7.7.1.2.4.2 アラート通知の属性

アラート通知の構成

アラートに関する通知をセルが送信するように設定するには、次のセル属性を構成します。

  • mailServer: アラート通知の送信に使用される電子メール・リレー・サーバーの完全修飾ドメイン名。この属性は、DNSによって、smtpToAddrで指定されている電子メール・サーバーについて到達不能または無効なメール交換(MX)レコードが返される場合にのみ、指定する必要があります。
  • smtpPort: アラート通知の送信に使用する電子メール・サーバーのポート
  • smtpUseSSL: アラート通知にSecure Socket Layer (SSL)暗号化を使用する仕様。
  • smtpFrom: アラート通知のFrom:ヘッダーに表示するユーザー名
  • smtpFromAddr: アラート通知のFrom:ヘッダーに表示する電子メール・アドレス。この電子メール・アドレスは、電子メール・サーバーで認証されていません。
  • smtpToAddr: 電子メールの送信先アドレス。電子メール・アドレスは、複数のサブスクライバにアラートを通知できるように、引用符で囲んだカンマ区切りのリストにできます。
  • snmpSubscriber: SNMPアラート通知をサブスクライブするホストのリスト
  • snmpUser: SNMPアラートを受信するユーザーを定義します
  • snmpEngineID: ストレージ・セルからのアラートをサブスクライブするためにSNMPマネージャによって使用される識別子
  • notificationMethod: アラートの通知メソッド
  • notificationPolicy: サブスクライバに送信する重大度アラートのインジケータ
  • emailFormat: 電子メール・メッセージのファイル形式
  • emailSubscriber: アラート通知にサブスクライブする名前のリスト

使用上のノート

  • mailServer

    mailServer属性により、アラート通知の送信に使用される電子メール・リレー・サーバーを特定します。mailServer属性値を変更すると、Exadata管理サーバー(MS)によってsendmailサービスが自動的に構成され再起動されます。mailServer属性をクリアし、sendmail構成から電子メール・リレー・サーバーを削除するには、mailServerを、引用符で囲んだ空文字列に設定します(mailServer='')。

  • smtpPort

    smtpPort属性は、引用符で囲んだ空の文字列(smtpPort='')に設定することにより、デフォルト値にリセットできます。

  • smtpUseSSL

    smtpUseSSL属性は、trueに設定すると、電子メール通知でSecure Socket Layer(SSL)暗号化が有効になります。

  • smtpToAddr

    smtpToAddr属性は、アラート通知の受信者のカンマ区切りの電子メール・アドレス・リストを設定するために使用できます。このリストは引用符で囲む必要があります。

  • snmpSubscriber

    snmpSubscriber属性は、SNMPアラート通知を送信するSNMPターゲットのリストに設定できます。これらのターゲットは次のように指定されます。

    snmpSubscriber[-|+]=(
      (host=host[,port=port][,type=subscriber_type][,community=community][,snmpuser=snmp_user_name][,fromIP="ip"][,asrmPort="ASRManager_port"])
    [,(host=host[,port=port][,type=subscriber_type][,community=community][,snmpuser=snmp_user_name][,fromIP="ip"][,asrmPort="ASRManager_port"])] ...)
    

    snmpSubscriber属性には、次の値を使用します:

    • hostは、ホスト名またはIPアドレスのどちらかとして指定する必要があります。英数字以外の文字が含まれる場合は、ホスト名またはIPアドレスは引用符で囲みます。

    • portのデフォルト値は162です。この値はオプションです。

    • 有効なtype値は、v1ASRv3およびv3ASRです。

      • Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0以降では、type値を指定する必要があります。

        以前は、typeの設定はオプションであり、デフォルト値はv1でした。

      • type=v3オプションおよびtype=v3ASRオプションは、SNMP V3を使用します。SNMP V3は、以前のSNMPバージョンよりもセキュアであるとみなされるため、可能な場合は使用する必要があります。

      • type=ASRまたはtype=v3ASRsnmpSubscriberOracle ASR Managerを指すようにのみ構成する必要があります。

      • type=ASRオプションおよびtype=v3ASRオプションは、Oracle Exadata Storage ServerとそのILOMOracle ASRの宛先を設定します。SNMPサブスクライバのリストからtype=ASRおよびtype=v3ASRのすべてのsnmpSubscriberのエントリを削除すると、Oracle Exadata Storage ServerとそのILOMOracle ASRトラップ・メカニズムが無効になります。

