5.1 タスクについて

タスクを使用するとアイテムを承認、却下または完了できます。ロールによっては、コメントを残したり、追加情報を送信したり、期日を更新することで、タスクとやり取りできる場合があります。

開発者は、承認タスクとアクション・タスクという2種類のタスクをAPEXアプリケーションに追加できます。
  • 承認タスクは、自分がそのタスクの所有者としてリストされている場合に、自分が承認または却下できるタスクです。従業員のラップトップ・リクエストの承認または却下が自分に求められているタスクは、承認タスクです。
  • アクション・タスクは、対応する必要はあるが承認は求められていないタスクです。従業員に自己評価の入力を求めるタスクは、アクション・タスクです。
タスクに関する操作を実行するときは、通常は、次の2つの領域を使用します。
  1. 統合タスク・リスト - 受信ボックスのように機能するタスクのサマリー。
  2. タスクの詳細ページ - 個々のタスクに固有の情報を表示するページ。

APEXでは、タスクは、アプリケーション開発者が構成したタスク定義に従って作成されます。これにより、特定のタイプのタスク(従業員の提示された職務変更についての承認タスクなど)の各インスタンスが必ず同じ過程を通るようになります。タスク定義では、特定のタイプのタスクに参加できるユーザーを指定します。

タスクで実行できるアクションは、タスク参加者として持つロールによって異なります。

5.1.1 タスク参加者について

タスク参加者はタスクに対してアクションを実行できます。参加者は、イニシエータ、所有者またはビジネス管理者になります。

個々のタスクを更新または変更するには、タスク参加者である必要があります。複数の参加者ロールがあります:
  • タスク・イニシエータとして、タスクを取り消したり、タスクの優先度を更新できます。タスクの実際の所有者は、タスクに関する詳細情報を提供するように求められる場合があります。
  • 潜在的所有者として、未割当てのタスクを要求し、それらのタスクの実際の所有者になることができます。タスクには複数の潜在的所有者を設定できます。自分が開始した承認タスクは要求できませんが、自分が所有しているアクション・タスクは要求できます。
  • 実際の所有者である場合は、自分が所有するタスクに変更を加えることができます。イニシエータからそのタスクの詳細情報を求められることがあり、タスクの委任、タスクの承認、却下または完了などができます。「タスク定義」で「更新可能」とマークされているタスク・パラメータの値を更新することもできます。自分が開始した承認タスクは自分が所有でき、自分が開始したアクション・タスクはいつでも所有できます。
  • ビジネス管理者である場合は、タスクの優先度の更新、タスクの期日の変更、新しい潜在的所有者の追加、既存の潜在的所有者の削除、不要なタスクの取消しまたは期限切れタスクの更新によって、特定のタスク定義のタスクを管理できます。タスクの実際の所有者は削除できません。また、タスク・パラメータの値は、タスク定義でそれが更新可能としてマークされている場合は更新できます。

    ヒント:

    変更は個々のタスクにのみ影響します。基礎となるタスク定義は変更できません。

各タスクには、少なくとも1人の潜在的所有者と1人のビジネス管理者がいます。

5.1.2 タスク期日について

開発者は、タスクの期日を指定できます。タスクに期日がある場合は、その期日以降に期限が切れる可能性があります。期限切れのタスクは自動的に更新される場合があります。

開発者は、期日が設定されるようにタスクを構成できます。期日は通常、タスク定義で設定されます。ただし、プロセス・タイプ・プラグインによって期日を上書きできます。詳細は、承認プロセス・プラグインの作成についてを参照してください。

タスクの実際の所有者が期日までにタスクを完了しない場合、タスクは次のようになる可能性があります。
  1. 所有者のタスク・リストにとどまります。タスクは「期限超過」で、所有者はいつでもタスクを承認または却下できます。
  2. 期限切れになります。タスクは「期限切れ」で、イニシエータのタスク・リストまたは所有者のタスク・リストに表示されなくなります。ビジネス管理者は、「期限切れのタスクの表示」を選択して期限切れのタスクを表示でき、タスクを更新できます。
  3. 更新します。元のタスクは「期限切れ」になり、APEXは新しい期日を持つ新しいタスクを自動的に作成します。タスクが特定の回数自動的に更新されると、タスクは期限切れになり、自動的には更新されません。
ビジネス管理者は、期限切れのタスクや、すでに更新の最大数に達しているタスクを更新できます。詳細は、タスクの更新を参照してください。

5.1.3 タスク・アクションについて

タスク・アクションとは、タスクの詳細の編集、タスクの承認または却下、タスクへのコメントなど、タスク・インスタンスで実行できる操作です。

タスクに対して様々なアクションを実行できます。実行できるアクションは、タスクのタイプ、自分のロールおよびタスクの状態によって異なります。たとえば、すでに完了、エラーまたは取り消されたタスクは更新できません。また、自分が開始した承認タスクの承認や却下はできません。

アクション イニシエータ 潜在的所有者 実際の所有者 ビジネス管理者
要求 可能。ただし、自分が潜在的所有者でもある場合のみ。 はい(タスクが未割当ての場合)。

ノート:

タスクの構成方法によっては、開始した承認タスクを要求できる場合があります。
いいえ いいえ
完了(承認タスクの場合は承認または却下、アクション・タスクの場合は完了)。 可能。ただし、自分が実際の所有者でもある場合のみ。 可能。タスクを要求した後にそれを完了することで「タスクの詳細」ページから。または、承認タスクの場合は「統合タスク・リスト」から直接。

ノート:

タスクの構成方法によっては、開始した承認タスクを承認または却下できる場合があります。
可能。「タスクの詳細」ページから。または、承認タスクの場合は「統合タスク・リスト」から直接。

ノート:

タスクの構成方法によっては、開始した承認タスクの実際の所有者になることができます。
いいえ
委任 いいえ いいえ はい はい
リリース 可能(自分がそのタスクの実際の所有者でもある場合)。 いいえ はい いいえ
取消し はい いいえ いいえ はい
潜在的所有者の追加 いいえ いいえ いいえ はい
参加者の削除 いいえ いいえ いいえ はい
コメントの追加 はい はい はい はい
優先度の設定 はい いいえ いいえ はい
パラメータの更新 いいえ いいえ はい はい
情報のリクエスト いいえ いいえ はい いいえ
情報の発行 はい いいえ いいえ いいえ
期日の更新 いいえ いいえ いいえ はい
更新 いいえ いいえ いいえ はい(タスクが期限切れの場合)。タスクは、必要に応じて何度でも手動で更新できます。

関連項目:

『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』タスクの状態および遷移に関する項

5.1.4 タスクの詳細について

タスクの詳細ページには、特定のタスク・インスタンスに関する情報が表示されます。

タスクの詳細ページには、特定のタスク・インスタンスに関する情報が表示されます。この情報は、「統合タスク・リスト」に表示される情報よりも詳細に説明されています。

たとえば、Sample Workflows, Approvals, and Tasksアプリケーションを使用してAllenの1600から1800への給与変更リクエストを申請する場合を考えます。
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図sample_app_request_salary_change.pngの説明

My Requests統合タスク・リストに"Salary Change for Allen from 1600 to 1800"が表示され、タスクが現在から6日間でJaneに割り当てられていることが示されています。
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図sample_app_my_requests_task_list.pngの説明

タスクのタイトルをクリックしてタスクの詳細ページにアクセスすると、タスクの優先度、タスクを開始したユーザー、このリクエストが表す割合の変更、経時的なAllenの給与の変化を示すグラフ、タスクへのコメント、タスクの履歴など、タスクに関する情報が表示されます。
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図sample_app_salary_change_details.pngの説明