2.11.7 Exadata X6以前のデータベース・サーバーのリカバリ - パーティションをカスタマイズしている場合

次の手順では、カスタマイズしたパーティションを使用しているときに、Oracle Linuxを実行しているOracle Exadata X6-2以前のOracle Exadata Database Serverをスナップショット・ベースのバックアップからリカバリする方法について説明します。

  1. NFSサーバーを準備して、バックアップ・アーカイブ・ファイル(mybackup.tar.bz2)をホストします。

    IPアドレスを使用して、NFSサーバーにアクセスできる必要があります。

    たとえば、IPアドレスがnfs_ipのNFSサーバーで、ディレクトリ/exportがNFSマウントとしてエクスポートされる場合、/exportディレクトリにバックアップ・ファイル(mybackup.tar.bz2)を置きます。

  2. diagnostics.isoファイルを使用して、リカバリ・ターゲット・システムを再起動します。
    Oracle Exadata System Softwareユーザーズ・ガイド診断ISOファイルを使用したサーバーの起動を参照してください。
  3. 診断シェルにrootユーザーとしてログインします。
    プロンプトが表示されたら、診断シェルに入ります。

    次に例を示します:

    Choose from following by typing letter in '()':
    (e)nter interactive diagnostics shell. Must use credentials 
    from Oracle support to login (reboot or power cycle to exit
    the shell),
    (r)estore system from NFS backup archive, 
    Type e to enter the diagnostics shell and log in as the root user.
    プロンプトが表示されたら、rootユーザーとしてシステムにログインします。rootユーザーのパスワードの入力を求められ、それが不明である場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。
  4. 必要に応じて、/opt/MegaRAID/storcli/storcli64 (またはOracle Exadata System Software 19cより前のリリースの場合は/opt/MegaRAID/MegaCli/MegaCli64)を使用して、ディスク・コントローラを構成してディスクを設定します。
  5. /mnt/cellをアンマウントします
    # umount /mnt/cell
  6. ブート・パーティションを作成します。
    1. partdコマンドを使用して対話型セッションを開始します。
      # parted /dev/sda
    2. ディスク・ラベルを割り当てます。
      • Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.3.0以上を実行している場合:

        (parted) mklabel gpt
      • Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.3.0より前のリリースを実行している場合:

        (parted) mklabel msdos
    3. ユニット・サイズをセクターとして設定します。
      (parted) unit s
    4. 既存のパーティションを表示して、パーティション表を確認します。
      (parted) print
    5. 再作成するパーティションを削除します。
      (parted) rm <part#>
    6. 新しい最初のパーティションを作成します。
      (parted) mkpart primary 63 1048639
    7. これがブート可能パーティションであることを指定します。
      (parted) set 1 boot on
  7. 追加のプライマリ(LVM)パーティションを作成します。
    • Oracle Exadata System Softwareリリース18.1.0.0.0以降を使用している場合、2番目のプライマリ(bios_grub)パーティションと3番目のプライマリ(LVM)パーティションを作成します。
      1. 2つ目の新しいパーティションを作成します。

        (parted) mkpart primary 1048640 1050687
      2. これがGRUB BIOSパーティションであることを指定します。

        (parted) set 2 bios_grub on
      3. 新しい3つ目のパーティションを作成します。

        (parted) mkpart primary 1050688 1751949278
      4. これが物理ボリュームであることを指定します。

        (parted) set 3 lvm on
      5. ディスクに情報を書き込んで、終了します。

        (parted) quit
    • Oracle Exadata System Softwareリリース18.1.0.0.0より前のリリースを使用している場合は、次を実行します。
      1. 2つ目の新しいパーティションを作成します。

        (parted) mkpart primary 1048640 -1
      2. これが物理ボリュームであることを指定します。

        (parted) set 2 lvm on
      3. ディスクに情報を書き込んで、終了します。

        (parted) quit
  8. カスタマイズしたLVMパーティションを再作成し、ファイル・システムを作成します。
    1. 次に示すように、物理ボリューム、ボリューム・グループおよび論理ボリュームを作成します。
      # lvm pvcreate /dev/sda2
      # lvm vgcreate VGExaDb /dev/sda2
    2. /(ルート)ディレクトリの論理ボリュームおよびファイル・システムを作成し、ラベルを付けます。
      • 論理ボリュームを作成します。

        # lvm lvcreate -n LVDbSys1 -L40G VGExaDb
      • Oracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.2.0以降を使用している場合は、予約パーティション用の論理ボリュームを作成します。

        # lvm lvcreate -n LVDoNotRemoveOrUse –L1G VGExaDb

        ノート:

        この論理ボリュームにファイル・システムを作成しないでください。
      • ファイル・システムを作成します。

        • ext4ファイル・システムがすでにある場合は、次のようにmkfs.ext4コマンドを使用します。

          # mkfs.ext4 /dev/VGExaDb/LVDbSys1
        • ext3ファイル・システムがすでにある場合は、次のようにmkfs.ext3コマンドを使用します。

          # mkfs.ext3 /dev/VGExaDb/LVDbSys1
      • ファイル・システムにラベルを付けます。

        # e2label /dev/VGExaDb/LVDbSys1 DBSYS
    3. システム・スワップ領域を作成します。
      # lvm lvcreate -n LVDbSwap1 -L24G VGExaDb
      # mkswap -L SWAP /dev/VGExaDb/LVDbSwap1
    4. /u01ディレクトリの論理ボリュームを作成し、ラベルを付けます。
      • 論理ボリュームを作成します。

        # lvm lvcreate -n LVDbOra1 -L100G VGExaDb
      • ファイル・システムを作成します。

        • ext4ファイル・システムがすでにある場合は、次のようにmkfs.ext4コマンドを使用します。

          # mkfs.ext4 /dev/VGExaDb/LVDbOra1
        • ext3ファイル・システムがすでにある場合は、次のようにmkfs.ext3コマンドを使用します。

          # mkfs.ext3 /dev/VGExaDb/LVDbOra1
      • ファイル・システムにラベルを付けます。

        # e2label /dev/VGExaDb/LVDbOra1 DBORA
    5. /bootパーティションにファイル・システムを作成し、ラベルを付けます。
      • ファイル・システムを作成します。

        • ext4ファイル・システムがすでにある場合は、次のようにmkfs.ext4コマンドを使用します。

          # mkfs.ext4 /dev/sda1
        • ext3ファイル・システムがすでにある場合は、次のようにmkfs.ext3コマンドを使用します。

          # mkfs.ext3 /dev/sda1
      • ファイル・システムにラベルを付けます。

        # e2label /dev/sda1 BOOT

      ノート:

      カスタマイズされたファイル・システム配置の場合は、ここで追加の論理ボリュームを作成できます。カスタマイズされた配置では、異なるサイズが使用される場合があります。
  9. すべてのパーティションのマウント・ポイントを作成して元のシステムをミラー化し、各パーティションをマウントします。

    たとえば、/mntがこの最上位ディレクトリとして使用されると、マウントされるパーティションのリストは次のようになります。

    /dev/VGExaDb/LVDbSys1 on /mnt
    /dev/VGExaDb/LVDbOra1 on /mnt/u01
    /dev/sda1 on /mnt/boot

    ノート:

    カスタマイズされたファイル・システム配置で追加の論理ボリュームがある場合は、このステップで追加のマウント・ポイントを作成する必要があります。

    次の例は、Oracle Exadata X6-2以前のシステムでrootファイル・システムをマウントする方法と、2つのマウント・ポイントを作成する方法を示しています。次のコマンドのfilesystem_typeには、該当するファイル・システム・タイプ(ext3またはext4)を指定します。

    # mount /dev/VGExaDb/LVDbSys1 /mnt -t filesystem_type
    # mkdir /mnt/u01 /mnt/boot
    # mount /dev/VGExaDb/LVDbOra1 /mnt/u01 -t filesystem_type
    # mount /dev/sda1 /mnt/boot -t filesystem_type
  10. インタフェースを起動します。
    • オペレーティング・システムがOracle Linux 6以上の場合:
      # ip address add ip_address_for_eth0/netmask_for_eth0 dev eth0
      # ip link set up eth0
      # ip route add default via gateway_address dev eth0
    • オペレーティング・システムがOracle Linux 5の場合:
      # ifconfig eth0 ip_address_for_eth0 netmask netmask_for_eth0 up
  11. バックアップがあるNFSサーバーをマウントします。

    次の例は、IPアドレスがnfs_ipであるNFSサーバーの/exportディレクトリにバックアップがあることを前提としています。

    # mkdir -p /root/mnt
    # mount -t nfs -o ro,intr,soft,proto=tcp,nolock nfs_ip:/export /root/mnt
  12. バックアップをリストアします。
    # tar -pjxvf /root/mnt/mybackup.tar.bz2 -C /mnt
  13. リストアしたファイル・システムをアンマウントし、/bootパーティションを再マウントします。
    # umount /mnt/u01
    # umount /mnt/boot
    # umount /mnt
    # mkdir /boot
    # mount /dev/sda1 /boot -t filesystem_type
  14. ブート・ローダーを設定します。

    次の手順では、/dev/sda1/boot領域です。

    • Oracle Exadata System Softwareリリース18.1.0.0.0以降を使用している場合は、次を実行します。
      # grub2-install /dev/sda
      
      Installing for i386-pc platform.
      Installation finished. No error reported.
    • Oracle Exadata System Softwareリリース18.1.0.0.0より前のリリースを使用している場合は、次を実行します。
      # grub
      grub> find /I_am_hd_boot
      grub> root (hdX,0)
      grub> setup (hdX)
      grub> quit

      前述のコマンドのfindコマンドは、ファイルI_am_hd_bootが格納されているハード・ディスク((hd0,0)など)を識別します。確認した値を使用して、GRUBのrootおよびsetupコマンドのhdX値を指定してください。

  15. diagnostics.isoファイルを切り離します。
  16. /bootパーティションをアンマウントします。
    # umount /boot
  17. システムを再起動します。
    # shutdown -r now

    これで、サーバーのリストア手順が完了です。

  18. リカバリをOracle Exadataエイス・ラックで実行した場合は、「Oracle Exadata Database Machineエイス・ラックのOracle Linuxデータベース・サーバーのリカバリ後の構成」の手順を実行します。