9.6 テスト・マスターとしてのOracle Data Guardスタンバイ・データベースの使用
テスト・マスターが定期的なリフレッシュを必要とする完全なデータベースの場合、テスト・マスター・データベースは、この目的専用のOracle Data Guardフィジカル・スタンバイとして作成することをお薦めします。
この方法を使用すると次に示す複数のメリットが得られます。
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容易なリフレッシュ
Oracle Data Guardは、本番データベースの複数の物理レプリカ(障害時リカバリ、本番の読取り専用オフロード、バックアップ・オフロードおよびテストに使用される)を同期するソリューションとして実績があります。これと同じ機能を使用すると、本番データベースのコピーをテスト・マスター・データベース専用として維持でき、定期的なリフレッシュも容易に行うことができます。Oracle Data Guard物理スタンバイを使用するメリットは、テスト・マスター・データベースのサイズやリフレッシュが必要な回数に応じて増大します。Oracle Data Guardレプリカの作成には、Oracle Recovery Manager (RMAN)のバックアップからデータベースを単純にクローニングすることに比べて細々とした手順が必要になりますが、利点の方が大きく上回ります。
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プライマリへの最小の影響
Oracle Data Guardレプリカがテスト・マスター・データベースとして使用されている間、Oracle Data Guard REDOのトランスポートおよび適用は無効になります。本番データベースの影響はまったくありません。リフレッシュする際には、Oracle Data Guardレプリカがテスト・マスター・データベースに変換されて以降に生成されたデルタのみが本番データベースから取得され、テスト・マスター・データベースの再同期に使用されます。
ノート:
このOracle Data Guardレプリカがテスト・マスターとして作動している間、トランスポートと適用は停止されるため、障害時リカバリなどテスト・マスター以外の目的には使用しないでください。すでに高可用性または障害保護の目的でOracle Data Guardを使用している場合は、Exadataスナップショット・データベース用のテスト・マスター・データベースとして使用するためにOracle Data Guardレプリカを作成することをお薦めします。 -
スナップショット・クローン作成前の容易なスクラブ
Oracle Data Guardでは、Exadataスナップショットの作成に使用する前に、テスト・マスター・データベースを簡単に変更できます。たとえば、Oracle Data Guardレプリカを読取り/書込みとして開き、データをマスクまたはスクラブしてからExadataスナップショットを作成できます。その後、テストが完了したら、テスト・マスター・データベースをOracle Data Guardレプリカに再変換できます。このときに、元のコピーに加えらえた変更が破棄され、本番データベースのデルタのみを使用してリフレッシュされます。Oracle Data Guardレプリカのリフレッシュ後は、テスト・マスターとして再使用する前に、データベースを再スクラブする必要があることに注意してください。
RMANバックアップ・データベースを使用しているときに、データをマスクまたはスクラブした場合は、テスト・マスターをリフレッシュする必要があるときに、別のバックアップをテスト・マスターとして作成し、それを再スクラブして最新状態にする必要があります。