      • v3ASRタイプの場合、authProtocol=SHAおよびprivProtocol=AESを使用してユーザーを定義する必要があります。Oracle ASR Managerは、これらのプロトコルのみをサポートしています。snmpSubscriberを、タイプv3ASRに設定すると、ILOMプロパティおよびILOMで送信されるトラップのルールも設定されます。

    • Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0以降では、type=v1またはtype=ASRのサブスクライバにcommunity値を指定する必要があります。また、セキュリティ上の理由から、publicprivateなどの一般的なデフォルト値はお薦めしません。

      以前は、communityの設定はオプションであり、デフォルト値はpublicでした。

    • type=v3またはtype=v3ASRのサブスクライバの場合、サーバー内にすでに構成されているSNMPユーザー名(snmpuser=snmp_user_name)を指定する必要があります。

      次に例を示します:

      CellCLI> ALTER CELL snmpuser.snmpuser1=(authprotocol=SHA,authpassword=*)
      ...
      
      CellCLI> ALTER CELL snmpSubscriber=((host=newhost,port=162,type=v3,snmpuser=snmpuser1))
      
    • fromIPフィールドで、トラップが送信されるIPアドレスを指定できます。このフィールドが指定されていない場合、デフォルトで、eth0に関連付けられているIPアドレスが設定されます。Oracle ASR ManagerにデフォルトのIPアドレスが登録されていなければ、このフィールドを使用します。Oracle ASR Managerは、認識できるIPアドレスから送信されたSNMPトラップのみを処理します。

      fromIPフィールドは、タイプがASRまたはv3ASRのSNMPサブスクライバに対してのみ使用できます。

      次に例を示します:

      CellCLI> ALTER CELL snmpSubscriber=((host=asrhost,port=162,community=asrcommunity,fromIP="1.1.1.1",type=ASR))
      

      次の例では、タイプがASRまたはv3ASRではないため、エラーが返されます。

      CellCLI> ALTER CELL snmpSubscriber=((host=localhost,port=162,community=asrcommunity,fromIP="1.1.1.1",type=v1))
      CELL-00068: The fromIP field is only supported for ASR SNMP subscribers.
      
    • asrmPortフィールドにより、Oracle ASR Managerとの通信のためにMSで使用されるOracle ASR Managerマシンのポート番号を指定できます。このポートは、Oracle ASR ManagerのHTTP受信機能のHTTPポートと同じにする必要があります。これを確認するには、Oracle ASR Managerマシンでasr show_http_receiverを実行します。

      asrmPortフィールドは、タイプがASRまたはv3ASRのSNMPサブスクライバに対してのみ使用できます。このポートのデフォルト値は16161です。

    デフォルトでは、ALTER CELL snmpSubscriber=(SNMPtargets)は既存のsnmpSubscriber値を置き換えます。ただし、Oracle Exadata System Softwareリリース21.2.0から、snmpSubscriber+=(SNMPtarget)を使用して、SNMPターゲットの既存のリストに追加できます。次に例を示します:

    CellCLI> ALTER CELL snmpSubscriber+=((host=newhost,port=162,community=snmpcommunity,type=v1))
    

    また、Oracle Exadata System Softwareリリース22.1以降では、snmpSubscriber-=(SNMPtarget)を使用して、SNMPターゲットの既存のリストからエントリを削除できます。次に例を示します:

    CellCLI> ALTER CELL snmpSubscriber-=((host=myhost,port=162,community=snmpcommunity,type=v1))
    

    管理サーバー(MS)を起動すると、type=ASRsnmpSubscriberリストのエントリはCELLILOMに追加されます。これにより、ILOMが置き換えられると、エントリは新しいILOMに設定されます。エントリがILOMから削除された場合は、ALTER CELL ... snmpUser=コマンドを使用して、それらのエントリをILOMに手動で追加する必要があります。

  • snmpUser

    snmpUser属性では、SNMPアラートを受信するユーザーを定義します。このコマンドは、対話型モードでのみ実行できます。この属性を構成する方法は2つあります。

    snmpuser=((user_clause1)[,(user_clauseN)]...)
    
    snmpuser.name=(user_clause) 
    • snmpuserを指定する場合は、構成されるすべてのユーザーのuser_clauseを指定する必要があります。ユーザーを省略すると、そのユーザーはSNMPアラートを受信しなくなります。((user_clause1)[,(user_clauseN)]...)文字列を指定すると、snmpuser属性に使用していた以前の文字列が上書きされます。

    • snmpuser.nameを指定する場合は、指定したユーザーのみのuser_clauseを指定する必要があります。これにより、snmpuser属性の文字列全体を毎回指定しなくても、各ユーザーを個別に追加、削除または変更できます。

