5.19.2.3 方法3: ユーザー・ドメイン内からユーザー・ドメインをバックアップする

ユーザー・ドメイン内からユーザー・ドメインのスナップショット・ベースのバックアップを取得できます。これは、ユーザー・ドメインを作業可能な状態にリストアするために使用できます。

すべてのステップはユーザー・ドメイン内から実行します。

ノート:

LVMスナップショットを使用してユーザー・ドメイン内からユーザー・ドメインをバックアップする方法では、リカバリ時の使用に関して制限があります。このようなバックアップは、ユーザー・ドメインがまだブート可能で、rootユーザーとしてログインできる場合のリカバリ用にのみ使用できます。これは、一部のファイルに損失または損傷が発生したが、ユーザー・ドメインがブートされ、/ (ルート)パーティションおよびブート・パーティションがマウントされた後に、バックアップからリストアできるような損傷です。そのような状況ではなくユーザー・ドメインをブートできない損傷の場合は、上述の方法1または2で作成したバックアップを使用してユーザー・ドメインをリカバリする必要があります。この場合は次の手順を実行して、ユーザー・ドメイン・レベルでリカバリ手順を実行する必要があります。

この手順では、次がバックアップされます。

  • LVDbSys1
  • LVDbOra1
  • /bootパーティション
  • Grid Infrastructureホーム
  • RDBMSホーム

rootユーザーとして、すべてのステップを実行する必要があります。

  1. バックアップの保存先を準備します。

    次の例で、ip_addressはNFSサーバーのIPアドレス、nfs_locationはバックアップを保持するNFSの場所です。

    # mkdir -p /remote_FS
    
    # mount -t nfs -o rw,intr,soft,proto=tcp,nolock ip_address:/nfs_location/ /remote_FS
  2. 次のように、/ (ルート)および/u01ディレクトリを含むファイル・システムのスナップショット・ベースのバックアップを取得します。
    1. ルート・ディレクトリを含むファイル・システムに、LVDbSys1_snapと言う名前のスナップショットを作成します。
      ボリューム・グループには、コマンドを正常に実行するのに少なくとも1 GBの空き領域が必要です。
      # lvcreate -L1G -s -n LVDbSys1_snap /dev/VGExaDb/LVDbSys1
    2. スナップショットにラベルを付けます。
      # e2label /dev/VGExaDb/LVDbSys1_snap DBSYS_SNAP
    3. スナップショットをマウントします。
      # mkdir /root/mnt
      
      # mount /dev/VGExaDb/LVDbSys1_snap /root/mnt -t ext4
    4. /u01ディレクトリにu01_snapという名前のスナップショットを作成します。
      # lvcreate -L256M -s -n u01_snap /dev/VGExaDb/LVDbOra1
    5. スナップショットにラベルを付けます。
      # e2label /dev/VGExaDb/u01_snap DBORA_SNAP
    6. スナップショットをマウントします。
      # mkdir -p /root/mnt/u01
      
      # mount /dev/VGExaDb/u01_snap /root/mnt/u01 -t ext4
    7. バックアップのディレクトリに変更します。
      # cd /root/mnt
    8. バックアップ・ファイルを作成し、前述の2つのスナップショット、/bootパーティション、Oracle Databaseホーム・ディレクトリおよびOracle Grid Infrastructureホーム・ディレクトリをバックアップします。

      次の例では、Grid_homeはOracle Grid Infrastructureホームの場所です(/u01/app/18.1.0/gridなど)。DB_homeはOracle Databaseホームの場所です(/u01/app/oracle/product/18.1.0/dbhome_1など)。

      # tar -pjcvf /remote_FS/mybackup.tar.bz2 * /boot Grid_home 
      DB_home > /tmp/backup_tar.stdout 2> /tmp/backup_tar.stderr
      
    9. /tmp/backup_tar.stderrファイルをチェックして、重大なエラーがないかを確認します。

      オープン・ソケットのアーカイブの失敗に関するエラーおよび他の同様のエラーは無視できます。

  3. ルート・ディレクトリを含むファイル・システムのスナップショットをアンマウントおよび削除します。
    # cd /
    # umount /root/mnt/u01
    # umount /root/mnt
    # /bin/rmdir /root/mnt
    # lvremove /dev/VGExaDb/u01_snap
    # lvremove /dev/VGExaDb/LVDbSys1_snap
  4. NFS共有をアンマウントします。
    # umount /remote_FS