E Oracle Clusterware制御(CRSCTL)ユーティリティ・リファレンス

この付録には、Oracle Clusterware制御(CRSCTL)ユーティリティの参照情報が含まれています。

ノート:

Oracle Grid Infrastructure 23ai以降、Oracleクラスタ・ドメイン・アーキテクチャに含まれるドメイン・サービス・クラスタ(DSC)は非推奨になりました。

Oracleクラスタ・ドメインは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)とメンバー・クラスタで構成されます。メンバー・クラスタは、Oracle Grid Infrastructure 19cで非推奨となりました。DSCは、引き続き、本番クラスタにサービスを提供するために使用可能です。ただし、それらのサービスの大部分ではホスティングにDSCを必要としなくなったため、DSCのインストールはOracle Database 23aiでサポートされなくなります。該当する場合、以前にDSCでホストされていたサービスに、任意のクラスタまたはシステムを使用することをお薦めします。Oracleでは、代替システムで各サービスを使用できるようになるまで、共有サービスをホストするためのDSCのサポートを継続します。

ノート:

My Oracle Supportで指示された場合を除き、oraで始まる名前を持つOracleエンティティ(リソース、リソース・タイプなど)でCRSCTLコマンドを使用しないでください。サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)は、Oracleエンティティに対して使用する適切なユーティリティです。Oracle Database 21c以降では、PDBはOracle Clusterwareによって管理されるリソースです。SRVCTLコマンドを使用してPDBを管理できます。

CRSCTLの概要

CRSCTLはユーザーとOracle Clusterwareのインタフェースであり、Oracle Clusterwareオブジェクト用のOracle Clusterware APIを解析およびコールします。

CRSCTLではクラスタ対応コマンドが提供されており、これらを使用して、チェック、起動、停止操作をクラスタで実行できます。これらのコマンドは、操作に応じてクラスタ内の任意のノードから、クラスタ内の別のノードで、またはクラスタ内のすべてのノードで実行できます。

CRSCTLコマンドを使用すると、次に示すいくつかの操作をOracle Clusterwareで実行できます。

  • Oracle Clusterwareリソースの起動および停止

  • Oracle Clusterwareデーモンの有効化および無効化

  • クラスタの状態のチェック

  • サード・パーティ製アプリケーションのリソースの管理

  • Intelligent Platform Management Interface(IPMI)とOracle Clusterwareとの統合による障害分離サポートおよびクラスタの整合性の実現

  • Oracle Clusterwareコンポーネントのデバッグ

クラスタ用に変更された(クラスタ対応)コマンド

あるノードでクラスタ対応コマンドを実行してクラスタ内の別のノードで操作を実行できます。これらの操作はリモート操作と呼ばれます。これによって、たとえば、すべてのノードのOracle Clusterwareのステータスをチェックするために各ノードにログインする必要がなくなるため、管理が簡素化されます。

クラスタ対応コマンドはオペレーティング・システムにはまったく依存しませんが、OHASD(Oracle高可用性サービス・デーモン)に依存します。このデーモンが実行されているときに、リモート・ノードの起動、停止、ステータスのチェックなどのリモート操作を実行できます。

クラスタ対応コマンドには次のコマンドがあります。

CRSCTLの操作上のノート

CRSCTLコマンドライン・インタフェースの使用に関する情報です。

使用方法

  • CRSCTLユーティリティは、Grid_home/binディレクトリに格納されています。CRSCTLコマンドを実行するには、次の例に示すように、オペレーティング・システム・プロンプトでまずcrsctl、次にコマンドおよび引数を入力します。

    crsctl stop crs
    
  • CRSCTLコマンドには3つのカテゴリがあります。

    • Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境またはOracle Restart環境のいずれかで使用するコマンド

    • Oracle RAC環境でのみ使用するコマンド

    • Oracle Restart環境でのみ使用するコマンド

  • 多くのCRSCTLコマンドでは、-fパラメータを使用することによってチェックが無視されコマンドが強制実行されます。

    たとえば、あるリソースに対するcrsctl stop resourceコマンドに強制パラメータを指定すると、そのリソースが実行中であり、それを依存先としている依存リソースも実行中である場合、強制パラメータはエラー・メッセージを省略し、かわりに、すべての依存リソースを停止または再配置してからコマンドに示すリソースを停止します。

  • Oracle Clusterwareを管理するには、同じリリースのCRSCTLコマンドを使用する必要があります。

フィルタ

次のようにフィルタを使用して、CRSCTLコマンドが動作するOracle Clusterwareエンティティを絞り込むことができます。

  • 簡易フィルタは、演算子を使用した属性/値ペアです。

  • 演算子は、例に示すように空白で囲む必要があります。

  • 簡易フィルタは、Boolean演算子を使用した式フィルタと呼ばれる式に組み込むことができます。

サポートされるフィルタの演算子は次のとおりです。

  • =
  • >
  • <
  • !=
  • co: 次を含む
  • st: 次で始まる
  • en: 次で終わる

サポートされるブール演算子はANDおよびORです。

次にフィルタの例を示します。

  • TYPE = type1

  • ((TYPE = type1) AND (CHECK_INTERVAL > 50))

  • (TYPE = type1) AND ((CHECK_INTERVAL > 30) OR (AUTO_START co never))

  • NAME en network.res

  • TYPE st ora.db

CRSCTLヘルプの使用

CRSCTLのヘルプ情報を出力するには、次のコマンドを使用します。

crsctl -help

startなどの特定のコマンドのヘルプを出力する場合は、次の例に示すように、コマンドを入力し、-helpを末尾に追加します。

crsctl start -help

-helpのかわりに省略形-hまたは-?を使用することもできます(このパラメータはLinux、UNIXおよびWindows環境で機能します)。

非推奨のサブプログラムまたはコマンド

表E-1は、非推奨のコマンドおよびそれらの代替(同じまたは類似した機能を実行するのに使用可能)を示しています。

表E-1 非推奨のCRSCTLコマンドおよびその代替

非推奨コマンド 代替コマンド
crs_stat
crsctl check cluster
crsctl status resource
crs_register
crsctl add resource
crsctl add type
crsctl modify resource
crsctl modify type
crs_unregister
crsctl stop resource
crsctl delete resource
crs_start
crsctl start resource
crsctl start crs
crsctl start cluster
crs_stop
crsctl stop resource
crsctl stop crs
crsctl stop cluster
crs_getperm
crsctl getperm resource
crsctl getperm type
crs_profile
crsctl add resource
crsctl add type
crsctl status resource
crsctl status type
crsctl modify resource
crsctl modify type
crs_relocate
crsctl relocate resource
crs_setperm
crsctl setperm resource
crsctl setperm type
crsctl check crsd
crsctl check crs
crsctl check cssd
crsctl check css
crsctl check evmd
crsctl check evm
crsctl debug res log
 resource_name:level
crsctl set log
crsctl set css votedisk
crsctl add css votedisk
crsctl delete css votedisk
crsctl query css votedisk
crsctl replace votedisk
crsctl start resources
crsctl start resource -all
crsctl stop resources
crsctl stop resource -all
crsctl set css logfilesize
crsctl get tracefileopts css
crsctl set tracefileopts css
crsctl get css logfilesize
crsctl set tracefileopts css
crsctl set trace module_name "component:debugging_level [,component:debugging_level][,...]"
 
crsctl get trace
 

デュアル環境のCRSCTLコマンド

Oracle RACまたはOracle Restart環境で次のコマンドを使用できます。

この項に示すコマンドは、Oracle RAC環境およびOracle Restart環境の両方のOracle Clusterwareリソースを管理します。

crsctl check css

クラスタ同期サービス(CSS)のステータスをチェックします。

このコマンドを最も頻繁に使用するのは、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)がローカル・サーバーにインストールされている場合です。

構文

crsctl check css

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online

crsctl check evm

イベント・マネージャのステータスをチェックします。

構文

crsctl check evm

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4533: Event Manager is online

crsctl get hostname

ローカル・サーバーのホスト名を取得します。

構文

crsctl get hostname

Oracle Clusterwareによってローカル・サーバーのホスト名が戻されます。
$ crsctl get hostname

node2

crsctl add resource

Oracle Clusterwareによって管理されるリソースを登録します。

リソースには、アプリケーション・プロセス、データベース、サービス、リスナーなどがあります。

構文

crsctl add resource resource_name -type resource_type [-group group_name [-file file_path |
   -attr "attribute_name=attribute_value[,...]"]
  [-i] [-f]

パラメータ

表E-2 crsctl add resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

短く、わかりやすいリソース名を指定します。

-type resource_type

前に-typeフラグを付けて、追加するリソースの種類を指定します。

-group group_name

リソースを追加するリソース・グループを指定します。

-file file_path

リソースを定義する属性名/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。

-attr "attribute_name=attribute_value[,...]"

追加するリソースの属性を2つの異なる方法で指定できます。

  • -attrフラグの後に、1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば:

    -attr "CHECK_INTERVAL=30,START_TIMEOUT=25"

    いくつかの属性は複数の値を持つことができます。そのような場合は、空白で値を区切り、値のリストを一重引用符で囲みます。たとえば:

    -attr "HOSTING_MEMBERS='hostname1 hostname2',START_TIMEOUT=25"
  • また、特定のカーディナリティ値および特定の程度値を付加してリソース・インスタンスの属性値を指定できます。この方法は特定のサーバーに関連付けられるアプリケーションに役立ちます。-attrフラグの後の構文は次のとおりです。

    attribute_name{@SERVERNAME(server_name)
    [@DEGREEID(did)] | @CARDINALITYID(cid)
    [@DEGREEID(did)]}=attribute_value

    @SERVERNAME(server_name)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、指定したサーバーに存在するリソース・インスタンスに限定されます。

    または、@CARDINALITYID(cid)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、特定のカーディナリティID(cid)を持つリソース・インスタンスに限定されます。

    必要に応じて、@DEGREEID(did)構文をSERVERNAMEまたはCARDINALITYID構文のいずれか、または両方と組み合せて、特定のDEGREEが設定されているリソースに属性値を限定することができます。

    例:

    CHECK_INTERVAL@SERVERNAME(node1)=45
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@SERVERNAME(node1)@DEGREEID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(3)@DEGREEID(2)=65
-i

-iを指定すると、CRSCTLは、コマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、エラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

強制パラメータは次の場合に使用します。

  • まだ存在しない他のリソースに依存するリソースを追加する場合。強制パラメータによってチェックが無効になるため、コマンドの完了が妨げられません。

  • 他のリソースへのhard依存性がリソースに設定されており、1つ以上の依存性に対する実行権限がリソース所有者にない状態でリソースを追加する場合。この場合には、強制パラメータを指定しないとエラーが表示されます。

使用上のノート

  • resource_nameパラメータおよび-type resource_typeパラメータのどちらも必須です。関連付けられたリソース・タイプをcrsctl add typeを使用して作成できます。

  • 任意のユーザーがリソースを作成できますが、SERVER_POOLS=*が設定されているlocal_resourceタイプのリソースまたはcluster_resourceタイプのリソースを作成できるのはクラスタウェア管理者のみです。

    リソースの定義後、どのユーザーがリソースに関する特定の操作を実行できるかはACLによって制御されます。Oracle Clusterware管理者のリストは影響しなくなります。

    Windowsでは、管理者グループのメンバーがすべてを完全に制御できます。

    関連項目:

    ACLの設定の詳細は、crsctl setperm resourceを参照してください。

  • 属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。

  • 属性ファイルの例を次に示します。

    PLACEMENT=favored
    HOSTING_MEMBERS=node1 node2 node3
    RESTART_ATTEMPTS@CARDINALITYID(1)=0
    RESTART_ATTEMPTS@CARDINALITYID(2)=0
    FAILURE_THRESHOLD@CARDINALITYID(1)=2
    FAILURE_THRESHOLD@CARDINALITYID(2)=4
    FAILURE_INTERVAL@CARDINALITYID(1)=300
    FAILURE_INTERVAL@CARDINALITYID(2)=500
    CHECK_INTERVAL=2
    CARDINALITY=2
    
  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

例E-1 例1

Oracle Clusterwareを使用してVIPをリソースとして登録するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl add resource app.appvip -type app.appvip.type -attr "RESTART_ATTEMPTS=2,
START_TIMEOUT=100,STOP_TIMEOUT=100,CHECK_INTERVAL=10,
USR_ORA_VIP=172.16.0.0,
START_DEPENDENCIES=hard(ora.net1.network)pullup(ora.net1.network),
STOP_DEPENDENCIES=hard(ora.net1.network)"

例E-2 例2

test_type1リソース・タイプに基づくリソースを登録するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl add resource r1 -type test_type1 -attr "PATH_NAME=/tmp/r1.txt"
$ crsctl add resource r1 -type test_type1 -attr "PATH_NAME=/tmp/r2.txt"

例E-3 例3

EXECUTABLE_NAMES属性を使用してgeneric_applicationリソース・タイプのSambaサーバー・リソースを登録するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add resource my_samba -type generic_application -attr
"EXECUTABLE_NAMES=smbd,START_PROGRAM='/etc/rc.d/init.d/smb start',
STOP_PROGRAM='/etc/rc.d/init.d/smb stop'"

例E-4 例4

EXECUTABLE_NAMES属性を使用してgeneric_applicationリソース・タイプのDNSサーバーを登録するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add resource my_dns -type generic_application -attr
"EXECUTABLE_NAMES=named,START_PROGRAM='/etc/rc.d/init.d/named start',
STOP_PROGRAM='/etc/rc.d/init.d/named stop'"

例E-5 例5

PID_FILES属性を使用してgeneric_applicationリソース・タイプのApache Webサーバーを登録するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add resource my_apache -type generic_application -attr
"START_PROGRAM='/usr/sbin/httpd -k start',STOP_PROGRAM='/usr/sbin/httpd -k stop',
PID_FILES=/etc/httpd/run/httpd.pid"

例E-6 例6

環境変数を使用してgeneric_applicationリソース・タイプのアプリケーションを登録するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add resource my_app -type generic_application -attr
"START_PROGRAM='/opt/my_app start', EXECUTABLE_NAMES=my_app,
ENVIRONMENT_VARS='USE_NETAPP=no,USE_BACKUP=yes,CLEAN_ON_KILL=yes'"

crsctl delete resource

Oracle Clusterware構成からリソースを削除します。

構文

crsctl delete resource {"resource_name [...]" | -w "filter"} [-i] [-f]

パラメータ

表E-3 crsctl delete resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

削除対象の1つ以上のリソース名を指定します。複数のリソースは空白で区切り、二重引用符("")で囲む必要があります。

-w "filter"

削除が評価されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

ノート: すべての演算子は空白で囲む必要があります。

関連項目: 演算子の詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-i

-iを指定すると、CRSCTLは、コマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、エラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

このパラメータを使用して、オンラインのリソースを削除します。

使用上のノート

  • resource_nameまたは-w "filter"パラメータは必須です。

  • 指定したリソースを削除するには、読取りおよび書込み権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

Oracle Clusterwareからリソースを削除するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl delete resource myResource

crsctl eval add resource

システムを変更せずに、リソースを追加した場合の影響を予測します。

このコマンドはアプリケーション管理者にとって役に立つ場合があります。

構文

crsctl eval add resource resource_name -type resource_type [-file file_path
    | -attr "attribute_name=attribute_value[,...]"]] [-group group_name] [-f]    

パラメータ

表E-4 crsctl eval add resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

短く、わかりやすいリソース名を指定します。

-type resource_type

-typeフラグの後に追加するリソースのタイプを指定します。

-file file_path

リソースを定義する属性名/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。

-attr "attribute_name=attribute_value"

追加するリソースの属性を2つの異なる方法で指定できます。

  • -attrフラグの後に、1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば:

    -attr "CHECK_INTERVAL=30,START_TIMEOUT=25"

    いくつかの属性は複数の値を持つことができます。そのような場合は、空白で値を区切り、値のリストを一重引用符で囲みます。たとえば:

    -attr "HOSTING_MEMBERS='hostname1 hostname2',START_TIMEOUT=25"
  • 必要に応じて、特定のカーディナリティ値および特定の程度値を付加してリソース・インスタンスの属性値を指定できます。この方法は特定のサーバーに関連付けられるアプリケーションに役立ちます。-attrフラグの後の構文は次のとおりです。

    attribute_name{@SERVERNAME(server_name)
    [@DEGREEID(did)] | @CARDINALITYID(cid)
    [@DEGREEID(did)]}=attribute_value

    @SERVERNAME(server_name)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、指定したサーバーに存在するリソース・インスタンスに限定されます。

    または、@CARDINALITYID(cid)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、特定のカーディナリティID(cid)を持つリソース・インスタンスに限定されます。

    必要に応じて、@DEGREEID(did)構文をSERVERNAMEまたはCARDINALITYID構文のいずれか、または両方と組み合せて、特定のDEGREEが設定されているリソースに属性値を限定することができます。

    例:

    CHECK_INTERVAL@SERVERNAME(node1)=45
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@SERVERNAME(node1)@DEGREEID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(3)@DEGREEID(2)=65
-group group_name

リソースを追加するリソース・グループを指定します。

-f

強制パラメータは次の場合に使用します。

  • まだ存在しない他のリソースに依存するリソースを追加する場合。強制パラメータによってチェックが無効になるため、コマンドの完了が妨げられません。

  • 他のリソースへのhard依存性がリソースに設定されており、1つ以上の依存性に対する実行権限がリソース所有者にない状態でリソースを追加する場合。この場合には、強制パラメータを指定しないとエラーが表示されます。

crsctl eval fail resource

リソース障害の結果を予測します。

構文

crsctl eval fail resource {resource_name | -w "filter"} [-n server]
   [-env "attr=val[,...]"]

パラメータ

表E-5 crsctl eval fail resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

障害をシミュレートするリソースの名前を指定します。リソースの名前、または-wパラメータを使用してリソース・フィルタを指定する必要があります。

-w "filter"

または、評価されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定することもできます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

ノート: すべての演算子は空白で囲む必要があります。

関連項目: 演算子の詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-n server

障害をシミュレートするリソースがあるサーバーの名前を指定します。

-env "attr=val[,...]"

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

たとえば、-env "RESTART_ATTEMPTS=0"を使用すると、リソースがローカルでの再起動の試行限度を超えローカルで再起動できない場合の動作を予測できます。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

$ crsctl eval fail res cs1
 
Stage Group 1:
-----------------------------------------------------------------------------
Stage Number    Required       Action
-----------------------------------------------------------------------------
 
     1              Y   Resource 'cs1' (1/1) will be in state
                        [ONLINE|INTERMEDIATE] on server
                        [mjkeenan_node_0]
                    Y   Resource 'cs1' (2/1) will be in state
                        [ONLINE|INTERMEDIATE] on server
                        [mjkeenan_node_1]
 
-----------------------------------------------------------------------------

crsctl eval relocate resource

システムを変更せずに、リソースの再配置をシミュレートします。

構文

crsctl eval relocate resource {resource_name | -all} {-s source_server | -w "filter"}
  [-n destination_server] [-f]

パラメータ

表E-6 crsctl eval relocate resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

再配置するリソースの名前を指定します。

-all

または、このパラメータを使用して、再配置対象のすべてのリソースを指定できます。

-s source_server

リソースの再配置である特定のサーバーを指定します。

-w "filter"

-sを使用するかわりに、再配置されるリソースの数を制限するためにCRSCTLによって使用されるリソース・フィルタを指定できます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

関連項目: 「フィルタ」を参照してください。

-n destination_server

リソースの再配置サーバーの名前を指定します。宛先サーバーを指定しない場合、CRSCTLによって、各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバーにリソースが再配置されます。

–f

再配置対象のリソースに依存している他のリソースが実行中である場合に再配置対象のリソースを強制的に再配置するには、-fパラメータを指定します。このパラメータを使用すると、CRSCTLによって、依存リソースは停止または再配置されます。

ノート: 1より大きいカーディナリティを持つリソースを再配置する場合、-kまたは-sのいずれかを使用して、再配置対象のリソース・インスタンスを絞り込む必要があります。

crsctl eval modify resource

システムを変更せずに、リソースを変更した場合の影響を予測します。

構文

crsctl eval modify resource resource_name -attr "attribute_name=attribute_value[,...]"
    [-group group_name] [-f]

パラメータ

表E-7 crsctl eval modify resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

評価対象のリソースの名前を指定します。

-attr "attribute_name=attribute_value[,...]"

評価対象のリソースの属性を次の2つの異なる方法で指定できます。

  • -attrフラグの後に、変更対象の1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば:

    -attr "CHECK_INTERVAL=30,START_TIMEOUT=25"

    いくつかの属性は複数の値を持つことができます。そのような場合は、空白で値を区切り、値のリストを一重引用符で囲みます。たとえば:

    -attr "HOSTING_MEMBERS='hostname1 hostname2',START_TIMEOUT=25"
  • または、特定のカーディナリティ値および特定の程度値を付加して特定のサーバーに存在するリソースの属性値を指定できます。この方法は特定のサーバーに何らかの方法で関連付けられるアプリケーションに役立ちます。-attrフラグの後の構文は次のとおりです。

    attribute_name{@SERVERNAME(server_name)
    [@DEGREEID(did)] | @CARDINALITYID(cid)
    [@DEGREEID(did)]}=attribute_value

    @SERVERNAME(server_name)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、指定したサーバーに存在するリソースに限定されます。

    または、@CARDINALITYID(cid)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、特定のカーディナリティID(cid)を持つリソース・インスタンスに限定されます。

    必要に応じて、@DEGREEID(did)構文をSERVERNAMEまたはCARDINALITYID構文のいずれか、または両方と組み合せて、特定のDEGREEが設定されているリソースに属性値を限定することができます。

    例:

    CHECK_INTERVAL@SERVERNAME(node1)=45
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@SERVERNAME(node1)@DEGREEID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(3)@DEGREEID(2)=65
-group group_name

評価対象のリソースが属するリソース・グループを指定します。

–f

強制パラメータを指定してコマンドを実行した場合に発生する事象を評価するには、このパラメータを指定します。

crsctl eval start resource

システムを変更せずに、リソースを起動した場合の影響を予測します。

構文

crsctl eval start resource {resource_name [...] | -w "filter"}
   [-n server_name] [-f]

パラメータ

表E-8 crsctl eval start resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...]

空白区切りの1つ以上の起動対象のリソース名を指定します。

-w "filter"

Oracle Clusterwareによってリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定します。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタを参照してください。

-n server_name

起動するリソースが存在するサーバーの名前を指定します。サーバーを指定しない場合、Oracle Clusterwareでは各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバー上のリソースが起動されます。

–f

起動するリソースが別のサーバーで実行中であり、そのサーバーに対するhard起動依存性が定義されている場合、-fパラメータを使用してそのリソースを再配置します。この場合には、強制パラメータを指定しないと、startコマンドは失敗します。

crsctl eval stop resource

システムを変更せずに、リソースを停止した場合の影響を予測します。

構文

crsctl eval stop resource {resource_name [...] | -w "filter"} [-f]

パラメータ

表E-9 crsctl eval stop resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...]

