6.3 イメージの幾何補正
地上のリモート・センサーから取得されるほとんどのラスター・データは、通常、地形を原因とするひずみ、計器の視野角、および地球の不規則な形状の影響を受けます。この項で説明するイメージの幾何補正は、イメージを変換してそのひずみを低減するプロセスです。
幾何補正は、SDO_GEOR.rectifyプロシージャによって実行されますが、ソースGeoRasterオブジェクトには1つ以上の関数フィッティング地理参照モデルが必要です。つまり、イメージは幾何補正する必要はありませんが、メタデータに地理参照情報を保持する必要があります(「GeoRasterオブジェクトの地理参照」を参照)。
SDO_GEOR.rectifyプロシージャでは、ソースGeoRasterオブジェクトで使用可能な情報を使用して、出力GeoRasterの空間エクステント、次元およびSRIDを自動的に確立でき、ユーザーも適切なパラメータを使用して異なる値を指定できます。
例6-4 イメージの幾何補正
例6-3では、GeoRasterにロードされてからGCPを使用して地理参照されている航空イメージを幾何補正します(項「高度な地理参照」を参照)。イメージは、出力GeoRasterオブジェクトが既存のGeoRasterオブジェクトと同じSRSおよび解像度となるように幾何補正されます。イメージは、既存のGeoRasterオブジェクトの領域に制限されます(ピクセルは既存のGeoRasterオブジェクトに完全に沿って配置される必要があります)。
DECLARE gr_src sdo_georaster; gr_ref sdo_georaster; gr_out sdo_georaster; BEGIN select raster into gr_src from georaster_load_table where georid = 15; select raster into gr_ref from georaster_table where georid = 1; delete from georaster_table where georid = 2; insert into georaster_table values(2, 'rectified', sdo_geor.init()) returning georaster into gr_out; sdo_geor.rectify(inGeoRaster => gr_src, pyramidLevel => null, elevationParam => null, dem => null, outSRID => sdo_geor.getModelSRID(gr_ref), outModelCoordLoc => null, cropArea => sdo_geor.generateSpatialExtent(gr_ref), polygonClip => null, layerNumbers => null, outResolutions => sdo_geor.getSpatialResolutions(gr_ref), resolutionUnit => 'unit=meters', referencePoint => sdo_geor.getModelCoordinate(gr_ref, 0, sdo_number_array(-0.5,-0.5)), resampleParam => null, storageParam => null, outGeoraster => gr_out); update georaster_table set georaster = gr_out where georid = 2; commit; END;
幾何補正の出力は、標高に関する情報がSDO_GEOR.rectifyプロシージャに渡されると大幅に改善される可能性があります。(標高の詳細は、「イメージのオルソ補正」を参照してください。)
パラレル幾何補正は、SDO_GEOR_AGGR.mosaicSubsetプロシージャでサポートされます。
親トピック: イメージ処理および仮想モザイク