2 Oracle Databaseのパフォーマンス・メソッド
パフォーマンスの改善は反復プロセスです。1つ目のボトルネック(リソースの競合が最も激しいポイント)を解消してもすぐにパフォーマンスの向上につながらず、他のボトルネックがシステムに対してさらに大きな影響を与えていることが発見される場合があります。変更によってパフォーマンスを改善するには、その最初のステップとしてパフォーマンスの問題を正確に診断する必要があります。
一般的にパフォーマンスの問題は、スループット(指定された時間内に完了できる作業量)の不足、またはユーザーやジョブのレスポンス時間(指定されたワークロードを完了するまでの時間)、あるいはその両方によって生じます。問題の原因は特定のアプリケーションのモジュールである場合も、システム全体である場合もあります。
データベースまたはオペレーティング・システムの統計を確認する前に、システム・ユーザーおよびアプリケーションの担当者からフィードバックを収集することが不可欠です。このフィードバックは、パフォーマンス目標の決定に役立ちます。パフォーマンスの改善状況は、システムの統計によってではなく、ビジネス目標の観点で測定されます。
Oracleパフォーマンス・メソッドは、パフォーマンスの目標が達成されるか達成不可能と判断されるまで適用できます。このプロセスは反復的なため、調査の中にはシステム・パフォーマンスにほとんど影響しないものもあります。重大なボトルネックを迅速に正確に特定するには、時間と経験が必要です。自動データベース診断モニター(ADDM)ではOracleパフォーマンス・メソッドを実装して統計を分析し、パフォーマンス上の重大な問題が自動で診断されます。ADDMを使用すると、システムのパフォーマンスの向上に必要な時間が大幅に短縮されるため、このガイドでもこの方法を利用します。
この章ではOracle Databaseパフォーマンス・メソッドを説明しています。次の項で構成されています。