空白区切りの1つ以上の停止対象のリソース名を指定します。

-w "filter"

停止されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

関連項目: 「フィルタ」を参照してください。

–f

停止対象のリソースに依存している他のリソースが実行中である場合に停止対象のリソースを強制的に停止するには、-fパラメータを指定します。このパラメータを使用すると、依存リソースは再配置または停止されます。

crsctl getperm resource

指定されたリソースのユーザー権限とグループ権限を表示します。

構文

crsctl getperm resource resource_name [{-u user_name | -g group_name}]

パラメータ

表E-10 crsctl getperm resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

権限を取得するリソースの名前を指定します。

-u user_name

-uを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のユーザーの権限が取得されます。

-g group_name

-gを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のグループの権限が取得されます。

使用上のノート

  • resource_nameパラメータは必須です。

  • 指定したリソースの権限を取得するには、それらのリソースに対する読取り権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

関連項目:

リソースおよびリソース属性の詳細は、「Oracle Clusterwareのリソース・リファレンス」を参照してください。

crsctl getperm resourceコマンドでは、選択するコマンド・オプションに応じて次のような出力が戻されます。
$ crsctl getperm resource app.appvip

Name: app.appvip
owner:root:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--
$ crsctl getperm resource app.appvip -u oracle

Name: app.appvip
rwx
$ crsctl getperm resource app.appvip -g dba

Name: app.appvip
r--

crsctl modify resource

Oracle Clusterwareの特定のリソースの属性を変更します。

構文

crsctl modify resource resource_name -attr "attribute_name=attribute_value"
[-i] [-f] [-delete] [-group group_name]  [-env "env1=val1,env2=val2,..."]

パラメータ

表E-11 crsctl modify resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

変更するリソースの名前。

-attr "attribute_name= attribute_value"

変更するリソースの属性を2つの異なる方法で指定できます。

  • -attrフラグの後に、変更対象の1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば:

    -attr "CHECK_INTERVAL=30,START_TIMEOUT=25"

    いくつかの属性は複数の値を持つことができます。そのような場合は、空白で値を区切り、値のリストを一重引用符で囲みます。たとえば:

    -attr "HOSTING_MEMBERS='hostname1 hostname2',START_TIMEOUT=25"
  • または、特定のカーディナリティ値および特定の程度値を付加して特定のサーバーに存在するリソースの属性値を指定できます。この方法は特定のサーバーに何らかの方法で関連付けられるアプリケーションに役立ちます。-attrフラグの後の構文は次のとおりです。

    attribute_name{@SERVERNAME(server_name)
    [@DEGREEID(did)] | @CARDINALITYID(cid)
    [@DEGREEID(did)]}=attribute_value

    @SERVERNAME(server_name)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、指定したサーバーに存在するリソースに限定されます。

    または、@CARDINALITYID(cid)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、特定のカーディナリティID(cid)を持つリソース・インスタンスに限定されます。

    必要に応じて、@DEGREEID(did)構文をSERVERNAMEまたはCARDINALITYID構文のいずれか、または両方と組み合せて、特定のDEGREEが設定されているリソースに属性値を限定することができます。

    例:

    CHECK_INTERVAL@SERVERNAME(node1)=45
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@SERVERNAME(node1)@DEGREEID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(3)@DEGREEID(2)=65
-i

-iを指定すると、CRSCTLは、コマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、エラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

-fパラメータは次の場合に使用します。

  • 存在しないリソースへのhard依存性がリソースに設定されている場合

  • 1つ以上のhard依存性に対する実行権限がリソース所有者にない場合

  • 変更によってサーバーが汎用プールに移動され、サーバーの移動を完了するためにリソースが停止または再配置される場合

-delete

-deleteパラメータを使用すると、指定した属性がOracle Clusterwareによって削除されます。

-group group_name

リソースが属するリソース・グループを指定します。リソース・グループは存在する必要があり、リソースは他の明示的なリソース・グループのメンバーになることはできません。リソース・グループを指定しない場合、リソースは、CRSCTLによってそのリソースと同じ名前のリソース・グループに追加されます。

-env "env1=val1,env2=val2,..."

必要に応じて、このコマンドの1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

使用上のノート

  • resource_nameパラメータは必須です。

  • 属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。たとえば:

    "START_DEPENDENCIES='hard(res1,res2,res3)'"
  • 指定したリソースを変更するには、それらのリソースに対する読取りおよび書込み権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

appsvipリソースの属性を変更するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl modify resource appsvip -attr USR_ORA_VIP=10.1.220.17 -i

crsctl relocate resource

クラスタ内の別のサーバーにリソースを再配置します。

構文

crsctl relocate resource {resource_name [-k cid] | -all | -w "filter"} -s source_server |
  [-n destination_server] [-env "env1=val1,env2=val2,..."] [-i] [-f]

パラメータ

表E-12 crsctl relocate resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

再配置するリソースの名前を指定します。

-k cid

必要に応じて、リソースのカーディナリティIDを指定できます。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがCRSCTLによって再配置されます。

-all

または、このパラメータを使用して、再配置対象のすべてのリソースを指定できます。

-w "filter"

-kまたは-allを使用するかわりに、再配置されるリソースの数を制限するためにCRSCTLによって使用されるリソース・フィルタを指定できます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

関連項目: フィルタを参照してください。

-s source_server

リソースの再配置である特定のサーバーを指定します。

-n destination_server

リソースの再配置サーバーの名前を指定します。宛先サーバーを指定しない場合、CRSCTLによって、各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバーにリソースが再配置されます。

-env "env1=val1,env2=val2,..."

必要に応じて、このコマンドの1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

–f

再配置対象のリソースに依存している他のリソースが実行中である場合に再配置対象のリソースを強制的に再配置するには、-fパラメータを指定します。このパラメータを使用すると、CRSCTLによって、依存リソースは停止または再配置されます。

ノート: 1より大きいカーディナリティを持つリソースを再配置する場合、-kまたは-sのいずれかを使用して、再配置対象のリソース・インスタンスを絞り込む必要があります。

使用上のノート

  • 再配置対象のリソースを指定するには、次の3つの方法のいずれかを使用する必要があります。

    • 再配置対象の1つの特定のリソースを指定します。

    • または、特定のソース・サーバーから再配置する1つの特定のリソースまたはすべてのリソースを指定できます。

    • 3つ目の方法として、CRSCTLによって再配置対象のリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定できます。

  • リソースの程度IDが1より大きい場合、このリソースのすべてのインスタンスがCRSCTLによって再配置されます。

  • 指定したリソースを再配置するには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

あるサーバーから別のサーバーに1つの特定のリソースを再配置するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl relocate resource myResource1 -s node1 -n node3

crsctl restart resource

2つのコマンドを実行してリソースを停止および起動するかわりに、クラスタ内のアイドル・リソースを再起動します。

構文

crsctl restart resource {resource_name [...] | -w "filter"} [-k cid] [-d did]
   [-env "env1=val1,env2=val2,..."] [-i] [-f]

パラメータ

表E-13 crsctl restart resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...]

再起動する1つ以上のリソースの名前を空白区切りで指定します。

-w "filter"

Oracle Clusterwareによってリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定します。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタを参照してください。

-k cid

リソースのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって再起動されます。

-d did

リソースの程度IDを指定します。このパラメータに1より大きい程度IDを指定すると、この基準を満たすすべてのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって再起動されます。

ノート: -kパラメータを指定せずに-dパラメータを使用することはできません。

-env "env1=val1,env2=val2,..."

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

-i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

–f

再起動するリソースが別のサーバーで実行中で、そのサーバーに対するhard起動依存性が定義されている場合、-fパラメータを使用してそのリソースを再配置します。この場合には、強制パラメータを指定しないと、startコマンドは失敗します。

使用上のノート

  • 再起動対象のリソースを指定するには、次のいずれかの方法を使用する必要があります。

    • 再起動対象の1つ以上のリソースを名前で指定します

    • Oracle Clusterwareによって再起動対象のリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定します

  • 指定したリソースを再起動するには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースの再起動にはこのコマンドを使用しないでください

crsctl setperm resource

特定のリソースの権限を設定します。

構文

crsctl setperm resource resource_name {-u acl_string | -x acl_string |
-o user_name | -g group_name}

パラメータ

表E-14 crsctl setperm resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

権限を設定するリソースの名前を指定します。

-u | -x | -o | -g

リソースには次の権限のうち1つのみを設定できます。

  • -u acl_string: リソースのアクセス制御リスト(ACL)を更新できます。

  • -x acl_string: リソースのACLを削除できます。

  • -o user_name: ユーザー名を入力することによってリソースの所有者を変更できます。

  • -g group_name: グループ名を入力することによってリソースのプライマリ・グループを変更できます。

ユーザー、グループ、他のACL文字列は次のように指定します。

user:user_name[:readPermwritePermexecPerm] |
group:group_name[:readPermwritePermexecPerm] |
other[::readPermwritePermexecPerm]
  • user: ユーザーACL

  • group: グループACL

  • other: その他のACL

  • readPerm: リソースに対する読取り権限。文字rはユーザー、グループ、その他の読取り権限を付与し、マイナス記号(-)は読取り権限を付与しません。

  • writePerm: リソースに対する書込み権限。文字wはユーザー、グループ、その他の書込み権限を付与し、マイナス記号(-)は書込み権限を付与しません。

  • execPerm: リソースに対する実行権限。文字xはユーザー、グループ、その他の実行権限を付与し、マイナス記号(-)は実行権限を付与しません。

関連項目:

リソースおよびリソース属性の詳細は、「Oracle Clusterwareのリソース・リファレンス」を参照してください。

使用上のノート

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

  • 権限を設定するには、指定したリソースに対する読取りおよび書込み権限が必要です。

リソースに対する読取り、書込み、および実行権限をユーザーScottに付与するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl setperm resource myResource -u user:scott:rwx

crsctl start resource

クラスタ内の特定のサーバー上のアイドル・リソースを起動します。

構文

crsctl start resource {resource_name [...] | -w "filter" | -all}
   [-n server_name [-k cid] [-d did]
   [-env "env1=val1,env2=val2,..."] [-begin] [-end] [-i] [-f] [-l]

パラメータ

表E-15 crsctl start resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...]

起動する1つ以上のリソースの名前を空白区切りで指定します。

-w "filter"

Oracle Clusterwareによってリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定します。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタを参照してください。

–all

クラスタ内のすべてのリソースを起動するには、このパラメータを使用します。

-n server_name

起動するリソースが存在するサーバーの名前を指定します。サーバーを指定しない場合、Oracle Clusterwareでは各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバー上のリソースが起動されます。

-k cid

リソースのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって起動されます。

-d did

リソースの程度IDを指定します。このパラメータに1より大きい程度IDを指定すると、この基準を満たすすべてのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって起動されます。

ノート: -kパラメータを指定せずに-dパラメータを使用することはできません。

-env "env1=val1,env2=val2,..."

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

-begin

このパラメータを指定して、透過的HAアクションを開始できます。

-end

このパラメータを指定して、透過的HAアクションを終了できます。

–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

–f

起動するリソースが別のサーバーで実行中であり、そのサーバーに対するhard起動依存性が定義されている場合、-fパラメータを使用してそのリソースを再配置します。この場合には、強制パラメータを指定しないと、startコマンドは失敗します。

–l

startコマンドが失敗した場合は、-lパラメータを使用してリソースを元の状態のままにします。

使用上のノート

  • 起動対象のリソースを指定するには、次の3つの方法のいずれかを使用する必要があります。

    • 起動対象の1つ以上のリソースを指定します。

    • Oracle Clusterwareによって起動対象のリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定します。

    • -allパラメータを指定して、指定したサーバー上のすべてのリソースを起動できます。

  • 指定したリソースを起動するには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースの起動にはこのコマンドを使用しないでください

  • Oracleでは、Oracle Grid Infrastructure外部での管理対象アプリケーションの起動はサポートされていません

リソースを起動するには、次のコマンドを実行します。
# crsctl start resource myResource -n server1

crsctl status resource

任意の数の特定のリソースのステータスおよび構成情報を取得します。

構文

crsctl status resource resource_name [...] | -w "filter" [-p | -v] | [-f | -l
   | -g] [[-k cid | -n server_name] [ -e [-p | -v]] [-d did]] | [-s -k cid
   [-d did]] [-p [-attr attribute_name[,...] [-noname]]

リソースの状態を表形式で印刷するには、次のコマンドを実行します。

crsctl status resource resource_name [...] | -w "filter" -t

リソースの依存関係のリストを印刷するには、次のコマンドを実行します。

crsctl status resource [resource_name [...]] -dependency [-stop | -pullup]

パラメータ

表E-16 crsctl status resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...] | -w "filter"

ステータスのチェック対象である1つ以上のリソースの名前を空白区切りで指定します。

必要に応じて、表示されるリソースの数を制限するためにCRSCTLによって使用されるリソース・フィルタを指定できます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。値にカッコまたは空白が含まれる場合、一重引用符('')で囲む必要があります。演算子は空白で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを表示するように制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを表示するように制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを表示するように制限します。

  • "START_DEPENDENCIES='hard(appsvip)'": このフィルタはappsvipリソースに対するhard起動依存性を持つリソースを表示するように制限します。

関連項目: フィルタを参照してください。

[-p | -v] | [-f | -l | -g]
オプションで、次のパラメータを指定できます。
  • -pパラメータを指定してリソースの静的な構成を表示するか、または、-vパラメータを指定してリソースの実行時の構成を表示します。

  • リソースのすべての構成を表示する場合は-fパラメータを、リソースのすべてのカーディナル値および程度値を表示する場合は-lパラメータを、指定したリソースが登録されているかどうかをチェックする場合は-gパラメータを指定します。

[[-k cid | -n server_name] [ -e [-p | -v]] [-d did | [-s -k cid [-d did]]]
次の2つのオプションのいずれかを指定できます。
  • 問合せ対象のリソースのカーディナリティIDを指定する場合は-k cidを指定します。または、-nパラメータを指定して、リソースをチェックする特定のサーバーを指定できます。必要に応じて-nパラメータとともに-dパラメータを指定して、チェックするリソースの程度IDを指定できます。1より大きい程度IDを指定すると、この基準を満たすサーバー上のすべてのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによってチェックされます。

    リソース・インスタンスの特別な値を評価するには、-eパラメータを使用します。-eパラメータとともに-pまたは-vも指定する必要があります。

  • 再配置対象のサーバーのリストを取得する場合は、-kパラメータとともに-sパラメータを指定します。-dパラメータとともに程度IDを指定することによって、出力をさらに制限できます。

–t

表形式で出力を表示する場合は-tパラメータを指定します。

-p [-attr attribute_name[,...] [-noname]

特定の属性を出力するか、デフォルトであるリソース名の出力を省略する場合は、-pの後に、それぞれ、-attr (単一の属性名、またはカンマ区切りの属性名リストが続く)または-nonameを指定します。

-dependency [-stop | -pullup]

リソースの依存性を表示するには、-dependencyパラメータを指定します。-stopまたは-pullupオプションのいずれかを指定しなかった場合、CRSCTLではリソースの起動依存性が表示されます。

-dependencyパラメータでは次のいずれかのオプションを使用します。
  • リソースの停止依存性を表示するには、-stopパラメータを指定します。

  • リソースのプルアップ依存性を表示するには、-pullupパラメータを指定します。

使用上のノート

  • リソースの空白区切りのリストまたはリソース・フィルタのいずれかが必要です。

  • 指定したリソースのステータスを取得するには、それらのリソースに対する読取り権限が必要です。

  • クラスタにデプロイされている任意のリソースのステータス情報を問い合せるには、crsctl status resourceを使用します。ただし、Oracle(ora.*)リソースのステータス情報を問い合せる場合は、対応するSRVCTLコマンドを使用することをお薦めします。

crsctl status resourceコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl status resource ora.staii14.vip

NAME=ora.staii14.vip
TYPE=ora.cluster_vip_net1.type
TARGET=ONLINE
STATE=ONLINE on staii14

次の例では、ora.newdb.dbというリソースの起動依存性を表示します。

$ crsctl status resource ora.newdb.db -dependency ora.newdb.db(ora.database.type)

  ora.ACFS_DG1.dg(ora.diskgroup.type)[hard,pullup]
    ora.asm(ora.asm.type)[hard,pullup]
      ora.LISTENER.lsnr(ora.listener.type)[weak]
        type:ora.cluster_vip_net1.type[hard:type,pullup:type]
          ora.net1.network(ora.network.type)[hard,pullup]
  ora.dbhome_dg.dbhome_dg_v.acfs(ora.acfs.type)[hard,pullup]
    ora.asm(ora.asm.type)[pullup:always]

crsctl stop resource

実行中のリソースを停止します。

構文

crsctl stop resource {resource_name [...] | -w "filter" | -all} [-n server_name] [-k cid] [-d did] [-env "env1=val1,env2=val2,..."]
   [-begin | -end] [-i] [-f] [-l]

パラメータ

表E-17 crsctl stop resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...]

-wまたは-allを使用するかわりに、停止対象である1つ以上のリソース名を空白区切りで指定できます。

-w "filter"

リソース名を指定したり-allを使用するかわりに、停止するリソースの数を制限するためにCRSCTLによって使用される、リソース・フィルタを指定できます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

関連項目: フィルタを参照してください。

-all

リソース名を指定したり-wを使用するかわりに、このパラメータを使用して、クラスタ内のすべてのリソースを停止できます。

-n server_name

必要に応じて、停止するリソース・インスタンスが存在するサーバーの名前を指定できます。サーバーを指定しない場合、CRSCTLではリソースのすべてのインスタンスが停止されます。

-k cid

必要に応じて、リソースのカーディナリティIDを指定できます。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがCRSCTLによって停止されます。

-d did

リソースの程度IDを指定します。このパラメータに1より大きい程度IDを指定すると、この基準を満たすすべてのリソース・インスタンスがCRSCTLによって停止されます。

-env "env1=val1,env2=val2,..."

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

-begin | -end

必要に応じて、これらのパラメータのいずれかを指定して、透過的HAアクションの開始または終了をそれぞれ実行できます。

–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

–f

停止対象のリソースに依存している他のリソースが実行中である場合に停止対象のリソースを強制的に停止するには、-fパラメータを指定します。このパラメータを使用すると、依存リソースは再配置または停止されます。

–l

stopコマンドが失敗した場合は、-lパラメータを使用してリソースを元の状態のままにします。

使用上のノート

  • 停止対象のリソースを指定するには、次の3つの方法のいずれかを使用する必要があります。

    • 停止する1つ以上のリソースを名前で指定できます。

    • CRSCTLによって停止対象のリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定できます。

    • -allパラメータを指定して、特定のサーバー上のすべてのリソースを停止できます。

  • 指定したリソースを停止するには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

  • Oracleでは、Oracle Grid Infrastructure外部での管理対象アプリケーションの停止はサポートされていません

リソースを停止するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl stop resource -n node1 -k 2

crsctl add resourcegroup

リソース・グループ・タイプに基づいてリソース・グループを作成します。

このコマンドを使用して、リソースを追加できる空のリソース・グループを作成します。

構文

crsctl add resourcegroup group_name –type group_type
  [[-file file_path] | [-attr "attribute_name=
  attribute_value"]] [-f] [-i]

パラメータ

表E-18 crsctl add resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

リソース・グループの名前を指定します。

–type group_type

リソース・グループのグループ・タイプを指定します。

-file file_path | -attr "attribute_name=attribute_value[,...]"

リソース・グループを定義する属性のファイルまたはリストを指定します。

リソース・グループを定義する属性名/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。

-attrフラグの後に、1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。

–f

このパラメータを使用して、オンラインのリソース・グループを追加します。

–i

-iを指定すると、CRSCTLは、コマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、エラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

crsctl check resourcegroup

指定されたグループのすべてのメンバー・リソースに対するチェック操作を開始します。

構文

crsctl check resourcegroup {group_name [...] | -w "filter"}
  [-n server_name] [-k cid]

パラメータ

表E-19 crsctl check resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

チェックするリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定します。

-w "filter"

または、Oracle Clusterwareによってリソース・グループの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタの使用の詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-n server_name

必要に応じて、チェックするリソース・グループが存在するサーバーの名前を指定できます。

-k cid

必要に応じて、リソース・グループのカーディナリティIDを指定できます。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによってチェックされます。

crsctl delete resourcegroup

1つ以上のリソース・グループをOracle Clusterwareから削除します。

構文

crsctl delete resourcegroup {"group_name [...]" | -w "filter"} [-f] [-i]

パラメータ

表E-20 crsctl delete resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

削除対象の1つ以上のグループ名を指定します。複数のグループは空白で区切り、二重引用符("")で囲む必要があります。

-w "filter"

削除が評価されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

ノート: すべての演算子は空白で囲む必要があります。

関連項目: 演算子の詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-f

このパラメータを使用して、オンラインのリソース・グループを削除します。

-i

-iを指定すると、CRSCTLは、コマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、エラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

使用上のノート

  • グループ名(1つまたは複数)またはリソース・フィルタを指定する必要があります。

  • リソース・グループは、他のリソース・グループがそのリソース・グループに依存していない場合にのみ削除できます。

crsctl eval add resourcegroup

システムを変更せずに、リソース・グループを追加した場合の影響を予測します。

構文

crsctl eval add resourcegroup group_name -type group_type [-file file_path
   | -attr "attribute_name=attribute_value[,...]"] [-f]

パラメータ

表E-21 crsctl eval add resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

リソース・グループの名前を指定します。

-type group_type

リソース・グループのグループ・タイプを指定します。

-file file_path | -attr "attribute_name=attribute_value[,...]"

リソース・グループを定義する属性のファイルまたはリストを指定します。

リソース・グループを定義する属性名/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。

-attrフラグの後に、1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。

–f

このパラメータを使用して、オンラインのリソース・グループを追加します。

crsctl eval fail resourcegroup

リソース障害の結果を予測します。

構文

crsctl eval fail resourcegroup {group_name | -w filter} [-n server]
   [-env "attr=val[,...]"]

パラメータ

表E-22 crsctl eval fail resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

評価するリソース・グループの名前を指定します。

-w filter

特定のリソース・グループを指定するかわりに、CRSCTLによってリソース・グループの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-n server

必要に応じて、評価するリソース・グループが存在するサーバーの名前を指定できます。

-env "attr=val[,...]"

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・グループ・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

crsctl eval relocate resourcegroup

システムを変更せずに、リソース・グループを再配置した場合の影響を予測します。

構文

crsctl eval relocate resourcegroup {group_name | -all} -s server | -w filter}
   {-n server} [-f]

パラメータ

表E-23 crsctl eval relocate resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

評価対象のリソース・グループの名前を指定します。

-all

特定のリソース・グループを指定するかわりに、このパラメータを使用してすべてのリソース・グループの再配置を評価できます。

-s server

再配置するリソース・グループが存在するソース・サーバーの名前を指定します。このパラメータは必須です。

-w filter

特定のリソース・グループを指定するかわりに、CRSCTLによってリソース・グループの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。-sを使用しない場合、このパラメータは必須です。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-n server

リソース・グループの再配置先サーバーの名前を指定します。このパラメータは必須です。

–f

このパラメータを使用して、強制オプションを指定した場合の操作を評価します。

crsctl eval start resourcegroup

システムを変更せずに、リソース・グループを起動した場合の影響を予測します。

構文

crsctl eval start resourcegroup {group_name | -w filter} [-n server] [-f]

パラメータ

表E-24 crsctl eval start resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

評価するリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定します。このパラメータは必須です。

-w filter

または、CRSCTLによってリソース・グループの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。特定のリソース・グループを指定しない場合、このパラメータは必須です。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-n server

評価するリソース・グループが存在するサーバーの名前を指定します。

–f

起動対象のリソース・グループ内のいずれかのリソースでサーバーに対するhard起動依存性が定義されている場合、-fパラメータを使用してそのサーバー上のリソース・グループを評価します。

crsctl eval stop resourcegroup

システムを変更せずに、リソース・グループを停止した場合の影響を予測します。

構文

crsctl eval stop resourcegroup {group_name | -w filter} [-f]

パラメータ

表E-25 crsctl eval stop resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

停止するリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定します。

-w "filter"

リソース・グループを指定するかわりに、CRSCTLによってリソース・グループの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタの使用の詳細は、「フィルタ」を参照してください。

–f

リソース・グループ内の停止対象のいずれかのリソースが別のサーバーで実行中で、そのサーバーに対するhard停止依存性が定義されている場合、-fパラメータを使用してそのリソースを停止します。

crsctl export resourcegroup

リソース・グループおよびそのメンバー・リソースの詳細な情報および属性をスクリプト・ファイルにエクスポートします。

また、このコマンドは、リソース・グループ・タイプおよびメンバー・リソース・タイプの構成情報をエクスポートします。別のクラスタでスクリプト・ファイルを実行して、リソース・グループ構成をインポートできます。

構文

crsctl export resourcegroup [group_name [...]] –file file_name

パラメータ

表E-26 crsctl export resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

エクスポートするリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定します。

–file file_name

グループをインポートするために実行する出力スクリプト・ファイルの名前を指定します。

crsctl modify resourcegroup

リソース・グループを変更して、属性を追加するか、既存の属性の値を更新します。

構文

crsctl modify resourcegroup group_name -attr "attribute_name=
attribute_value"} [-i] [-f] [-delete]

パラメータ

表E-27 crsctl modify resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

変更するリソース・グループの名前を指定します。

-attr "attribute_name= attribute_value"

変更するリソース・グループの属性を次の2つの異なる方法で指定できます。

  • -attrフラグの後に、変更対象の1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば:

    -attr "CHECK_INTERVAL=30, START_TIMEOUT=25"

    いくつかの属性は複数の値を持つことができます。そのような場合は、空白で値を区切り、値のリストを一重引用符で囲みます。たとえば:

    -attr "HOSTING_MEMBERS='hostname1 hostname2',START_TIMEOUT=25"
  • または、特定のカーディナリティ値および特定の程度値を付加して特定のサーバーに存在するリソースの属性値を指定できます。この方法は特定のサーバーに何らかの方法で関連付けられるアプリケーションに役立ちます。-attrフラグの後の構文は次のとおりです。

    attribute_name{@SERVERNAME(server_name)
    [@DEGREEID(did)] | @CARDINALITYID(cid)
    [@DEGREEID(did)]}=attribute_value

    @SERVERNAME(server_name)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、指定したサーバーに存在するリソースに限定されます。

    または、@CARDINALITYID(cid)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、特定のカーディナリティID(cid)を持つリソース・インスタンスに限定されます。

    必要に応じて、@DEGREEID(did)構文をSERVERNAMEまたはCARDINALITYID構文のいずれか、または両方と組み合せて、特定のDEGREEが設定されているリソースに属性値を限定することができます。

    例:

    CHECK_INTERVAL@SERVERNAME(node1)=45
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@SERVERNAME(node1)@DEGREEID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(3)@DEGREEID(2)=65
–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソース・グループまたはその依存グループをロック解除するのを待機する必要がある場合、CRSCTLはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソース・グループまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

–f

-fパラメータは次の場合に使用します。

  • 存在しないリソースへのhard依存性がリソース・グループに設定されている場合

  • 1つ以上のhard依存性に対する実行権限がリソース・グループ所有者にない場合

  • 変更によってサーバーが汎用プールに移動され、サーバーの移動を完了するためにリソースが停止または再配置される場合

–delete

-deleteパラメータを使用すると、指定した属性がOracle Clusterwareによって削除されます。

使用上のノート

リソース・グループの名前を変更し、既存の属性を追加または変更できます。

crsctl relocate resourcegroup

オンライン・リソース・グループをソース・サーバーからターゲット・サーバーに再配置します。

このコマンドは、ソース・サーバー上の指定したリソース・グループをまず停止し、次にターゲット・サーバー上でそれらのグループを起動します。

構文

crsctl relocate resourcegroup {group_name [...] [-k cid] | -all | -w "filter"}
   [-env "attr=val[,...]"] [-f] [-i]

パラメータ

表E-28 crsctl relocate resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

再配置するリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定します。

-k cid

必要に応じて、リソース・グループのカーディナリティIDを指定できます。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがCRSCTLによって再配置されます。

-all

ソース・サーバー上のすべてのリソース・グループを再配置するには、このパラメータを指定します。

-w "filter"

CRSCTLによってリソースの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定します。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-s source_server_name

再配置するリソース・グループが存在するソース・サーバーの名前を指定します。このパラメータは必須です。

-n target_server_name

必要に応じて、リソース・グループの再配置先サーバーの名前を指定できます。ターゲット・サーバーを指定しない場合、CRSCTLによって、各リソース・グループの属性プロファイルに従い、最適なサーバーにリソース・グループが再配置されます。

-env "attr=val[,...]"

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・グループ・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

–f

このオプションを指定すると、指定したリソース・グループの再配置が強制されます。

–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

node1で実行中のすべてのリソース・グループをnode2に再配置するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl relocate resourcegroup resGrp1 -s node1 -n node2

crsctl restart resourcegroup

リソース・グループが現在存在するサーバー上で、それらのグループを再起動します。

構文

crsctl restart resourcegroup {group_name [...] | -w "filter"} [-k cid]
   [-env "env1=val1,env2=val2,..."] [-f] [-i]

パラメータ

表E-29 crsctl restart resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

再起動するリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定します。

-w "filter"

Oracle Clusterwareによってリソース・グループの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定します。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-k cid

リソース・グループのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって再起動されます。

-env "env1=val1,env2=val2,..."

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・グループ・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

–f

再起動するリソース・グループが存在するサーバー上でリソースが実行中で、別のリソースに対するhard起動依存性がそのサーバーに定義されている場合、-fパラメータを指定して、そのリソースを再起動します。この場合には、強制パラメータを指定しないと、startコマンドは失敗します。

–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

次のコマンドは、リソース・グループresGrp1を再起動します。

$ crsctl restart resourcegroup resGrp1

crsctl start resourcegroup

特定または事前構成済のサーバー上の1つ以上のリソース・グループを起動します。

CRSCTLは、hardまたはweak起動依存性が定義されているリソース・グループ、およびそのグループのすべての有効なメンバー・リソースを起動します。このコマンドは、CRSCTLが起動した各リソースおよびリソース・グループの進捗メッセージをレポートします。

構文

crsctl start resourcegroup {group_name [...] | -w "filter"] | -all}
  [-n server_name] [-k cid] [-env "attr=val[,..."]]
  [-f] [-i] [-l]

パラメータ

表E-30 crsctl start resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

起動するリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定します。

-w "filter"

CRSCTLによってリソースの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定します。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-all

クラスタ上のすべてのリソース・グループを起動するには、このパラメータを指定します。

-n server_name

起動するリソース・グループが存在するサーバーの名前を指定します。サーバーを指定しない場合、CRSCTLによって、各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバー上のリソースが起動されます。

-k cid

リソース・グループのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがCRSCTLによって起動されます。

-env "attr=val[,...]"

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・グループ・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

–f

起動対象のリソース・グループ内のいずれかのリソースでサーバーに対するhard起動依存性が定義されている場合、-fパラメータを使用してそのサーバー上のリソース・グループを起動します。この場合には、強制パラメータを指定しないと、startコマンドは失敗します。

–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

–l

startコマンドが失敗した場合は、-lパラメータを使用してリソース・グループを元の状態のままにします。

リソース・グループを起動するには:

$ crsctl start resourcegroup rg1

crsctl status resourcegroup

リソース・グループの状態を表示します。

構文

crsctl status resourcegroup [group_name [...] | -w "filter"]
   [-p [-attr "attribute_name=attribute_value" [-noname]] | -v [-attr
   "attribute_name=attribute_value"] [-noname]]] | [-f] [-l] [-g] | [[-k cid | 
   -n server_name] [-e [-p | -v]]] [-s -k cid] | -noauto]]

パラメータ

表E-31 crsctl status resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

問い合せるリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定します。リソース・グループ名またはフィルタを指定しない場合、CRSCTLによって、すべてのリソース・グループのステータスが表示されます。

-w "filter"

Oracle Clusterwareによってリソース・グループの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定します。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-p -attr "attribute_name=attribute_value" [-noname]  
-v [-attr "attribute_name=attribute_value"] [-noname]]

必要に応じて、このパラメータを指定して、特定のリソース・グループのすべてのメンバー・リソースのステータスを表示できます。

–f

必要に応じて、このパラメータを指定して、リソース・グループのすべての構成を表示できます。

-l  
-g  
-k cid

リソース・グループのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・グループのステータスがCRSCTLによって表示されます。

-n server_name  
–e

必要に応じて、このパラメータを指定して、automaticリソース・グループを除外できます。デフォルトでは、すべてのリソース・グループのステータスが表示されます。

-p | -v  
-s -k cid  
-noauto  

次のコマンドは、node1に存在するリソース・グループrg1のステータスを示します。

$ crsctl status resourcegroup rg1 -n node1

crsctl stop resourcegroup

オプションで指定した事前構成済のサーバー上の1つ以上のリソース・グループを停止します。

CRSCTLによって、リソース・グループのすべてのメンバー・リソースが停止されます。停止対象のリソース・グループに対する停止依存性が、別のリソース・グループで定義されている場合は、-fを使用する必要があります。

構文

crsctl stop resourcegroup {group_name [...] | -w "filter"] | -all}
  [-n server_name] [-k cid] [-env "attr=val[,...]"]
  [-f] [-i] [-l]

パラメータ

表E-32 crsctl stop resourcegroupコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_name

-wまたは-allを使用するかわりに、停止するリソース・グループを(複数のリソース・グループの場合は空白区切りのリストで)指定できます。

-w "filter"

リソース・グループ名を指定したり-allを使用するかわりに、CRSCTLによってリソース・グループの照合に使用されるリソース・グループ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば、-w "TYPE=ora.database.type"-w "NAME=cs1"とします。

関連項目: フィルタの使用の詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-all

リソース名を指定したり-wを使用するかわりに、このパラメータを指定して、クラスタ上のすべてのリソース・グループを停止できます。

-n server_name

停止するリソース・グループが存在するサーバーの名前を指定します。サーバーを指定しない場合、CRSCTLによって、各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバー上のリソースが停止されます。

-k cid

リソース・グループのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって停止されます。

-env "attr=val[,...]"

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・グループ・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

–f

リソース・グループ内の停止対象のいずれかのリソースが別のサーバーで実行中で、そのサーバーに対するhard停止依存性が定義されている場合、-fパラメータを使用してそのリソースを停止します。この場合には、強制パラメータを指定しないと、stopコマンドは失敗します。

–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

–l

stopコマンドが失敗した場合にリソース・グループが元の状態に保たれるようにするには、-lパラメータを使用します。

次のコマンドは、リソース・グループrg1を停止します。

$ crsctl stop resourcegroup rg1

crsctl add resourcegrouptype

新しいリソース・グループ・タイプをOracle Clusterwareに登録します。

複数のリソースで構成されるアプリケーションでは、リソース・グループ・タイプを定義して、個々のIDを取得し、新しいグループレベルの属性も作成することをお薦めします。

構文

crsctl add resourcegrouptype group_type_name –basetype base_group_type
  {-file file_path | -attr "attribute_name=attribute_value"} [-i]

パラメータ

表E-33 crsctl add resourcegrouptypeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_type_name

リソース・グループ・タイプの名前を指定します。

–basetype base_group_type

リソース・グループ・タイプのベース・グループ・タイプを指定します。

-file file_path | -attr "attribute_name=attribute_value"

リソース・グループ・タイプを定義する属性のファイルまたはリストを指定する必要があります。

リソース・グループ・タイプを定義する属性名/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。

-attrフラグの後に、1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。

-i

-iを指定すると、CRSCTLは、コマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、エラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

crsctl delete resourcegrouptype

1つ以上のリソース・グループ・タイプをOracle Clusterwareから削除します。

構文

crsctl delete resourcegrouptype {"group_type_name [...]" | -w "filter" [-i]

パラメータ

表E-34 crsctl delete resourcegrouptypeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
group_type_name

削除対象の1つ以上のグループ・タイプ名を指定します。複数のグループ・タイプは空白で区切り、二重引用符("")で囲む必要があります。

-w "filter"

削除が評価されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

ノート: すべての演算子は空白で囲む必要があります。

関連項目: 演算子の詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-i

-iを指定すると、CRSCTLは、コマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、エラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

crsctl modify resourcegrouptype

リソース・グループ・タイプを変更して、属性を追加するか、既存の属性の値を更新します。

構文

crsctl modify resourcegrouptype group_type_name -attr "attribute_name=attribute_value"

使用上のノート

リソース・グループ・タイプの名前を変更し、既存の属性を追加または変更できます。

crsctl get tracefileopts

特定のモジュールのトレース設定を戻します。

構文

crsctl get tracefileopts module_name

使用上のノート

トレース情報を取得するモジュールを次の中から1つ指定します。

  • mdns: マルチキャスト・ドメイン・ネーム・サーバー
  • gpnp: グリッド・プラグ・アンド・プレイ・サービス
  • css: クラスタ同期サービス
  • crf: クラスタ状態モニター
  • crs: クラスタ・レディ・サービス
  • evm: Event Manager
  • gipc: グリッド・プロセス間通信

crsctl set tracefileopts

特定のモジュールのトレース・パラメータを設定します。

構文

crsctl set tracefileopts module_name [-filesize file_size[K|k|M|m|G|g]]
   [-numsegments number_of_segments]

パラメータ

表E-35 crsctl set tracefileoptsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
module_name

トレース情報を設定するための次のモジュールをどれか1つ指定します。

  • mdns: マルチキャスト・ドメイン・ネーム・サーバー
  • gpnp: グリッド・プラグ・アンド・プレイ・サービス
  • css: クラスタ同期サービス
  • crf: クラスタ状態モニター
  • crs: クラスタ・レディ・サービス
  • evm: Event Manager
  • gipc: グリッド・プロセス間通信
-filesize file_size

単一トレース・ファイルのサイズをKB単位(K|k)、MB単位(M|m)またはGB単位(G|g)で指定します。

-numsegments number_of_segments

Oracle Clusterwareでトレース・ファイルをローテーションするために、より古いファイルをいくつ保存するかを指定します。

crsctl add type

Oracle Clusterwareのリソース・タイプを作成します。

構文

crsctl add type type_name -basetype base_type_name {-attr "ATTRIBUTE=attribute_name
 | -file file_path,TYPE={string | int} [,DEFAULT_VALUE=default_value][,FLAGS=typeFlags"} [-i]

パラメータ

表E-36 crsctl add typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
type_name

リソース・タイプの名前を、xxx.yyy.typeの形式で指定します。リソース・タイプの名前は一意である必要があり、リソース・タイプの登録後は変更できません。

-basetype base_type_name

ベースになる既存のタイプの名前。作成するリソース・タイプのベースになるリソース・タイプは、local_resourceまたはcluster_resourceのいずれかである必要があります。

-attr "ATTRIBUTE=attribute_name

-attr引数を使用してリソース・タイプ属性を指定できます。各タイプ属性定義には最大4つのタイプ属性キーワードを含めることができ、それらはここに示す順序で表示される必要があります。1つ以上のリソース・タイプ属性の説明をカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで入力します。属性のキーワードは次のとおりです。

  1. ATTRIBUTE: 属性の名前を指定します。名前では大/小文字が区別され、空白は使用できません。

  2. TYPE: 属性のタイプがintegerstringかを指定します。

  3. DEFAULT_VALUE: (オプション)属性が必須である場合、デフォルト値は不要です。必須でない属性の場合は、このリソース・タイプに基づいてリソースを作成する際にOracle Clusterwareによって使用されるデフォルト値を指定する必要があります。

  4. FLAGS: (オプション)次のタイプから1つ以上のタイプを指定し、縦線(|)で区切ります。

    CONFIG: このリソース・タイプのリソースを登録した後に、この属性を構成できます。

    READONLY: このリソース・タイプのリソースを登録した後は、この属性を変更できません。

    REQUIRED: このリソース・タイプに基づくリソースを作成するときには、この属性の名前および値を指定する必要があります。この属性は必須でないと指定した場合、Oracle Clusterwareではこの属性に指定されたデフォルト値が使用されます。

    HOTMOD: このタイプのリソースの属性値を変更した場合、変更はただちに適用され、リソースを再起動する必要があります。

複数の-attr引数を使用して、このリソース・タイプに複数の引数を定義することはできません。かわりに、-attrフラグの後の二重引用符の中に複数のタイプを指定できます。たとえば:

"ATTRIBUTE=FOO,TYPE=integer,DEFAULT_VALUE=0,
FLAGS=REQUIRED|HOTMOD,ATTRIBUTE=BAR,TYPE=string"

前述の例では、2つのタイプ属性(FOOおよびBAR)を定義しています。ATTRIBUTEキーワードを指定すると、前のタイプ属性(存在する場合)が終わり、新しいタイプ属性が始まります。

-file file_path

リソース・タイプを定義するリソース・タイプのキーワード/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。ファイルの内容の例は、次のとおりです。

ATTRIBUTE=FOO
TYPE=integer
DEFAULT_VALUE=0
FLAGS=REQUIRED
ATTRIBUTE=BAR
TYPE=string

ノート: キーワードは、ATTRIBUTETYPEDEFAULT_VALUEおよびFLAGSの順序である必要があります。ATTRIBUTEキーワードを指定すると、前のタイプ属性(存在する場合)が終わり、新しいタイプ属性が始まります。

前述の例では、2つのタイプ属性(FOOおよびBAR)を定義しています。

ノート: すべての演算子は空白で囲む必要があります。

関連項目: 演算子の詳細は、フィルタを参照してください。

–i

-iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

関連項目:

リソース・タイプの詳細は、Oracleクラスタウェアのリソース・タイプを参照してください。

使用上のノート

  • type_nameパラメータおよびbase_type_nameパラメータのどちらも必須です。

  • タイプ情報を含むファイルを指定するか、またはコマンドラインにタイプ情報を指定することができます。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

  • ベースとなるタイプに対する読取り権限が必要です。

demoActionScriptのリソース・タイプを作成するには、次のコマンドを実行します。
# crsctl add type test_type1 -basetype cluster_resource -attr
  "ATTRIBUTE=FOO,TYPE=integer,DEFAULT_VALUE=0"

crsctl delete type

Oracle Clusterwareの構成からリソース・タイプを削除します。

構文

crsctl delete type type_name [-i]

使用上のノート

  • type_nameパラメータは必須です。複数のタイプを空白で区切って指定できます。

  • -iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

2つのリソース・タイプを削除するには、そのリソース・タイプに対する書込み権限を持つユーザーとして次のコマンドを実行します。
$ crsctl delete type test_type1 test_type2

crsctl getperm type

特定のリソース・タイプの権限を取得します。

構文

crsctl getperm type resource_type  [-u user_name] | [-g group_name]

パラメータ

表E-37 crsctl getperm typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_type

権限を取得するリソース・タイプを指定します。

-u user_name

-uを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のユーザーの権限が取得されます。

-g group_name

-gを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のグループの権限が取得されます。

使用上のノート

  • resource_typeパラメータは必須です。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

関連項目:

リソース・タイプの詳細は、Oracleクラスタウェアのリソース・タイプを参照してください。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
$ crsctl getperm type app.appvip.type

Name: app.appvip.type
owner:root:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--

crsctl modify type

既存のリソース・タイプを変更します。

構文

crsctl modify type type_name -attr "ATTRIBUTE=attribute_name,TYPE={string | int}
  [,DEFAULT_VALUE=default_value [,FLAGS=[READONLY][| REQUIRED]]" [-i] [-f]]

パラメータ

表E-38 crsctl modify typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
type_name

変更するリソース・タイプの名前を指定します。複数のリソース・タイプの名前は変更できません。

–attr

次のリソース・タイプ・キーワードを変更できます。

  • TYPE

  • DEFAULT_VALUE

  • FLAGS

ノート: ATTRIBUTEキーワードは、指定する必要がありますが、変更することはできません

関連項目: これらのキーワードの詳細は、「crsctl add type」を参照してください

–i

-iパラメータを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

使用上のノート

  • type_nameパラメータは必須です。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

関連項目:

リソース・タイプの詳細は、Oracleクラスタウェアのリソース・タイプを参照してください。

次の例では、2つのタイプ属性(FOOおよびBAR)を変更します。
$ crsctl modify type myType.type -attr "ATTRIBUTE=FOO,DEFAULT_VALUE=0
ATTRIBUTE=BAR,DEFAULT_VALUE=baz"

crsctl setperm type

特定のリソース・タイプのリソースの権限を設定します。

構文

crsctl setperm type resource_type_name {-u acl_string | -x acl_string |
-o user_name | -g group_name}

パラメータ

表E-39 crsctl setperm typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_type_name

権限を設定するリソース・タイプの名前を指定します。

-u | -x | -o | -g

リソース・タイプには次のパラメータのうち1つのみを指定できます。

  • -u acl_string: リソース・タイプのアクセス制御リスト(ACL)を更新できます。

  • -x acl_string: リソース・タイプのACLを削除できます。

  • -o user_name: ユーザー名を入力することによってリソース・タイプの所有者を変更できます。

  • -g group_name: グループ名を入力することによってリソース・タイプのプライマリ・グループを変更できます。

ユーザー、グループ、他のACL文字列は次のように指定します。

user:user_name[:readPermwritePermexecPerm] |
group:group_name[:readPermwritePermexecPerm] |
other[::readPermwritePermexecPerm]
  • user: ユーザーACL

  • group: グループACL

  • other: その他のACL

  • readPerm: リソース・タイプに対する読取り権限。文字rはユーザー、グループ、その他の読取り権限を付与し、マイナス記号(-)は読取り権限を付与しません。

  • writePerm: リソース・タイプに対する書込み権限。文字wはユーザー、グループ、その他の書込み権限を付与し、マイナス記号(-)は書込み権限を付与しません。

  • execPerm: リソース・タイプに対する実行権限。文字xはユーザー、グループ、その他の実行権限を付与し、マイナス記号(-)は実行権限を付与しません。

使用上のノート

  • resource_type_nameパラメータは必須です。

  • 権限を設定するには、指定したリソースに対する読取りおよび書込み権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

リソース・タイプに対する読取り、書込み、および実行権限をユーザーScottに付与するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl setperm type resType -u user:scott:rwx

crsctl status type

1つ以上の特定のリソース・タイプの構成情報を取得します。

構文

crsctl status type [resource_type_name [...] | -w "filter"] [-g] [-p] [-f] [-r]

パラメータ

表E-40 crsctl status typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_type_name [...] | -w "filter"

ステータスのチェック対象である1つ以上のリソース・タイプ名を空白区切りで指定します。

または、CRSCTLによってリソース・タイプの照合に使用されるリソース・タイプ・フィルタを、二重引用符("")で囲んで指定できます。たとえば、-w "TYPE = ora.database.type"のようにします。

関連項目: フィルタを参照してください。

[-g] [-p] [-f] [-r]

CRSCTLで特定のリソース・タイプのステータスをチェックする場合のオプションとして、次のパラメータを指定できます。

  • -g: 指定したリソース・タイプが登録されているかどうかをチェックする場合にこのパラメータを使用します。

  • -p: 指定したリソース・タイプの静的な構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • -f: リソース・タイプのすべての構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • –r: すべてのベース・タイプを出力する場合にこのパラメータを使用します。

使用上のノート

resource_type_nameパラメータまたはフィルタは必須です。

crsctl status typeコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl status type ora.network.type

TYPE_NAME=ora.network.type
BASE_TYPE=ora.local_resource.type

Oracle RAC環境のCRSCTLコマンド

次のコマンドは、Oracle RAC環境でのみ使用できます。

この項に示すコマンドは、次のもので構成されるOracle RAC環境のOracle Clusterwareスタックを管理します。

  • Oracle Clusterwareおよびメンバー・ノード

  • Oracle ASM(インストールされている場合)

  • クラスタ同期サービス

crsctl request action

特定のリソースに対して特定のアクションを実行します。

構文

crsctl request action action_name {-r resource_name [...] | -w "filter"}
  [-env "env1=val1,env2=val2,..."] [-i]

パラメータ

表E-41 crsctl request actionコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
action_name

実行するアクションの名前を指定します。特定のリソースでサポートされているアクションは、そのリソースのACTIONSリソース属性に示されます。

-r resource_name [...]

特定のリソースを指定します。複数のリソース名は空白で区切る必要があります。

-w "filter"

リソース名を指定するかわりに、Oracle Clusterwareによってアクションが実行されるリソースの数を制限するために使用されるリソース・フィルタを指定できます。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • TYPE == cluster_resource: このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみでアクションを実行するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • CHECK_INTERVAL > 10: このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースのみのアクションを実行するように、Oracle Clusterwareを制限します。

  • (CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2): このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、リソースの名前に数字2が含まれるリソースのみでアクションを実行するように、Oracle Clusterwareを制限します。

関連項目: フィルタを参照してください。

-env "env1=val1,env2=val2,..."

必要に応じて、-envコマンド・パラメータを使用して、1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

–i

-iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

使用上のノート

action_nameはサポートされたアクションで、エージェントおよびACTIONSリソース属性の両方で定義されます。ユーザーには、このアクションを実行する権限が付与されている必要があります。権限は、ACTIONSリソース属性で設定できます。

特定のリソースのアプリケーション固有のエージェント内で指定されたアクションを開始するには:
$ crsctl request action action1 -r res1

crsctl add category

サーバー・カテゴリを追加します。

構文

crsctl add category category_name [-attr "attr_name=attr_value
   [,attr_name=attr_value[,...]]"] [-i]

パラメータ

表E-42 crsctl add categoryコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
category_name

追加するサーバー・カテゴリの名前を指定します。

-attr "attr_name=attr_value[,...]"

前に-attrフラグを付けて、追加するカテゴリ属性の名前/値ペアを指定します。

ノート: attr_nameおよびattr_valueパラメータは、二重引用符("")で囲み、名前と値の複数のペアをカンマで区切る必要があります。たとえば:

-attr "EXPRESSION='(CPU_COUNT > 2) AND (MEMORY_SIZE > 2048)'"

関連項目:

  • 演算子の詳細は、フィルタを参照してください。

–i

-iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

使用上のノート

属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。たとえば:
"START_DEPENDENCIES='hard(res1,res2,res3)'"

サーバー・カテゴリを追加するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl add category cat1 -attr "EXPRESSION='(CPU_COUNT > 2) AND (MEMORY_SIZE > 2048)'"

crsctl delete category

サーバー・カテゴリを削除します。

構文

crsctl delete category category_name [category_name [...]] [-i]

使用上のノート

  • 削除するサーバー・カテゴリの名前または空白区切りのサーバー・カテゴリのリストを指定します。

  • -iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

サーバー・カテゴリを削除するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl delete category blue_server -i

crsctl modify category

既存のサーバー・カテゴリを変更します。

構文

crsctl modify category category_name [-attr "attr_name=attr_value
   [,attr_name=attr_value[,...]]"] [-i] [-f]

パラメータ

表E-43 crsctl modify categoryコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
category_name

変更するサーバー・カテゴリの名前を指定します。

-attr "attr_name=attr_value[,...]"

前に-attrフラグを付けて、変更するカテゴリ属性の名前/値ペアを指定します。

ノート: attr_nameおよびattr_valueパラメータは、二重引用符("")で囲み、名前と値の複数のペアをカンマで区切る必要があります。たとえば:

"ACL='owner:st-cdc\cdctest:rwx,pgrp::---',
EXPRESSION='(SITE_NAME = west)'"

関連項目:

  • 演算子の詳細は、フィルタを参照してください。

–i

-iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

–f

操作を強制するには、このパラメータを使用します。

使用上のノート

属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。たとえば:
"START_DEPENDENCIESs=s'hard(res1,res2,res3)'"

サーバー・カテゴリを変更するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl modify category blue_server -attr  "EXPRESSION='(SITE_NAME = west)'"

crsctl status category

サーバー・カテゴリに関する情報を取得します。

構文

crsctl status category {category_name [category_name [...]] | [-w "filter" |
   -server server_name]}

パラメータ

表E-44 crsctl status categoryコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
category_name [...]

ステータスを取得するサーバー・カテゴリの名前またはサーバー・カテゴリの空白区切りリストを指定します。

-w "filter"

または、前に-wフラグを付けて、カテゴリ・フィルタを指定できます。

関連項目: フィルタを参照してください。

-server server_name

または、特定のサーバーを指定して、そのサーバーに一致するすべてのカテゴリを表示できます。

ASMを含むすべてのリソースを出力するには:
$ crsctl stat res -w "NAME co asm" -t
--------------------------------------------------------------------------------
Name   Target   State   Server            State details       
-------------------------------------------------------------------------------- 
Cluster Resources
--------------------------------------------------------------------------------
ora.asm(ora.asmgroup)
1      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm1   Started,STABLE
2      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm2   Started,STABLE
3      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm3   Started,STABLE 
ora.asmnet1.asmnetwork(ora.asmgroup)       
1      ONLINE  ONLINE    stbm000042-vm1   STABLE
2      ONLINE  ONLINE    stbm000042-vm2   STABLE
3      ONLINE  ONLINE    stbm000042-vm3   STABLE
--------------------------------------------------------------------------------
dbを含むすべてのリソースを出力するには:
$ crsctl stat res -w "NAME co db" -t
--------------------------------------------------------------------------------
Name   Target   State   Server             State details       
-------------------------------------------------------------------------------- 
Cluster Resources
--------------------------------------------------------------------------------
ora.cdb19.db
1      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm1    Open,HOME=/u01/app/oracle/product/19c/dbhome,STABLE
2      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm2    Open,HOME=/u01/app/oracle/product/19c/dbhome,STABLE
3      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm3    Open,HOME=/u01/app/oracle/product/19c/dbhome,STABLE
4      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm4    Open,HOME=/u01/app/oracle/product/19c/dbhome,STABLE
--------------------------------------------------------------------------------
dbを含み、その状態がONLINEであるすべてのリソースを出力するには:
crsctl stat res -w "(NAME en db) AND (STATE = ONLINE)" -t
--------------------------------------------------------------------------------
Name   Target   State   Server             State details       
--------------------------------------------------------------------------------
Cluster Resources
--------------------------------------------------------------------------------
ora.cdb19.db
1      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm1    Open,HOME=/u01/app/oracle/product/19c/dbhome,STABLE
2      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm2    Open,HOME=/u01/app/oracle/product/19c/dbhome,STABLE
3      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm3    Open,HOME=/u01/app/oracle/product/19c/dbhome,STABLE
4      ONLINE   ONLINE   stbm000042-vm4    Open,HOME=/u01/app/oracle/product/19c/dbhome,STABLE

crsctl check cluster

クラスタ内の任意のノードからOracle Clusterwareスタックのステータスをチェックします。

構文

crsctl check cluster [-all | [-n server_name [...]]

使用上のノート

  • -allパラメータを使用してクラスタ内のすべてのノードでOracle Clusterwareスタックのステータスをチェックするか、1つ以上のノードを空白区切りで指定できます。どちらのパラメータも指定しない場合、Oracle Clusterwareはローカル・サーバーのOracle Clusterwareスタックのステータスをチェックします。

  • クラスタ内の任意のノードでこのクラスタ対応コマンドを使用できます。

crsctl check clusterコマンドでは次のような出力が戻されます。
$ crsctl check cluster -all
*****************************************************************
node1:
CRS-4537: Cluster Ready Services is online
CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online
CRS-4533: Event Manager is online
*****************************************************************
node2:
CRS-4537: Cluster Ready Services is online
CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online
CRS-4533: Event Manager is online
*****************************************************************

crsctl start cluster

クラスタ内の任意のノードで実行されている場合に、Oracle Clusterwareスタックを起動します。

構文

crsctl start cluster [[-all] | [-n server [...]] | -w "filter"]

パラメータ

表E-45 crsctl start clusterコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-all

クラスタ内のすべてのサーバーでOracle Clusterwareスタックを起動するには、このパラメータを使用します。

-n server [...]

必要に応じて、クラスタ内の指定した1つ以上のサーバー(複数のサーバー名は空白で区切る)を指定するか、または-all-nも指定しない場合はローカル・サーバーを指定できます。

-w "filter"

必要に応じて、このパラメータを使用して、フィルタに一致するサーバーのみを起動できます。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

crsctl stop cluster

クラスタ内の任意のノードでコマンドを実行するときに、クラスタ内のすべてのサーバー上または特定のサーバー上のOracle Clusterwareスタックを停止します。

構文

crsctl stop cluster [[-all] | [-n server [...]] | -w "filter"] [-f]

パラメータ

表E-46 crsctl stop clusterコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-all

クラスタ内のすべてのサーバーでOracle Clusterwareスタックを起動するには、このパラメータを使用します。

-n server [...]

必要に応じて、クラスタ内の指定した1つ以上のサーバー(複数のサーバー名は空白で区切る)を指定するか、または-all-nも指定しない場合はローカル・サーバーを指定できます。

-w "filter"

必要に応じて、このパラメータを使用して、フィルタに一致するサーバーのみを停止できます。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

使用上のノート

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。
  • -allを指定しない場合、または空白区切りの1つ以上のサーバー名を指定しない場合、Oracle Clusterwareによってローカル・サーバーのOracle Clusterwareスタックが停止されます。

  • クラスタ内の任意のノードでこのクラスタ対応コマンドを使用できます。

  • このコマンドでは、Oracle Clusterwareスタックの停止試行中、Oracle Clusterwareによって管理されるリソースの正常な停止が試行されます。

    Oracle Clusterwareによって管理される任意のリソースが、crsctl stop clusterコマンドの実行後も実行されている場合、コマンドは失敗します。すべてのリソースを無条件で停止し、Oracle Clusterwareスタックを停止するには、-fパラメータを使用します。

  • すべてのノードまたはリストされたノードでOracle Clusterwareを停止する場合は、crsctl stop clusterコマンドを使用しますが、これは、このコマンドを使用すると、Oracle Clusterwareスタックが特定のサーバーで停止される前に特定のリソースがクラスタ内の他のサーバーに再配置されないためです。1つ以上のノードでOracle高可用性サービスを停止する必要がある場合は、crsctl stop clusterコマンドが完了するまで待機してから、必要に応じて、特定のノードでcrsctl stop crsコマンドを実行します。

特定のサーバー上のOracle Clusterwareスタックを停止するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl stop cluster -n node1

crsctl get cluster class

クラスタ・クラス情報を取得します。

構文

crsctl get cluster class

使用上のノート

このコマンドにパラメータはありません。

crsctl get cluster configuration

クラスタ構成情報を表示します。

構文

crsctl get cluster configuration

使用上のノート

このコマンドにパラメータはありません。

crsctl set cluster disabledtlsciphersuite

ノード間通信の保護に使用される、無効化された暗号スイートのリストとの間で、暗号スイートを追加または削除します。

構文

crsctl set cluster disabledtlsciphersuite add | delete cipher_suite_name

使用上のノート

addまたはdelete動詞を使用して必要な操作を実行し、追加または削除する暗号スイートの名前を指定します。

crsctl get cluster extended

クラスタが拡張クラスタであるかどうかを判別します。

構文

crsctl get cluster extended

使用上のノート

このコマンドにパラメータはありません。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

$ crsctl get cluster extended
CRS-XXXX: The cluster is 'EXTENDED'
$ crsctl get cluster extended
CRS-XXXX: The cluster is 'NOT EXTENDED'

crsctl get cluster mode

クラスタがOracle Flex Clusters用に構成されているかどうかを確認するか、現在のステータスを取得します。

構文

crsctl get cluster mode [config | status]

使用上のノート

  • クラスタが構成されているモードを取得するには、configオプションを指定します。

  • クラスタの現在のステータスを取得するには、statusオプションを指定します。

crsctl set cluster mode

標準クラスタをOracle Flex Clusterに変更します。

構文

crsctl set cluster mode flex

使用上のノート

このコマンドはflexパラメータのみを取り、これは必須です。

crsctl get cluster name

現在のクラスタ名を表示します。

構文

crsctl get cluster name

使用上のノート

このコマンドにパラメータはありません。

crsctl add cluster site

拡張クラスタにサイトを追加するには、crsctl add cluster siteコマンドを使用します。

構文

$ crsctl add cluster site site_name [-guid site_guid]

使用上のノート

  • 追加するサイトの名前を指定する必要があります。必要に応じて、サイトのGUIDを指定できます。

  • 拡張クラスタには最大5つのサイトを含めることができます。

  • 拡張されていないクラスタでこのコマンドを実行することはできません。

次のコマンド例では、SiteAというサイトを拡張クラスタに追加します。

$ crsctl add cluster site SiteA

crsctl delete cluster site

拡張クラスタから特定のサイトを削除するには、crsctl delete cluster siteコマンドを使用します。

構文

$ crsctl delete cluster site site_name

使用上のノート

  • 削除するサイトの名前を指定する必要があります。

  • 拡張されていないクラスタでこのコマンドを実行することはできません。

  • ノードやディスクを含むサイトは削除できません。サイトを削除する前に、ノードおよびディスクを削除する必要があります。

次のコマンドは、SiteAというサイトを拡張クラスタから削除します。

$ crsctl delete cluster site SiteA

crsctl modify cluster site

拡張クラスタ内のサイトの構成を変更します。

構文

crsctl modify cluster site site_name {–n node1, node2, ... | -s {rejuvenate | quarantine} | [-local]}

パラメータ

表E-47 crsctl modify cluster siteコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
site_name

変更するサイトの名前を指定します。

–n node1, node2, ...

Oracle Cluster Registry (OCR)でグローバル変更を実行する場合、および変更内容をすべてのノード上のOracle Local Registry (OLR)にもプッシュする場合は、このパラメータを指定します。

-s {rejuvenate | quarantine}

サイトの状態を指定します。

  • rejuvenate: 以前隔離したサイトを有効にするには、このオプションを使用します。

    記憶域の分割が検出された場合、サイトは通常、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMにより隔離されます。

  • quarantine: サイトを明示的に隔離する場合は、このオプションを使用します。Oracle Clusterwareは、隔離されたサイトではデータベース・インスタンスまたはOracle ASMを起動しません。記憶域の分割が発生した場合、Oracle Clusterwareはその状況を検出し、サイトを隔離ステータスに設定します。

-local

必要に応じて、このパラメータを指定して、ローカル・ノード上のOracle Local Registryにのみ変更を加えることができます。OCRを使用できない場合や、グローバル変更が実行されて停止した場合のユーザーのために、オラクル社では、このことを実行できる特定のスクリプト用に、コマンドを提供しています。

次のコマンド例では、node11というノードをSiteAに追加します。

$ crsctl modify cluster site SiteA –n node1, node2,node11

crsctl query cluster site

拡張クラスタ内のサイト情報を表示します。

構文

$ crsctl query cluster site {site_name | -all}

使用上のノート

  • 名前で特定のサイトを指定したり、-allを使用して拡張クラスタ内のすべてのサイトの情報を取得できます。

  • このコマンドは、サイトの名前、サイトGUID、サイトの状態、およびサイトのコンポーネントを返します。

  • このコマンドを実行するには、Oracle Clusterware技術スタックがアクティブで、起動している必要があります。

  • 拡張クラスタには最大5つのサイトを含めることができます。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

$ crsctl query cluster site –all
Site 'SiteA' identified by GUID '7b7b3bef4c1f5ff9ff8765bceb45433a' in state 'ONLINE' contains nodes 'node1,node2,node3', and disks 'disk1, disk2, disk3'.
Site 'SiteB' identified by GUID '23453bef4c1f5ff9ff8765bceb45433a' in state 'QUARANTINED' contains nodes 'node4, node5, node6', and disks 'disk4, disk5, disk6'.
Site 'SiteQ' identified by GUID '98763bef4c1f5ff9ff8765bceb45433a' in state 'ONLINE' contains no nodes and disk 'disk7'.
Site 'SiteD' identified by GUID '4abcd453c6bc6fc1ffd3a58849d5ba41' in state 'ONLINE' contains nodes 'cuj1234' and no disk.

crsctl get cluster tlsciphersuite

ノード間の通信を保護するためにトランスポート層セキュリティで使用される、使用可能な暗号スイートをリストします。

構文

crsctl get cluster tlsciphersuite [disabled|all]

使用上のノート

必要に応じて、disabledを指定して使用できない暗号スイートのみをリストするか、allを指定してすべての暗号スイートをリストできます。

crsctl get cluster type

クラスタがOracle Flex Clusterであるかアプリケーション・クラスタであるかを判別するには、crsctl get cluster typeコマンドを使用します。

構文

crsctl get cluster type

このコマンドは、flexまたはapplicationのいずれかのクラスタ・タイプを返します。

crsctl set cluster type

クラスタのタイプを設定します。

構文

crsctl Set cluster type flex | application

使用上のノート

設定するクラスタのタイプを選択するには、flexまたはapplicationを指定します。

crsctl get cpu equivalency

crsctl get cpu equivalencyコマンドは、CPU_EQUIVALENCYサーバー構成属性の値を取得します。

構文

crsctl get cpu equivalency

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

$ crsctl get cpu equivalency

CRS-4963: Current cpu equivalency parameter value is 1000

crsctl set cpu equivalency

crsctl set cpu equivalencyコマンドは、CPU_EQUIVALENCYサーバー構成属性の値を設定します。

構文

crsctl set cpu equivalency number

使用上のノート

このコマンドは、CPU_EQUIVALENCYサーバー構成属性を設定するための数値のみを取ります。

次の例では、CPU_EQUIVALENCYサーバー構成属性の値を2000に設定します。

$ crsctl set cpu equivalency 2000

CRS-4416: Server attribute 'CPU_EQUIVALENCY' successfully changed.
 Restart Oracle High Availability Services for new value to take effect.

crsctl get restricted placement

crsctl get restricted placementコマンドは、WORKLOAD_CPUサーバー構成属性を使用するリソースの配置ポリシーの値を取得します。

構文

crsctl get restricted placement

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

 $ crsctl get restricted placement
CRS-46857: Current restricted placement value (of PACK_FLAVOR attribute) is 'spread'

crsctl set restricted placement

crsctl set restricted placementコマンドは、WORKLOAD_CPUサーバー構成属性を使用するリソースの配置ポリシーの値を設定します。

構文

crsctl set restricted placement {fill|spread}

オプション

オプション 説明
fill WORKLOAD_CPUリソースの配置ポリシーをfillの値に設定します。
spread WORKLOAD_CPUリソースの配置ポリシーをspreadの値に設定します。

使用上のノート

fillまたはspreadのいずれかを指定して、WORKLOAD_CPU属性を使用するリソースの配置ポリシーの値を設定します。

次の例では、WORKLOAD_CPUを使用するリソースの配置ポリシーの値がfillに設定されます。

$ crsctl set restricted placement fill

crsctl check crs

ローカル・サーバー上のOracle High Availability ServicesとOracle Clusterwareスタックのステータスをチェックします。

構文

crsctl check crs

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4638: Oracle High Availablity Services is online
CRS-4537: Cluster Ready Services is onlin
CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online
CRS-4533: Event Manager is online

crsctl config crs

Oracle高可用性サービスの自動起動構成を表示します。

構文

crsctl config crs

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4622: Oracle High Availability Services autostart is enabled.

crsctl disable crs

サーバー起動時のOracle高可用性サービスの自動起動を禁止します。

構文

crsctl disable crs

使用上のノート

  • このコマンドはローカル・サーバーにのみ影響します。

  • Oracle高可用性サービスの自動起動を無効にしている場合にOracle高可用性サービスを起動するには、crsctl start crsコマンドを使用する必要があります。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4621: Oracle High Availability Services autostart is disabled.

crsctl enable crs

サーバー起動時のOracle高可用性サービスの自動起動を有効化します。

構文

crsctl enable crs

使用上のノート

このコマンドはローカル・サーバーにのみ影響します。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4622: Oracle High Availability Services autostart is enabled.

