ASMCMDファイル管理コマンド
このトピックでは、ASMCMDファイル管理コマンドの概要を示します。
表10-44に、ASMCMDファイル管理コマンドと簡単な説明を示します。
表10-44 ASMCMDファイル管理コマンドの概要
コマンド | 説明 |
---|---|
ディスク・グループからファイルを抽出します。 |
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現行ディレクトリを指定したディレクトリに変更します。 |
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ディスク・グループ間およびディスク・グループとオペレーティング・システム間でファイルをコピーできます。 |
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指定したOracle ASMディレクトリおよびすべてのサブディレクトリで、ファイルが占有するディスク領域の合計を再帰的に表示します。 |
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指定したディレクトリ下で、指定した名前(ワイルドカードを使用)と一致するすべてのもののパスをリストします。 |
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コピー元の場所からコピー先の場所にOracle KEYSTOREファイルをコピーします。 |
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Oracle ASMディレクトリの内容、指定したファイルの属性またはすべてのディスク・グループの名前および属性をリストします。 |
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システム生成のファイル名のエイリアスを作成します。 |
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Oracle ASMディレクトリを作成します。 |
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Oracle ASMの現行ディレクトリのパスを表示します。 |
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指定したOracle ASMファイルまたはディレクトリを削除します。 |
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エイリアスが指すファイルは保持したまま、指定したエイリアスを削除します。 |
amdu_extract
目的
ディスク・グループからファイルを抽出します。
構文および説明
amdu_extract diskgroup [--sys_filename] file_name disk_string
表10-45 amdu_extractコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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ファイルが配置されているディスク・グループの名前。 |
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このオプションを指定する場合、 |
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抽出するファイルの名前。 ファイル名は、次のいずれかである必要があります。
ファイル名は、絶対パスまたは相対パスとして指定できます。 |
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Oracle ASM検出ディスク文字列の値。 |
amdu_extract
は、Oracle ASMメタデータ・ダンプ・ユーティリティ(AMDU)コマンドを呼び出し、Oracle ASMエイリアス名を使用してファイルを抽出します。
例
次に、データ・ディスク・グループからのファイルの抽出に使用するamdu_extract
コマンドの例を示します。
例10-49 ASMCMD amdu_extractコマンドの使用方法
ASMCMD> amdu_extract data data/orcl/my_alias_filename /devices/disk*
cd
目的
現行ディレクトリを指定したディレクトリに変更します。
構文および説明
cd [dir]
表10-46に、cd
コマンドのオプションを示します。
表10-46 cdコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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ディレクトリの名前。 |
dir
は、絶対パスまたは相対パス(疑似ディレクトリ.
および..
を含む)のいずれでも指定できます。dir
にはワイルドカード文字を使用できます。詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。
例
次に、様々なディレクトリに変更する、cd
コマンドの例を示します。
例10-50 ASMCMD cdコマンドの使用方法
ASMCMD [+data/hr] > cd +data/orcl ASMCMD [+data/orcl] > cd DATAFILE ASMCMD [+data/orcl/DATAFILE] >cd ..
