5.2.3.10 PMEMキャッシュ属性の使用

ノート:

このトピックは、23.1.0より前のOracle Exadata System Softwareリリースにのみ適用されます。それ以外の場合は、XRMEMキャッシュ属性の使用」を参照してください。

IORMプランでPMEMキャッシュ属性を使用して、永続メモリー(PMEM)キャッシュの領域割当てを保証できます。

IORMでは、PMEMキャッシュ属性を使用することで、重要なデータベース用の領域を確保しながら、重要性の低いエンティティや不正なエンティティによってPMEMキャッシュ全体が使用されないようにすることができます。これらの属性は、データベース間プランでのみ指定でき、CellCLIユーティリティを使用して構成されます。

次の属性を使用して、PMEMキャッシュ・リソースの制限を設定できます。強い制限は、メモリー・キャッシュがフルでない場合でも、データベースがその割当て制限を超過できないことを意味します。弱い制限は、使用可能なリソースがある場合に、指定された制限を超過できることを意味します。

  • pmemCacheMin — ブロックがコールド状態であっても指定されたデータベースに対して保証される、PMEMキャッシュ領域の最小容量を指定します。これは強い制限です。

    pmemCacheMinは保証付き予約であるため、すべてのディレクティブのpmemCacheMinの合計は、各データベースがそれぞれの割当てを取得するように、PMEMキャッシュのサイズより小さくする必要があります。

  • pmemCacheLimit — データベースで使用できるPMEMキャッシュ領域の弱い最大容量を指定します。PMEMキャッシュがフルでない場合、データベースはpmemCacheLimit値を超過できます。
  • pmemCacheSize — データベースで使用できるPMEMキャッシュ領域の強い最大容量を指定します。pmemCacheSize値を超えることはできません。

    ただし、pmemCacheSizeを、データベースが使用している現在の領域よりも小さい値に設定した場合、Oracle Exadata System Softwareリリース20.1.0以降では、超過分のデータがキャッシュから事前に消去されます。以前は、別のデータによって上書きされた場合のみ、超過分のデータが削除されていました。

    すべてのディレクティブでpmemCacheSizeの合計がPMEMキャッシュのサイズより大きい場合、pmemCacheSizeは保証された予約ではありません。この場合、pmemCacheMinを指定して、保証付きの最小割当て制限を定義することもできます。

例5-13 PMEMキャッシュ属性を使用したデータベース間プランの構成

この例は、pmemキャッシュ属性を使用してデータベース間プランを作成する方法を示しています。この例では、salesデータベースとtestデータベースでpmemCacheSizeパラメータを使用することにより、PMEMキャッシュの領域容量が保証されます。ただし、PMEMキャッシュに空き領域がある場合でも、データベースは指定した割当てを超過できません。

fincデータベースおよびdevデータベースは、pmemCacheMinを使用することにより最小割当て制限が保証されます。また、これらのデータベースは、PMEMキャッシュに空き領域がある場合は、指定したpmemCacheLimitサイズを超過することもできます。

このプランの例には、様々なフラッシュ・キャッシュ属性も含まれています。

ALTER IORMPLAN dbplan=                                            -
((name=sales, share=8, pmemCacheSize= 2G, flashCacheSize=10G), -
(name=finc, share=8, pmemCacheMin= 1G, pmemCacheLimit= 2G, flashCacheLimit=10G, flashCacheMin=2G), -
(name=dev, share=2, pmemCacheMin= 500M, pmemCacheLimit= 1G, flashCacheLimit=4G, flashCacheMin=1G), -
(name=test, share=1, limit=10, pmemCacheSize= 200M))