1.2.3.3 ExadataスマートFlash Log
Exadata Smart Flash Logは、パフォーマンスが重要となるログ書込み操作を高速化することで、トランザクションのレスポンス時間を改善し、I/O集中型ワークロードのデータベース全体のスループットを向上させます。
ユーザー・トランザクションをコミットする時間は、ログ書込み操作のレイテンシの影響を大きく受けます。また、領域管理や索引分割などのパフォーマンス・クリティカルな多くのデータベース・アルゴリズムも、ログ書込みのレイテンシにより大きな影響を受けます。
ディスク・コントローラには、高速の書込みに対応した大きいバッテリ・バックアップDRAMキャッシュが備えられていますが、それでも、ビジーな期間にはディスクに書き込まれていないブロックでディスク・コントローラ・キャッシュが時々いっぱいになり、ディスクに対する一部の書込み操作が低速になることがあります。低速のREDOログ書込み操作が比較的少ない場合でも、顕著なパフォーマンスの問題が発生することがあります。
Exadata Smart Flash Logにより、パフォーマンスに依存するREDOログ書込みI/O操作の平均レイテンシが短縮されるため、低速のREDOログ書込みが原因で発生する可能性のあるパフォーマンスのボトルネックが解消されます。Exadata Smart Flash Logでは、2つのメディア・デバイスへのREDOログ書込みを同時に実行することで、レイテンシ・スパイクを排除します。いずれかのメディア・デバイスへのFirst Writesが完了するとすぐにREDO書込みが確認されます。
Oracle Exadata System Softwareリリース20.1より前は、Exadata Smart Flash Logではディスクおよびフラッシュ・ストレージへの同時書込みを実行していました。この構成では、Exadata Smart Flash Logによって平均ログ書込みレイテンシが改善され、データベース全体のスループットが向上します。ただし、すべてのログ書込みは最終的にディスクに永続化される必要があるため、この構成はディスク全体のスループットによって制限され、ディスクのスループットで制約されるアプリケーションにはほとんど役立ちません。
Oracle Exadata System Softwareリリース20.1では、ディスク記憶域ではなくExadata Smart Flash Cacheをライトバック・モードで使用する、Smart Flash Log Write-Backと呼ばれる最適化がさらに追加されています。この構成では、Exadata Smart Flash Logによって平均ログ書込みレイテンシおよびログ書込み全体のスループットが向上し、要求の厳しいスループット集中型アプリケーションのロギングのボトルネックが排除されます。
親トピック: スマート・フラッシュテクノロジ