cp
目的
Oracle ASMディスク・グループ間およびディスク・グループとオペレーティング・システム間でファイルをコピーできます。
構文および説明
cp [connect_str:]src_file [--target target_type] [--service service_name] [--port port_num] [--dest_dbname dbname] [--sparse] [--sparse_merge_begin] [connect_str:]tgt_file [--sparse_merge_end sparse_merge_end_file] [--local] [--pdbguid pdbguid]
次の表に、cp
コマンドの構文オプションを示します。
表10-47 cpコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ターゲット・ファイルがディスク・グループ内にある場合にのみ使用されます。指定した名前は、デフォルト(指定したターゲットに応じて、ASM、IOSまたはAPX)を使用するかわりにルート・ディレクトリとして使用されます。このオプションを使用する場合、システム・エイリアスのルート・パスは |
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ファイルの疎コピーであることを示します。 |
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マージする疎ファイルの開始の深さ。 |
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マージする疎ファイルの終了の深さ。 |
|
ASMCMDがASMインスタンスとは異なるノードで実行されている場合は、ローカル・ファイル・システムからASMディスク・グループに、またはASMディスク・グループからローカル・ファイル・システムにコピーします。あるディスク・グループから別のディスク・グループにファイルをコピーする場合や、ソースとターゲットのファイル・パスが両方ともOSファイル・システムである場合には使用しないでください。 |
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ターゲット・ファイルがディスク・グループ内にある場合にのみ使用されます。指定されたPDBは、宛先ファイル・システム・エイリアスのディレクトリとして使用されます。このオプションを使用する場合、システム・エイリアスのルート・パスは |
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コピー操作のためにASMCMDが接続しなければならないインスタンスのターゲット・タイプを指定します。有効なオプションは |
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デフォルト+ASMではない場合、Oracle ASMインスタンス名を指定します。 |
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リスナー・ポート番号を指定します。デフォルトは、1521です。 |
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リモート・インスタンスのための接続文字列を指定します。 |
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コピーするソース・ファイルの名前。 |
|
作成されたターゲット・ファイル名のユーザー・エイリアス、またはエイリアスのディレクトリ名。 |
cp
では、2つのリモート・インスタンス間でファイルをコピーできません。ローカルOracle ASMインスタンスが、操作のソースまたはターゲットのいずれかである必要があります。
cp
コマンドを使用できるのは、次の場合です。
-
ディスク・グループからオペレーティング・システムへのファイルのコピー
-
ディスク・グループ間のファイルのコピー
-
オペレーティング・システムからディスク・グループへのファイルのコピー
一部のファイル・タイプは、cpコマンドのソースまたは宛先にできません。これらのファイル・タイプには、OCR、SPFILE、パスワード・ファイルおよびOracleキーストア・ファイル・タイプがあります。Oracle ASM SPFILEをバックアップ、コピーまたは移動するには、spbackup
、spcopy
またはspmove
の各コマンドを使用します。パスワード・ファイルを作成、コピーまたは移動するには、pwcreate
、pwcopy
またはpwmove
コマンドを使用します。OCRバックアップ・ファイル・タイプをコピーするには、ディスク・グループからのソースである必要があります。Oracleキーストア・ファイルをコピーするには、kscopy
コマンドを使用します。
コピーしたファイルがOracle ASMディスク・グループ内に存在する場合、これらのファイルの形式はリトル・エンディアン・システムとビッグ・エンディアン・システム間で移植できます。この形式はファイルの書込み時にOracle ASMによって自動的に変換されます。Oracle ASM以外のファイルをOracle ASMディスク・グループにコピーしたりOracle ASMディスク・グループからコピーする場合、ファイルを別のエンディアン・プラットフォームにコピーしてから、一般的に使用されているユーティリティの1つを使用してこのファイルを変換できます。
ローカル・インスタンスのコピー(デフォルトの場合)には、connect_str
は必要ありません。リモート・インスタンスのコピーの場合、接続文字列を指定する必要があり、Oracle ASMによりエコーしないプロンプトでパスワードを入力するように求められます。connect_str
の書式は次のとおりです。
user
@
host
.
SID
connect_str
パラメータではuser
、host
およびSID
は必須です。デフォルト・ポート番号は1521
であり、--port
オプションを使用して変更できます。
接続権限(SYSASM
またはSYSDBA
)は、ASMCMDの起動時に--privilege
オプションの使用によって決まります。
src_file
には、完全修飾ファイル名またはOracle ASMエイリアスのいずれかを指定する必要があります。
ASMCMDコピー・プロセス中に、Oracle ASMサーバーは、次の形式でOracle Managed File (OMF)ファイルを作成します。
diskgroup
/
db_unique_name
/
file_type
/
file_name
.