crsctl start crs

ローカル・サーバーでOracle高可用性サービスを起動します。

構文

crsctl start crs [-excl [-nocrs] [-cssonly]] | [-wait | -waithas | -nowait] | [-noautostart]

パラメータ

表E-48 crsctl start crsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-excl [-nocrs] [-cssonly]

次の2つのオプションを使用してOracle Clusterwareを排他モードで起動します。

  • CRSDを起動せずに排他モードでOracle Clusterwareを起動するには、-nocrsパラメータを指定します。

  • CSSDのみを起動するには-cssonlyパラメータを指定します。

ノート:

排他モードでOracle Clusterwareを実行しているときに、別のノードが実行中であることが検出された場合、排他モードは中断し、投票ファイルの整合性が維持されます。
-wait | -waithas | -nowait

次のいずれかを選択します。

  • 起動が完了するまで待機し、すべての進捗状況およびステータス・メッセージを表示するには、-waitを指定します。

  • 起動が完了するまで待機し、OHASDの進捗状況およびステータス・メッセージを表示するには-waithasを指定します。

  • OHASDの起動を待機しない場合は、-nowaitを指定します。

-noautostart

OHASDのみを起動します。

使用上のノート

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります

  • このコマンドによって起動されるのは、ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスのみです。

ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを起動するには、次のコマンドを実行します。
# crsctl start crs

crsctl stop crs

ローカル・サーバーでOracle高可用性サービスを停止します。

構文

crsctl stop crs [-f]

使用上のノート

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • このコマンドでは、ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスの停止試行中、Oracle Clusterwareによって管理されるリソースの正常な停止が試行されます。

    Oracle Clusterwareによって管理される任意のリソースが、crsctl stop crsコマンドの実行後も実行されている場合、コマンドは失敗します。すべてのリソースを無条件で停止し、ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを停止するには、-fパラメータを使用します。

  • すべてのノードまたはリストされたノードでOracle Clusterwareを停止する場合は、crsctl stop clusterコマンドを使用しますが、これは、このコマンドを使用すると、Oracle Clusterwareスタックが特定のサーバーで停止される前に特定のリソースがクラスタ内の他のサーバーに再配置されないためです。1つ以上のノードでOracle高可用性サービスを停止する必要がある場合は、crsctl stop clusterコマンドが完了するまで待機してから、必要に応じて、特定のノードでcrsctl stop crsコマンドを実行します。

  • Oracle Flex ASMが有効になっているOracle Clusterwareの標準クラスタ内で、Oracle ASMインスタンスがパラレルで実行されているすべてのノード上のOracle Clusterware技術スタックを停止しようとする場合は、その前に1つ以上のOracle ASMインスタンスを、Oracle ASMが実行されていない別のノードに再配置する必要があります。

  • CRSCTLでは、高可用性およびフェイルオーバー時間を改善するためにこのコマンドを実行する場合に、shutdown abort停止オプションを使用します。

  • crsctl stop crsを実行する前に、SRVCTLを使用してデータベースをシャットダウンした場合は、Oracle Clusterwareが起動した後、リソースを再起動する必要があります。

ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを停止するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl stop crs

crsctl query crs activeversion

クラスタ内で実行されているOracle Clusterwareソフトウェアのアクティブ・バージョンと構成済パッチ・レベルを表示します。

ただし、ローリング・アップグレード時は、クラスタ全体でアップグレードが終了するまでアクティブなバージョンは表示されず、その時点まで、クラスタはアップグレード前のバージョンで動作します。また、ローリング・パッチ適用時は、クラスタ全体でパッチ適用が終了するまでアクティブなパッチ・レベルは表示されず、その時点まで、クラスタはアップグレード前のパッチ・レベルで動作します。

構文

crsctl query crs activeversion [-f]

使用上のノート

また、-fパラメータを指定すると、このコマンドではクラスタ内の各構成済ノードのパッチ・レベルが出力されます。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
Oracle Clusterware active version on the cluster is [23.0.0.0.0]. The cluster
upgrade state is [NORMAL]. The cluster active patch level is [456789126].

状態

次の表に、crsctl query crs activeversion -fコマンドで表示されるOracle Clusterwareのアップグレード状態をリストし、説明します。

表E-49 Oracle Clusterwareのアップグレード状態の説明

状態 説明
NORMAL

Oracle Clusterwareのアップグレードが正常に完了し、クラスタで次のパッチ適用またはアップグレード・サイクルの準備ができました。

FORCED

アクセス可能なすべてのノードでOracle Clusterwareのアップグレードが強制的に完了しましたが、1つ以上のクラスタ・ノードにアクセスできませんでした。

アクセスできないクラスタ・ノードをアップグレードまたは削除して、アップグレード状態をFORCEDからNORMALに変更できます。

ROLLING PATCH

Oracle Clusterwareはローリング・パッチの途中です。

ROLLING UPGRADE

Oracle Clusterwareはローリング・アップグレードの途中です。

UPGRADE FINAL

Oracle Clusterwareのアップグレードおよびrootスクリプトの実行が正常に完了し、インストーラは最終的なアップグレード・ステップを実行しています。

FORCED UPGRADE FINAL

アクセス可能なすべてのノードでOracle Clusterwareのアップグレードおよびrootスクリプトの実行が正常に完了しましたが、1つ以上のクラスタ・ノードにアクセスできませんでした。インストーラは最終的なアップグレード・ステップを実行しています。

ROLLING PATCH DURING ROLLING UPGRADE

ローリング・アップグレードの途中でOracle Clusterwareにパッチが適用されています。

UPGRADE AV UPDATED

Oracle Clusterwareのアクティブ・バージョンが最新バージョンに更新され、rootスクリプトが最終アップグレード・ステップを実行しています。

FORCED UPGRADE AV UPDATED

Oracle Clusterwareアクティブ・バージョンは、アクセス可能なすべてのノードで強制的に最新バージョンに更新されましたが、1つ以上のノードにアクセスできませんでした。rootスクリプトは、最終アップグレード・ステップを実行しています。

crsctl set crs autostart

Oracle Clusterwareの自動リソース起動基準を設定します。

自動起動遅延および最小サーバー数の基準を設定すると、この2つの条件のいずれかが満たされるまでOracle Clusterwareリソースの自動起動は遅延します。

構文

crsctl set crs autostart [delay delay_time] [servercount count]

パラメータ

表E-50 crsctl set crs autostartコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
delay delay_time

Oracle Clusterwareの自動起動を遅らせる秒数を指定します。

servercount count

Oracle Clusterwareの自動起動に必要なサーバーの最小数を指定します。

クラスタ内の最初のサーバーがオンラインになった後、Oracle Clusterwareによるリソースの自動起動を60秒間遅らせるには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl set crs autostart delay 60
Oracle Clusterwareが2つ以上のサーバーがオンラインになるのを待機してから、リソースの自動起動を開始するようにするには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl set crs autostart servercount 2
前述の2つの条件のいずれかが満たされるまで(順不同) Oracle Clusterwareによるリソースの自動起動を遅らせるには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl set crs autostart delay 60 servercount 2

crsctl query crs autostart

Oracle Clusterwareの自動リソース起動基準の値を取得します。

構文

crsctl query crs autostart

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
'Autostart delay':       60
'Autostart servercount': 2

crsctl set crs drain

Oracle Clusterwareデータベース・サービスの排出属性を設定します。

構文

crsctl set crs drain {[enable {true|false}] [draintimeout drain_timeout_in_seconds] 
[maxdraintimeout maximum_drain_timeout_in_seconds]}

パラメータ

表E-51 crsctl set crs drainコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
enable {true|false}

データベース・サービスの排出が起動されたときにデータベース・インスタンスを排出して停止するかどうかを制御します。

draintimeout drain_timeout_in_seconds

データベース・インスタンスを停止する前に、使用するデフォルトの排出間隔を秒単位で指定します。

maxdraintimeout maximum_drain_timeout_in_seconds

サービス排出タイムアウトがより大きい値に構成されている場合でも、データベース・サービス排出で使用する最大タイムアウト間隔を指定します。

データベース・サービスの排出を有効にして、起動されたときにインスタンスを排出して停止し、排出タイムアウトを120秒に設定するには:
$ crsctl set crs drain enable true draintimeout 120
最大排出タイムアウトを150秒に設定して、クラスタ全体でこれより大きいサービス排出タイムアウト値をすべてオーバーライドするには:
$ crsctl set crs drain enable true maxdraintimeout 150

crsctl get crs drain

Oracle Clusterwareデータベース・サービスの排出属性の値を表示します。

構文

crsctl get crs drain

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
'Drain timeout':         120
'Maximum drain timeout': 150

crsctl query crs releasepatch

ノードへのパッチ適用時にGridホーム・パッチ・リポジトリ内で更新されたパッチ・レベルを表示します。

パッチ・レベルは、コマンドを実行するローカル・ノードのみに対応します。

構文

crsctl query crs releasepatch

このコマンドは、パッチが適用されていないノードについて、次のような出力を戻します。
Oracle Clusterware release patch level is [0] and no patches have been applied on the local node. The release 
patch string is [23.6.0.24.08].
このコマンドは、パッチが適用されているノードについて、次のような出力を戻します:
Oracle Clusterware release patch level is [2879017762] and the complete list of patches [36551085 36741532 
36744688 36748658 36749264] have been applied on the local node. The release patch string is [23.5.0.24.07].

crsctl query crs releaseversion

ローカル・ノード上のバイナリに格納されているOracle Clusterwareソフトウェアのバージョンを表示します。

構文

crsctl query crs releaseversion

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
Oracle High Availablity Services release version on the local node is [23.0.0.0.0]

crsctl query crs site

特定のホストまたはディスクが属するサイトを判別するには、crsctl query crs siteコマンドを使用します。

構文

crsctl query crs site {-n host_name | -d disk_name}

使用上のノート

  • ホスト名またはディスク名を指定する必要があります。

  • このコマンドを実行するには、Oracle Clusterware技術スタックがアクティブである必要があります。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

$ crsctl query crs site –n hostA
Host 'hostA' is a part of site 'SiteA'

crsctl query crs softwarepatch

インストールされたOracle Clusterwareの構成済パッチ・レベルを表示します。

構文

crsctl query crs softwarepatch [host_name]

使用上のノート

ホスト名を指定して、特定のホストにインストールされているOracle Grid Infrastructureのパッチ・レベルを表示することもできます。そうでない場合、CRSCTLではローカル・ホストにインストールされているOracle Grid Infrastructureのパッチ・レベルが表示されます。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
Oracle Clusterware patch level on node [node1] is [456789126]

crsctl query crs softwareversion

特定のノードで正常に起動したソフトウェアの最新バージョンを表示します。

構文

crsctl query crs softwareversion [node_name]

使用上のノート

ノード名を指定しない場合、Oracle Clusterwareではローカル・サーバーで実行中のOracle Clusterwareのバージョンが表示されます。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
Oracle Clusterware version on node [node1] is [23.0.0.0.0]

crsctl get css

特定のクラスタ同期サービス・パラメータの値を取得します。

構文

crsctl get css parameter

使用上のノート

  • クラスタ同期サービスのパラメータとそのデフォルト値は次のとおりです。

    clusterguid
    diagwait
    disktimeout (200 (seconds))
    misscount (30 (seconds))
    reboottime (3 (seconds))
    priority (4 (UNIX), 3 (Windows))
    logfilesize (50 (MB))
  • このコマンドはデフォルト値を表示しません。

  • このコマンドはローカル・サーバーにのみ影響します。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
$ crsctl get css disktimeout
CRS-4678: Successful get disktimeout 200 for Cluster Synchronization Services.

crsctl pin css

多数の特定ノードを固定します。

ノードの固定とは、ノード名とノード番号との関連付けを固定することです。固定されていないノードの場合、停止中にその期限が切れると、ノード番号が変更される可能性があります。固定されたノードの場合、期限切れになりません。

構文

crsctl pin css -n node_name [ node_name [...]]

使用上のノート

  • サーバーを空白区切りのリストで指定できます。

  • /etc/oratabエントリを更新するには、ノードを固定した後にOracle ASMを再起動する必要があります。

  • crsctl unpin cssを使用するとノードの固定が解除されます。

  • crsctl delete nodeコマンドを使用してノードを削除すると、ノードの固定も暗黙的に解除されます。

node2というノードを固定するには、次のコマンドを実行します。
# crsctl pin css -n node2

crsctl set css

クラスタ同期サービス・パラメータの値を設定します。

構文

crsctl set css parameter value

使用上のノート

  • My Oracle Supportから指示された場合を除き、crsctl set cssコマンド使用して次のパラメータを設定しないでください。

  • クラスタ同期サービスのパラメータは次のとおりです。

    diagwait
    disktimeout
    logfilesize
    misscount
    priority
    reboottime

crsctl unpin css

多数のサーバーの固定を解除します。

固定されていないノードの場合、停止中にその期限が切れると、ノード番号が変更される可能性があります。

構文

crsctl unpin css -n node_name [node_name [...exit]]

使用上のノート

  • ノードを空白区切りのリストで指定できます。

  • 1週間より長い期間停止していた固定解除済サーバーは、olsnodesではレポートされません。これらのサーバーはクラスタから動的に離れるため、ユーザーがクラスタから明示的に削除する必要はありません。

  • crsctl delete nodeコマンドを使用してノードを削除すると、ノードの固定も暗黙的に解除されます。

  • Oracle Clusterwareのアップグレード時にはすべてのサーバーが固定されますが、Oracle Clusterware 12c以降のリリースの新規インストール後は、クラスタに追加するすべてのサーバーの固定が解除されます。

  • 12cリリース1 (12.1)より前のOracle RACのインスタンスが存在するサーバーにOracle Clusterware 12c以降のリリースをインストール済の場合、そのサーバーの固定を解除することはできません

2つのノードの固定を解除するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl unpin css -n node1 node4

crsctl unset css

クラスタ同期サービス・パラメータの値を設定解除し、値をデフォルト値に戻します。

構文

crsctl unset css parameter

使用上のノート

  • 次のクラスタ同期サービスのパラメータを指定できます。

    • diagwait

    • disktimeout

    • misscount

    • reboottime

    • priority

    • logfilesize

クラスタ同期サービスのパラメータreboottimeをデフォルト値にリストアするには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl unset css reboottime

crsctl get ipmi binaryloc

ipmitoolまたはipmiutilバイナリの場所を取得します。

構文

get ipmi binaryloc

使用上のノート

各ノード上のipmitoolまたはipmiutilバイナリの場所を取得するには、このコマンドを実行します。値は、以前にset ipmi binaryloc コマンドで場所が設定されている場合にのみ返されます。

各ノード上のipmitoolまたはipmiutilバイナリの場所を取得するには、次のようにします。

crsctl get ipmi binaryloc

crsctl set ipmi binaryloc

ipmitoolまたはipmiutilバイナリの場所を設定します。

構文

set ipmi binaryloc binary_location

使用上のノート

各ノード上のipmitoolまたはipmiutilバイナリの場所を設定するには、このコマンドを実行します。

IPMI構成を変更するその他のCRSCTLコマンドを実行する前に、そのバイナリの場所が変更されているすべてのノードで、crsctl set ipmi binarylocコマンドを実行する必要があります。

各ノード上のipmitoolまたはipmiutilバイナリの場所を設定するには、次のようにします。


crsctl set ipmi binaryloc /usr/bin/ipmitool
crsctl set ipmi binaryloc /usr/bin/ipmiutil

crsctl get css ipmiaddr

Intelligent Platform Management Interface(IPMI)デバイスのOracle Local Registryに格納されているアドレスを取得します。

構文

crsctl get css ipmiaddr

使用上のノート

  • Oracle Clusterwareのインストールに使用されたユーザー・アカウントでコマンドを実行します。

  • このコマンドでは、Oracle Local Registryに格納されているIPアドレスのみが取得されます。これは、IPMIが実際に使用するIPアドレスではない場合があります。

    ローカル・サーバーで、rootとしてipmiutilまたはipmitoolを使用して、IPMIによって使用されているIPアドレスを取得します。

crsctl set css ipmiaddr

ローカルIntelligent Platform Management Interface(IPMI)デバイスのアドレスをOracle Local Registryに格納します。

構文

crsctl set css ipmiaddr ip_address

使用上のノート

  • Oracle Clusterwareのインストールに使用されたユーザー・アカウントでコマンドを実行します。

  • ローカル・サーバーで、rootとしてipmiutilまたはipmitoolを使用して、IPMIデバイスによって使用されるIPアドレスを取得します

  • Oracle ClusterwareによってIPMIのIPアドレスが構成ストアに格納され、必要に応じてアドレスが配布されます。

  • このコマンドでは、コマンドを実行したサーバーのIPMI IPアドレスのみが格納されます。

  • 指定したアドレスのIPMIに別のサーバーがアクセスできない場合、このコマンドは失敗します。

IPMI IPアドレスをローカル・サーバーに格納して他のクラスタ・ノードに配布するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl set css ipmiaddr 192.0.2.244

crsctl set css ipmiadmin

Intelligent Platform Management Interface(IPMI)管理者のログイン資格証明をOracle Local Registryに格納します。

構文

crsctl set css ipmiadmin ipmi_administrator_name

使用上のノート

  • このコマンドは、Oracle Clusterwareをインストールしたユーザー・アカウントで実行する必要があります。

  • プロンプトに従い、新しい管理者アカウントの名前と関連付ける新しいパスワードを指定します。Oracle ClusterwareによってローカルのIPMIの名前およびパスワードが構成ストアに格納され、必要に応じて新しい資格証明が配布されます。

  • このコマンドでは、このコマンドを実行したサーバーのIPMI管理者のみが変更されます。

  • 指定したアドレスのローカルIPMIに別のサーバーがアクセスできない場合、このコマンドは失敗します。

IPMI管理者scottを変更するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl set css ipmiadmin scott

crsctl query css ipmiconfig

ローカル・サーバー上のOracle Clusterwareが障害分離にIPMIを使用するよう構成されているかどうかを確認します。

このコマンドは構成データの存在を検出しますが、その正しさは検証できないことに注意してください。

構文

crsctl query css ipmiconfig

使用上のノート

  • このコマンドは、Oracle Cluster Registry (OCR)に格納されているIPMI構成を特定してアクセスしようとするため、Oracle Clusterwareのインストールに使用したアカウントで実行する必要があります。そうしないと、認可の失敗が報告される場合があります。

  • レジストリにIPMI構成データが含まれていない場合、別のアカウントで実行すると、認可の失敗にならない場合があります。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4236: Oracle Clusterware configured to use IPMI
または:
CRS-4237: Oracle Clusterware is not fully configured to use IPMI

crsctl unset css ipmiconfig

以前に格納されたIPMI構成(ログイン資格証明とIPアドレス)をOracle Local Registryからクリアします。

前提条件

このコマンドは、クラスタでIPMIを構成解除する場合、またはIPMI構成が不適切なユーザーによって以前に格納された場合に適しています。

構文

crsctl unset css ipmiconfig

使用上のノート

  • このコマンドは、IPMIを構成するときに使用したユーザー・アカウントまたは権限を持つユーザーで実行する必要があります。

  • このコマンドでは、このコマンドを実行したサーバーのIPMI構成のみがクリアされます。

  • Oracle Clusterwareが、このコマンドで削除する構成データにアクセスして使用できていた場合、Oracle Clusterwareを再起動するまで、引き続きアクセスおよび使用が可能です。

Oracle Local RegistryからIPMI構成データをクリアし、IPMIが今後使用されないようにOracle Clusterwareを再起動するには、rootまたはWindowsの管理者グループのメンバーとしてログインし、次のコマンドを実行します。
# crsctl unset css ipmiconfig
# crsctl stop crs
# crsctl start crs

crsctl query css ipmidevice

ローカル・システム上のIntelligent Platform Management Interface (IPMI)ドライバの存在を確認します。

構文

crsctl query css ipmidevice

使用上のノート

  • このコマンドは、IPMIインストール中に事前チェックを実行し、通常、インストーラによってのみ発行されます。

  • このコマンドでは形式的なチェックが実行されるため、成功リターンは、IPMIハードウェアの構成が完了しており使用できることを保証するものではありません。

  • このコマンドの実行に特別な権限は必要ありません。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4231: IPMI device and/or driver found
または:
CRS-4218: Unable to access an IPMI device on this system

crsctl get css noautorestart

クラスタ同期サービスの自動再起動が無効になっている原因となる問題をリストします。

構文

crsctl get css noautorestart

使用上のノート

  • このコマンドにパラメータはありません。

  • CRSCTLでは、次の3つの可能な値のいずれかを戻します。
    • all: どのような問題が発生しても自動再起動は無効になります。
    • interconnect: インターコネクトの問題が発生した場合、自動再起動は無効になります。
    • vf: 投票ファイルの問題が発生した場合、自動再起動が無効になります。

crsctl set css noautorestart

特定の問題が発生したとき、クラスタ同期サービスの自動再起動を停止します。

構文

crsctl set css noautorestart {all | interconnect | vf | none}

使用上のノート

次のいずれかの値を指定します。
  • all: どのような問題が発生したときも、自動再起動を無効化します。
  • interconnect: インターコネクトの問題が発生したとき、自動再起動を無効化します。
  • vf: 投票ファイルの問題が発生したとき、自動再起動を無効化します。
  • none: クラスタ同期サービスの自動再起動を有効化します。

crsctl add css votedisk

Oracle ASMディスク・グループ以外のストレージ・デバイス上のクラスタに1つ以上の投票ファイルを追加するには、crsctl add css votediskコマンドを使用します。

構文

crsctl add css votedisk vdisk [...] [-purge]

パラメータ

表E-52 crsctl add css votediskコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
vdisk [...]

追加する投票ファイルの完全修飾パスを指定します。複数の投票ファイルのパスを指定する場合は、空白区切りのリストを入力します。

-purge

既存のすべての投票ファイルを一度に削除するには、-purgeオプションを指定します。投票ファイルの既存のセットを1つの操作で置換できます。

使用上のノート

  • 外部冗長を提供するディスク・アレイなどのストレージ・デバイスを持たないかぎり、3つ以上の投票ファイルを使用する必要があります。投票ファイルは6つ以上使用しないことをお薦めします。サポートされる投票ファイルの最大数は15です。

投票ファイルをクラスタに追加するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl add css votedisk /stor/grid/ -purge

crsctl delete css votedisk

Oracle Clusterware構成から投票ファイルを削除します。

構文

crsctl delete css votedisk {voting_disk_GUID [...] | vdisk [...] | +diskgroup}

パラメータ

表E-53 crsctl delete css votediskコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
voting_disk_GUID [...]

削除対象の投票ファイルのファイル・ユニバーサル識別子(GUID)を指定します。複数のGUIDを指定する場合は、空白区切りのリストを入力します。

vdisk [...]