    • snmpuser=''を使用すると、すべてのSNMPユーザーが削除されます。snmpuser.name=''を使用すると、指定したユーザーのみが削除されます。SNMPユーザーがV3 SnmpSubscriberによって参照されている間は、SNMPユーザーを削除できません。

    それぞれの方法で、次の一般的な形式のuser_clauseを使用します:

    ([name=user1,] authProtocol=auth_type, authPassword=*
       [, privProtocol=priv_type, privPassword=*]) 
    [,(name=userN, authProtocol=auth_type, authPassword=*
       [, privProtocol=priv_type, privPassword=*] )]...

    snmpuser.name表記を使用して単一のユーザーを更新する場合は、user_clauseにフレーズname=user1を含めないでください。

    • nameはユーザー名です。

    • コマンド内のパスワード値には*のみが使用可能です。パスワードは格納または表示されません。セキュア・ハッシュ・キーが計算され、トラップの認証および暗号化用として使用されます。

    • authProtocolは認証プロトコルを指定します。

      オプションには、MD5およびSHAがあります。また、Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0では、SNMP V3サブスクライバ用にSHA2認証プロトコル(SHA-224SHA-256SHA-384およびSHA-512)が導入されています。

      snmpUser属性にはauthProtocolを指定する必要があります。

      認証パスワードの入力が求められます。認証パスワードは、8から12文字の英数字にする必要があります。

    • privProtocolは暗号化プロトコルです。オプションはnoneAESまたはDESです。privProtocol属性を指定しない場合、デフォルトのnoneを使用します。

      暗号化プロトコルが指定されている場合、暗号化パスワードの入力が求められます。パスワードは正確に8文字の英数字であり、大文字小文字が区別されます。

  • snmpEngineID

    ストレージ・セルからのアラートをサブスクライブするためにSNMPマネージャによってALTER CELL snmpEngineIDコマンドが使用されます。snmpEngineIDパラメータは、最大20文字まで設定できます。これは、データ・センター内のターゲットごとに一意である必要があります。デフォルト値はセル名です。SNMPユーザーが定義される前にsnmpEngineID属性が設定されていない場合、このデフォルト値が使用されます。

    ノート:

    SNMPユーザーが定義された後は、エンジン識別子を変更しないでください。エンジン識別子を変更すると、ユーザー・キーが再計算されるため、ユーザーのパスワードを再入力する必要があります。
  • notificationMethod

    notificationMethod属性の値は、mailsnmpnone、またはmailsnmpの組合せ(notificationMethod='mail,snmp'など)が可能です。デフォルト値はmailです。

  • notificationPolicy

    notificationPolicy属性の値は、none、またはcriticalwarningclearの組合せ(notificationPolicy='warning,clear'など)が可能です。

    • critical値は、ハードウェア生成のアラートか、自動診断リポジトリ(ADR)またはBMCで生成されるアラートを示します。また、critical値は、メトリック定義で指定したcriticalのしきい値を超えた場合のメトリック・アラートも示します。
    • warning値は、メトリック定義で指定したwarningのしきい値を超えた場合のメトリック・アラートを示します。
    • clear値は、値がwarningまたはcriticalのしきい値を超えた後に、そのしきい値の境界を下回った場合のメトリック・アラートを示します。
    • maintenance値は、ハードウェア関連のすべてのエラーを示します。ハードウェア・エラーは、電子メール・メッセージの件名の行に"Maintenance"としてレポートされます。
  • emailFormat

    emailFormat属性はhtmlまたはtextです。デフォルトでは、電子メール通知はHTML形式で送信されます。プレーン・テキストの電子メール通知を受信するには、値をtextに変更します。

  • emailSubscriber

    ALTER CELL emailSubscriberコマンドは、特定のアラート・タイプのアラート通知の受信者にする電子メール・アドレスのカンマ区切りのリストを設定します。このコマンドの構文は次のとおりです。

    ALTER CELL emailSubscriber = ((email="email_address1",                \ 
               alertType="alert_type")                               \
              [, (email="email_address2",alertType="alert_type"), ...])
    
