5.25 Oracle VM環境でのExachkの実行

Oracle Exadataでの仮想化は、Exachkバージョン12.1.0.2.2以降でサポートされています。

Oracle ExadataOracle VM環境でExachk監査チェックの完全なセットを実行するには、Exachkをインストールして、次のように複数の場所から実行する必要があります:

  • 1つの管理ドメイン(dom0)から

  • Oracle VM Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)クラスタごとに1つのユーザー・ドメイン(domU)から

たとえば、4つのOracle VM Oracle RACクラスタを含む2つのデータベース・サーバー(両方のデータベース・サーバーで合計8つのdomU、クラスタごとに2つのノード)を搭載しているOracle Exadataクォータ・ラックでは、次のようにExachkを個別に5回実行する必要があります:

  1. 最初のクラスタの最初のユーザー・ドメイン(domU)でExachkを実行します。

  2. 2番目のクラスタの最初のユーザー・ドメイン(domU)でExachkを実行します。

  3. 3番目のクラスタの最初のユーザー・ドメイン(domU)でExachkを実行します。

  4. 4番目のクラスタの最初のユーザー・ドメイン(domU)でExachkを実行します。

  5. 最初の管理ドメイン(dom0)でExachkを実行します。

Exachkによって実行される監査チェックは、次の表に指定されています:

表5-6 Exachkによって実行される監査チェック

Exachkのインストールおよび実行先 実行される監査チェック

管理ドメイン(dom0)

ハードウェアおよびオペレーティング・システム・レベルのチェック対象:

  • データベース・サーバー(管理ドメイン)
  • ストレージ・サーバー
  • RDMAネットワーク・ファブリック
  • RDMAネットワーク・ファブリックのスイッチ

ユーザー・ドメイン(domU)

ユーザー・ドメインのオペレーティング・システム・レベル・チェックおよびOracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのチェック

Exachkのコマンドライン・オプション

Exachkには、専用のコマンドライン・オプションが不要です。Oracle Exadata Oracle VM環境で実行されていること、および管理ドメインまたはユーザー・ドメインで実行されているかどうかを自動的に検出し、適用可能な監査チェックを実行します。たとえば、最も簡単なケースとして、コマンドライン・オプションなしでExachkを実行できます。

./exachk

管理ドメインでExachkを実行すると、RDMAネットワーク・ファブリック経由でアクセス可能なすべてのデータベース・サーバー、ストレージ・サーバーおよびRDMAネットワーク・ファブリック・スイッチで監査チェックが実行されます。

サーバーまたはスイッチのサブセットでExachkを実行するには、次のコマンドライン・オプションを使用します:

表5-7 Exachkのコマンドライン・オプション

オプション 説明

-clusternodes

データベース・サーバーのカンマ区切りリストを指定します。

-cells

ストレージ・サーバーのカンマ区切りリストを指定します。

-ibswitches

RDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのカンマ区切りリストを指定します。

たとえば、Oracle Exadataフル・ラックの最初のクオータ・ラックのみが仮想化用に構成されているとしても、RDMAネットワーク・ファブリック経由ですべてのコンポーネントにアクセス可能ならば、データベース・サーバーdm01adm01から次のようなコマンドを実行できます:

./exachk -clusternodes dm01adm01,dm01adm02
   -cells dm01celadm01,dm01celadm02,dm01celadm03
   -ibswitches dm01swibs0,dm01sw-iba0,dm01sw-ibb0