14.5 InfiniBand接続をサポートするSDPの構成

Oracle Net Servicesでは、InfiniBand高速ネットワークのSockets Direct Protocol(SDP)をサポートしています。次の各項では、中間層とデータベース・サーバー通信のためのSDPをサポートするOracle Netの設定方法について説明します。

SDPは、クラスタ化されたサーバー環境における標準的な通信プロトコルです。SDPは、ネットワーク・インタフェース・カードとアプリケーション間のインタフェースの役割を果します。SDPを使用することにより、アプリケーションではメッセージ交換の負荷の大部分をネットワーク・インタフェース・カードに割り当て、CPUを他のタスクに解放することが可能になります。その結果、SDPによってネットワーク待機時間およびCPUの利用率を軽減できます。

SDPは特にSAN(System Area Network)向けに設計されています。SANは、複数のサーバー・システム間(Oracle WebLogic Serverやその他のサード・パーティの1つのスイッチでクラスタ化された中間層クライアントとデータベース・サーバーなど)の短距離の高性能通信という点に特徴があります。

ノート:

Oracle Database 23aiとのバージョン互換性については、各ベンダーにお問い合せください。

SDPサポートの詳細は、次の場所でOracle Technology Networkを参照してください。:

http://www.oracle.com/technetwork/index.html

関連トピック

14.5.1 SDP利用の前提

SDPのサポートを構成する前に、アプリケーションWebサーバーおよびデータベース・サーバーの両方に必要なハードウェアをインストールし、所定のベンダーのOpenFabrics Enterprise Distribution (OFED) 1.4または1.5と互換性のあるInfiniBand対応ハードウェアおよびソフトウェアを設定します。

InfiniBandソフトウェアのインストール時に、システムのSDPまたはアドレス・ファミリを定義する定数を識別します。この定数は、使用しているオペレーティング・システムまたはOFEDのマニュアルから取得できます。

関連項目:

インストールの詳細は、ベンダーのドキュメントを参照してください。

14.5.2 サーバー上のSDPの構成

データベース・サーバーを構成するには、データベース・サーバー上のlistener.oraファイルでSDPアドレスを構成します。

ノート:

SDPまたはアドレス・プロトコル・ファミリの定数が、Oracle Net Servicesのデフォルト値である27ではない場合、sqlnet.oraファイルのSDP.PF_INET_SDPパラメータに定数を定義してください。

次の例は、コンピュータsales-serverにポート番号1521を使用するSDPエンドポイントを示したものです。

LISTENER=
  (DESCRIPTION=
    (ADDRESS_LIST=
      (ADDRESS=(PROTOCOL=sdp)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
      (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
      (ADDRESS=(PROTOCOL=ipc)(KEY=extproc))))

14.5.3 クライアント上のSDPの構成

Oracle WebLogic Serverサーバーまたはサード・パーティ中間層クライアントの構成方法について説明します。

ノート:

SDPまたはアドレス・プロトコル・ファミリの定数が、Oracle Net Servicesのデフォルト値である27ではない場合、sqlnet.oraファイルのSDP.PF_INET_SDPパラメータに定数を定義してください。

  1. サード・パーティ中間層クライアントを構成する場合は、次に示すように、Oracle Database 23aiクライアント・ソフトウェアを使用するようにクライアントをアップグレードします。

    1. Oracle Universal Installerを実行します。

    2. 「使用可能な製品」ページで、「Oracle Database 23ai Client」を選択します。

  2. Oracle WebLogic Serverサーバーとサード・パーティ中間層クライアントの両方に、次のようにネットワーク・サービス名を作成し、データベース・サーバーに接続します。

    • Oracle WebLogic Serverサーバー向けにtnsnames.oraファイルで設定した同じTCP/IPプロトコル・アドレスを使用するネットワーク・サービス名を指定します。たとえば:

      sales=
       (DESCRIPTION=
         (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)))
         (CONNECT_DATA=
           (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))
      
    • サード・パーティ中間層クライアント向けにtnsnames.oraファイルで設定した同じSDPアドレスを使用するネットワーク・サービス名を指定します。

      たとえば:

      sales=
       (DESCRIPTION=
         (ADDRESS=(PROTOCOL=sdp)(HOST=sales-server)))
         (CONNECT_DATA=
           (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))