    • この電子メール・アドレスは、有効な電子メール・アドレスであることが必要です。emailパラメータは必須です。

    • alertTypeパラメータは、アラートのタイプを指定します。このパラメータはオプションです。アラート・タイプは、HARDWARESOFTWAREMETRICまたはADRです。アラート・タイプを指定しない場合、すべてのアラート・タイプがサブスクリプションの対象になります。

    • 入力文字列を空にすると、現在の一連のサブスクライバが削除されます。

    • アラート通知を受信するには、通知ポリシーを設定する必要があります。ポリシーは、すべての電子メール・サブスクライバに適用されます。これらのアラートの通知ポリシーは、snmpSubscriberアラートの場合と同じです。

    セル・アラートまたはイベントの電子メール・メッセージが正常に送信されるかどうかを検証するには、ALTERコマンドにVALIDATE MAILオプションを指定します。検証プロセスにより、設定した受信者にテスト用の電子メール・メッセージが送信されます。テスト用の電子メール・メッセージが受信されない場合は、電子メール構成の設定が有効になっていません。

例7-11は、snmpSubscriberasrmPortフィールドを設定する方法を示しています。

例7-12は、セルの電子メール通知を設定する方法を示しています。

例7-13は、SNMPユーザーを変更する方法を示しています。

例7-14は、単一のSNMPユーザーを変更する方法を示しています。

例7-15は、電子メール・アラートのタイプを指定する方法を示しています。この例では、1つのサブスクライバがハードウェアおよびソフトウェアを取得し、もう1つのサブスクライバがADRアラートを取得します。

例7-16は、電子メール・メッセージの形式の変更方法を示しています。

例7-17は、電子メール・アラートのサブスクライブ解除方法を示しています。

例7-18は、notificationPolicy属性をデフォルト値にリセットする方法を示しています。

例7-11 snmpSubscriberのasrmPortの設定

CellCLI> ALTER CELL snmpSubscriber=((host=host1,port=162,community=asrcommunity,type=asr,asrmPort=16161))

例7-12 セルの電子メール通知の構成

この例には、複数のSNMPサブスクライバが含まれています。host2はSNMP v3サブスクライバであるため、communityの指定はありません。かわりに、SNMP v3サブスクライバに対しては、既存のSNMPユーザーを指定する必要があります。SNMPユーザーの変更の例については、次も参照してください。

CellCLI> ALTER CELL mailServer='my_mail_relay.example.com',                                  -
                    smtpFromAddr='john.doe@example.com',                                     -
                    smtpFrom='John Doe',                                                     -
                    smtpToAddr='jane.smith@example.com',                                     -
                    snmpSubscriber=((host=host1,port=162,community=snmpcommunity,type=v1),   -
                                    (host=host2,port=162,snmpuser=user2,type=v3)),                          -
                    notificationPolicy='clear',                                              -
                    notificationMethod='mail,snmp'

例7-13 SNMPユーザーの変更

この例は、SNMPユーザー構成を示しています。ここでは、管理者はパスワードの入力を求められます。この例には1つのユーザー定義が含まれていますが、同じ方法を拡張して同じコマンドで複数のSNMPユーザーを定義することもできます。

CellCLI> ALTER CELL snmpuser = ((name=ASR, authprotocol=md5, authpassword=*,   \
                    privprotocol=AES, privpassword=*))
snmpUser ASR authpassword: password
Confirm snmpUser ASR authpassword: password
snmpUser ASR privpassword: password
Confirm snmpUser ASR privpassword: password

例7-14 SNMPユーザーの変更

次のコード例は、SNMPユーザーの追加、そのユーザーのパスワードの変更、およびそのユーザーの削除を示しています。

## adding users individually
CellCLI> ALTER CELL snmpuser.user2=(authprotocol=SHA,authpassword=*)

snmpUser user2 authpassword: password
Confirm snmpUser user2 authpassword: password

snmpUser ((name=user1, authProtocol=SHA, privProtocol=AES)) has been replaced with 
((name=user1, authProtocol=SHA, privProtocol=AES),(name=user2, authProtocol=SHA)).
...

## changing a password of an existing user
CellCLI> ALTER CELL snmpuser.user2 = (authprotocol=SHA,authpassword=password)

## delete a user individually
CellCLI> ALTER CELL snmpuser.user2=''

snmpUser ((name=user1, authProtocol=SHA, privProtocol=AES),(name=user2, authProtocol=SHA)) has
 been replaced with ((name=user1, authProtocol=SHA, privProtocol=AES)).
...

例7-15 電子メール・アラートのタイプの指定

ALTER CELL emailSubscriber=                                             \
           ((email="email1@example.com",alertType="HARDWARE,SOFTWARE"), \
           (email="email2@example.com",alertType="ADR"))

例7-16 電子メールのメッセージの形式の変更

CellCLI> ALTER CELL emailFormat='text'
CellCLI> ALTER CELL emailFormat='html'

例7-17 電子メール・アラートのサブスクライブ解除

ALTER CELL emailSubscriber=""

例7-18 notificationPolicy属性のデフォルト値の設定

この例は、notificationPolicy属性のデフォルト値を設定する方法を示しています。

CellCLI> alter cell notificationPolicy=""