#
#
db_uniq_name
はASM
に設定し、#
は一連の数字です。コピー・プロセスで、ASMCMD cp
は、宛先のディレクトリ構造を作成し、その場所から、作成される実際のOMFファイルにユーザー・エイリアスを作成します。
例
次に、cp
コマンドの例を示します。1番目の例は、データ・ディスク・グループのファイルをオペレーティング・システム上にコピーする方法を示します。2番目の例は、オペレーティング・システム上のファイルをデータ・ディスク・グループにコピーする方法を示します。3番目の例は、データ・ディスク・グループのファイルをリモート・サーバーにコピーする方法を示します。ユーザーはパスワードの入力を求められます。4番目の例は、データ・ディスク・グループのファイルを、パスワードを指定してリモート・サーバー(オペレーティング・システム・ファイル)にコピーする方法を示します。5番目の例は、データ・ディスク・グループの複数のファイルをオペレーティング・システム上のディレクトリにコピーする方法を示します。6番目の例は、オペレーティング・システム上のファイルをデータ・ディスク・グループにコピーする方法を示します。--dest_dbname
オプションが使用されたため、コピーされたファイルのシステム・エイリアスは、デフォルトの+DATA/ASM/DATAFILE
を使用するのではなく、+DATA/DB1/DATAFILE
の下に格納されます。7番目の例は、リモート・オペレーティング・システム・ファイルをデータ・ディスク・グループにコピーする方法を示します。8番目の例は、リスナー・ポートがデフォルトでない場合に、リモート・オペレーティング・システム・ファイルをデータ・ディスク・グループにコピーする方法を示します。9番目の例は、スパース・ディスク・グループ間でファイルの疎コピーを作成する方法を示します。10番目の例は、複数のスパース・ファイルの疎コピーを作成する方法を示します。
スパース・マージ: スパース・ファイルSPARSE.205.14770227--SPARSE.241.14770227--SPARSE.257.71740127--SPARSE.259.91640227
(SPARSE.205.14770227
がベース親、SPARSE.241.14770227
がSPARSE.257.71740127
の親、次にこれがSPARSE.259.91640227
の親)を持つマルチレベルのスパース・ファイル階層を考えてみます。
11番目の例は、複数のスパース・ファイルを新しい宛先ファイルにマージする方法を示します(ホーム外マージ)。12番目の例は、複数のスパース・ファイルを既存のスパース・ファイルにマージする方法を示します(インプレース・マージ)。13番目の例は、ASMCMDが実行されているノードと同じノードにASMインスタンスがない場合に、ローカル・オペレーティング・システムからASMディスク・グループにコピーする方法を示します。14番目の例は、ASMCMDが存在する場所と同じノードで実行されているASMインスタンスがない場合に、ASMディスク・グループからオペレーティング・システム・ファイルにファイルをコピーする、前述の例の逆の処理方法を示します。15番目の例は、ターゲット・ファイル・システム・エイリアスのPDB GUIDディレクトリを指定する方法を示します。
例10-51 ASMCMD cpコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > cp +data/orcl/datafile/EXAMPLE.265.691577295 /mybackups/example.bak
copying +data/orcl/datafile/EXAMPLE.265.691577295 -> /mybackups/example.bak
ASMCMD [+] > cp /mybackups/examples.bak +data/orcl/datafile/myexamples.bak
copying /mybackups/examples.bak -> +data/orcl/datafile/myexamples.bak
ASMCMD [+] > cp +data/orcl/datafile/EXAMPLE.265.691577295 sys@myserver.+ASM:/scratch/backup/myexamples.bak
Enter Password:
ASMCMD [+] > cp +data/orcl/datafile/EXAMPLE.265.691577295 sys/passwd@server.asminstance:/scratch/file
copying +data/orcl/datafile/EXAMPLE.265.691577295 -> /scratch/file
ASMCMD [+] > cp +data/orcl/data*/orcl* /mybackups
copying +data/orcl/DATAFILE/ORCLTABLES.273.924621557 -> /mybackups/ORCLTABLES.273.924621557
copying +data/orcl/DATAFILE/ORCLTABLES.274.924621557 -> /mybackups/ORCLTABLES.274.924621557
copying +data/orcl/DATAFILE/ORCLTABLES.275.924621557 -> /mybackups/ORCLTABLES.275.924621557
ASMCMD [+] > cp /mybackups/examples.bak +data/orcl/datafile/myexamples.bak --dest_dbname DB1
copying /mybackups/examples.bak -> +data/orcl/datafile/myexamples.bak
ASMCMD [+] > cp sys@server.SID:/scratch/file +data/orcl/datafile/file
copying /scratch/file -> +data/orcl/datafile/file
ASMCMD [+] > cp --port 2500 sys@server.SID:/scratch/file +data/orcl/datafile/file
copying /scratch/file -> +data/orcl/datafile/file
ASMCMD [+] > cp --sparse +SPARSEDG/SPARSE.259.91640227 +SPARSEDG/sparsefile/sparse_cp
