AHFリリース25.3

ノードごとにOracle Automatic Storage Management (ASM)ディスク・グループのステータスが表示されるようになった

ノードごとにASMディスク・グループのステータスが表示されるようになりました。

以前は、AHFインサイトでは、ノードの区別なしでASMディスク・グループのステータスが報告されていました。これは、あるノードでディスク・グループがオンラインであったが別のノードでオフラインであった場合にレポートに単一ノードのステータスのみが表示されるため、誤解を生む可能性がありました。

この機能拡張により、AHFインサイトでは、ノードごとに個別にASMディスク・グループのステータスが示されるようになり、明確性と正確性が高まりました。

「ASM Details」セクションにある「Group Details」に「Disk Group Status」ボタンが含まれるようになりました。

図-1 インサイトでのASMディスク・グループのステータス


この図は、インサイトでのASMディスク・グループのステータスを示しています

これをクリックすると、各ノードの詳細が表示されます。

図-2 インサイトでのASMディスク・グループのステータスの詳細


この図は、インサイトでのASMディスク・グループのステータスの詳細を示しています

更新されたパフォーマンス・レポートにアクセスする方法
  1. tfactl diagcollectコマンドを実行して診断データを収集します。
  2. 診断収集を展開し、インサイト・レポートを開きます。
  3. 「Cluster」、「ASM Details」の順に移動して、「Group Details」セクションで、ノードごとのASMディスク・グループのステータスを確認します。

自動収集をトリガーしたイベントがインサイトで識別されるようになった

AHFインサイトで、自動収集をトリガーした特定のイベントが「Event Timeline」に表示されるようになり、データベースの問題を診断するための、より適切なコンテキストが提供されるようになりました。

データベースの問題をトラブルシューティングするときに、ユーザーは、AHFインサイトの「Event Timeline」を使用してイベントの順序を把握します。診断収集内でインサイト・レポートが生成される場合は、AHFによって、その収集を作成した問題について、さらにコンテキストが取得されます。

この機能拡張により、AHFインサイトでは、「Timeline」セクション内のトリガー・イベントが強調表示されます。
  • トリガー・イベントは、「Timeline」ビュー内で視覚的に強調されます。
  • タイムラインの下部でも、トリガー・イベントが強調表示され、それに直接ジャンプするボタンが表示されます。
トリガー・イベントの詳細を表示する方法
  • AHF診断収集からinsights.zipファイルを展開します。
  • index.htmlを開き、「Timeline」セクションに移動します。

図-3 インサイトでのトリガー・イベント


この図は、インサイトでのトリガー・イベントを示しています

非推奨となったAHF CLIコマンドおよびオプションで非推奨警告が発行されるようになった

古いAHF CLIコマンドでは、非推奨メッセージが表示され、その機能の後継となる対応するAHFコマンドがユーザーに示されるようになりました。

以前は、AHF CLIで新しいコマンドが導入されたときでも、古いツール内の既存のコマンドを非推奨通知なしで利用できました。古い機能がAHFに統合されるようになったため、非推奨となったコマンドおよびオプションでは、警告メッセージが発行されます。

非推奨メッセージ:
  • そのコマンドは引き続き機能するが将来は削除される予定であることをユーザーに通知します。
  • かわりに使用する必要がある、新しいAHFコマンドをユーザーに指示します。

この機能は、非推奨となったコマンドすべてに対してデフォルトで有効になっているため、この機能をアクティブ化するための操作は不要です。

診断とインサイトの最小収集期間の要件

AHF 25.3以降では、診断やインサイトを収集するには、最小限の収集期間または分析期間として15分が必要です。

指定された収集時間が15分未満である場合は、TFACTLによって、収集期間を延長するようユーザーに求めるエラー・メッセージが返されます。

関連トピック

AHFでのReliable Datagram Sockets (RDS)シグネチャ

Reliable Datagram Socket (RDS)は、InfiniBandを介した高パフォーマンスで低レイテンシの通信のために設計されたオープン・ソース・プロトコルです。これはコネクションレス・プロトコルとして機能し、CPU使用率が最小限になるため、InfiniBand通信に適した選択肢です。

