2.2.2.2 Oracle ASMコンテンツ・タイプの設定

content.typeディスク・グループ属性を設定すると、特に標準冗長性ディスク・グループのフォルト・トレランスが向上します。

Oracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.3以降、Oracle ASMでは、各ディスク・グループに関連付けられたコンテンツ・タイプを管理者が指定できるオプションが提供されています。この機能は、content.typeディスク・グループ属性によって提供されます。使用可能な設定は、datarecoveryまたはsystemの3つです。各コンテンツ・タイプ設定によって、セカンダリ・エクステント配置アルゴリズムで使用される隣接メジャーが変更されます。

その結果、コンテンツ・タイプ設定が異なるディスク・グループのコンテンツは、使用可能なディスク間で異なる方法で分散されます。これにより、コンテンツ・タイプの設定が異なる複数の標準冗長性ディスク・グループ間で、二重障害によってデータが失われる可能性が低くなります。同様に、コンテンツ・タイプ設定が異なる複数の高冗長性ディスク・グループで、三重障害によってデータが失われる可能性も低くなります。

content.type属性の値は、次のように設定する必要があります。

  • DATAおよびSPARSEディスク・グループ — data

  • RECOディスク・グループ — recovery

  • DBFS_DGディスク・グループ(存在する場合) — system

この推奨事項に従うと、フォルト・トレランスが強化されます。たとえば、DATAディスク・グループとRECOディスク・グループで標準冗長性が使用されている場合でも、2つのディスクで同時に障害が発生した場合に、少なくとも1つのディスク・グループは残ります。そのため、DATAがディスマウントされている場合でも、通常はRECOのバックアップ・オブジェクトからデータベースをリカバリできます。

ノート:

  • 特定のサービスをサポートするために作成されるディスク・グループなど、異なる目的に使用されるディスク・グループの可用性の特性を区別するには、content.type属性を使用しないでください。

  • スパース・グリッド・ディスクを使用する場合は、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureソフトウェアはリリース12.1.0.2.0 BP5以上である必要があります。

  1. ALTER DISKGROUPコマンドを使用して、既存のディスク・グループに対してcontent.type属性を設定してから、ディスク・グループをリバランスします。

    次に例を示します:

    ALTER DISKGROUP reco SET ATTRIBUTE 'content.type'='recovery';
    ALTER DISKGROUP reco REBALANCE POWER preferred_power_setting ; 
    

    リバランス操作には時間がかかる場合がありますが、この操作によりディスク・グループのデータの冗長性が完全になります。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata System Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。

  2. 次の問合せを使用してcontent.type属性をチェックします。
    SQL> SELECT dg.name,a.value FROM v$asm_diskgroup dg,        \
         v$asm_attribute a WHERE dg.group_number=a.group_number \
         AND a.name='content.type' AND (dg.name LIKE 'DATA%'    \
         OR dg.name LIKE 'RECO%' OR dg.name LIKE 'DBFS_DG%');
     
    NAME                 VALUE
    -------------------- --------------------
    DATA                 data
    RECO                 recovery
    DBFS_DG              system

例2-1 ディスク・グループ作成の間のcontent.typeの指定

この例では、Oracle Databaseリリース11.2.0.2およびリリース11.2.0.3の両方のデータベースを統合環境でサポートするために、compatible.rdbms属性は11.2.0.2に設定されます。

CREATE DISKGROUP data NORMAL REDUNDANCY
DISK 'o/*/DATA*'
ATTRIBUTE 'content.type' = 'DATA',
'AU_SIZE' = '4M',
'cell.smart_scan_capable'='TRUE',
'compatible.rdbms'='11.2.0.2',
'compatible.asm'='11.2.0.3';