4 アプリケーション開発の開始

Oracle Databaseに接続するJavaアプリケーションを開発するには、特定のコンポーネントをインストールしておく必要があります。

この章の構成は、次のとおりです。

インストールする必要があるもの

サンプル・アプリケーションを開発するには、次の製品およびコンポーネントをインストールする必要があります。

  • Oracle Database

  • J2SEまたはJDK

  • Apache Maven

  • IntelliJ

  • Apache Tomcat

Oracle Database

Java Webアプリケーションを開発するには、HRスキーマで動作するOracle Databaseのインストールが必要です。Oracle Databaseをインストールするには2つの方法があります。

オプション 1。Oracle Autonomous Database

Oracle Database Cloud Servicesは、2つのAutonomous Databaseのサービスを期間無制限で提供するOracle Cloud Free Tierへのアクセスを提供します。Oracle Autonomous Databaseは、データ・マート、データ・レイク、オペレーショナル・レポートおよびバッチ・データ処理のためのオールインワンのクラウド・データベース・ソリューションです。Oracleは、機械学習を使用してすべてのルーチン・データベース・タスクを完全に自動化し、パフォーマンス、信頼性、セキュリティおよび運用効率を向上させています。わずか数分で動作可能なAutonomous Databaseにアクセスできます。サインアップすると、選択したAutonomous Transaction ProcessingデータベースまたはAutonomous Data Warehouseデータベースにアクセスできるようになります。

このガイドでは、Autonomous Transaction Processingデータベースを使用してHRアプリケーションを実行します。

オプション2: OTNで使用可能なOracle Database Free

別のオプションとして、システムにOracle Database Freeをインストールできます。

HRスキーマのインストール

HR Webアプリケーションでは、Oracleにより提供されるHRサンプル・スキーマの表およびデータが使用されます。データベースにHRスキーマをインストールする必要があります。

Autonomous Databaseをプロビジョニングするか、Oracle Database Freeをインストールしたら、サンプル・スキーマをインストールするための詳細な手順についてHRスキーマのインストールを参照してください。

J2SEまたはJDK

Javaアプリケーションを作成およびコンパイルするには、Java 2 Platform, Standard Edition, Software Development Kit(J2SE SDK)(以前のJava Development Kit(JDK))がすべて必要です。

  1. Java SEをダウンロードおよびインストールします。http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.htmlを参照してください。
  2. JDKのPATH環境変数を設定します。手順の詳細は、Windows用のJDKインストール手順を参照してください。

JDBCドライバ

HRアプリケーションを実行するための、特定のJDBCドライバをダウンロードする必要があります。

このガイドでは、Maven Centralを使用して、アプリケーションに必要なJDBCドライバをダウンロードします。このガイドの後半では、プロジェクトのpom.xmlファイルに次の依存性を追加する方法について学習します。

<dependencies>
  <dependency>
    <groupId>com.oracle.database.jdbc<groupId>
    <artifactId>ojdbc8-production</artifactId>
    <version>19.7.0.0</version>
    <type>pom</type>
  </dependency>
</dependencies>

ojdbc8-productionは、必要なすべてのJDBC jarをMaven Central Repositoryからプルします。詳細は、Maven Centralガイドを参照してください。

統合開発環境

アプリケーションの開発を簡単にするため、統合開発環境(IDE)でアプリケーションを開発することができます。このガイドでは、IntelliJ Ideaコミュニティ・バージョンを使用して、このアプリケーションのファイルを作成および更新します。

ノート:

IntelliJ Ideaをダウンロードしてインストールするには、https://www.jetbrains.com/idea/を参照してください。

Webサーバー

このマニュアルで開発するサンプル・アプリケーションは、JavaServer Pages (JSP)テクノロジを使用して情報を表示し、ユーザーからの入力を受け入れます。これらのページをデプロイするには、サーブレットおよびJSPコンテナを含むWebサーバーが必要です。