削除する投票ファイルのパスを指定できます。複数の投票ファイルのパスを指定する場合は、空白区切りのリストを入力します。

+diskgroup

削除する投票ファイルが含まれているOracle ASMディスク・グループの名前を指定できます。Oracle Clusterwareが排他モードの場合のみ、パラメータを使用できます。

使用上のノート

  • 削除する投票ファイルの1つ以上のGUID、または削除する投票ファイルの1つ以上のパス、または削除する投票ファイルを含むOracle ASMディスク・グループの名前を指定できます。

  • crsctl query css votediskコマンドを実行することによって、現在の各投票ファイルのGUIDを取得できます。

GUIDを使用して投票ファイルを削除するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl delete css votedisk 26f7271ca8b34fd0bfcdc2031805581e

crsctl query css votedisk

クラスタ同期サービスによって使用される投票ファイル、投票ファイルのステータス、ディスクの格納場所(Oracle ASMやその他の場所など)を表示します。

構文

crsctl query css votedisk

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
##  STATE    File Universal Id                File Name Disk group
--  -----    -----------------                --------- ---------
1. ONLINE   296641fd201f4f3fbf3452156d3b5881 (/ocfs2/host09_vd3) []
2. ONLINE   8c4a552bdd9a4fd9bf93e444223146f2 (/netapp/ocrvf/newvd) []
3. ONLINE   8afeee6ae3ed4fe6bfbb556996ca4da5 (/ocfs2/host09_vd1) []
Located 3 voting file(s).

crsctl discover dhcp

特定のポートのネットワーク上でDHCP検出パケットを送信します。DHCPサーバーがネットワークに存在すると、そのサーバーは検出メッセージに応答し、コマンドが成功します。

構文

crsctl discover dhcp -clientid clientid [-port port] [-subnet subnet]

パラメータ

表E-54 crsctl discover dhcpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-clientid clientid

検出したいクライアントIDを指定します。クライアントIDは、crsctl get clientid dhcpコマンドを実行して取得します。

-port port

CRSCTLが検出パケットを送信するポートを指定します。

-subnet subnet

必要に応じて、DHCP検出パケットが送信されるサブネットを指定できます。

使用上のノート

このコマンドは、rootで実行する必要があります。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

CRS-10009: DHCP server returned server: 192.168.53.232,
 loan address : 192.168.29.221/255.255.252.0, lease time: 43200

crsctl get clientid dhcp

DHCPサーバーから構成済クラスタ・リソースのIPアドレスを取得するためにOracle Clusterwareエージェントが使用するクライアントIDを表示します。VIPタイプは必須です。

構文

crsctl get clientid dhcp -cluname cluster_name -viptype vip_type
[-vip vip_res_name] [-n node_name]

パラメータ

表E-55 crsctl get clientid dhcpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-cluname cluster_name

クラスタ・リソースが構成されるクラスタの名前を指定します。

-viptype vip_type

クライアントIDを表示するVIPリソースのタイプ(HOSTVIPSCANVIPまたはAPPVIP)を指定します。

-vip vip_res_name

VIPリソースの名前を指定します。APPVIP VIPタイプを指定する場合、このパラメータは必須です。

-n node_name

クライアントIDを取得するノードの名前を指定します。HOSTVIP VIPタイプを指定する場合、このパラメータは必須です。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-10007: stmjk0462clr-stmjk01-vip

crsctl release dhcp

特定のクライアントIDにDHCPリースの解放リクエストを送信し、ネットワーク上の特定のポートに解放パケットを送信します。

構文

crsctl release dhcp -clientid clientid [-port port]

パラメータ

表E-56 crsctl release dhcpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-clientid clientid

解放したいクライアントIDを指定します。クライアントIDは、crsctl get clientidコマンドを実行して取得します。

-port port

CRSCTLが解放パケットを送信するポート。ポートを指定しないと、CRSCTLはデフォルト値の67を使用します。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-10012: released DHCP server lease for client ID stmjk0462clr-stmjk01-vip
on port 67

crsctl request dhcp

ネットワーク上の指定されたポートにDHCPリクエスト・パケットを送信します。

DHCPサーバーに提供可能なIPアドレスがある場合は、クライアントIDのIPアドレスで応答します。

構文

crsctl request dhcp -clientid clientid [-port port]

パラメータ

表E-57 crsctl request dhcpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-clientid clientid

要求したいクライアントIDを指定します。クライアントIDは、crsctl get clientidコマンドを実行して取得します。

-port port

必要に応じて、CRSCTLからのリクエスト・パケットの送信先となるポートを指定できます。ポートを指定しないと、CRSCTLはデフォルト値の67を使用します。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-10009: DHCP server returned server: 192.168.53.232,
loan address : 192.168.29.228/255.255.252.0, lease time: 43200

crsctl replace discoverystring

投票ファイルの場所を特定するために使用される検出文字列を置き換えます。

構文

crsctl replace discoverystring "absolute_path[,...]"

使用上のノート

  • 1つ以上の投票ファイルの場所に一致する絶対パスを、カンマ区切りで指定します。ワイルドカードを使用でき、パスのリストは、二重引用符("")で囲んで記述します。

  • このコマンドを実行するには、root、Oracle Grid Infrastructureインストール所有者または管理者グループのメンバーである必要があります。

  • クラスタ内の任意のノードでこのコマンドを実行できます。

  • 投票ファイルをOracle ASMディスク・グループに格納する場合は、検出文字列を変更できません。

現在の検出文字列が/oracle/css1/*だとします。/oracle/css2/ディレクトリの投票ファイルも使用するには、次のコマンドを使用して現在の検出文字列を置換します。
# crsctl replace discoverystring "/oracle/css1/*,/oracle/css2/*"

crsctl query dns

指定されたDNSサーバーの名前のDNS参照によって戻されるアドレスのリストを取得します。

構文

crsctl query dns -name name [-dnsserver DNS_server_address] [-type query_type]
[-port port] [-attempts number_of_attempts] [-timeout timeout_in_seconds] [-v]

パラメータ

表E-58 crsctl query dnsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-name name

問い合せる完全修飾ドメイン名を指定します。

-dnsserver DNS_server_address

必要に応じて、ドメイン名を問い合せるDNSサーバーのアドレスを指定できます。

-type query_type

必要に応じてIPv4またはIPv6を選択でき、選択するには、問合せタイプとしてAまたはAAAAをそれぞれ指定します。

-port port

必要に応じて、DNSサーバーがリスニングするポートを指定できます。ポートを指定しないと、デフォルトのポート53が使用されます。

-attempts number_of_attempts

必要に応じて、再試行の回数を指定できます。

-timeout timeout_in_seconds

必要に応じて、タイムアウトの時間(秒)を指定できます。

–v

冗長出力。

crsctl query dnsコマンドによって、stmjk07-vip.stmjk0462.example.comというDNSサーバーについて、次のような出力が戻されます。

CRS-10024: DNS server returned 192.168.29.250 for name
stmjk07-vip.stmjk0462.example.com

crsctl start ip

指定されたサブネット・マスクを使用して、指定されたインタフェース上で指定のIP名またはIPアドレスを起動します。

IPを開始するサーバーでこのコマンドを実行します。

構文

crsctl start ip -A {IP_name | IP_address}/netmask/interface_name

パラメータ

表E-59 crsctl start ipコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
IP_name | IP_address

前に-Aを付けて、ドメイン名またはIPアドレスを指定します。完全修飾ドメイン名を指定しないと、CRSCTLでは標準の名前検索が使用されます。

/netmask/interface_name

起動するIPのサブネット・マスクとインタフェース名を、スラッシュ(/)で区切って指定します。このペアの前にも、スラッシュを付ける必要があります。

ローカル・サーバーでIPを起動するには、次のようなコマンドを実行します。
$ crsctl start ip -A 192.168.29.220/255.255.252.0/eth0

crsctl status ip

指定のIPアドレスがネットワーク上で稼働しているかどうかをチェックします。

構文

crsctl status ip -A {IP_name | IP_address}

使用上のノート

前に–Aを付けて、ドメイン名またはIPアドレスを指定します。完全修飾ドメイン名を指定しないと、CRSCTLでは標準の名前検索が使用されます。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-10003: IP address 192.168.29.220 could be reached from current node

crsctl stop ip

指定されたサブネット・マスクを使用して、指定されたインタフェース上で指定のIP名またはIPアドレスを停止します。

このコマンドは、停止するIPが存在するサーバーで実行します。

構文

crsctl stop ip -A {IP_name | IP_address}/interface_name

パラメータ

表E-60 crsctl stop ipコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
IP_name | IP_address

前に-Aを付けて、ドメイン名またはIPアドレスを指定します。完全修飾ドメイン名を指定しないと、CRSCTLでは標準の名前検索が使用されます。

interface_name

IPを停止するインタフェースを指定します。

ローカル・サーバーでIPを停止するには、次のようなコマンドを実行します。
$ crsctl stop ip -A MyIP.example.com/eth0

crsctl lsmodules

デバッグ可能なモジュールのコンポーネントをリストします。

構文

crsctl lsmodules {mdns | gpnp | css | crf | crs | evm | gipc}

使用上のノート

次のいずれかのモジュールのコンポーネントのリストを取得できます。

  • mdns: マルチキャスト・ドメイン・ネーム・サーバー
  • gpnp: グリッド・プラグ・アンド・プレイ・サービス
  • css: クラスタ同期サービス
  • crf: クラスタ状態モニター
  • crs: クラスタ・レディ・サービス
  • evm: Event Manager
  • gipc: グリッド・プロセス間通信

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

$ crsctl lsmodules evm
List EVMD Debug Module: CLSVER
List EVMD Debug Module: CLUCLS
List EVMD Debug Module: COMMCRS
List EVMD Debug Module: COMMNS
List EVMD Debug Module: CRSOCR
List EVMD Debug Module: CSSCLNT
List EVMD Debug Module: EVMAGENT
List EVMD Debug Module: EVMAPP
...

crsctl delete node

クラスタからノードを削除します。

構文

crsctl delete node -n node_name [-purge]

使用上のノート

  • このコマンドを実行するには、rootである必要があります。

  • node_nameパラメータは必須です。

  • ノードを完全に削除し、そのノード番号を再利用するには、-purgeオプションを使用します。ただし、削除したノードを同じノード名と同じノード番号で追加しなおす場合は、-purgeオプションを使用しないでください。

クラスタからnode06というノードを削除するには、rootとして次のコマンドを実行します。
# crsctl delete node -n node06

crsctl check resource

特定のリソースのアプリケーション固有エージェント内でチェック・アクションを開始します。

リソース名に誤りがあるなど、何らかの理由でシステムがcheckリクエストを発行できない場合のみ、Oracle Clusterwareは出力を行います。

構文

crsctl check resource {resource_name [...] | -w "filter"} [-n node_name]
   [-k cardinality_id] [-d degree_id]

パラメータ

表E-61 crsctl check resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...]

特定のリソースを指定します。リソース名の空白区切りリストを入力することで、複数のリソースをチェックできます。

-w "filter"

チェックされるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみをチェックするようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースをチェックするようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースをチェックするようにOracle Clusterwareを制限します。

関連項目: フィルタを参照してください。

-n node_name

特定のノードのリソース・インスタンスをチェックします。-nパラメータを指定しない場合、Oracle Clusterwareではローカル・サーバーのみのリソース・インスタンスがチェックされます。

-k cardinality_id

リソースのカーディナリティIDを指定します。

-d degree_id

リソースの程度IDを指定します。

使用上のノート

  • 指定したリソースをチェックするには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

  • このコマンドの成功は、checkが発行されたということのみを意味します。CHECKアクションが完了したという意味ではありません。

特定のリソースのアプリケーション固有のエージェントでcheckアクションを開始するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl check resource appsvip

crsctl relocate resource

クラスタ内の別のサーバーにリソースを再配置します。

構文

crsctl relocate resource {resource_name [-k cid] | {resource_name | -all}
   -s source_server | -w "filter"} [-n destination_server] [-env "env1=val1,env2=val2,..."]
   [-i] [-f]

パラメータ

表E-62 crsctl relocate resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [-k cid]

再配置するリソースの名前を指定します。

オプションで、リソースのカーディナリティIDを指定することもできます。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって再配置されます。

resource_name | -all -s source_server

1つの特定リソースを指定するか、リソースの再配置として指定した特定のサーバー上に存在するすべてのリソースを指定できます。

-w "filter"

再配置されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定できます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

関連項目: フィルタを参照してください。

-n destination_server

リソースの再配置サーバーの名前を指定します。宛先サーバーを指定しない場合、Oracle Clusterwareでは各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバーにリソースが再配置されます。

-env "env1=val1,env2=val2,..."

必要に応じて、このコマンドの1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

–i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

–f

再配置対象のリソースに依存している他のリソースが実行中である場合に再配置対象のリソースを強制的に再配置するには、-fパラメータを指定します。このパラメータを使用すると、依存リソースは再配置または停止されます。

ノート: 1より大きいカーディナリティを持つリソースを再配置する場合、-kまたは-sのいずれかを使用して、再配置対象のリソース・インスタンスを絞り込む必要があります。

使用上のノート

  • 再配置対象のリソースを指定するには、次の3つの方法のいずれかを使用する必要があります。

    • 再配置対象の1つの特定のリソースを指定します。

    • または、特定のソース・サーバーから再配置する1つの特定のリソースまたはすべてのリソースを指定できます。

    • 3つ目の方法として、Oracle Clusterwareによって再配置対象のリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定します。

  • リソースの程度IDが1より大きい場合、このリソースのすべてのインスタンスがOracle Clusterwareによって再配置されます。

  • 指定したリソースを再配置するには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

あるサーバーから別のサーバーに1つの特定のリソースを再配置するには、次のコマンドを実行します。
# crsctl relocate resource myResource1 -s node1 -n node3

crsctl get resource use

RESOURCE_USE_ENABLEDサーバー構成パラメータの現在の設定値をチェックします。

構文

crsctl get resource use

使用上のノート

可能な値は1または0です。この属性の値が1の場合(デフォルト)、サーバーをリソースの配置に使用できます。値が0の場合、Oracle Clusterwareによってサーバー・ノードでのリソースの起動が禁止されます。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4966: Current resource use parameter value is 1

crsctl set resource use

このコマンドを実行するサーバーの、RESOURCE_USE_ENABLEDサーバー構成パラメータの値を設定します。

構文

crsctl set resource use [1 | 0]

使用上のノート

  • 可能な値は1または0です。この属性の値を1に設定すると(デフォルト)、サーバーをリソースの配置に使用できます。値を0に設定すると、Oracle Clusterwareによってサーバー・ノードでのリソースの起動が禁止されます。

  • このコマンドは、rootまたはクラスタ管理者として、またはWindowsシステムの場合、管理者として実行する必要があります。

RESOURCE_USE_ENABLEDサーバー構成パラメータの値を設定するには、次のコマンドを実行します。
# crsctl set resource use 1

crsctl start rollingpatch

Oracle ClusterwareおよびOracle ASMをローリング・パッチ・モードに移行します。

ノート:

crsctl start rollingpatchおよびcrsctl stop rollingpatchは、Oracleサポートの指示がないかぎり、直接実行しないでください。これらのコマンドは、各ノードでパッチ適用を編成するrootcrs.pl -prepatch/-postpatchの一部として起動されます。

このモードでは、ノード間で異なるパッチ・レベルが許可されます。

構文

crsctl start rollingpatch

使用上のノート

  • このコマンドでは、Oracle Clusterwareのローリング・パッチ状態とOracle ASMのクラスタ状態が問い合されます。いずれか一方がローリング・パッチ・モードでない場合は、適切な方法を使用してOracle ClusterwareまたはOracle ASMがローリング・パッチ・モードに移行されます。

  • このコマンドの実行時にOracle ClusterwareとOracle ASMが両方ともローリング・パッチ・モードの場合、このコマンドは何も行いません。

  • ローリング・パッチ・モードは永続的ではありません。クラスタ内のすべてのノードが停止して再起動すると、クラスタは再起動時にローリング・パッチ・モードを終了します。同様に、クラスタ内のすべてのノードでOracle Clusterwareが停止して再起動すると、ローリング・パッチ・モードは終了します。

  • このコマンドをOracle ASMクライアント・クラスタ内で発行した場合、Oracle ASMはローリング・パッチ・モードに移行されません。

crsctl stop rollingpatch

Oracle ClusterwareおよびOracle ASMをローリング・パッチ・モードから移行します。

ノート:

crsctl start rollingpatchおよびcrsctl stop rollingpatchは、Oracleサポートの指示がないかぎり、直接実行しないでください。これらのコマンドは、各ノードでパッチ適用を編成するrootcrs.pl -prepatch/-postpatchの一部として起動されます。

ローリング・パッチ・モードから移行すると、ノード間での異なるパッチ・レベルは許可されません。

構文

crsctl stop rollingpatch

使用上のノート

  • このコマンドでは、Oracle Clusterwareのローリング・パッチ状態とOracle ASMのクラスタ状態が問い合されます。いずれか一方がローリング・パッチ・モードの場合、適切な方法を使用してOracle ClusterwareまたはOracle ASMでローリング・パッチ・モードが終了されます。

  • このコマンドでは、クラスタ内のすべてのノードでパッチ・レベルが一貫していることが確認され、そうでない場合はエラーが戻されます。

  • このコマンドの発行時にOracle ClusterwareとOracle ASMが両方ともローリング・パッチ・モードでない場合、このコマンドは何も行いません。

  • このコマンドをOracle ASMクライアント・クラスタ内で発行した場合、Oracle ASMでローリング・パッチ・モードは終了されません。

crsctl start rollingupgrade

Oracle ClusterwareおよびOracle ASMをローリング・アップグレード・モードに移行します。

ノート:

このコマンドは、Oracleサポートの指示がないかぎり、直接呼び出さないでください。アップグレードの一部としてrootupgradeスクリプトによって起動されます。

構文

crsctl start rollingupgrade version

使用上のノート

  • このコマンドは、Oracle Clusterwareローリング・アップグレードの状態およびOracle ASMのクラスタ状態を問い合せます。いずれか一方がローリング・アップグレード・モードでない場合は、適切な方法を使用してOracle ClusterwareまたはOracle ASMがローリング・アップグレード・モードに移行されます。

  • このコマンドの実行時にOracle ClusterwareとOracle ASMが両方ともローリング・アップグレード・モードである場合、このコマンドは何も行いません。

  • このコマンドをOracle ASMクライアント・クラスタ内で実行した場合、Oracle ASMはローリング・アップグレード・モードに移行されません。

crsctl eval add server

システムを変更せずに、サーバーの追加をシミュレートします。

このコマンドはクラスタ管理者にとって役に立つ場合があります。

構文

crsctl eval add server server_name [-file file_path] | [-attr "attr_name=attr_value[,...]"]
    [-admin [-l level [-x] [-a]] [-explain]

パラメータ

表E-63 crsctl eval add serverコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_name

追加するサーバーの名前。

-file file_path

サーバー属性が含まれるファイルへの完全修飾されたパス。

-attr "attr_name=attr_value[,...]"

変更するサーバー属性の名前を指定できます。名前の前には-attrフラグを付け、名前の後にはサーバー属性の値を指定します。

ノート: attr_name=attr_valueの名前/値ペアは、カンマで区切って二重引用符("")で囲む必要があります。名前と値の複数のペアはカンマで区切ります。たとえば:
-attr "MAX_SIZE=30,IMPORTANCE=25"
-admin [-l level] [-x] [-a]

このパラメータを指定する場合、CRSCTLではクラスタ管理者用に出力が表示されます。

-lパラメータを指定する場合、次の出力レベルのいずれかを選択できます。

  • resources: サーバー・ノードで実行されているリソースに出力を制限します

  • all: 利用可能なすべての出力が表示されます

-xパラメータを指定する場合、CRSCTLでは差異が表示されます。

-aパラメータを指定する場合、CRSCTLではすべてのリソースが表示されます。

ノート: -l-x-aパラメータのいずれか、またはこの3つのなんらかの組合せを指定するには、-adminパラメータを指定する必要があります。

-explain 妥当なコマンドの評価情報を表示するには、このパラメータを指定します。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

$ crsctl eval add server scott_node5_0

Stage Group 1:
---------------------------------------------------------------------------
Stage   Required   Action
---------------------------------------------------------------------------
1       E  Looking for a suitable server pool for server 'scott_node5_0'.
        E  Scanning server pools with MIN_SIZE or more servers in
           descending order of IMPORTANCE.
        E  Considering server pools (IMPORTANCE): Free(0) for relocating
           servers.
        E  Relocating server 'scott_node5_0' to server pool 'Free'.
        Y  Server 'scott_node5_0' will be added to pools 'Free'.
---------------------------------------------------------------------------

crsctl eval delete server

システムを変更せずに、サーバーを削除した場合の影響を予測します。

このコマンドはクラスタ管理者にとって役に立つ場合があります。

構文

crsctl eval delete server server_name [-admin [-l level] [-x] [-a]] [-f] [-explain]

パラメータ

表E-64 crsctl eval delete serverコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_name

削除の前に評価するサーバーの名前を指定します。

-admin [-l level] [-x] [-a]

このパラメータを指定する場合、CRSCTLではクラスタ管理者用に出力が表示されます。

-lパラメータを指定する場合、次の出力レベルのいずれかを選択できます。

  • resources: サーバー・ノードで実行されているリソースに出力を制限します

  • all: 利用可能なすべての出力が表示されます

-xパラメータを指定する場合、CRSCTLでは差異が表示されます。

-aパラメータを指定する場合、CRSCTLではすべてのリソースが表示されます。

ノート: -l-x-aパラメータのいずれか、またはこの3つのなんらかの組合せを指定するには、-adminパラメータを指定する必要があります。

-explain

妥当なコマンドの評価情報を表示するには、このパラメータを指定します。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

$ crsctl eval delete server scott_node1_0 -explain

Stage Group 1:
---------------------------------------------------------------------------
Stage Number    Required              Action
---------------------------------------------------------------------------
1      Y   Resource 'cs1' (1/1) will be in state 'OFFLINE'.
       E   Server 'scott_node1_0' is removed from server pool 'sp1'.
       E   Server pool 'sp1' is below the MIN_SIZE value of 2 with 1
           servers.
       E   Looking at other server pools to see whether MIN_SIZE value 2 of
           server pool 'sp1' can be met.
       E   Scanning server pools with more than MIN_SIZE servers in
           ascending order of IMPORTANCE.
       E   Considering server pools (IMPORTANCE): sp2(4) for suitable
           servers.
       E   Considering server pool 'sp2' because its MIN_SIZE is 1 and it
           has 1 servers above MIN_SIZE.
       E   Relocating server 'scott_node1_2' to server pool 'sp1'.
       Y   Server 'scott_node1_2' will be moved from pool 'sp2' to pool
           'sp1'.
       Y   Server 'scott_node1_0' will be removed from pools 'sp1'.
       Y   Resource 'cs2' (1/1) will be in state 'OFFLINE'.
2      Y   Resource 'cs1' (1/1) will be in state 'ONLINE|INTERMEDIATE' on
           server 'scott_node1_2'.
---------------------------------------------------------------------------

crsctl modify server

特定のサーバーの構成を変更します。

構文

crsctl modify server server_name -attr "attr_name=attr_value[,...]"

パラメータ

表E-65 crsctl modify serverコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_name

変更するサーバーの名前を指定します。

-attr "attr_name=attr_value

変更するサーバー属性の名前を指定します。名前の前には-attrフラグを付け、名前の後にはサーバー属性の値を指定します。

ノート: attr_name=attr_valueの名前/値ペアは、カンマで区切って二重引用符("")で囲む必要があります。名前と値の複数のペアはカンマで区切ります。たとえば:

-attr "CHECK_INTERVAL=30,START_TIMEOUT=25"

使用上のノート

属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。たとえば:
"START_DEPENDENCIES='hard(res1,res2,res3)'"

特定のサーバーの構成を変更するには、次のようなコマンドを入力します。
$ crsctl modify server email_server_2 -attr  "WORKLOAD_VALUE=1"

crsctl status server

1つ以上の特定サーバーのステータスと構成情報を取得します。

構文

crsctl status server {server_name [...] | -w "filter"} [-g | -p | -v | -f] |
    [-category category_name | -w "filter"]

パラメータ

表E-66 crsctl status serverコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_name [...]

1つ以上のサーバー名を空白区切りで指定します。

-w "filter"

表示対象のサーバーを決定するフィルタを指定できます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。値にカッコまたは空白が含まれる場合、一重引用符('')で囲む必要があります。たとえば、"STATE = ONLINE"と指定すると、オンラインのサーバーのみが表示されます。

関連項目: フィルタを参照してください。

-g | -p | -v | -f

Oracle Clusterwareで特定のサーバーのステータスをチェックする場合には、次のパラメータのいずれかを指定できます。

  • -g: 指定したサーバーが登録されているかどうかをチェックする場合にこのパラメータを使用します。

  • -p: 指定したサーバーの静的な構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • -v: 指定したサーバーの実行時の構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • -f: 指定したサーバーのすべての構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

-category category_name

必要に応じて、ステータスを取得するサーバーのカテゴリを指定できます。

-w "filter"

表示対象のカテゴリを決定するフィルタを指定できます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。値にカッコまたは空白が含まれる場合、一重引用符('')で囲む必要があります。たとえば、"STATE = ONLINE"と指定すると、オンラインのサーバーのみが表示されます。

関連項目: フィルタを参照してください。

例E-7 例1

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

NAME=node1
STATE=ONLINE

NAME=node2
STATE=ONLINE

例E-8 例2

特定のサーバーの構成全体は次のようになります。

NAME=node2
MEMORY_SIZE=72626
CPU_COUNT=12
CPU_CLOCK_RATE=1711
CPU_HYPERTHREADING=0 
CPU_EQUIVALENCY=1000
DEPLOYMENT=other
RESOURCE_USE_ENABLED=1
SERVER_LABEL=
PHYSICAL_HOSTNAME=
STATE=ONLINE
ACTIVE_POOLS=ora.pool1
STATE_DETAILS=

crsctl get server css_critical

CSS_CRITICALサーバー属性の現在の構成済の値を取得します。

構文

crsctl get server css_critical

使用上のノート

このコマンドにパラメータはありません。

crsctl set server css_critical

CSS_CRITICALサーバー属性の構成値を設定します。

構文

crsctl set server css_critical {yes | no}

使用上のノート

サーバーをCSS_CRITICALとして設定するには、yesを選択します。

crsctl get server label

SERVER_LABELサーバー属性の現在の設定値をチェックします。

構文

crsctl get server label

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4972: Current SERVER_LABEL parameter value is HRserver

crsctl set server label

このコマンドを実行するサーバーのSERVER_LABELサーバー構成属性の構成値を設定します。

構文

crsctl set server label value

使用上のノート

  • サーバーの値を指定します。この値はbuilding_Aなどの物理的な場所や、HRserverなどのサーバーの識別情報などに影響を与える場合があります。

  • 変更内容を有効にするには、ノードでOracle Clusterware技術スタックを再起動する必要があります。

crsctl query socket udp

指定されたアドレスとポートでデーモンがリスニングできることを検証します。

構文

crsctl query socket udp [-address address] [-port port]

パラメータ

表E-67 crsctl query socket udpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-address address

ソケットを作成するIPアドレスを指定します。アドレスを指定しない場合、CRSCTLはデフォルトとしてローカル・ホストを想定します。

-port port

ソケットを作成するポートを指定します。ポート番号を指定しない場合、CRSCTLはデフォルトとして53を想定します。

使用上のノート

1024より小さいポート番号を確認するには、このコマンドをrootとして実行する必要があります。

コマンドは以下のような出力を返します。
$ crsctl query socket udp

CRS-10030: could not verify if port 53 on local node is in use

# crsctl query socket udp

CRS-10026: successfully created socket on port 53 on local node
前述の2つのコマンドのうち最初のコマンドはrootとして実行されておらず、いずれのコマンドでもポートが指定されていないため、CRSCTLは、デフォルトを53として想定しました(1024未満)。この条件では、コマンドをrootとして実行する必要があります。
$ crsctl query socket udp -port 1023

CRS-10030: could not verify if port 1023 on local node is in use

# crsctl query socket udp -port 1023

CRS-10026: successfully created socket on port 1023 on local node

最初の2つの例と同様に、前述の2つのコマンドのうち最初のコマンドはrootとして実行されておらず、ポート番号は指定されていますが1024未満のため、root権限でコマンドを実行する必要があります。

次の最後の例では、1024より大きいポート番号が指定されているため、コマンドをrootとして実行する必要はありません。
$ crsctl query socket udp -port 1028

CRS-10026: successfully created socket on port 1028 on local node

crsctl start testdns

指定されたIPアドレスとポートでリスニングするテストDNSサーバーを起動します。

テストDNSサーバーは、受信したパケットを表示しますが、受信パケットに応答することはありません。通常、このコマンドは、ドメイン転送がGNSドメイン用に正しく設定されていることを確認するために使用します。

構文

crsctl start testdns [-address address [-port port]] [-once] [-v]

パラメータ

表E-68 crsctl start testdnsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-address address

サーバー・アドレスをIP_address/netmask[/interface_name]の書式で指定します。

-port port

サーバーがリスニングするポート。ポートを指定しないと、デフォルトのポート53が使用されます。

–once

DNSサーバーが1つのDNS問合せパケットを受信した後に終了する必要がある場合、このパラメータを指定します。

–v

冗長出力。

ローカル・サーバーでテストDNSサーバーを起動するには、次のようなコマンドを実行します。
$ crsctl start testdns -address 192.168.29.218 -port 63 -v

crsctl status testdns

指定されたアドレスとローカル・ホスト名で実行されているテストDNSサーバーを問い合わせます。

構文

crsctl status testdns [-server DNS_server_address] [-port port] [-v]

パラメータ

表E-69 crsctl status testdnsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-server DNS_server_address

必要に応じて、ステータスを確認するDNSサーバーのアドレスを指定できます。

-port port

必要に応じて、DNSサーバーがリスニングするポートを指定できます。ポートを指定しないと、デフォルトのポート53が使用されます。

–v

冗長出力。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-10024: DNS server returned 192.168.28.74 for name
stmjk07-vip.stmjk0462.example.com

crsctl stop testdns

テストDNSサーバーを停止します。

構文

crsctl stop testdns [-address address] [-port port] [-v]

パラメータ

表E-70 crsctl stop testdnsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-address address

必要に応じて、テストDNSサーバーを起動したサーバー・アドレスを、IP_address/netmask[/interface_name]の形式で指定できます。

-port port

必要に応じて、DNSサーバーがリスニングするポートを指定できます。ポートを指定しないと、デフォルトのポート53が使用されます。

–v

冗長出力。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

CRS-10032: successfully stopped the DNS listening daemon running on port 53 on
local node

crsctl replace votedisk

既存の投票ファイルを移動または置換します。

このコマンドを使用すると、Oracle ASMであれ他の記憶域オプションであれ、指定した場所に投票ファイルが作成されます。Oracle Clusterwareによって既存の投票ファイル情報が新しい場所にコピーされ、以前の場所からその投票ファイルが削除されます。

構文

crsctl replace votedisk [+asm_disk_group | path_to_voting_disk [...]]

パラメータ

表E-71 crsctl replace votediskコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
+asm_disk_group

投票ファイルの配置先となるOracle ASMディスク・グループを(前にプラス記号(+)を付けて)指定します。

path_to_voting_disk [...]

Oracle ASMの外部に存在する投票ファイルのパスを空白区切りのリストで指定できます。

使用上のノート

  • このコマンドを実行するには、root、Oracle Grid Infrastructureインストール所有者または管理者グループのメンバーである必要があります。

  • 投票ファイルを置換する場合は、Oracle ASMディスク・グループや他のストレージ・デバイスに存在するものを指定します。

  • クラスタ内の任意のノードでこのコマンドを実行できます。

例E-9 例1

Oracle ASM内に配置されている投票ファイルを置換するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl replace votedisk +diskgroup1

例E-10 例2

共有ファイル・システムに配置されている投票ファイルを置換するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl replace votedisk /mnt/nfs/disk1 /mnt/nfs/disk2

crsctl add wallet

ユーザーを作成してウォレットに追加します。

構文

crsctl add wallet -type wallet_type [-name name] [-user user_name -passwd]

パラメータ

表E-72 crsctl add walletコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-type wallet_type

作成するウォレットのタイプ(OSUSERやCVUDBなど)を指定します。

  • OSUSER: このウォレット・タイプは、データベースでWindowsサービスを作成する際、またはWindowsサービスのパスワードを更新するために一般的にエージェントによって使用される、権限の低いWindowsユーザーのユーザー名とパスワードを格納します。

  • CVUDB: このウォレット・タイプは、CVUのヘルス・チェック・コンポーネントがデータベースに接続してデータベース・チェックを実行するために使用するデータベース・ユーザー名とパスワードを格納します。

-name name

APPQOSDBウォレットやCVUDBウォレットを作成するには、ウォレットの名前を指定する必要があります。

-user user_name -passwd

ウォレットに追加するユーザー名を指定して、標準入力からパスワードを指定します。OSUSERウォレットを作成するにはユーザー名が必要です。

使用上のノート

ウォレットはオプションです。

ウォレットを追加するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl add wallet -type OSUSER -user lp_oracle_home_user -passwd
前述の例で、lp_oracle_home_userは、ホームを所有する権限が低いOracleホーム・ユーザーです。

crsctl delete wallet

ウォレットまたはユーザーをウォレットから削除します。

構文

crsctl delete wallet -type wallet_type [-name name] [-user user_name]

パラメータ

表E-73 crsctl delete walletコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-type wallet_type
削除するウォレットのタイプ(OSUSERまたはCVUDBなど)。
  • OSUSER: このウォレット・タイプは、データベースでWindowsサービスを作成する際、またはWindowsサービスのパスワードを更新するために一般的にエージェントによって使用される、権限の低いWindowsユーザーのユーザー名とパスワードを格納します。

  • CVUDB: このウォレット・タイプは、CVUのヘルス・チェック・コンポーネントがデータベースに接続してデータベース・チェックを実行するために使用するデータベース・ユーザー名とパスワードを格納します。

-name name

APPQOSDBウォレットを削除するには、ウォレットの名前を指定する必要があります。

-user user_name

OSUSERウォレットからユーザーを削除するには、ユーザー名を指定する必要があります。

OSUSERウォレットからユーザーを削除するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl delete wallet -type OSUSER -user lp_oracle_home_user
前述の例で、lp_oracle_home_userは、データベースを作成したホームを所有する権限が低いOracleホーム・ユーザーです。また、ウォレットに他のユーザーが含まれている場合、コマンドを実行してもウォレットは削除されません。

crsctl modify wallet

特定のウォレット内の特定のユーザーのパスワードを変更します。

構文

crsctl modify wallet -type wallet_type [-name name] [-user user_name -passwd]

パラメータ

表E-74 crsctl modify walletコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-type wallet_type

作成するウォレットのタイプ(OSUSERやCVUDBなど)を指定します。

  • OSUSER: このウォレット・タイプは、データベースでWindowsサービスを作成する際、またはWindowsサービスのパスワードを更新するために一般的にエージェントによって使用される、権限の低いWindowsユーザーのユーザー名とパスワードを格納します。

  • CVUDB: このウォレット・タイプは、CVUのヘルス・チェック・コンポーネントがデータベースに接続してデータベース・チェックを実行するために使用するデータベース・ユーザー名とパスワードを格納します。

-name name

APPQOSDBウォレットを変更するには、ウォレット名を指定する必要があります。

-user user_name -passwd

パスワードを変更するユーザーの名前を指定する必要があります。標準入力からパスワードを変更します。

使用上のノート

このコマンドを使用してユーザー名を変更することはできません。

権限が低いOracleホーム・ユーザーのパスワードを変更するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl modify wallet -type OSUSER -user lp_oracle_home_user -passwd

crsctl query wallet

ウォレットから権限の低いユーザーを問い合わせます。

構文

crsctl query wallet -type wallet_type [-name name] [-user user_name] [-all]

パラメータ

表E-75 crsctl query walletコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-type wallet_type

問い合せるウォレットのタイプ(OSUSERまたはCVUDBなど)。

  • OSUSER: このウォレット・タイプは、データベースでWindowsサービスを作成する際、またはWindowsサービスのパスワードを更新するために一般的にエージェントによって使用される、権限の低いWindowsユーザーのユーザー名とパスワードを格納します。

  • CVUDB: このウォレット・タイプは、CVUのヘルス・チェック・コンポーネントがデータベースに接続してデータベース・チェックを実行するために使用するデータベース・ユーザー名とパスワードを格納します。

-name name

APPQOSDBウォレットを問い合せるには、ウォレットの名前を指定する必要があります。

-user user_name

OSUSERウォレットのユーザーを問い合せるには、ユーザー名を指定する必要があります。

–all

-allを指定すると、特定のウォレットのすべてのユーザーが表示されます。

OSUSERウォレット内のすべてのユーザーを表示するには、次のコマンドを実行します。
$ crsctl query wallet -type OSUSER -all

Oracle Restart環境のCRSCTLコマンド

次のコマンドは、Oracle Restart環境でのみ使用できます。

この項に示すコマンドは、Oracle高可用性サービスを制御します。これらのコマンドは、Oracle高可用性サービス・デーモン(ohasd)、Oracle ASM(インストールされている場合)およびクラスタ同期サービス(Oracle ASMがインストールされている場合)で構成される、Oracle Restart環境のOracle高可用性サービス・スタックを管理します。これらのコマンドは、コマンドを実行するローカル・サーバーにのみ影響します。

ノート:

Oracleでは、Oracle Restart環境でのcrs_*コマンドの使用はサポートされていません。

クラスタ内の各サーバーの状態は、次の2つのいずれかです。

  • スタック全体が起動している状態。Oracle高可用性サービスがアクティブであることを意味します。

  • スタック全体が停止している状態。Oracle高可用性サービスが非アクティブであることを意味します。

crsctl check has

ohasdのステータスをチェックします。

構文

crsctl check has

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4638: Oracle High Availability Services is online

crsctl config has

サーバー上のOracle高可用性サービス・スタックの自動起動構成を表示します。

構文

crsctl config has

使用上のノート

このコマンドにパラメータはありません。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。

CRS-4622 Oracle High Availability Services autostart is enabled.

crsctl disable has

サーバー起動時のOracle高可用性サービス・スタックの自動起動を無効化します。

構文

crsctl disable has

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4621 Oracle High Availability Services autostart is disabled.

crsctl enable has

サーバー起動時のOracle高可用性サービス・スタックの自動起動を有効化します。

構文

crsctl enable has

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
CRS-4622 Oracle High Availability Services autostart is enabled.

crsctl query has releaseversion

ローカル・ノード上のバイナリに格納されているOracle Clusterwareソフトウェアのリリース・バージョンを表示します。

構文

crsctl query has releaseversion

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
Oracle High Availability Services release version on the local node is [23.0.0.0.0]

crsctl query has softwareversion

ローカル・ノード上のソフトウェア・バージョンを表示します。

構文

crsctl query has softwareversion [server_name]

使用上のノート

サーバー名を指定しない場合、Oracle Clusterwareではローカル・サーバーで実行中のOracle Clusterwareのバージョンが表示されます。

このコマンドによって、次のような出力が返されます。
Oracle High Availability Services version on the local node is [23.0.0.0.0]

crsctl start has

ローカル・サーバーでOracle高可用性サービスを起動します。

構文

crsctl start has [-nowait] [-noautostart] [-wait]

使用上のノート

  • -nowaitパラメータを使用して、Oracle高可用性サービスの起動の待機をスキップします。
  • Oracle高可用性サービスのみを開始するには、-noautorestartパラメータを使用します。
  • -waitパラメータを使用して、Oracle高可用性サービスの起動の待機します。

ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを起動するには、次のコマンドを実行します。
# crsctl start has

crsctl stop has

ローカル・サーバーでOracle高可用性サービスを停止します。

このコマンドでは、Oracle高可用性サービスの停止試行中、Oracle Clusterwareによって管理されるリソースの正常な停止が試行されます。

構文

crsctl stop has [-f]

使用上のノート

Oracle Clusterwareによって管理される任意のリソースが、crsctl stop hasコマンドの実行後も実行されている場合、コマンドは失敗します。すべてのリソースを無条件で停止し、Oracle高可用性サービスを停止するには、-fパラメータを使用します。

ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを停止するには、次のコマンドを実行します。
# crsctl stop has

トラブルシューティングおよび診断出力

rootユーザーとしてcrsctl set logコマンドを使用して、クラスタ・レディ・サービス(CRS)、クラスタ同期サービス(CSS)、イベント・マネージャ(EVM)およびクラスタウェア・サブコンポーネントの動的デバッグを有効にできます。

crsctl debugコマンドを使用して、デバッグ・レベルを動的に変更できます。デバッグ情報は、次回の起動で使用するために、Oracle Cluster Registry(OCR)に保存されます。リソースのデバッグを有効にすることもできます。

crsctl set logを使用した動的デバッグ

Oracle Clusterwareのログ・レベルを設定します。

構文

crsctl set log module_name "component1=level1,..."

使用上のノート

  • 次のモジュールの様々なコンポーネントにログ・レベルを設定できます。

    • mdns: マルチキャスト・ドメイン・ネーム・サーバー
    • gpnp: グリッド・プラグ・アンド・プレイ・サービス
    • css: クラスタ同期サービス
    • crf: クラスタ状態モニター
    • crs: クラスタ・レディ・サービス
    • evm: Event Manager
    • gipc: グリッド・プロセス間通信

    各モジュールのコンポーネントのリストを取得するには、crsctl lsmodulesコマンドを使用します。

  • 二重引用符("")で囲まれたコンポーネント名/ログ・レベルの複数のペアをカンマ区切りリストで指定できます。

  • Oracle Clusterware 11g リリース2 (11.2.0.3)以上では、コンポーネント名/ログ・レベルのペアは等号(=)で分割します。以前のバージョンのOracle Clusterwareでは、コロン(:)が使用されていました。

  • log_levelは、コンポーネントまたはリソースのログ・レベルを設定する1から5までの番号です。1は最小ログ出力、5は最も詳細なログ出力を表します。デフォルトのログ・レベルは2です。

CRSモジュールのCRSRTIコンポーネントおよびCRSCOMMコンポーネントのログ・レベルを設定するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl set log crs "CRSRTI=1,CRSCOMM=2"

コンポーネント・レベルのデバッグ

rootユーザーとしてcrsctl set logおよびcrsctl set traceコマンドを使用して、様々なOracle Clusterwareモジュールの動的デバッグを有効にできます。

Oracle Clusterwareモジュールのデバッグの有効化

環境変数を設定するか、crsctl set logコマンドを実行して、Oracle Clusterwareモジュールとそれらのコンポーネント、およびリソースのデバッグを有効にできます。

様々なOracle Clusterwareモジュールのデバッグを有効にするには、次の構文を使用します。

crsctl set {log | trace} module_name "component:debugging_level[,...]"

crsctl setコマンドをrootユーザーとして実行し、次の情報を指定します。

  • module_name: 次のいずれかのモジュールの名前を指定します。

    • mdns: マルチキャスト・ドメイン・ネーム・サーバー
    • gpnp: グリッド・プラグ・アンド・プレイ・サービス
    • css: クラスタ同期サービス
    • crf: クラスタ状態モニター
    • crs: クラスタ・レディ・サービス
    • evm: Event Manager
    • gipc: グリッド・プロセス間通信
  • component: 次のいずれかのモジュールのコンポーネントの名前を指定します。すべてのコンポーネントのリストについては、表E-76を参照してください。

  • debugging_level: デバッグ・コマンドで戻す詳細レベルを、1から5までの番号で指定します。1は最小デバッグ出力、5は最も詳細なデバッグ出力を表します。デフォルトのデバッグ・レベルは2です。

次の例では、様々なモジュールに対してデバッグを有効にする方法を示します。

  • Oracle Clusterwareのデバッグを有効にするには:

    # crsctl set log crs "CRSRTI:1,CRSCOMM:2"
    
  • OCRのデバッグを有効にするには:

    # crsctl set log crs "CRSRTI:1,CRSCOMM:2,OCRSRV:4"
  • EVMのデバッグを有効にするには:

    # crsctl set log evm "EVMCOMM:1"
  • リソースのデバッグを有効にする方法

    # crsctl set log res "resname:1"

デバッグに使用可能なコンポーネントのリストを取得するには、次の構文を使用して、crsctl lsmodulesコマンドを実行します。

$ crsctl lsmodules {mdns | gpnp | css | crf | crs | evm | gipc}

ノート:

crsctl lsmoduluesコマンドを実行するために、rootユーザーである必要はありません。

表E-76に、モジュールCRS、CSSおよびEVMのそれぞれのコンポーネントを示します。一部のコンポーネント名はCRS、EVMおよびCSSのデーモン間で共通であり、特定のデーモンで有効な場合があることに注意してください。たとえば、COMMNSはNSレイヤーで、NSレイヤーは各デーモンで使用されるため、いずれかのデーモンでこの特定のモジュール・コンポーネントを有効にして、特定のデバッグ情報を取得できます。

