在庫が使用可能数量と異なる理由
在庫管理での品目の在庫が、オーダー納期回答でサプライ・チェーン内で検出される在庫と異なる理由、およびその修正方法について学習します。
納期回答で供給が割り付けられるが、在庫に変更が表示されない
納期回答では、納期処理が可能な供給が返されます。 この供給には、在庫にある現在手持の在庫を含めることができます。 また、納期回答で購買オーダー、作業オーダーまたは転送から取得できる供給も含まれます。 本日の在庫に手持供給はありませんが、納期回答では、5つの購買オーダーがあり、それぞれが数量20で、予想搬送日が今日であるとします。 「在庫管理」作業領域には数量0と表示されますが、納期回答では数量100が使用可能であることが示されます。
納期回答では、特定の日に使用可能なすべての供給が返されます。 納期回答で5つの異なる購買オーダーが検出されたとします。 各購買オーダーは、次の5日間に、毎日数量20を搬送するようにスケジュールされています。 納期回答に対して各日の有効数量を取得するように指示すると、次のようになります。
- 1、納期回答では数量20が使用可能であることが示されます。
- 2、納期回答では数量40が使用可能であることが示されます。
- 3、納期回答では数量60が使用可能であることが示されます。
- 4、納期回答では数量80が使用可能であることが示されます。
- 5、納期回答では数量100が使用可能であることが示されます。
ただし、これらのいずれかの日に在庫が数量0の場合、「在庫管理」作業領域には手持在庫がないと表示されます。
納期回答では納期処理を行う供給が減りますが、納期回答で実際に供給が予約されるまで、在庫にはその減少は表示されません。 次のように仮定します。
- 月曜日の手持供給は数量100です。
- 水曜日に数量20の購買オーダーがあります。
- 月曜日に数量90の販売オーダーを作成し、納期回答では定時に到着するように納期処理を行いますが、供給は予約しません。
- 木曜日に数量20の別の販売オーダーを作成します。
- 納期回答では定時に到着するように納期処理を行いますが、供給は予約しません。
- 金曜日に数量20の3番目の販売オーダーを作成します。
納期回答では、10のみ使用可能とみなします。
- 手持100から、最初のオーダーの90を差し引くと10です。
- 10に、購買オーダーの20を加算すると30です。
- 30から、2番目の販売オーダーの20を差し引くと10です。
納期回答で販売オーダーの供給を予約しなかったため、「在庫管理」作業領域に「品目有効数量」の数量100が表示される場合があります。
有効数量クイック・チェックと有効数量のチェックで異なる結果が返される
納期回答では、2つの異なる方法で有効数量が返されます。
| 有効数量クイック・チェック | 有効数量のチェック |
|---|---|
| 1つの事業所で現在使用可能な供給のみが含まれます。 |
購買、製造または転送による供給の作成を含めて、1つの事業所で使用可能な供給および潜在的に使用可能な供給が含まれます。 数量120の販売オーダーがあり、これらの数量がサプライ・チェーンにあるとします。
すべての数量が手持であるため、在庫管理では有効数量クイック・チェックで10と表示されます。 ただし、有効数量のチェックでは、数量全体を時間どおりに納期処理できると表示されます。 |
取消済
数量20の金曜日のオーダーを取り消すとします。 納期回答では、この数量がオーダーにペグされないとみなすことができるため、使用可能な供給を増やしますが、在庫にはこの変更が表示されない場合があります。
スケジュール済だが未出荷
納期回答でオーダーがスケジュールされますが、オーダー履行でステータスが「出荷済」に設定されない場合があります。
納期回答と在庫の両方に数量100と表示され、納期回答では数量10の新しいオーダーがスケジュールされるとします。 納品回答では、供給を90 (100 - 10)に減らします。 履行によってオーダーを出荷しない場合、在庫には変更が表示されず、引き続き100と表示されます。
納期回答と在庫の同期を維持するには、販売オーダーを出荷するときに収集する必要があります。 納期回答では、ATPルールで期限超過供給と期限超過需要を設定する方法に従って供給が考慮されます。 期限超過需要を5日間に設定したが、期限超過供給を設定しなかったとします。 納期回答で3日引いた日にスケジュールされた数量10のオーダーがあります。 履行によってオーダーが出荷されていない場合、納期回答では需要が新しい需要とみなされ、オーダーの供給が再割り付けされます。
または、期限超過供給を5日間に設定したが、期限超過需要を設定しなかったとします。 3日引いた日に数量10の供給があり、納期回答サーバーを再起動します。 納期回答では、この供給を別のオーダーに再割付する場合があります。サプライ・チェーン・オーケストレーション
納期回答で在庫に手持供給がないことを検出したとします。 かわりに納期回答では、転送を介して使用可能な供給を識別し、ATPのペギング・タイプをサプライ・チェーン・オーケストレーションに送信しますが、オーケストレーションでは、納期回答が手持在庫または将来の供給(たとえば、購買、製造、転送を介して)を確認しているかどうかは判断できません。 オーケストレーションは在庫に予約を作成しようとしますが、手持供給がないため失敗します。 この問題は、手持供給が使用可能になった後にのみ手動で解決する必要があります。
たとえば、次のように想定します。- 1日目に、要求日が30日で数量10の販売オーダーをバック・トゥ・バック・フローで発行します。
- 納期回答ではオーダーがスケジュールされ、28日に供給20を提供する購買オーダーが倉庫内にあることが識別されます。
- 納期回答では、ATP推奨がオーケストレーションに送信されますが、1日目に手持供給はありません。
- オーケストレーションは供給オーダーを作成し、予約を開始しますが、手持供給がないため予約要求は失敗します。
供給有効数量のレビュー
「製品情報管理」の品目の設定ページには、納期回答が現在表示できる供給のスナップショットがあります。 納期回答ではこのスナップショットを使用して、需要を満たすために使用可能な供給を特定しますが、スナップショットには在庫の供給に関する詳細が表示されません。 この問題を解決するには、定期的にデータを収集する必要があります。
修正
収集
前述の各問題を回避できます。 納期回答とInventory Managementの間で数量の同期を維持するには、納期回答と在庫がサプライ・チェーン内の同じデータを表示するように、データを定期的に収集する必要があります。 詳細は、「Global Order Promisingのデータの収集」を参照してください。
ATPルールの確認
- 納期回答では、ルールのモードが「サプライ・チェーン検索」の場合にのみ有効数量が返されます。 そのため、有効数量が必要な場合は、サプライ・チェーン検索を使用します。
- 納期回答では、指定した各ソースから有効数量が追加されます。 指定したソースを調べて、在庫で同じ供給を表示できることを確認します。
- 「コンポーネントとリソースの検索」オプションを有効にすると、納期回答では、構成品目に使用可能な供給が考慮されます。
- 「考慮する需要の期日経過日数」属性を設定する場合は、「考慮する供給の期日経過日数」属性も設定し、30以下などの低い数値に設定する必要があります。
詳細は、ATPルールを参照してください。