Exadataコンピュート・ノードおよびストレージ・ノードにあるExaWatcherの一環として、様々なシステム・メトリック(プロセス詳細、上位CPUコンシューマ、メモリー使用量など)が固定間隔で収集されます。RDS関連のメトリックも、約1分ごとに収集され、1時間単位のログ・ファイルに格納されます。これらのログには、RDS IB接続、RDS接続、カウンタ、RDS-Pingおよびその他の関連する詳細について、情報が含まれています。

AHFでは、chm-ostool-parsers (データを人間が読めるJSON形式に変換する)を使用して、これらの1時間単位のログ・ファイルが分析されます。その後、解析されたデータがchm-analyzerとchm-reportgenによって処理され、それにより、事前定義されているしきい値に対してRDSシグネチャが評価されます。しきい値を超えると、対応するシグネチャが、それに関連する詳細とともに記録され、レポート内に表示されます。

AHF 25.3では、次のRDSシグネチャが導入されています。

表-1 RDSシグネチャ

シグネチャ名 説明 設定されているしきい値
RDSLatency RDS Pingのレイテンシが高い(>{LatencyThreshold}マイクロ秒)、IPとレーンのリスト 20マイクロ秒
RDSCountersConnReset 前のサンプル以降の、差分値>={ErrorThreshold}のRDSカウンタ 1
RDSCountersCongUpdateQueued RDSカウンタcong_update_queuedの増加が検出されました 1
RDSCountersCongUpdateReceived RDSカウンタcong_update_receivedの増加が検出されました 1
RDSCountersCongSendError RDSカウンタcong_send_errorの増加が検出されました 1
RDSCountersIBTxRingFull RDSカウンタib_tx_ring_fullの増加が検出されました 1
RDSCountersIBTxStalled RDSカウンタib_tx_stalledの増加が検出されました 1
RDSCountersIBRxTotalFrags RDSカウンタib_rx_total_fragsの増加が検出されました 1
RDSCountersIBRDMAMr8kPoolDepleted RDSカウンタib_rdma_mr_8k_poll_depletedの増加が検出されました 1
RDSCountersIBRDMAMr1mPoolDepleted RDSカウンタib_rdma_mr_1m_poll_depletedの増加が検出されました 1

図-4 RDSシグネチャを含むAHFレポート


この図は、RDSシグネチャを含むAHFレポートを示しています

「Orachk CHM Analysis」セクションにあるメモリー不足シグネチャの差分分析

この差分分析機能では、2つの異なる時点でのオペレーティング・システムのメトリックを比較し分析します。

「Orachk CHM analysis」セクションでは、AvailableMemoryLowシグネチャによって、メモリー不足が最大であったときとその問題が存在しなかったときの、システムの詳細な差分分析が提供されるようになりました。

この分析は、次のセクションに分かれています:
  • システム・レベルでの使用可能メモリーとスワップ使用量の変化。
  • データベース・フォアグラウンド/バックグラウンド・プロセス、ASM、Clusterware、およびその他のプロセスに分類された、プロセス数および最大RSS使用量の変化。
  • 既存のプロセス、新しく生成されたプロセス、および終了したプロセスをカバーした、プロセスごとのRSS/VIRTメモリー消費の変化。

図-5 CHMの差分分析


この図は、CHMの差分分析を示しています

Oracle OrachkおよびOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェック

リリース25.3には、次のような、Oracle OrachkOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェックが組み込まれています。

Oracle Orachkに固有のベスト・プラクティス・チェック

  • 投票ディスクの整合性の検証

すべてのチェックの詳細は、次のヘルス・チェック・カタログを参照してください: