8.4.2 Easy Connect Plusのサポート
Oracle Database 19c以降では、Oracle Databaseに接続するためにアプリケーションで使用する簡易接続構文で、Easy Connect Plusと呼ばれる拡張機能がサポートされています。
Easy Connect Plus機能では、一般的なユースケースの場合のOracle Databaseのアプリケーション構成およびデプロイメントが簡略化されます。tnsnames.oraやsqlnet.oraなどのOracle Netパラメータ・ファイルを構成する必要はありません。TNS_ADMIN環境変数を設定する必要もありません。
この拡張機能があると、簡易接続で、TCPプロトコルとTCPSプロトコルの両方がサポートされます(以前は、TCPトランスポート・プロトコルのみがサポートされていました)。これにより、クライアント構成が、ネットワーク・セキュリティのためにTCPS接続が必須であるOracle Database Cloud Serviceに簡略化されます。
構文:
Easy Connect Plus機能を使用した、拡張された簡易接続構文は、次のとおりです:
[[protocol:]//]host1{,host12}[:port1]{,host2:port2}{;host1{,host12}[:port1]}[/[service_name][:server][/instance_name]][?parameter_name=value{¶meter_name=value}]疑問符(?)は名前/値ペアの始まりを示します。アンパサンド(&)は名前/値ペアの間のデリミタです。
ここでは、簡易接続構文に次のものが含まれています:
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プロトコル: 簡易接続アダプタで、接続文字列の一部としてプロトコルの指定がサポートされています。このプロトコルは、接続文字列内の各ホストに適用されます。
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マルチホストまたはポート: 簡易接続アダプタで、接続文字列内の複数のホストまたはポートを受け入れることができます。これは、クライアント接続のロード・バランシングに役立ちます。
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名前/値ペア: 簡易接続アダプタで、名前/値のペアのリストを受け入れることができます。名前/値の各ペアは、
DESCRIPTIONレベルのパラメータとして追加されます。次の名前がサポートされています:
ENABLEFAILOVERLOAD_BALANCERECV_BUF_SIZESEND_BUF_SIZESDUSOURCE_ROUTERETRY_COUNTRETRY_DELAYCONNECT_TIMEOUTTRANSPORT_CONNECT_TIMEOUT
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アドレス・リスト: Oracle Database 23ai以降では、共通の特性があるプロトコル・アドレスのアドレス・リストを1つ以上指定できます。
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セキュリティ属性: 次の
SECURITY属性がTLSでサポートされています。SSL_SERVER_DN_MATCH=on/offSSL_SERVER_CERT_DN=longDNWALLET_LOCATION=Wallet location
ノート:
パラメータWALLET_LOCATIONは、Oracle DatabaseサーバーのOracle Database 23aiでの使用は非推奨です。Oracle Databaseクライアントおよびリスナーでの使用は非推奨ではありません。Oracle Databaseサーバーの場合は、WALLET_LOCATIONを使用するかわりに、WALLET_ROOTシステム・パラメータの使用をお薦めします。
例
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ADDRESSパラメータを使用して単一のプロトコル・アドレスを指定:
次の構文ではセッション・データ・ユニット(SDU)を指定しています
salesserver1:1521/sales.us.example.com?sdu=16384次のような接続記述子に変換されます。
(DESCRIPTION= (SDU=16384) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=saleserver1)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)) )同様に、次の構文は接続タイムアウト、トランスポート接続タイムアウト、および再試行回数の値を指定します
salesserver1:1521/sales.us.example.com?connect_timeout=1min&transport_connect_timeout=30sec&retry_count=3&retry_delay=2次のような接続記述子に変換されます。
(DESCRIPTION= (retry_count=3)(retry_delay=2) (connect_timeout=1min)(transport_connect_timeout=30sec) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=salesserver1)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)) ) -
ADDRESS_LISTパラメータを使用して複数のプロトコル・アドレスを指定:
次の構文ではセッション・データ・ユニット(SDU)を指定しています
salesserver1:1521;saleserver2:1522/sales.us.example.com?sdu=16384次のような接続記述子に変換されます。
(DESCRIPTION= (SDU=16384) (ADDRESS_LIST= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=saleserver1)(PORT=1521)) ) (ADDRESS_LIST= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=saleserver2)(PORT=1522)) ) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)) )
関連トピック
親トピック: 簡易接続ネーミング・メソッドの構成