1.5 XML検索アプリケーション

XML検索アプリケーションは、XMLドキュメントで検索を実行します。通常のドキュメント検索では、ドキュメントのセットを検索して、テキスト述語を満たすドキュメントを戻します。XML検索では、通常はXMLドキュメントの構造を使用して、検索を制限します。通常は、検索を満たすドキュメントの一部のみが戻されます。たとえば、electricというワードを含むすべての購買依頼を検索する必要はなく、コメント・フィールドにelectricが含まれる購買依頼のみが必要な場合などです。

Oracle Textを使用すると、次のアプローチによってXML検索を実行できます。

1.5.1 XML検索アプリケーションでのCONTAINS演算子

CONTAINS演算子は構造化検索に最適であり、WITHINHASPATHおよびINPATHの各演算子を使用して制限検索を実行できます。CONTEXT索引を使用する場合、Oracle Text検索の次の特性も利用できます。

  • トークンベースで空白が正規化された検索

  • 関連性の度合によってランク付けされたヒットリスト

  • 大/小文字を区別する検索

  • セクション検索

  • ステミング検索やファジー検索などの言語機能

  • 大きいドキュメント・セット向けにパフォーマンスが最適化された問合せ

警告:

Oracle Database 12c以降では、Oracle Databaseソフトウェアを新規インストールするときやアップグレードのとき、Oracle XML Database (XML DB)が自動的にインストールされます。

1.5.2 Oracle Textの機能とOracle XML DBの結合(XML検索索引)

アプリケーションの全文検索をする場合、Oracle TextおよびOracle XML DBの機能を組み合せて、XML検索索引を作成します。この場合、"find all nodes that contain the word Pentium"などの問合せを入力することで、XML構造を利用できます。Oracle Database 12cでは、XQuery全文検索の拡張機能に対するサポートを追加して、W3CのXQuery仕様をOracleで拡張しています。このサポートにより、データベースに格納されているXMLコンテンツに対してXML対応の全文検索を実行できます。

次の各トピックでは、Oracle TextアプリケーションでOracle XML DBを使用する方法について説明します。

関連項目:

1.5.2.1 XML検索索引に対するxml_enableメソッドの使用

XML検索索引はXML対応Oracle Text索引(CTXSYS.CONTEXT)です。この索引タイプは、統一的な1つの索引で情報取得検索と構造化検索をサポートします。XML検索索引では、Oracle Text表に内部的にバイナリ永続ドキュメント・オブジェクト・モデル(PDOM)も格納されるので、バイナリPDOMと比較してXML操作を評価することができます。このXML検索索引は、XMLTYPEデータ・ストアでサポートされています。このようなXML検索索引が存在する場合、XMLEXISTSはシームレスにCONTAINS問合せに書き込まれます。

XML検索索引を作成すると、XMLドキュメントのバイナリPDOMがOracle Textの内部表にマテリアライズされます。Oracle Text索引からの事後評価はリダイレクトされ、この内部表に格納されたPDOMに影響します。

関連項目:

XML検索索引へのXML対応を有効にするSET_SEC_GRP_ATTRxml_enable変数については、『Oracle Textリファレンス』を参照してください

次の例ではOracle XML検索索引を作成します。

exec
CTX_DDL.CREATE_SECTION_GROUP('secgroup','PATH_SECTION_GROUP');
exec
CTX_DDL.SET_SEC_GRP_ATTR('secgroup','xml_enable','t');
CREATE INDEX po_ctx_idx on T(X) indextype is ctxsys.context
parameters (‘section group SECGROUP');

1.5.2.2 Text-on-XMLメソッドの使用

Oracle Textを使用すると、XMLデータを含む列にCONTEXT索引を作成できます。列型は、XMLデータの正しい索引プリファレンスを使用する場合は、XMLTypeまたはサポートされている任意の型にできます。

Text-on-XMLメソッドでは、標準のCONTAINS問合せを使用して、構造化制約を追加し、検索の範囲を特定のセクション、フィールド、タグまたは属性に制限します。つまり、テキスト演算子内に、WITHINHASPATHINPATHなどの構造を指定することになります。

たとえば、CONTEXT索引を設定し、XMLドキュメントを使用してセクションを作成します。購買依頼を定義する次のXMLドキュメントを考えてみます。

<?xml version="1.0"?>
<PURCHASEORDER pono="1">
   <PNAME>Po_1</PNAME>
   <CUSTNAME>John</CUSTNAME>
   <SHIPADDR>
      <STREET>1033 Main Street</STREET>
      <CITY>Sunnyvalue</CITY>
      <STATE>CA</STATE>
   </SHIPADDR>
   <ITEMS>
     <ITEM>
       <ITEM_NAME> Dell Computer </ITEM_NAME>
       <DESC> Pentium 2.0 Ghz 500MB RAM  </DESC>
     </ITEM>
     <ITEM>
       <ITEM_NAME> Norelco R100 </ITEM_NAME>
       <DESC>Electric Razor </DESC>
     </ITEM>
   </ITEMS>
</PURCHASEORDER>

品目の説明セクション内にPentiumを含むすべての購買依頼を問い合せるには、WITHIN演算子を使用します。

SELECT id from po_tab where CONTAINS( doc, 'Pentium WITHIN desc') > 0;

XPATH式でより複雑な基準を指定するには、INPATH演算子を使用します。

SELECT id from po_tab where  CONTAINS(doc, 'Pentium INPATH (/purchaseOrder/items/item/desc') > 0;

1.5.2.3 JSONデータの索引付け

JavaScriptオブジェクト注釈(JSON)は、構造化データのシリアライズや、ネットワーク経由(通常はサーバーとWebアプリケーション間)のデータの交換に使用される、言語に依存しないデータ形式です。JSONではJavaScriptオブジェクト・リテラル、配列、スカラー・データのテキストベースの表現方法が提供されます。

関連項目: