AHFリリース25.4

AHF 25.4での安定性とパフォーマンスの機能拡張

AHF 25.4は、安定性を重視したリリースであり、全体的な信頼性とパフォーマンスを高めるための様々な機能拡張を提供します。

このリリースでの主な更新内容は次のとおりです:
  • Java Runtime Environment (JRE)用の最新の4月クリティカル・パッチ・アップデート(CPU)の統合。
  • すべてのコアAHFプロセスにわたりメモリー消費を減らすための最適化。
  • AHFスタック全体にわたるXXバグの修正による、システムの安定性とパフォーマンスの向上。

これらの改善により、さらに無駄のない効率的なAHF環境になり、リソース使用量を減らしながら、プラットフォームの堅牢性を高めています。

プロセスでのメモリー使用量の増加の検出

AHFでは、プロセス別にメモリー使用量の増加が自動検出され、インサイト・インタフェース内で、問題、その根本原因および推奨される解決策の明快なサマリーが示されるようになりました。

バージョン24.4以降、AHFでは、問題を識別し実用的なサマリーを提示できるようになっています。これらは、「Problem Summary」ページでアクセスでき、「Insights」内の「Detected Problems」パネルの下にあります。

AHF 24.4を使用したデータベース問題の自動解決

このリリースでは、AHFによって、次の新しい問題を検出するためのサポートが追加されています。
  • プロセスでのメモリー使用量の増加
診断収集を生成するには:
  1. tfactl diagcollectを実行し、プロンプトに従って、関心のある問題を選択します。
  2. 生成されたZIPファイルを、ブラウザがあるマシンに転送します。
  3. インサイト・レポートを開き、「Detected Problems」に移動して結果を確認します。

AHFによって識別された問題を解決するための詳細なステップについては、ユーザー・ガイドを参照してください。

AHFで検出された問題の解決

OneView (ExaDB-C@C/ExaDB-D)からトリガーされた場合には部分TFAログ収集がサポートされるようになった

AHF 25.4では、OneViewを介して開始されたときの部分Oracle Trace File Analyzerログ収集のサポートが導入されて、一部のノードで収集を完了できなかった場合でも正常にアップロードできるようになりました。

背景:

以前は、Oracle Trace File Analyzerのログ収集中にクラスタ内のいずれかのノードに障害が発生した場合に、OneViewによって、全体的なステータスがFAILEDと報告されていました。これにより、部分的に収集された診断が破棄され、関連するサービス・リクエスト(SR)にデータが添付されなくなっていました。

AHF 25.4以降:

  • 一部のノードでログ収集が完了した場合は、他のノードで失敗した場合でも、Oracle Trace File AnalyzerによってSUCCESSステータスが返されます。
  • OneViewおよびDBaaSツールによって、このステータスが有効として扱われ、使用可能なログがSRにアップロードされます。
  • これにより、部分的な障害が発生した場合でも、貴重な診断データが保存され、分析のためにアクセスできるようになります。
  • また、Oracle Trace File Analyzerによって、欠落しているデータが識別されるため、必要に応じてそれを個別に収集できます。

この機能拡張により、次のような、実際に起こる一般的な問題に対処しています:

  • 特定のノードでOracle Trace File Analyzerサービスが停止しているか正常でない。
  • ノード間での一時的なソケット接続の問題。

影響と利点:

  • 診断の所要時間が短縮されます。
  • 再収集の必要性を減らすことで、カスタマ・エクスペリエンスが高まります。
  • OneViewを介して開始されたログ収集の成功率が上がります。

また、OneViewによって部分収集がユーザーに通知されるようになり、サポート・エンジニアが、欠落したログを必要に応じて手動でリクエストできるようになります。

リモート・ノードでのSRDC収集のサポート

AHF 25.4では、リモート・ノードでのSRDC (サービス・リクエスト診断収集)のトリガーがサポートされるようになり、リクエストが別のノードから発生した場合でも、実際に問題が発生したノードから診断を収集できるようになりました。

背景:

以前は、SRDC収集は、そのインシデントを観測した場所に関係なく、リクエストを受信したノードでのみ開始できました。この制限事項により、クラスタ全体の収集が不必要に実行されることや、最も関連性の高い診断データを収集する機会が失われることがよくありました。

この機能拡張では、次のようになります:

  • 別のノードで発生したインシデントに対してSRDC収集がトリガーされると、AHFによってそのアクションが、適切なリモート・ノードに委任されます。
  • これにより、影響を受けたノードからのみデータを収集することで、正確な、ターゲットを絞った診断が可能になります。
  • クラスタ全体の収集は、孤立した問題の場合は不要になりました。

利点:

  • OneViewでインシデント固有のSRDCリクエストをクラスタ内の任意のノードに送信できるようになります。
  • クラスタ環境内でのSRDC収集の精度が高まります。
  • 影響を受けていないノードからの不要なデータ収集を防ぐことで、診断のオーバーヘッドが減ります。
  • 問題が単一ノードのみに影響を及ぼすことが多い、実際のSR調査活動に合っています。

診断収集を開始するには、tfactl diagcollectを実行し、プロンプトに従って、関連する問題を選択します。

詳細は、「オンデマンドの診断収集の使用」を参照してください。

Oracle OrachkおよびOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェック

リリース25.3には、次のような、Oracle OrachkOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェックが組み込まれています。

Oracle OrachkOracle Exachkの両方に共通するベスト・プラクティス・チェック

  • グローバル・キャッシュ・フュージョン・プロセスの昇格された優先度の検証

Oracle Orachkに固有のベスト・プラクティス・チェック

  • プライベート・インタフェース名の検証

Oracle Exachkに固有のベスト・プラクティス・チェック

  • 投票ディスクの整合性の検証

すべてのチェックの詳細は、次のヘルス・チェック・カタログを参照してください: