2.4 Spatial Studioのメタデータ・スキーマのセットアップ

Spatial Studioスキーマ用のデータベース・スキーマをセットアップする必要があります。このスキーマには、Spatial Studioアプリケーションで使用されるメタデータが保持されます。

Spatial Studioスキーマは、Spatial Studioのメタデータを追加する既存のデータベース・スキーマ、またはSpatial Studioのみに使用される新たに作成されたスキーマのいずれかです。推奨される方法は、Spatial Studioのみで使用される新しいデータベース・ユーザーを作成することです。Spatial Studioスキーマのデータベース・ユーザーは、次の権限を保持している必要があります。

  • CONNECT
  • CREATE PROCEDURE
  • CREATE SEQUENCE
  • CREATE SESSION
  • CREATE SYNONYM
  • CREATE TABLE
  • CREATE TRIGGER
  • CREATE TYPE
  • CREATE VIEW

ノート:

CREATE TRIGGER権限は、GeoRasterデータをスキーマに格納して表示する場合にのみ必要です。

たとえば、DBA権限を持つユーザーとして接続する場合は次のようにします。

SQL> create user SPATIAL_STUDIO identified by <password>;
SQL> grant connect, create procedure, create sequence, create session, create synonym, create table, create trigger, create type, create view to SPATIAL_STUDIO; 

Spatial Studioアプリケーションを初めて実行すると、現在のユーザーのオペレーティング・システム・ホーム・フォルダの下の.sgtechという名前のフォルダに構成ファイルが生成されます。構成ファイルは、sgtech_config.jsonという名前です。これはSpatial Studioアプリケーションが接続の詳細を取得してメタデータ・スキーマに格納する場所です。

メタデータ・スキーマへの接続が確立されると、Spatial Studioアプリケーションは、必要な表およびその他のデータベース・オブジェクトがすでに存在するかどうか、およびそれらのバージョンが最新のSpatial Studioアプリケーション・ソフトウェアを使用した最新の状態であるかどうかを自動的にチェックします。これらの表が見つからない場合、または表を移行する必要がある場合は、Spatial Studioアプリケーションが必要なSQLスクリプトを実行してそれらを作成または移行します。ユーザーが介入する必要はありません。

Spatial Studioスキーマには、次の表およびビューが含まれています。

  • SGTECH_OBJECT: Spatial Studioのすべてのドメイン・オブジェクトを格納します。
  • SGTECH_SYS_TYPE: Spatial Studioの既知のタイプのドメイン・オブジェクトをすべて定義します。
  • SGTECH_SYS_JSON_SCHEMA: JSONデータ・スキーマを格納します。
  • SGTECH_TASK_QUEUE: Spatial Studioの長時間実行されるジョブを格納します。
  • SGTECH_TASK_BROKER: Spatial Studioのジョブ・ブローカを格納します。

ノート:

Spatial Studioの表やビュー、またはその中のデータを追加、削除、編集しないでください。これらはSpatial Studioによって自動的に保守されるため、Oracle Supportから指示されないかぎり、ユーザーは変更しないでください。

Spatial Studioの複数のインスタンスを実行する際のメタデータ・スキーマの管理

Spatial Studioでは、複数のアプリケーション・インスタンスにそれぞれ固有のsgtech_config.jsonファイルがあり、同じメタデータ・スキーマが使用されている場合に、それらのインスタンスを実行できないようになっています。別のインスタンスを実行する必要がある場合は、最初のインスタンスにリンクされているsgtech_config.json構成ファイルを、新しいインスタンスを起動するシステムにコピーすることをお薦めします。

そうしないと、別のシステムで実行されているインスタンスから同じメタデータ・スキーマに接続しようとしたときに、Spatial Studioで次のような警告が出されて失敗します。

選択したリポジトリはすでにSpatial Studioの別のインスタンスに登録されています。詳細は、システムのログを参照してください。

このようなシナリオでは、失われたマスター・キーからのリカバリを参照して問題を解決してください。