AHFリリース25.3
- ノードごとにOracle Automatic Storage Management (ASM)ディスク・グループのステータスが表示されるようになった
ノードごとにASMディスク・グループのステータスが表示されるようになりました。 - 自動収集をトリガーしたイベントがインサイトで識別されるようになった
AHFインサイトで、自動収集をトリガーした特定のイベントが「Event Timeline」に表示されるようになり、データベースの問題を診断するための、より適切なコンテキストが提供されるようになりました。 - 非推奨となったAHF CLIコマンドおよびオプションで非推奨警告が発行されるようになった
古いAHF CLIコマンドでは、非推奨メッセージが表示され、その機能の後継となる対応するAHFコマンドがユーザーに示されるようになりました。 - 診断とインサイトの最小収集期間の要件
AHF 25.3以降では、診断やインサイトを収集するには、最小限の収集期間または分析期間として15分が必要です。 - AHFでのReliable Datagram Sockets (RDS)シグネチャ
Reliable Datagram Socket (RDS)は、InfiniBandを介した高パフォーマンスで低レイテンシの通信のために設計されたオープン・ソース・プロトコルです。これはコネクションレス・プロトコルとして機能し、CPU使用率が最小限になるため、InfiniBand通信に適した選択肢です。 - 「Orachk CHM Analysis」セクションにあるメモリー不足シグネチャの差分分析
この差分分析機能では、2つの異なる時点でのオペレーティング・システムのメトリックを比較し分析します。 - Oracle OrachkおよびOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェック
リリース25.3には、次のような、Oracle OrachkとOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェックが組み込まれています。
親トピック: AHFリリース(2025年)
ノードごとにOracle Automatic Storage Management (ASM)ディスク・グループのステータスが表示されるようになった
ノードごとにASMディスク・グループのステータスが表示されるようになりました。
以前は、AHFインサイトでは、ノードの区別なしでASMディスク・グループのステータスが報告されていました。これは、あるノードでディスク・グループがオンラインであったが別のノードでオフラインであった場合にレポートに単一ノードのステータスのみが表示されるため、誤解を生む可能性がありました。
この機能拡張により、AHFインサイトでは、ノードごとに個別にASMディスク・グループのステータスが示されるようになり、明確性と正確性が高まりました。
「ASM Details」セクションにある「Group Details」に「Disk Group Status」ボタンが含まれるようになりました。
図-1 インサイトでのASMディスク・グループのステータス

これをクリックすると、各ノードの詳細が表示されます。
図-2 インサイトでのASMディスク・グループのステータスの詳細

tfactl diagcollect
コマンドを実行して診断データを収集します。- 診断収集を展開し、インサイト・レポートを開きます。
- 「Cluster」、「ASM Details」の順に移動して、「Group Details」セクションで、ノードごとのASMディスク・グループのステータスを確認します。
親トピック: AHFリリース25.3
自動収集をトリガーしたイベントがインサイトで識別されるようになった
AHFインサイトで、自動収集をトリガーした特定のイベントが「Event Timeline」に表示されるようになり、データベースの問題を診断するための、より適切なコンテキストが提供されるようになりました。
データベースの問題をトラブルシューティングするときに、ユーザーは、AHFインサイトの「Event Timeline」を使用してイベントの順序を把握します。診断収集内でインサイト・レポートが生成される場合は、AHFによって、その収集を作成した問題について、さらにコンテキストが取得されます。
- トリガー・イベントは、「Timeline」ビュー内で視覚的に強調されます。
- タイムラインの下部でも、トリガー・イベントが強調表示され、それに直接ジャンプするボタンが表示されます。
- AHF診断収集から
insights.zip
ファイルを展開します。 index.html
を開き、「Timeline」セクションに移動します。
図-3 インサイトでのトリガー・イベント

