6.4.1.3 メトリック履歴の使用
メトリック履歴は、過去のメトリック観測データの集合です。
ほとんどのメトリック履歴ファイルの保存期間は、ストレージ・サーバー(CELL
)またはデータベース・サーバー(DBSERVER
)に関連付けられたmetricHistoryDays
属性で指定されます。デフォルトの保存期間は7日です。各ストレージ・サーバーで、CellCLI ALTER CELL
を使用してこの設定を変更できます。同様に、DBMCLI ALTER DBSERVER
コマンドを使用して、各データベース・サーバーのデフォルトの保存期間を変更できます。
metricHistoryDays
属性によって管理されるメトリックに加えて、メトリック観測データのサブセットが、より長期的な分析および計画をサポートするために最大1年間保持されます。
Oracle Exadata System Software 24.1.0以降では、各メトリック定義に関連付けられたretentionPolicy
属性を使用して、最大1年間保持するメトリックを表示および制御できます。retentionPolicy
がDefault
の場合、関連するメトリックの保存期間はmetricHistoryDays
属性によって管理されます。retentionPolicy
がAnnual
の場合、関連するメトリックの保存期間は1年です。
サーバーで最大1年間の観測データ履歴を保持している可能性があるメトリックをすべて表示するには、CellCLIまたはDBMCLIで次のコマンドを使用します:
LIST METRICDEFINITION WHERE retentionPolicy='Annual'
特定のメトリックの保存ポリシーを変更するには、ALTER METRICDEFINITION
コマンドを使用し、retentionPolicy
属性をAnnual
またはDefault
に設定します。次に例を示します:
ALTER METRICDEFINITION CD_IO_BY_R_LG retentionPolicy='Annual'
Oracle Exadata System Softwareで定義された元のretentionPolicy
設定にメトリックをリストアするには、retentionPolicy
属性を空の文字列(''
)に設定します。次に例を示します:
ALTER METRICDEFINITION CD_IO_BY_R_LG retentionPolicy=''
いかなる場合でも、retentionPolicy
設定およびmetricHistoryDays
設定に関係なく、サーバーがメトリック履歴リポジトリのストレージ領域不足を検出すると、履歴メトリック観測データは自動的にパージされます。
メトリック履歴を表示するには、LIST METRICHISTORY
コマンドを使用します。たとえば、次のように指定します。
例6-17 メトリック履歴の値の表示
次のコマンドは、メトリックがcritical
アラート状態であったときの、CD_IO_RQ_R_LG
セル・メトリックのメトリック履歴の観測データを表示します。この出力には、すべてのメトリック属性が含まれます。
CellCLI> LIST METRICHISTORY CD_IO_RQ_R_LG WHERE alertState='critical' DETAIL
次のコマンドは、セル・ディスクに関連付けられているすべてのメトリック観測データのメトリック属性のサブセットを表示します。この出力は、指定した時間の後に観測されたゼロ以外のメトリック値を持つ観測データに限定されます。
CellCLI> LIST METRICHISTORY WHERE objectType = 'CELLDISK' AND metricValue != 0 -
AND collectionTime > '2009-08-12T09:10:51-07:00' ATTRIBUTES name, -
metricObjectName, metricValue, collectionTime
次のコマンドは、指定したオブジェクト・タイプに関連付けられている、指定した期間内のすべてのセル・メトリック観測データを表示します。
CellCLI> LIST METRICHISTORY WHERE objectType LIKE 'CELLDISK|FLASHCACHE|FLASHLOG|SMARTIO|IORM_DATABASE' -
AND collectionTime > '2020-07-15T08:00:00-07:00' -
AND collectionTime < '2020-07-15T09:00:00-07:00'