1.1.4 パフォーマンスの理解
ユーザーにとってシステム・パフォーマンスは重要です。通常、システムの応答時間が1秒を超えると、ユーザーはパフォーマンスが気にかかるようになります。Oracle Netの構成を変更してシステム・パフォーマンスの向上を図ることができます。
この項では、パフォーマンスに関する考慮事項について説明します。
親トピック: Oracle Net Servicesについて
1.1.4.1 リスナー・キュー・サイズ
TCP/IPを介してリスニング・プロセス(リスナー、Oracle Connection Managerなど)に対する多数の接続要求を受信することが予想される場合は、Oracle Netを使用してシステム・デフォルトより高い値になるようにリスニング・キューを設定できます。
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1.1.4.2 セッション・データ・ユニットのサイズによるデータ転送の最適化
ネットワーク上にデータを送信する前にOracle Netはデータをバッファリングして、セッション・データ・ユニット(SDU).にカプセル化しますバッファが一杯になりフラッシュされるか、データベース・サーバーがデータを読み出そうとするとOracle Netはこのバッファに格納されているデータを送信します。大量のデータを転送する場合やメッセージのサイズが一貫している場合は、SDUバッファのサイズを調整することによって、パフォーマンス、ネットワークの使用率、メモリー消費を改善できます。SDUはクライアント、アプリケーションWebサーバーおよびデータベースにデプロイできます。
ネットワーク間の往復回数を減らすようにアプリケーションをチューニングすることは、ネットワーク・パフォーマンスを向上させる最も効果的な方法です。これを行った後、SDUのサイズを調整してデータ転送を最適化することもできます。
SDUのサイズを変更する際の考慮事項
SDUのサイズは、次の場合に変更します。
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サーバーから戻されるデータが個別のパケットに分かれる場合。
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遅延の起こる広域ネットワーク(WAN)上にいる場合。
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パケット・サイズが一定している場合。
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戻されるデータ量が多い場合。
次の場合は、SDUのサイズを変更しないでください。
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隣の欄に記載されている遅延を回避するためにアプリケーションをチューニングできる場合。
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データ伝送の影響がほとんどない高速ネットワークを使用している場合。
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要求によってサーバーから戻されるデータ量が少ない場合。
ノート:
Oracle Database 11g以降、Oracle Net Servicesでは、バルク・データ転送がOracle SecureFiles LOBやOracle Data Guard REDOトランスポート・サービスなどのコンポーネント用に最適化されています。ネットワーク・パラメータ・ファイルで指定されているSDUサイズ制限は、これらのバルク・データ転送には適用されません。バルク・データ転送最適化は、ASOオプションが有効な場合やTLSトランスポートが使用されている場合には適用されません。
関連項目:
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1.1.4.3 TCP/IPの固定バッファ・フラッシング
TCP/IPを使用するアプリケーションがいくつかある状況では、Oracle Netのパケットがネットワークにすぐに送出されません。この動作は大量のデータを送出するときに頻繁に実行されます。TCP/IPの実装自体がフラッシュの欠如が原因で許容範囲を超える遅延を引き起こすおそれがあります。この問題を修正するためにはバッファ・フラッシング・プロセスで遅延なしを指定します。
関連項目:
TCP.NODELAYパラメータの詳細は、『Oracle Database Net Servicesリファレンス』を参照してください。
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1.1.4.4 Sockets Direct Protocol
Oracle Net Servicesでは、InfiniBand高速ネットワークをサポートします。InfiniBandは、高帯域幅のI/Oアーキテクチャで、CPU、サーバー側のデバイスおよびネットワーク・サブシステム間の通信速度を上げるように設計されています。Oracle Net Servicesは、Sockets Direct Protocol (SDP)をサポートしています。SDPは、InfiniBandネットワーク・ピア間の使用を目的とした業界標準のワイア・プロトコルです。
SDPを使用すると、データの中間的なレプリケーションが除去され、メッセージ交換の負荷がCPUからネットワーク・ハードウェアへ移動することにより、TCP/IPのオーバーヘッドが削減されます。その結果、待機時間の短縮、帯域幅の拡大、接続のスループットの向上につながり、ネットワーク処理に占有されるCPUサイクルが減少します。
Oracle WebLogic Serverやその他のサード・パーティの中間層クライアントを含めて、クライアント間の通信、およびOracle Database 12cリリース以降は、高速相互接続の恩恵を受けています。Oracle WebLogic Serverのインストールの一部としてOracle TCP/IPのサポートが含まれています。
Oracle WebLogic Serverサーバーにインストールされたドライバが、TCP/IPサポートをSDPサポートに透過的に変換します。次に、SDP要求はInfiniBandスイッチに送信され、このスイッチによって、要求が処理され、Oracle WebLogic Serverサーバーからデータベース・サーバーに転送されます。
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1.1.4.5 データベースの可用性
データベースへの可用性を実現することはネットワークでは重大な問題です。複数のリスナーを同じデータベース・サービスへのクライアント接続要求が処理できるように構成できます。これは各インスタンスにリスナーが対応付けられているOracle Real Application Clusters構成で有利な構成です。複数のリスナー構成では、次の機能を利用できます。
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