親トピック: AHFリリース25.3
非推奨となったAHF CLIコマンドおよびオプションで非推奨警告が発行されるようになった
古いAHF CLIコマンドでは、非推奨メッセージが表示され、その機能の後継となる対応するAHFコマンドがユーザーに示されるようになりました。
以前は、AHF CLIで新しいコマンドが導入されたときでも、古いツール内の既存のコマンドを非推奨通知なしで利用できました。古い機能がAHFに統合されるようになったため、非推奨となったコマンドおよびオプションでは、警告メッセージが発行されます。
- そのコマンドは引き続き機能するが将来は削除される予定であることをユーザーに通知します。
- かわりに使用する必要がある、新しいAHFコマンドをユーザーに指示します。
この機能は、非推奨となったコマンドすべてに対してデフォルトで有効になっているため、この機能をアクティブ化するための操作は不要です。
親トピック: AHFリリース25.3
診断とインサイトの最小収集期間の要件
AHF 25.3以降では、診断やインサイトを収集するには、最小限の収集期間または分析期間として15分が必要です。
指定された収集時間が15分未満である場合は、TFACTLによって、収集期間を延長するようユーザーに求めるエラー・メッセージが返されます。
関連トピック
親トピック: AHFリリース25.3
AHFでのReliable Datagram Sockets (RDS)シグネチャ
Reliable Datagram Socket (RDS)は、InfiniBandを介した高パフォーマンスで低レイテンシの通信のために設計されたオープン・ソース・プロトコルです。これはコネクションレス・プロトコルとして機能し、CPU使用率が最小限になるため、InfiniBand通信に適した選択肢です。
Exadataコンピュート・ノードおよびストレージ・ノードにあるExaWatcherの一環として、様々なシステム・メトリック(プロセス詳細、上位CPUコンシューマ、メモリー使用量など)が固定間隔で収集されます。RDS関連のメトリックも、約1分ごとに収集され、1時間単位のログ・ファイルに格納されます。これらのログには、RDS IB接続、RDS接続、カウンタ、RDS-Pingおよびその他の関連する詳細について、情報が含まれています。
AHFでは、chm-ostool-parsers (データを人間が読めるJSON形式に変換する)を使用して、これらの1時間単位のログ・ファイルが分析されます。その後、解析されたデータがchm-analyzerとchm-reportgenによって処理され、それにより、事前定義されているしきい値に対してRDSシグネチャが評価されます。しきい値を超えると、対応するシグネチャが、それに関連する詳細とともに記録され、レポート内に表示されます。
AHF 25.3では、次のRDSシグネチャが導入されています。
表-1 RDSシグネチャ
シグネチャ名 | 説明 | 設定されているしきい値 |
---|---|---|
RDSLatency | RDS Pingのレイテンシが高い(>{LatencyThreshold}マイクロ秒)、IPとレーンのリスト | 20マイクロ秒 |
RDSCountersConnReset | 前のサンプル以降の、差分値>={ErrorThreshold}のRDSカウンタ | 1 |
RDSCountersCongUpdateQueued | RDSカウンタcong_update_queuedの増加が検出されました | 1 |
RDSCountersCongUpdateReceived | RDSカウンタcong_update_receivedの増加が検出されました | 1 |
RDSCountersCongSendError | RDSカウンタcong_send_errorの増加が検出されました | 1 |
RDSCountersIBTxRingFull | RDSカウンタib_tx_ring_fullの増加が検出されました | 1 |
RDSCountersIBTxStalled | RDSカウンタib_tx_stalledの増加が検出されました | 1 |
RDSCountersIBRxTotalFrags | RDSカウンタib_rx_total_fragsの増加が検出されました | 1 |
RDSCountersIBRDMAMr8kPoolDepleted | RDSカウンタib_rdma_mr_8k_poll_depletedの増加が検出されました | 1 |
RDSCountersIBRDMAMr1mPoolDepleted | RDSカウンタib_rdma_mr_1m_poll_depletedの増加が検出されました | 1 |
図-4 RDSシグネチャを含むAHFレポート

親トピック: AHFリリース25.3
「Orachk CHM Analysis」セクションにあるメモリー不足シグネチャの差分分析
この差分分析機能では、2つの異なる時点でのオペレーティング・システムのメトリックを比較し分析します。
「Orachk CHM analysis」セクションでは、AvailableMemoryLow
シグネチャによって、メモリー不足が最大であったときとその問題が存在しなかったときの、システムの詳細な差分分析が提供されるようになりました。
- システム・レベルでの使用可能メモリーとスワップ使用量の変化。
- データベース・フォアグラウンド/バックグラウンド・プロセス、ASM、Clusterware、およびその他のプロセスに分類された、プロセス数および最大RSS使用量の変化。
- 既存のプロセス、新しく生成されたプロセス、および終了したプロセスをカバーした、プロセスごとのRSS/VIRTメモリー消費の変化。
図-5 CHMの差分分析

親トピック: AHFリリース25.3
Oracle OrachkおよびOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェック
リリース25.3には、次のような、Oracle OrachkとOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェックが組み込まれています。
Oracle Orachkに固有のベスト・プラクティス・チェック
- 投票ディスクの整合性の検証
すべてのチェックの詳細は、次のヘルス・チェック・カタログを参照してください:
親トピック: AHFリリース25.3