表E-76 CRS、CSSおよびEVMモジュールのコンポーネント

CRSコンポーネント(1) CSSコンポーネント(2) EVMコンポーネント(3)
CRSUI
CRSCOMM
CRSRTI
CRSMAIN
CRSPLACE
CRSAPP
CRSRES
CRSCOMM
CRSOCR
CRSTIMER
CRSEVT
CRSD
CLUCLS
CSSCLNT
COMMCRS
COMMNS
CSSD
COMMCRS
COMMNS
EVMD
EVMDMAIN
EVMCOMM
EVMEVT
EVMAPP
EVMAGENT
CRSOCR
CLUCLS
CSSCLNT
COMMCRS
COMMNS

脚注1: crsctl lsmodules crsコマンドを使用して、CRSコンポーネントのリストを取得します。

脚注2: crsctl lsmodules cssコマンドを使用して、CSSコンポーネントのリストを取得します。

脚注3: crsctl lsmodules evmコマンドを使用して、EVMコンポーネントのリストを取得します。

たとえば、次のコマンドを使用して、特定のクラスタ・ノードにデバッグ・レベルを設定するには、-nodelistキーワードおよびノードの名前を次のように含めます。

crsctl set log crs "CRSRTI:1,CRSCOMM:2" -nodelist node1,node2

表E-77に、クラスタ同期サービス・モジュールを示します。

表E-77 クラスタ同期サービス(CSS)・モジュールおよびその機能

モジュール 説明

CSS

CSSクライアント・コンポーネント

CSSD

CSSデーモン・コンポーネント

表E-78に、各通信(COMM)モジュールの機能を示します。

表E-78 通信(COMM)モジュールおよびその機能

モジュール 説明

COMMCRS

Clusterware通信レイヤー

COMMNS

NS通信レイヤー

表E-79に、各CRSモジュールで実行される機能を示します。

表E-79 Oracle Clusterware (CRS)モジュールおよびその機能

モジュール 説明

CRSUI

ユーザー・インタフェース・モジュール

CRSCOMM

通信モジュール

CRSRTI

リソース管理モジュール

CRSMAIN

メイン・モジュール/ドライバ

CRSPLACE

CRS配置モジュール

CRSAPP

CRSアプリケーション

CRSRES

CRSリソース

CRSOCR

Oracle Cluster Registryインタフェース

CRSTIMER

CRSに関連する様々なタイマー

CRSEVT

CRS EVM/イベント・インタフェース・モジュール

CRSD

CRSデーモン

crsctl set log crsコマンドを使用して、表E-80にリストされているOCRコンポーネントをデバッグできます。表E-80にリストされているコンポーネントは、OCRMASおよびOCRASMを除き、Oracle Local Registry (OLR)にも使用できます。また、OCRMASおよびOCRSRVを除くOCRクライアントおよびOLRクライアントにも使用できます。一部のOCRクライアントおよびOLRクライアントにはOCRCONFIG、OCRDUMPなどがあります。

表E-80 Oracle Cluster Registry (OCR)コンポーネント名

モジュール 説明

OCRAPI

OCR抽象化コンポーネント

OCRCLI

OCRクライアント・コンポーネント

OCRSRV

OCRサーバー・コンポーネント

OCRMAS

OCRマスター・スレッド・コンポーネント

OCRMSG

OCRメッセージ・コンポーネント

OCRCAC

OCRキャッシュ・コンポーネント

OCRRAW

OCR RAWデバイス・コンポーネント

OCRUTL

OCRユーティリティ・コンポーネント

OCROSD

OCRオペレーティング・システム固有(OSD)レイヤー

OCRASM

OCR ASMコンポーネント

表E-81に、OCRツール・モジュールを示します。

表E-81 OCRCONFIGモジュールおよびその機能

モジュール 説明

OCRCONFIG

OCRを構成するためのOCRCONFIGコンポーネント

OCRDUMP

Oracle Cluster Registryの内容を表示するOCRDUMPコンポーネント

OCRCHECK

すべての構成済OCRを検証するOCRCHECKコンポーネント

Oracle Clusterwareリソースのデバッグの有効化

次の構文を使用してcrsctl set logコマンドを実行することによって、Oracle Clusterwareのリソースのデバッグを有効にできます。

crsctl set log res "resource_name=debugging_level"

crsctl set logコマンドをrootユーザーとして実行し、次の情報を指定します。

  • resource_name: デバッグするリソースの名前。

  • debugging_level: 1から5までの番号は、デバッグ・コマンドで戻す詳細レベルを示します。1は最小デバッグ出力、5は最も詳細なデバッグ出力を表します。

    ノート:

    追加のデバッグが必要な問題を解決した後、以下のようにデバッグ・レベルをデフォルトにリセットできます。
    # crsctl set log crs resource_name=default

デバッグに使用可能なリソースのリストを取得するには、crsctl status resourceコマンドを実行します。

node1上のVIPリソースのデバッグ・ログを生成するには、次のコマンドを発行します。

# crsctl set log res "ora.node1.vip:1"

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログの問合せ

Oracle Clusterwareは、リソース状態の変更に関するログをクラスタ・リソース・アクティビティ・ログに格納します。

障害は、リソース、ホスティング・ノードまたはネットワークの問題が原因で起こる場合があります。

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログは、診断ログとは別に、リソースの障害に関する正確で詳細な情報を提供します。クラスタ・リソース・アクティビティ・ログは、リソースの障害の原因の統合ビューも提供します。

クラスタウェア・リソース・アクティビティ・ログの内容を表示するには、次のコマンドを使用します。

crsctl query calog

特定の基準に一致するリソース・アクティビティ・ログを問い合せます。

構文

crsctl query calog 
[-aftertime "timestamp"] 
[-beforetime "timestamp"] 
[-days "number_of_days"] 
[-duration "time_interval" | -follow] 
[-filter "filter_expression"] 
[-processname "writer_process"] 
[-processid "writer_process_id"] 
[-node "entity_hostname"] 
[-fullfmt | -xmlfmt]

パラメータ

表E-82 crsctl query calogコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-aftertime "timestamp"

特定の時刻の後にログに記録されたアクティビティを表示します。

タイムスタンプをYYYY-MM-DD HH24:MI:SS[.FF][TZH:TZM]YYYY-MM-DDYYYY-MMYYYYまたはHH24:MI:SS[.FF][TZH:TZM]の形式で指定します。

TZHおよびTZMはタイムゾーンの時間と分を意味し、FFはマイクロ秒を意味します。

[TZH:TZM]を指定する場合、crsctlコマンドは、タイムゾーンがUTCであると仮定します。[TZH:TZM]を指定しない場合、crsctlコマンドは、crsctlコマンドの実行元であるクラスタ・ノードのローカル・タイムゾーンであると仮定します。

このパラメータを-beforetimeとともに使用して、特定の時間間隔でログに記録されたアクティビティを問い合せます。

-beforetime "timestamp"

特定の時刻の前にログに記録されたアクティビティを表示します。

タイムスタンプをYYYY-MM-DD HH24:MI:SS[.FF][TZH:TZM]YYYY-MM-DDYYYY-MMYYYYまたはHH24:MI:SS[.FF][TZH:TZM]の形式で指定します。

TZHおよびTZMはタイムゾーンの時間と分を意味し、FFはマイクロ秒を意味します。

[TZH:TZM]を指定する場合、crsctlコマンドは、タイムゾーンがUTCであると仮定します。[TZH:TZM]を指定しない場合、crsctlコマンドは、crsctlコマンドの実行元であるクラスタ・ノードのローカル・タイムゾーンであると仮定します。

このパラメータを-aftertimeとともに使用して、特定の時間間隔でログに記録されたアクティビティを問い合せます。

-days "number_of_days"

指定した過去の日数にログに記録されたアクティビティを表示します。日数は整数で指定されます。

-duration "time_interval" | -follow

-durationを使用して、-aftertimeパラメータの使用時に問い合せる時間間隔を指定します。

タイムスタンプをDD HH:MM:SS形式で指定します。

-followを使用して、発生したアクティビティの連続的なストリームを表示します。

-filter "filter_expression"

-filterパラメータを使用して、クラスタ・リソース・アクティビティ・ログ内の任意の数のフィールドを問い合せます。

複数のフィルタを指定するには、二重引用符("")で囲んだフィルタ式のカンマ区切りのリストを使用します。

-processname "writer_process"

名前で識別される特定のプロセスによってログに記録されたアクティビティを表示します。

-processid "writer_process_id"

IDで識別される特定のプロセスによってログに記録されたアクティビティを表示します。

-node "entity_hostname"

特定のホストによりログに記録されたアクティビティを表示します。

-fullfmt | -xmlfmt

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログのデータを表示するには、フル形式またはXML形式を選択します。

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログのフィールド

-filterパラメータを使用して、クラスタ・リソース・アクティビティ・ログ内の任意の数のフィールドを問い合せます。

表E-83 クラスタ・リソース・アクティビティ・ログのフィールド

フィールド 説明 ユース・ケース
timestamp

クラスタ・リソース・アクティビティがログに記録された時刻。

このフィルタを使用して、特定の時刻にログに記録されたすべてのアクティビティを問い合せます。

これは-aftertime-beforetimeおよび-durationコマンド・パラメータのかわりです。

writer_process_id

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログに書き込んでいるプロセスのID。

特定のプロセスによって生成されたアクティビティのみを問い合せます。

writer_process_name

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログに書き込んでいるプロセスの名前。

特定のプロセスを問い合せると、CRSCTLは特定のプロセスのすべてのアクティビティを戻します。

writer_user

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログに書き込んでいるユーザーの名前。

特定のユーザーによって書き込まれたすべてのアクティビティを問い合せます。

writer_group

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログに書き込んでいるユーザーが属するグループの名前。

特定のユーザー・グループに属するユーザーによって書き込まれたすべてのアクティビティを問い合せます。

writer_hostname

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログが書き込まれるホストの名前。

特定のホストによって書き込まれたすべてのアクティビティを問い合せます。

writer_clustername

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログが書き込まれるクラスタの名前。

特定のクラスタによって書き込まれたすべてのアクティビティを問い合せます。

nls_product

NLSメッセージの製品(CRSORAsrvmなど)。

特定の製品名を持つすべてのアクティビティを問い合せます。

nls_facility

NLSメッセージの機能(CRSPROCなど)。

特定の機能名を持つすべてのアクティビティを問い合せます。

nls_id

NLSメッセージのID (42008など)。

特定のメッセージIDを持つすべてのアクティビティを問い合せます。

nls_field_count

NLSメッセージのフィールド数。

nls_field_countコマンド・パラメータを超えるか、これ未満またはこれと等しいフィールドを含むNLSメッセージに対応するすべてのアクティビティを問い合せます。

nls_field1

NLSメッセージの最初のフィールド。

NLSメッセージの最初のパラメータに一致するすべてのアクティビティを問い合せます。

nls_field1_type

NLSメッセージの最初のフィールドのタイプ。

NLSメッセージの最初のパラメータの特定のタイプに一致するすべてのアクティビティを問い合せます。

nls_format

NLSメッセージの形式(Resource '%s' has been modifiedなど)。

NLSメッセージの特定の形式に一致するすべてのアクティビティを問い合せます。

nls_message

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログに書き込まれたNLSメッセージ全体(Resource 'ora.cvu' has been modifiedなど)。

特定のNLSメッセージに一致するすべてのアクティビティを問い合せます。

actid

各クラスタ・アクティビティ・ログの一意のアクティビティID。

特定のIDに一致するすべてのアクティビティを問い合せます。

また、部分的なactidのみを指定し、actidがアクティビティIDのサブセットであるすべてのアクティビティをリストします。

is_planned

アクティビティが計画済かどうかを確認します。

たとえば、ユーザーがノードでコマンドcrsctl stop crsを発行すると、スタックが停止し、リソースがバウンスします。

crsctl stop crsコマンドを実行すると、アクティビティが生成され、calogに記録されます。これは計画済アクションであるため、is_plannedフィールドはtrue (1)に設定されます。

その他の場合はis_plannedフィールドがfalse (0)に設定されます。

計画済または計画外のすべてのアクティビティを問い合せます。

onbehalfof_user

クラスタ・アクティビティ・ログの書込みを代理されているユーザーの名前。

特定のユーザーのために書き込まれたすべてのアクティビティを問い合せます。

entity_isoraentity

calogアクティビティが記録されているエンティティがOracleエンティティであるかどうかを確認します。

たとえば、リソース(ora.***など)が起動または停止された場合には、それらすべてのアクティビティがクラスタ・リソース・アクティビティ・ログに記録されます。

ora.***はOracleエンティティであるため、entity_isoraentityフィールドはtrue (1)に設定されます。

その他の場合はentity_isoraentityフィールドがfalse (0)に設定されます。

OracleエンティティまたはOracle以外のエンティティによって記録されたすべてのアクティビティを問い合せます。

entity_type

エンティティのタイプ(クラスタ・アクティビティ・ログが書き込まれるserverなど)。

アクティビティをフィルタ処理するために使用できるエンティティ・タイプ

  • resource
  • resource_type
  • resource_group
  • server_category
  • ohasd - ohasdによって生成されたアクティビティと、その管理対象のリソース
  • crsd - crsdによって生成されたアクティビティと、その管理対象のリソース

また、GIコンポーネントは、アクティビティ・ログへの書込み時にエンティティに独自の名前を使用することを選択できます。

特定のエンティティに一致するすべてのアクティビティを問い合せます。

entity_name

エンティティの名前(クラスタ・アクティビティ・ログが書き込まれるfooなど)。

特定のエンティティ名に一致するすべてのクラスタ・アクティビティを問い合せます。

entity_hostname

ホストの名前(クラスタ・アクティビティ・ログが書き込まれるエンティティに関連付けられたnode1,など)。

特定のホスト名に一致するすべてのクラスタ・アクティビティを問い合せます。

entity_clustername

クラスタの名前(クラスタ・アクティビティ・ログが書き込まれるエンティティに関連付けられたcluster1など)。

特定のクラスタ名に一致するすべてのクラスタ・アクティビティを問い合せます。

.

使用上のノート

  • 簡易フィルタを、Boolean演算子を使用した式フィルタと呼ばれる式に組み込みます。
  • タイムスタンプおよび時間間隔を二重引用符("")で囲みます。
  • フィルタ式を二重引用符("")で囲みます。
  • カッコまたは空白を含む値を一重引用符('')で囲みます。
  • 一致するレコードが見つからない場合は、Oracle Clusterware Control (CRSCTL)ユーティリティにより次のメッセージが表示されます。
    CRS-40002: No activities match the query.

次にフィルタの例を示します。

  • "writer_user==root": 表示をrootユーザーのみに限定します。
  • "customer_data=='GEN_RESTART@SERVERNAME(rwsbi08)=StartCompleted~'": 表示を指定された値GEN_RESTART@SERVERNAME(node1)=StartCompleted~を含むcustomer_dataに限定します。
すべてのリソース・アクティビティを問い合せ、出力をフル形式で表示するには、次のようにします。
$ crsctl query calog -fullfmt

----ACTIVITY START----
timestamp               : 2016-09-27 17:55:43.152000
writer_process_id       : 6538
writer_process_name     : crsd.bin
writer_user             : root
writer_group            : root
writer_hostname         : node1
writer_clustername      : cluster1-mb1
customer_data           : CHECK_RESULTS=-408040060~
nls_product             : CRS
nls_facility            : CRS
nls_id                  : 2938
nls_field_count         : 1
nls_field1              : ora.cvu
nls_field1_type         : 25
nls_field1_len          : 0
nls_format              : Resource '%s' has been modified.
nls_message             : Resource 'ora.cvu' has been modified.
actid                   : 14732093665106538/1816699/1
is_planned              : 1
onbehalfof_user         : grid
onbehalfof_hostname     : node1
entity_isoraentity      : 1
entity_type             : resource
entity_name             : ora.cvu
entity_hostname         : node1
entity_clustername      : cluster1-mb1
nls_severity            : INFO
----ACTIVITY END----
すべてのリソース・アクティビティを問い合せ、出力をXML形式で表示するには、次のようにします。
$ crsctl query calog -xmlfmt

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<activities>
  <activity>
    <timestamp>2016-09-27 17:55:43.152000</timestamp>
    <writer_process_id>6538</writer_process_id>
    <writer_process_name>crsd.bin</writer_process_name>
    <writer_user>root</writer_user>
    <writer_group>root</writer_group>
    <writer_hostname>node1</writer_hostname>
    <writer_clustername>cluster1-mb1</writer_clustername>
    <customer_data>CHECK_RESULTS=-408040060~</customer_data>
    <nls_product>CRS</nls_product>
    <nls_facility>CRS</nls_facility>
    <nls_id>2938</nls_id>
    <nls_field_count>1</nls_field_count>
    <nls_field1>ora.cvu</nls_field1>
    <nls_field1_type>25</nls_field1_type>
    <nls_field1_len>0</nls_field1_len>
    <nls_format>Resource '%s' has been modified.</nls_format>
    <nls_message>Resource 'ora.cvu' has been modified.</nls_message>
    <actid>14732093665106538/1816699/1</actid>
    <is_planned>1</is_planned>
    <onbehalfof_user>grid</onbehalfof_user>
    <onbehalfof_hostname>node1</onbehalfof_hostname>
    <entity_isoraentity>1</entity_isoraentity>
    <entity_type>resource</entity_type>
    <entity_name>ora.cvu</entity_name>
    <entity_hostname>node1</entity_hostname>
    <entity_clustername>cluster1-mb1</entity_clustername>
    <nls_severity>INFO</nls_severity>
  </activity>
</activities>
特定の時刻後の2時間の間隔でのリソース・アクティビティを問い合せ、出力をXML形式で表示するには、次のようにします。
$ crsctl query calog -aftertime "2016-09-28 17:55:43" -duration "0 02:00:00" -xmlfmt
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<activities>
  <activity>
    <timestamp>2016-09-28 17:55:45.992000</timestamp>
    <writer_process_id>6538</writer_process_id>
    <writer_process_name>crsd.bin</writer_process_name>
    <writer_user>root</writer_user>
    <writer_group>root</writer_group>
    <writer_hostname>node1</writer_hostname>
    <writer_clustername>cluster1-mb1</writer_clustername>
    <customer_data>CHECK_RESULTS=1718139884~</customer_data>
    <nls_product>CRS</nls_product>
    <nls_facility>CRS</nls_facility>
    <nls_id>2938</nls_id>
    <nls_field_count>1</nls_field_count>
    <nls_field1>ora.cvu</nls_field1>
    <nls_field1_type>25</nls_field1_type>
    <nls_field1_len>0</nls_field1_len>
    <nls_format>Resource '%s' has been modified.</nls_format>
    <nls_message>Resource 'ora.cvu' has been modified.</nls_message>
    <actid>14732093665106538/1942009/1</actid>
    <is_planned>1</is_planned>
    <onbehalfof_user>grid</onbehalfof_user>
    <onbehalfof_hostname>node1</onbehalfof_hostname>
    <entity_isoraentity>1</entity_isoraentity>
    <entity_type>resource</entity_type>
    <entity_name>ora.cvu</entity_name>
    <entity_hostname>node1</entity_hostname>
    <entity_clustername>cluster1-mb1</entity_clustername>
    <nls_severity>INFO</nls_severity>
  </activity>
</activities>
特定の時刻のリソース・アクティビティを問い合せるには、次のようにします。
$ crsctl query calog -filter "timestamp=='2016-09-28 17:55:45.992000'"

2016-09-28 17:55:45.992000 : node1 : INFO : Resource 'ora.cvu' has been modified. : 14732093665106538/1942009/1 :

フィルタwriter_userおよびcustomer_dataを使用してリソース・アクティビティを問い合せるには、次のようにします。

$ crsctl query calog -filter "writer_user==root AND customer_data=='GEN_RESTART@SERVERNAME(node1)=StartCompleted~'" -fullfmt

または

$ crsctl query calog -filter "(writer_user==root) AND (customer_data=='GEN_RESTART@SERVERNAME(node1)=StartCompleted~')" -fullfmt
----ACTIVITY START----
timestamp               : 2016-09-15 17:42:57.517000
writer_process_id       : 6538
writer_process_name     : crsd.bin
writer_user             : root
writer_group            : root
writer_hostname         : node1
writer_clustername      : cluster1-mb1
customer_data           : GEN_RESTART@SERVERNAME(rwsbi08)=StartCompleted~
nls_product             : CRS
nls_facility            : CRS
nls_id                  : 2938
nls_field_count         : 1
nls_field1              : ora.testdb.db
nls_field1_type         : 25
nls_field1_len          : 0
nls_format              : Resource '%s' has been modified.
nls_message             : Resource 'ora.devdb.db' has been modified.
actid                   : 14732093665106538/659678/1
is_planned              : 1
onbehalfof_user         : oracle
onbehalfof_hostname     : node1
entity_isoraentity      : 1
entity_type             : resource
entity_name             : ora.testdb.db
entity_hostname         : node1
entity_clustername      : cluster1-mb1
nls_severity            : INFO
----ACTIVITY END----
UTC+08:00の時刻2016-11-15 22:53:08の後に生成されたすべてのcalogを問い合せるには、次のようにします。
$ crsctl query calog -aftertime "2016-11-15 22:53:08+08:00"
UTC-08:00の時刻2016-11-15 22:53:08の後に生成されたすべてのcalogを問い合せるには、次のようにします。
$ crsctl query calog -aftertime "2016-11-15 22:53:08-08:00"
マイクロ秒を使用したタイムスタンプを指定してすべてのcalogを問い合せるには、次のようにします。
$ crsctl query calog -aftertime "2016-11-16 01:07:53.063000"
2016-11-16 01:07:53.558000 : node1 : INFO : Resource 'ora.cvu' has been modified. : 14792791129816600/2580/7 :
2016-11-16 01:07:53.562000 : node2 : INFO : Clean of 'ora.cvu' on 'node2' succeeded : 14792791129816600/2580/8 :
特定のプロセスによって書き込まれたすべてのアクティビティを名前で問い合せるには、次のようにします。
$  crsctl query calog -processname crsd.bin

2016-11-16 01:07:53.558000 : node1 : INFO : Resource 'ora.cvu' has been modified. : 14792791129816600/2580/7 :
2016-11-16 01:07:53.562000 : node2 : INFO : Clean of 'ora.cvu' on 'node2' succeeded : 14792791129816600/2580/8 :
特定のプロセスによって書き込まれたすべてのアクティビティをIDで問い合せるには、次のようにします。
$ crsctl query calog -processid 6538

2016-11-16 01:07:53.558000 : node1 : INFO : Resource 'ora.cvu' has been modified. : 14792791129816600/2580/7 :
2016-11-16 01:07:53.562000 : node2 : INFO : Clean of 'ora.cvu' on 'node2' succeeded : 14792791129816600/2580/8 :
特定のノードによって書き込まれたすべてのアクティビティを問い合せるには、次のようにします。
$ crsctl query calog -node node2
2016-11-16 01:07:53.562000 : node2 : INFO : Clean of 'ora.cvu' on 'node2' succeeded : 14792791129816600/2580/8 :