このガイドでは、Apache Tomcatサーバーを使用してJSPページをデプロイします。

Apache Tomcatのダウンロードおよびインストール方法の詳細は、http://tomcat.apache.org/を参照してください。

Githubリポジトリの詳細

HR Webアプリケーションのソース・ファイルは、GitHubで入手できます。

表4-1 Githubリポジトリの詳細

名前と場所 詳細
HRWebApp このリポジトリには、アプリケーションの完全なコード・サンプルが含まれています。

IntelliJでのアプリケーションのインポート

次のように、アプリケーションをIntelliJにインポートします。

  1. IntelliJを開き、開くまたはインポートを選択します。
  2. HRWebAppがダウンロードされる場所に移動します。「HRWebApp」を選択し、「OK」をクリックします。フォルダ構造を参照するウィンドウ・エクスプローラの画像。
  3. HR Webアプリケーションの構築に必要なすべてのファイルを含むプロジェクトが表示されます。

IntelliJでのアプリケーションのコンパイル

アプリケーションをコンパイルする前に、コードをいくつか更新する必要があります。

HRWebAppをダウンロードし、IntelliJで開く必要があります。
  1. 左側の「プロジェクト」ウィンドウで、pom.xmlファイルをダブルクリックします。
    pom.xmlの選択
  2. 次の依存性をpom.xmlファイルの<dependencies>タグの下に追加します。詳細は、JDBCドライバを参照してください。
    ojdbc8-productionの依存性を追加します。
  3. 「プロジェクト」ウィンドウで、「src」フォルダ、「main」「Java」フォルダの順に展開します。「Java」の下で、「com.oracle.jdbc.samples」を展開します。「bean」フォルダで、「JdbcBeanImpl」をダブルクリックします。
    「JdbcBeanImpl」を選択します。
  4. connection変数をデータベース接続の詳細で更新します。
  5. 「ファイル」メニューで、「すべて保存」を選択して変更を保存します。
  6. 右側の「Maven」ウィンドウで、「クリーン」をダブルクリックしてソース・コードを消去します。構築の進行状況は、下部の「実行」ウィンドウに表示されます。Mavenのライフサイクル・ステップ
  7. 同様に、「コンパイル」「パッケージ」を同じ順序でダブルクリックします。
  8. ソース・コードが正常にパッケージ化されると、warファイルが生成されます。「ターゲット」フォルダの下でJdbcWebSamples.warを探します。
    「ターゲット」フォルダの下のJdbcWebSamples.warの画像

HR Webアプリケーションの実行

HR WebアプリケーションはTomcatサーバーを使用して実行されます。

.warファイルをApacheサーバーにデプロイします
  1. ローカル・マシン上の「HRWebApp」フォルダに移動します。「ターゲット」フォルダの下で、JdbcWebSamples.warファイルを探します。
  2. JdbcWebSamples.warファイルをTOMCAT_HOME/webapps/の下に配置します。
  3. ローカル・マシン上の「HRWebApp」フォルダに移動します。tomcat-users.xmlファイルを探します。
  4. tomcat-users.xmlファイルをTOMCAT_HOME/conf/の下に配置します。
  5. tomcatサーバーを起動します。
  6. tomcatが起動したら、ブラウザからURL http://localhost:8080/JdbcWebSamples/を使用してHR Webアプリケーションにアクセスします。
HR Webアプリケーションの検証
  1. hradminまたはhrstaffユーザーでアプリケーションにログインします。

    ノート:

  2. HR Webアプリケーションにはいくつかの機能があります。「すべてリスト」には、Employee_id、First_name、Last_Name、Email、Phone_number、Job_id、Salaryなどの従業員の詳細が表示されます。詳細はEmployees表から取得され、Webページに表示されます。「すべてリスト」機能が表示されているスクリーンショットを参照してください。
  3. 同様に、適切な入力を指定して、IDによる検索、従業員レコードの更新、給与の増額などの残りの機能を確認します。