copying +SPARSEDG/SPARSE.259.91640227 -> +SPARSEDG/sparsefile/sparse_cp
ASMCMD [+] > cp --sparse +SPARSEDG/sparse_alias.1 +SPARSEDG/sparse_alias.2 +SPARSEDG/dir/sp_alias.3 +SPARSEDG/sparsedir/
copying +SPARSEDG/sparse_alias.1 -> +SPARSEDG/sparsedir/sparse_alias.1
copying +SPARSEDG/sparse_alias.2 -> +SPARSEDG/sparsedir/sparse_alias.2
copying +SPARSEDG/dir/sp_alias.3 -> +SPARSEDG/sparsedir/sp_alias.3
ASMCMD [+] > cp --sparse_merge_begin +SPARSEDG/SPARSE.259.91640227 +SPARSEDG/sparsefile/sparse_merge --sparse_merge_end +SPARSEDG/SPARSE.205.14770227
merging +SPARSEDG/SPARSE.259.91640227 through +SPARSEDG/SPARSE.205.14770227 to +SPARSEDG/sparsefile/sparse_merge
ASMCMD [+] > cp --sparse_merge_begin +SPARSEDG/SPARSE.259.91640227 +SPARSEDG/SPARSE.259.91640227 --sparse_merge_end +SPARSEDG/SPARSE.241.14770227
merging +SPARSEDG/SPARSE.259.91640227 through +SPARSEDG/SPARSE.241.14770227 to +SPARSEDG/SPARSE.259.91640227
ASMCMD [+] > cp --local /mybackups/backup.bak +data/backup_dir/backup.bak
copying /mybackups/backup.bak -> +data/backup_dir/backup.bak
ASMCMD [+] > cp --local +data/hm/datafile/EXAMPLE.265.691577295 /mybackups/backup.bak
copying +data/hm/datafile/EXAMPLE.265.691577295 -> /mybackups/backup.bak
ASMCMD [+] > cp /tmp/f1.df +data/f1.df --pdbguid ABCDEFGHIJKLM1234567890
copying /tmp/f1.df -> +data/f1.df
NOTE: cp command can be used to copy files from ASM disk groups to named pipe (FIFO). The following is an example to copy to a FIFO special file.
$bash> mkfifo /tmp/fifotest
$bash> cp /tmp/fifotest /tmp/file &
$bash> asmcmd cp +data/orcl/datafile/file /tmp/fifotest
copying +data/orcl/datafile/file -> /tmp/fifotest
関連項目:
-
ASMCMDを使用した接続オプションの詳細は、「接続タイプの指定」
-
接続文字列の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』
du
目的
指定したディレクトリおよびその下のディレクトリ・ツリー全体のファイルが使用する領域の合計を表示します。
構文および説明
du [--suppressheader] [dir]
表10-48に、du
コマンドの構文オプションを示します。
表10-48 duコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディレクトリの名前。 |
|
出力で列のヘッダーを非表示にします。 |
dir
を指定しない場合、現行ディレクトリに関する情報が表示されます。dir
にはワイルドカード文字を使用できます。詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。
次の2つの値が、いずれもMB単位で表示されます。
-
Used_MB
- この値には、ミラーリングは含まれません。 -
Mirror_used_MB
- この値には、ミラーリングが含まれます。
たとえば、標準冗長性のディスク・グループに100MBのデータが含まれ、ディスク・グループの各ファイルが双方向にミラー化されている場合、Used_MB
は100MBで、Mirror_used_MB
は約200MBです。
例
次に、du
コマンドの例を示します。この例では、data
ディスク・グループのorcl
ディレクトリおよびorcl
ディレクトリの下にあるすべてのディレクトリで使用されているディスク領域を表示します。
例10-52 ASMCMD duコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > du data/orcl Used_MB Mirror_used_MB 1756 3519
find
目的
指定したディレクトリおよびそのサブディレクトリ内で、指定した名前パターン(ワイルドカードを使用)と一致するすべてのものの絶対パスを表示します。
構文および説明
find [--type type] [--filegroup filegroup] dir pattern
表10-49に、find
コマンドの構文オプションを示します。
表10-49 findコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
検索するターゲットのタイプ。 |
|
ターゲット・ファイルを含むファイル・グループの名前。 |
|
ターゲットまたはワイルドカード・パターンの名前。 |
このコマンドは、ディレクトリ・ツリー内の指定したディレクトリおよびその下のすべてのサブディレクトリで、指定したpattern
を検索します。pattern
の値には、ディレクトリ名またはファイル名を指定し、ワイルドカード文字を使用できます。詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。
ASMCMD find
コマンドでは、大文字と小文字は区別されません。
コマンドの出力では、ディレクトリ名の末尾にスラッシュ(/)が付き、ファイル名とは区別されます。
特定のタイプ(type
として指定)のすべてのファイルを検索するには、--type
フラグを使用します。たとえば、type
にCONTROLFILE
を指定して、制御ファイルを検索できます。type
の有効な値を表5-1に示します。これらは、V$ASM_FILE
ビューのtype
列のタイプ値です。
例
次に、find
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループのundo
で始まるファイルを検索します。2つ目の例では、+data/orcl
ディレクトリのすべての制御ファイル(--type
CONTROLFILE
)の絶対パスを戻します。3番目の例は、ORCLというファイル・グループに含まれるファイルを返します。
例10-53 ASMCMD findコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > find +data undo* +data/ORCL/DATAFILE/UNDOTBS1.258.691577151 ASMCMD [+] > find --type CONTROLFILE +data/orcl * +data/orcl/CONTROLFILE/Current.260.691577263 ASMCMD [+] > find +data --filegroup ORCL * +data/ORCL/DATAFILE/UNDOTBS1.258.691577151 +data/ORCL/CONTROLFILE/Current.260.691577263
kscopy
目的
コピー元の場所からコピー先の場所にOracle KEYSTOREファイルをコピーします。
構文および説明
例
kscopy source_file <destination_path> [--autologin] [--local] [--dbuniquename <string>]
次の表に、kscopy
コマンドの構文オプションを示します。
表10-50 kscopyコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ソース・キーストア・ファイルを指定します。 |
|
宛先のファイル・パスを指定します。 |
|
ファイル・タイプとして自動ログイン・キーストア・ファイルを指定します。 |
|
キーストア・ファイルを様々なノードにわたりコピーすることを指定します。 |
|
キーストア・ファイルの場所を更新するデータベース・リソースを指定します。 |
kscopy
を使用する場合は、次のことに注意してください:
-
kscopy
では、Oracleキーストア・ファイルをオペレーティング・システムのパスからディスク・グループにコピーできます。 -
kscopy
では、Oracleキーストア・ファイルをディスク・グループからオペレーティング・システムのパスにコピーできます。 -
kscopy
では、Oracleキーストア・ファイルをディスク・グループから別のディスク・グループにコピーできます。 -
kscopy
を使用してキーストア・ファイルをオペレーティング・システムのパスからオペレーティング・システムのパスにコピーしないでください。この場合には、適切なオペレーティング・システム・コマンドを使用してください。 - ソース・キーストア・ファイルがOSファイル・システムにあり、ファイル名がデフォルト名(キーストア・ファイル
ewallet.p12
または自動ログイン・キーストア・ファイルcwallet.sso
)でない場合、使用されるファイル・タイプはデフォルトではKEYSTORE
です。ただし、--autologin
が指定されている場合は、そうではなく、ファイル・タイプがAUTOLOGIN KEYSTORE
に設定されます。
関連項目:
サーバー・キーストア・ファイルの作成については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』でADMINISTER KEY MANAGEMENT
文のCREATE_KEYSTORE
句を参照してください。
次に、kscopy
コマンドの例を示します。1つ目の例では、Oracle KEYSTORE
をデータ・ディスク・グループからオペレーティング・システムの場所にコピーします。2つ目の例では、Oracle KEYSTORE
をオペレーティング・システムの場所からデータ・ディスク・グループにコピーします。3つ目の例では、Oracle AUTOLOGIN KEYSTORE
をオペレーティング・システムの場所からデータ・ディスク・グループにコピーします。4つ目の例では、Oracle KEYSTORE
をデータ・ディスク・グループからローカル・ノード上のオペレーティング・システムの場所にコピーします。5つ目の例では、Oracle AUTOLOGIN KEYSTORE
をオペレーティング・システムの場所からデータ・ディスク・グループにコピーし、このキーストアの格納先となるデータベースの名前として"ORCL"という文字列を設定します。
例10-54 ASMCMD kscopyコマンドの使用方法
ASMCMD> kscopy +DATA/tde/ewallet.p12 /tmp/tde ASMCMD> kscopy /tmp/tde/ewallet.p12 +DATA/tde ASMCMD> kscopy /tmp/tde/cwallet.sso +DATA/tde –autologin ASMCMD> kscopy +DATA/tde/ewallet.p12 /tmp/tde –local ASMCMD> kscopy /tmp/tde/ewallet.p12 +DATA/tde –dbuniquename ORCL
ls
目的
Oracle ASMディレクトリの内容、指定したファイルの属性またはすべてのディスク・グループの名前および属性をリストします。
構文および説明
ls [--suppressheader] [-lshdtLg] [--absolutepath] [--reverse] [--permission] [--time_style style] [--fg] [pattern]
表10-51に、ls
コマンドの構文オプションを示します。
表10-51 lsコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
(なし) |
ファイル名とディレクトリ名のみを表示します。 |
|
ストライピング情報、冗長性情報、ファイルがシステム生成か( 一部のファイル属性またはディスク・グループ属性は表示されません。ファイルまたはディスク・グループのすべての列の値を表示するには、 |
|
ファイル領域情報を表示します。 |
|
|
|
|
|
リストのソート順を逆にします。 |
|
名前ではなくタイムスタンプで新しいものを先頭にリストをソートします。 |
|
|
|
リストされたファイルごとに、そのファイルを参照するエイリアスの絶対パス(ある場合)が表示されます。 |
|
出力には、 |
|
Oracle Databaseで使用される日時形式モデル(" |
|
ファイルが含まれるファイル・グループを表示します。
|
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
ファイルの権限を表示します( |
|
ファイル、ディレクトリまたはパターンの名前。 |
コマンドのオプションを使用して、コマンドの出力を変更およびカスタマイズできます。表10-51に、オプションとその説明を示します。ディスク・グループ情報の場合、このコマンドはデフォルトでV$ASM_DISKGROUP_STAT
ビューに問い合せます。すべてのオプションを指定すると、属性が結合されて表示され、重複するものは削除されます。ls
+
と入力すると、最上位レベルのディレクトリ構造が表示されます。
pattern
には、ワイルドカード文字を含むファイル名、ディレクトリ名、またはパターンを指定できます。詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。
-
pattern
がディレクトリ名の場合、ls
はフラグ設定に応じてディレクトリの内容を表示し、ls
は各ディレクトリ・メンバーの情報も表示します。ディレクトリ名の末尾にはスラッシュ(/)が付き、ファイル名とは区別して示されます。 -
pattern
に入力する値がファイル名である場合、ls
はフラグ設定に応じてファイルを表示し、ls
はファイルの情報も表示します。ファイル名が相対パスで指定されている場合、ファイルは現行ディレクトリ内に格納されている必要があります。
例
次に、ls
コマンド例を示します。この例では、ディレクトリに関する様々な情報とディレクトリの内容を表示します。
例10-55 ASMCMD lsコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > ls +data/orcl/datafile EXAMPLE.265.691577295 SYSAUX.257.691577149 SYSTEM.256.691577149 UNDOTBS1.258.691577151 USERS.259.691577151 ASMCMD [+] > ls -lt +data/orcl/datafile Type Redund Striped Time Sys Name DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 08:00:00 Y EXAMPLE.265.691577295 DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 05:00:00 Y SYSAUX.257.691577149 DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 02:00:00 Y USERS.259.691577151 DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 02:00:00 Y UNDOTBS1.258.691577151 DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 02:00:00 Y SYSTEM.256.691577149 ASMCMD [+] > ls -l +data/orcl/datafile/sy* Type Redund Striped Time Sys Name DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 05:00:00 Y SYSAUX.257.691577149 DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 02:00:00 Y SYSTEM.256.691577149 ASMCMD [+] > ls -s +data/orcl/datafile Block_Size Blocks Bytes Space Name 8192 12801 104865792 214958080 EXAMPLE.265.691577295 8192 88321 723525632 1452277760 SYSAUX.257.691577149 8192 88321 723525632 1452277760 SYSTEM.256.691577149 8192 7681 62922752 131072000 UNDOTBS1.258.691577151 8192 641 5251072 12582912 USERS.259.691577151 ASMCMD [+] > ls --permission +data/orcl/datafile User Group Permission Name rw-rw-rw- EXAMPLE.265.691577295 rw-rw-rw- SYSAUX.257.691577149 rw-rw-rw- SYSTEM.256.691577149 rw-rw-rw- UNDOTBS1.258.691577151 rw-rw-rw- USERS.259.691577151 ASMCMD [+] > ls -l --time_style 'MON DD HHAM' +data/orcl/datafile/sy* Type Redund Striped Time Sys Name DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 05PM Y SYSAUX.257.691577149 DATAFILE MIRROR COARSE JUL 13 02PM Y SYSTEM.256.691577149 ASMCMD [+] > ls -sh +data/orcl/datafile Block_Size Blocks Bytes Space Name 8K 12801 100M 205M EXAMPLE.265.691577295 8K 88321 690M 1.4G SYSAUX.257.691577149 8K 88321 690M 1.4G SYSTEM.256.691577149 8K 7681 60M 125M UNDOTBS1.258.691577151 8K 641 5M 12M USERS.259.691577151 ASMCMD [+] > ls --fg +data/orcl/datafile Filegroup Name ORCL EXAMPLE.265.691577295 ORCL SYSAUX.257.691577149 ORCL USERS.259.691577151 ORCL UNDOTBS1.258.691577151 ORCL SYSTEM.256.691577149
