5.1.3.1 データベース間のIORMプランのディレクティブについて

データベース間のプランのディレクティブは、データベースのDB_UNIQUE_NAMEを識別子として使用して指定されます。

allocationベースのリソース管理を使用する場合、各ディレクティブがallocation量とlevel(1から8)で構成される点でデータベース・リソース・プランと同じです。各プランでは、任意のlevelのallocationの合計を100%以下にする必要があります。データベース間のプランとデータベース・リソース・プランの異なる点は、データベース間のプランにはサブプランを含めることができず、I/Oリソースのディレクティブしか含めることができないことです。

shareベースのプランでは、allocationによる割当ておよびlevelではなく、相対的なshareを使用します。このようなプランは実装は簡単ですが、allocationによる割当てと同様の効果があります。各データベースには、1から32の整数のshare値が割り当てられます。shareの合計は32768まで可能です。shareベースのプランでは、データベース間プラン内で最大1024のディレクティブをサポートします。たとえば、クリティカルなデータベースのFINANCEに4つのshareがあり、優先度の低いデータベースのREPORTINGに1つのshareがある場合、リソース競合期間中のFINANCEデータベースのI/O発行の可能性はREPORTINGデータベースの4倍になります。

Oracle Exadata System Softwareでは、データベース間プランおよびデータベース・リソース・プランを併用してI/Oリソースを割り当てます。

  • 最初に、データベース間のプランによって各データベースにI/Oリソースが割り当てられます。
  • 次に、各データベースのデータベース・リソース・プランによってコンシューマ・グループにI/Oリソースが割り当てられます。データベースにアクティブなデータベース・リソース・プランがない場合は、すべてのユーザーI/Oが同じように処理されます。バックグラウンドのI/Oは、重要度に基づいてユーザーI/Oに対して優先度が付けられます。

ベスト・プラクティスとしては、ストレージを共有するデータベースごとにディレクティブを作成することをお薦めします。これは、shareベースのプランでは自動的に実行されますが、allocationベースのプランでは自動的に実行されません。明示的なディレクティブのないデータベースをallocationによる割当てプランで管理できるようにするには、OTHERという名前の割当てを作成します。明示的なディレクティブのないデータベースは、OTHERグループ・ディレクティブの割当てを使用して管理されます。

shareベースのプランで明示的にマッピングされない各データベースのデフォルトのshareは、それぞれ1です。ただし、shareベースのプランでは、DEFAULTディレクティブを使用して様々なIORM属性のデフォルト値を指定できます。

異なるOracle ASMクラスタにDB_UNIQUE_NAMEが同じデータベースがある場合、Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0以降では、asmcluster属性を使用すると、データベース間プランの各データベースを一意に識別できます。