7 線形参照システム
線形参照は、属性またはイベントと線形フィーチャの位置または一部分の関連付けを自然かつ有効に実現します。線形参照は、高速道路、鉄道、公共輸送路などの輸送アプリケーション、およびガソリンや石油の流通ルートなどの公共事業アプリケーションで広く使用されています。
線形参照の主なメリットは、2つのパラメータ(経度/緯度またはx/yで表すデカルト領域)のかわりに、1つのパラメータ(通常メジャーという)によって、線形フィーチャに属性およびイベントを位置付けできることです。線形フィーチャでは、開始位置および終了位置を明示的に格納しなくても、線形フィーチャに沿ってそれらの位置を指定することによって、線形フィーチャを動的に参照および作成できます。
Oracle Spatialの線形参照システム(LRS) Application Programming Interface (API)は、地図製作レベルでのLRS機能をサーバー側に提供します。線形メジャー情報は、Oracle Spatialのジオメトリ構造体に直接統合されます。Oracle SpatialのLRS APIは、動的セグメントをサポートし、任意の座標系のほぼすべての線形参照メソッドおよびモデルに対するサード・パーティまたは中間層アプリケーション開発の基礎として機能します。
「LRSファンクションの例」にLRSの例を示します。ただし、この例の示す概要を理解するためにも、この章のその他の項をはじめにお読みください。
LRSファンクションおよびLRSプロシージャのリファレンス情報については、「SDO_LRSパッケージ(線形参照システム)」を参照してください。
- LRSの用語および概念
このトピックでは、Oracle Spatialでの線形参照のサポートに関連する重要な用語および概念について説明します。 - LRSデータ・モデル
Oracle SpatialのLRSデータ・モデルは、メジャー情報を点レベルでジオメトリ表現に取り込みます。 - LRSデータの索引付け
LRSデータに4つの次元(3つの次元とM次元)があり、メジャー次元以外の3つの次元すべてに索引付けする必要がある場合、空間Rツリー索引を使用して、データに索引付けする必要があります。 - LRSファンクションの3D形式
ほとんどのLRSファンクションは、末尾に_3Dの付いた形式(DEFINE_GEOM_SEGMENT_3D、CLIP_GEOM_SEGMENT_3D、FIND_MEASURE_3D、LOCATE_PT_3Dなど)となります。3D形式を持つファンクションについては、ファンクションのリファレンス・トピックの「使用上のノート」にその旨を示します。 - LRSの処理
このトピックでは、Oracle SpatialのLRS APIでサポートされている線形参照処理について説明します。 - LRSファンクションの許容差
多くのLRSファンクションでは、許容差または1つ以上の次元配列を指定する必要があります。 - LRSファンクションの例
この項では、LRSファンクションを使用する例を示します。
親トピック: 概要および使用情報