存のOracle ACFSのスナップショットのPoint-in-Timeコピーが作成されます。今後、親スナップショットを変更しても、子スナップショットには継承されません。既存のスナップショットの子スナップショットを作成するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを選択して、クラスタ・ファイル・システムでマウント・ポイントを表示します。
  2. 子スナップショットを作成するファイルまたはディレクトリのマウント・ポイントをクリックします。

    ASMクラスタ・ファイル・システム・ページが表示されます。

  3. 「スナップショット」タブをクリックします。
  4. 子スナップショットを作成する親スナップショットを選択し、「子の作成」をクリックします。

    ASMクラスタ・ファイル・システムでの子スナップショットの作成ページが表示されます。

  5. 「スナップショット名」フィールドには自動的にデフォルトの子スナップショット名が移入されます。この名前は指定した名前で置き換えることができます。
  6. 属性を「読取り専用」または「読取り/書込み」に設定します。
  7. オプションで、削除オプションをオンにすることで、最も古いスナップショットを削除するオプションをオンにすることができます。Oracle Enterprise Managerでは、上限に到達する前に、残りのスナップショットの数が表形式で示されます。
  8. 「OK」をクリックして、子スナップショットを作成します。

    「スナップショット」タブに戻り、新しいスナップショットがその親の名前とともに表にリストされているのを確認できます。

Oracle Enterprise Managerによる暗号化機能の管理

この項では、Oracle Enterprise Managerを使用して暗号化を管理する方法について説明します。

Oracle ACFS暗号化の詳細は、Oracle ACFS暗号化を参照してください。

Oracle ACFS暗号化の初期化

Oracle ACFS暗号化を初期化するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを選択して、クラスタ・ファイル・システムでマウント・ポイントを表示します。

  2. リスト内のマウント・ポイントをクリックします。

  3. 「セキュリティ/暗号化」タブをクリックして、「セキュリティと暗号化」セクションを表示します。

  4. 「暗号化構成」セクションで、「暗号化パラメータの設定解除」などの様々なオプションを指定できます。

  5. Oracle ACFS暗号化がクラスタで初期化されていない場合、「暗号化の初期化」ボタンが表示されます。このボタンをクリックして、Oracle ACFS暗号化を初期化します。この操作は、クラスタ内で1回のみ実行する必要があります。

Oracle ACFSでの暗号化用パラメータの有効化、無効化および設定

Oracle ACFS暗号化用のパラメータを有効化、無効化または設定するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを選択して、クラスタ・ファイル・システムでマウント・ポイントを表示します。
  2. 表示するレルムを含む「マウント・ポイント」をクリックします。このマウント・ポイントに対して、Oracle ACFSの「ホーム」ページが表示されます。
  3. 「セキュリティ/暗号化」タブをクリックします。
  4. 「暗号化」「構成」リンクをクリックして、「暗号化構成」セクションを表示します。

暗号化ステータスの表示

暗号化ステータスを表示するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを選択して、クラスタ・ファイル・システムでマウント・ポイントを表示します。
  2. 「セキュリティおよび暗号化の表示」をクリックして、「セキュリティと暗号化」セクションを表示します。

    このセクションには、マウント・ポイントと、それぞれのセキュリティおよび暗号化の設定が表示されます。

Oracle Enterprise Managerによるタグ付け機能の管理

この項では、Oracle Enterprise Managerを使用してタグ付けを管理する方法について説明します。

Oracle ACFSタグ付けの詳細は、Oracle ACFSタグ付けを参照してください。

Oracle ACFSでのタグの追加

単一のOracle ACFSファイル・システム内または複数のOracle ACFSファイル・システムにわたって存在するディレクトリおよびファイルに、タグを追加できます。タグ名を使用して、ファイルの整理、または検索やレプリケーションなどの操作を実行することができます。

「ASMクラスタ・ファイル・システム」ページの特定のファイルまたはディレクトリにタグを追加するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを選択して、クラスタ・ファイル・システムでマウント・ポイントを表示します。
  2. タグを追加するファイルまたはディレクトリを選択し、「アクション」メニューの「タグの追加」をクリックしてから、「実行」をクリックします。

    タグの追加ページが表示されます。

  3. 「タグ名」ボックスに、タグ名(またはカンマ区切りの名前のリスト)を追加します。オプションで、タグをサブディレクトリおよびファイルに再帰的に追加できるオプションをオンにできます。
  4. 「ディレクトリおよびファイル」セクションで、「ディレクトリの入力」ボックスにカンマ区切りのリストとしてディレクトリ・パスを直接入力するか、または「ディレクトリの検索」を選択して、ASMクラスタ・ファイル・システムでディレクトリ・パスを検索します。「追加」をクリックするとディレクトリ・パスを追加できます。
  5. 「OK」をクリックしてタグを追加します。

Oracle ACFSでのタグの削除

Oracle ACFSファイル・システムの特定のファイルまたはディレクトリのタグを削除できます。オプションで、削除操作をすべてのサブディレクトリおよびファイルに繰り返し適用できます。

タグを削除するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを選択して、クラスタ・ファイル・システムでマウント・ポイントを表示します。
  2. タグを削除するファイルまたはディレクトリを選択し、「アクション」メニューの「タグの削除」を選択してから、「実行」をクリックします。

    タグの削除ページが表示されます。

  3. 「タグ名」ボックスに、削除するタグの名前を入力するか、または削除するタグ名のカンマ区切りのリストを指定します。オプションをオンにすることで、指定したディレクトリ・パスに存在するすべてのディレクトリおよびファイルから再帰的にタグを削除できます。
  4. 「ディレクトリおよびファイル」セクションで、「ディレクトリの入力」を選択して、カンマ区切りのリストとしてディレクトリ・パスを直接入力するか、または「ディレクトリの検索」を選択して、Oracle ACFSファイル・システム内でディレクトリ・パスを検索します。異なるOracle ACFSファイル・システムから繰り返しディレクトリ・パスを追加するには、ファイル・システムを選択し、「追加」をクリックします。
  5. 「OK」をクリックしてタグを削除します。

Oracle ACFSでのタグの検索

Oracle ACFSファイル・システムで選択したファイルおよびディレクトリからタグを検索できます。オプションで、この操作をすべてのサブディレクトリおよびファイルに繰り返し適用できます。Oracle ACFSファイル・システムの特定のファイルまたはディレクトリのタグを検索するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle ASMの「ホーム」ページで、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを選択して、クラスタ・ファイル・システムでマウント・ポイントを表示します。
  2. 「アクション」メニューから「タグの検索」を選択してから、「実行」をクリックします。

    タグの検索ページが表示されます。

  3. 「検索基準」セクションで、「タグ名」ボックスにタグ名のカンマ区切りのリストを指定します。オプションをオンにすることで、すべてのディレクトリおよびファイルのタグを再帰的に検索できます。
  4. 「ディレクトリおよびファイル」セクションで、「ディレクトリの入力」を選択して、カンマ区切りのリストとしてディレクトリ・パスを入力するか、または「ディレクトリの検索」を選択して、Oracle ACFSファイル・システムを選択し、「追加」をクリックして、異なるOracle ACFSファイル・システムから繰り返しディレクトリ・パスを追加します。
  5. 「検索」をクリックします。

    検索結果は、検索結果表に表示されます。

  6. 「戻る」をクリックして、Oracle ASMの「ホーム」ページに戻り、「ASMクラスタ・ファイル・システム」タブを表示します。