6.3.7.2 データベース統計および待機イベントを使用したスマートI/Oの監視

次の表では、スマートI/O操作の監視に役立つ様々なデータベース統計について説明します。これらの統計は、V$SYSSTATなどの様々な動的パフォーマンス・ビューで使用でき、AWRレポートのグローバル・アクティビティ統計セクションまたはインスタンス・アクティビティ統計セクションに表示されます。

統計 説明
cell IO uncompressed bytes

セルで処理された非圧縮データの合計サイズ。

Exadataハイブリッド列圧縮を使用して圧縮されたセグメントに対する操作の場合、この統計が解凍後のデータのサイズになります。

cell num bytes in block IO during predicate offload クライアントがブロックI/Oモードであったためにオフロードされなかったバイト数。
cell num bytes in filter passthru due to low mem セルに対するメモリー不足が原因でオフロードされず、処理のためにデータベースに返されたバイト数。
cell num bytes in filter passthru due to subheap size limit exc セルに対するメモリー制限が原因でオフロードされず、処理のためにデータベースに返されたバイト数。
cell num bytes in passthru due to quarantine セルに対する検疫が原因でオフロードされず、処理のためにデータベースに返されたバイト数。
cell num bytes in passthru during predicate offload オフロードされず、処理のためにデータベースに返されたバイト数。
cell num smart IO sessions in rdbms block IO due to big payload 大きすぎるメタデータが原因でブロックI/Oモードになっている(オフロードされない)セッション数。
cell num smart IO sessions in rdbms block IO due to no cell mem ストレージ・サーバーのメモリー不足が原因でブロックI/Oモードになっている(オフロードされない)セッション数。
cell num smart IO sessions in rdbms block IO due to online encr 進行中のオンライン暗号化操作が原因でブロックI/Oモードになっている(オフロードされない)セッション数。

cell num smart IO sessions in rdbms block IO due to open fail

セルへの接続のオープンの失敗が原因でブロックI/Oモードになっている(オフロードされない)セッション数。

cell num smart IO sessions in rdbms block IO due to user

ユーザー設定が原因でブロックI/Oモードになっている(オフロードされない)セッション数。
cell num smart IO sessions using passthru mode due to cellsrv CELLSRVの問題が原因でパススルー・モードになっている(オフロードされない)セッション数。

cell num smart IO sessions using passthru mode due to timezone

データベース・タイムゾーン・アップグレード操作の進行中が原因でパススルー・モードになっている(オフロードされない)セッション数。
cell num smart IO sessions using passthru mode due to user ユーザー設定が原因でパススルー・モードになっている(オフロードされない)セッション数。
cell physical IO bytes added to storage index スマート・スキャン中にストレージ索引に追加されたバイト数。これは、ストレージ索引が作成中であることを示します。
cell physical IO bytes eligible for predicate offload 条件のオフロードの対象となるディスク上のバイト数。
cell physical IO bytes eligible for smart IOs

条件のオフロードの対象となる実際のバイト数。

たとえば、列キャッシュを使用する場合、これはディスク上のサイズではなく列キャッシュのサイズです。

cell physical IO bytes processed for IM capacity 列キャッシュからmemcompress for capacity形式で読み取られたバイト数。
cell physical IO bytes processed for IM query 列キャッシュからmemcompress for query形式で読み取られたバイト数。
cell physical IO bytes processed for no memcompress 列キャッシュからno memcompress形式で読み取られたバイト数。
cell physical IO bytes processed for XrCC Exadata RDMAメモリー(XRMEM)上の列キャッシュから読み取られたバイト数。
cell physical IO bytes saved by columnar cache 列キャッシュによって保存されたバイト数。つまり回避された読取りバイト数。
cell physical IO bytes saved by storage index ストレージ索引によって保存されたバイト数。
cell physical IO bytes saved during optimized file creation ファイル作成操作をセルにオフロードして、データベース・ホストで保存されたI/Oバイト数。この統計は、最適化されたファイル作成操作の利点を示します。
cell physical IO bytes saved during optimized RMAN restore RMANのファイル・リストア操作をセルにオフロードして、データベース・ホストで保存されたI/Oバイト数。この統計は、最適化されたRMANのファイル・リストア操作の利点を示します。
cell physical IO bytes sent directly to DB node to balance CPU usage ストレージ・サーバーのCPU使用率が高いためにデータベース・サーバーに処理のために返されたI/Oバイト数。
cell physical IO interconnect bytes インターコネクト(データベース・ホストとセルの間)で交換されたI/Oバイト数。
cell physical IO interconnect bytes returned by smart scan スマート・スキャン操作のためにセルによって返されたI/Oバイト数。他のデータベースI/Oのバイト数は含まれません。

次の表では、スマートI/O操作の監視に役立つデータベース待機イベントについて説明します。待機イベントは、V$SESSIONV$SYSTEM_EVENTV$SESSION_EVENTなどの様々な動的パフォーマンス・ビューに表示され、AWRレポートの待機イベント・セクションに表示されることがあります。

待機イベント 説明
cell external table smart scan

この待機イベントは、セルで外部表スキャンを待機しているときに表示されます。

V$SESSIONP1列のセル・ハッシュ番号では、他のセルに比べて遅いセルを識別できます。

cell smart file creation(セルのスマート・ファイル作成)

この待機イベントは、セルでファイル作成が完了するのをデータベースが待機しているときに表示されます。

V$SESSIONP1列のセル・ハッシュ番号では、他のセルに比べて遅いセルを識別できます。

cell smart incremental backup(セルのスマート増分バックアップ)

この待機イベントは、セルで増分バックアップが完了するのをデータベースが待機しているときに表示されます。

V$SESSIONP1列のセル・ハッシュ番号では、他のセルに比べて遅いセルを識別できます。

cell smart index scan(セルのスマート索引スキャン)

この待機イベントは、索引高速フル・スキャンを待機しているときに表示されます。

V$SESSIONP1列のセル・ハッシュ番号では、他のセルに比べて遅いセルを識別できます。

cell smart index scan: db timezone upgrade この待機イベントは、データベース・タイムゾーンのアップグレードが進行中のためにセルがオフロードできないときに表示されます。
cell smart index scan: disabled by user この待機イベントは、ユーザー設定が原因でセルがオフロードできないときに表示されます。
cell smart index scan: pass through この待機イベントは、セルがスマート・スキャンをオフロードできないときに表示されます。
cell smart index scan request

これはcell smart index scanに関連付けられたプレースホルダ待機イベントで、待機期間中にのみ表示されます。

待機イベントが終了すると、プレースホルダは通常cell smart index scanに変換されます。ただし、待機の結果をより適切に説明するために、プレースホルダをcell smart index scan: db timezone upgradecell smart index scan: disabled by userまたはcell smart index scan: pass throughに変換できます。

cell smart restore from backup(バックアップからのセルのスマート・リストア)

この待機イベントは、セルでバックアップからのリストアのファイル初期化が完了するのをデータベースが待機しているときに表示されます。

V$SESSIONP1列のセル・ハッシュ番号では、他のセルに比べて遅いセルを識別できます。

cell smart table scan(セルのスマート表スキャン)

この待機イベントは、セルでスマート・スキャンが完了するのをデータベースが待機しているときに表示されます。

V$SESSIONP1列のセル・ハッシュ番号では、他のセルに比べて遅いセルを識別できます。

cell smart table scan: db timezone upgrade この待機イベントは、データベース・タイムゾーンのアップグレードが進行中のためにセルがオフロードできないときに表示されます。
cell smart table scan: disabled by user この待機イベントは、ユーザー設定が原因でセルがオフロードできないときに表示されます。
cell smart table scan: pass through この待機イベントは、セルがスマート・スキャンをオフロードできないときに表示されます。
cell smart table scan request

これはcell smart table scanに関連付けられたプレースホルダ待機イベントで、待機期間中にのみ表示されます。

待機イベントが終了すると、プレースホルダは通常cell smart table scanに変換されます。ただし、待機の結果をより適切に説明するために、プレースホルダをcell smart table scan: db timezone upgradecell smart table scan: disabled by userまたはcell smart table scan: pass throughに変換できます。

特定の統計または待機イベントの可用性は、使用しているOracle Databaseのバージョンによって決まります。