lsof
目的
ローカル・クライアントのオープン・ファイルをリストします。
構文および説明
lsof [--suppressheader] {-G diskgroup|--dbname db| -C instance}
表10-52に、lsof
コマンドの構文オプションを示します。
表10-52 lsofコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
指定されたディスク・グループからのみファイルをリストします。 |
|
指定されたデータベースからのみファイルをリストします。 |
|
指定されたインスタンスからのみファイルをリストします。 |
例
次に、lsof
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループのオープン・ファイルをリストします。2つ目の例では、Oracle ASMインスタンスのオープン・ファイルをリストします。
例10-56 ASMCMD lsofコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsof -G data DB_Name Instance_Name Path orcl orcl +data/orcl/controlfile/current.260.691577263 orcl orcl +data/orcl/datafile/example.265.691577295 orcl orcl +data/orcl/datafile/sysaux.257.691577149 orcl orcl +data/orcl/datafile/system.256.691577149 orcl orcl +data/orcl/datafile/undotbs1.258.691577151 orcl orcl +data/orcl/datafile/users.259.691577151 orcl orcl +data/orcl/onlinelog/group_1.261.691577267 orcl orcl +data/orcl/onlinelog/group_2.262.691577271 orcl orcl +data/orcl/onlinelog/group_3.263.691577275 orcl orcl +data/orcl/tempfile/temp.264.691577287 ASMCMD [+] > lsof -C +ASM DB_Name Instance_Name Path asmvol +ASM +data/VOLUME1.271.679226013 asmvol +ASM +data/VOLUME2.272.679227351
mkalias
目的
指定したシステム生成のファイル名のエイリアスを作成します。
構文および説明
mkalias file alias
表10-53に、mkalias
コマンドの構文オプションを示します。
表10-53 mkaliasコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
システム生成のファイル名。 |
|
ファイル名のエイリアス。 |
alias
は、システム生成のファイルと同じディスク・グループに存在する必要があります。Oracle ASMファイルごとに作成できるエイリアスは、1つのみです。
例
次の例では、完全修飾ファイル名+data/orcl/DATAFILE/SYSAUX.257.721811945
に対してsysaux.f
エイリアスを作成します。mkalias
コマンドに続いてls
--absolutepath
を実行し、結果をチェックします。
例10-57 ASMCMD mkaliasコマンドの使用方法
ASMCMD [+data/orcl/datafile] > mkalias SYSAUX.257.721811945 sysaux.f ASMCMD [+data/orcl/datafile] > ls --absolutepath none => EXAMPLE.265.721812093 +DATA/ORCL/DATAFILE/sysaux.f => SYSAUX.257.721811945 none => SYSTEM.256.721811945 none => UNDOTBS1.258.721811945 none => USERS.259.721811947 sysaux.f
mkdir
目的
現行ディレクトリにOracle ASMディレクトリを作成します。
構文および説明
mkdir dir [dir . . .]
表10-54に、mkdir
コマンドの構文オプションを示します。
表10-54 mkdirコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
作成するディレクトリ名。 |
mkdir
が実行するディレクトリは、システムで作成されるか、またはユーザーによって作成できます。ルート(+)・レベルのディレクトリは作成できません。
例
次に、mkdir
コマンドの例を示します。この例では、ディスク・グループdata
に、ディスク・グループ・レベルのディレクトリsubdir1
およびsubdir2
を作成します。
例10-58 ASMCMD mkdirコマンドの使用方法
ASMCMD [+data] > mkdir subdir1 subdir2 ASMCMD [+data] > ls ASM/ ORCL/ subdir1/ subdir2/
pwd
目的
現行ディレクトリの絶対パスを表示します。
構文および説明
pwd
例
次に、pwd
コマンドの例を示します。この例では、現行ディレクトリを表示します。
例10-59 ASMCMD pwdコマンドの使用方法
ASMCMD [+data/orcl/datafile] > pwd +data/orcl/datafile
rm
目的
指定したOracle ASMファイルおよびディレクトリを削除します。
構文および説明
rm [-f|-r] pattern [pattern...]
表10-55に、rm
コマンドの構文オプションを示します。
表10-55 rmコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ファイルおよびサブディレクトリを再帰的に削除します。 |
|
確認を求めずにファイルおよびサブディレクトリを削除します。 |
|
ファイル、ディレクトリまたはワイルドカード・パターンの名前。 |
pattern
がファイルまたはエイリアスの場合は、これらが現在使用中でない場合のみrm
コマンドで削除できます。pattern
がディレクトリの場合は、(-r
フラグを使用していなければ)そのディレクトリが空であり、システム生成のディレクトリではない場合のみrm
コマンドで削除できます。pattern
がエイリアスの場合は、エイリアスおよびエイリアスが参照するファイルの両方がrm
によって削除されます。エイリアスのみ削除し、エイリアスが参照するファイルを保持する場合は、rmalias
コマンドを使用します。
ノート:
システム生成ディレクトリ内のファイルをすべて削除すると、そのディレクトリは削除されます。親ディレクトリが空の場合、親ディレクトリもすべて削除されます。
pattern
には、ワイルドカード文字を指定できます。詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。
ワイルドカードを使用する場合、rm
コマンドでは、(-r
フラグを使用していなければ)空ではないディレクトリを除き、一致するものをすべて削除します。再帰的に削除するには、-r
フラグを使用します。-r
オプションにより、空ではないディレクトリと、そのディレクトリとその下のディレクトリ・ツリー全体の中にあるすべてのファイルとディレクトリを削除できます。-r
フラグまたはワイルドカード文字を使用すると、-f
フラグを指定した場合を除き、rm
コマンドを続行する前に削除を確認するプロンプトが表示されます。ワイルドカード文字がエイリアスまたはエイリアスを持つシステム生成のファイルと一致する場合は、エイリアスおよびエイリアスが参照するシステム生成のファイルの両方が削除されます。-r
フラグを使用してワイルドカード・パターンと一致するエイリアスを削除する場合は、エイリアスまたはエイリアスを含むシステム生成のファイルは、rm
コマンドを実行するディレクトリ内に存在している必要があります。
たとえば、+data/orcl/DATAFILE/System.256.146589651
を指し示すユーザーのエイリアス+data/dir1/file.alias
がある場合、rm -r +data/dir1
コマンドを実行すると、+data/dir1/file.alias
および+data/orcl/DATAFILE/System.256.146589651
が削除されます。
例
次に、rm
コマンドの例を示します。1つ目の例では、myexamples.bak
ファイルを削除します。2つ目の例では、subdir2
ディレクトリおよびその内容を削除します。
例10-60 ASMCMD rmコマンドの使用方法
ASMCMD [+data/orcl/datafile] > rm myexamples.bak ASMCMD [+data] > rm -r subdir2 You may delete multiple files and/or directories. Are you sure? (y/n) y
rmalias
目的
エイリアスが参照するファイルは保持したまま、指定したエイリアスを削除します。
構文および説明
rmalias [-r] alias [alias...]
表10-56に、rmalias
コマンドの構文オプションを示します。
表10-56 rmaliasコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
エイリアスを再帰的に削除します。 |
|
ファイル名またはディレクトリのエイリアス。 |
-r
フラグにより、現行ディレクトリおよびその下のディレクトリ・ツリー全体のすべてのエイリアスを削除できます。エイリアスを削除するとユーザー作成のディレクトリが空になる場合は、それらのディレクトリも削除されます。システム生成のファイルおよびディレクトリは削除されません。
例
次に、rmalias
コマンドの例を示します。この例では、エイリアスsysaux.f
を削除しますが、そのエイリアスが参照するデータファイルは保持します。
例10-61 ASMCMD rmaliasコマンドの使用方法
ASMCMD [+data/orcl/datafile] > rmalias sysaux.f