2.3 Spatial Studioのアップグレード

この項では、既存のOracle Spatial Studioデプロイメントを24.1.0にアップグレードするプロセスについて説明します。

ノート:

22.3.0より前のSpatial Studioバージョンを実行している場合は、最初にSpatial Studio 22.3.0をダウンロードして正常にログインする必要があります。これは、23.1.0のメタデータ・スキーマに新しいバージョン管理メカニズムが導入されており、Spatial Studioでは既存のメタデータ・スキーマがすでにSpatial Studio 22.3.0のバージョンにあると想定されているためです。そのため、最新のバージョンをダウンロードして実行する前に、少なくとも1回は22.3.0 Webアプリケーションにログインする必要があります。そうしないと、Spatial Studioバージョン24.1.0は、次のSEVEREエラー・メッセージをログに記録して起動プロセスを中止します。

!!! Spatial Studioバージョン22.3.0をこのバージョンにアップグレードする前に、少なくとも1回リポジトリ・スキーマに対して実行する必要があります !!!

ヒント:

現在のSpatial Studioインストールのバージョンを確認するには、Webアプリケーションにログインして、アバターのドロップダウン・メニューから「情報」メニュー項目をクリックします。バージョン番号が表示されます。

すでにSpatial Studio 22.3.0以降を使用している場合は、次の各項で、既存のホストでのSpatial Studioのアップグレード(インプレース・アップグレード)または新しいホストへのデプロイ(アウトオブプレース・アップグレード)時のステップについて説明します。

2.3.1 Spatial Studioのアップグレードの前提条件タスク

Spatial Studioのアップグレードを準備するには、次の前提条件ステップを実行します:
  1. 実行中のすべてのSpatial Studioインスタンスを停止します。
  2. 次のアーティファクトのバックアップを取得します:
    • 次のようなリポジトリ・メタデータ・スキーマ表:
      • SGTECH_META_VERSION
      • SGTECH_OBJECT
      • SGTECH_SYS_TYPE
      • SGTECH_TASK_BROKER
      • SGTECH_TASK_QUEUE

      データ・ポンプ・ユーティリティを使用して、前述のファイルをダンプ・ファイルにエクスポートできます。たとえば、メタデータ・スキーマ名がstudio_metadataでデータベース・サービス名orclpdbであると仮定した場合のデータ・ポンプ・エクスポート・コマンドを次に示します:

      expdp studio_metadata/<password>@orclpdb directory=dumpdir
            dumpfile=spatial_studio_metadata_backup.dmp
            tables=SGTECH_META_VERSION,SGTECH_OBJECT,SGTECH_SYS_TYPE,SGTECH_TASK_BROKER,SGTECH_TASK_QUEUE
    • 作業ディレクトリ(通常は~/.sgtech)
    • 通常は作業ディレクトリにあるsgtech_config.json構成ファイル
  3. Spatial Studio 24.1.0バージョンをダウンロードして、アップグレードするホストにアップロードします。

2.3.2 インプレース・アップグレード

Spatial Studioのインプレース・アップグレードの場合は、次のステップを実行します:
  1. Spatial Studio 24.1.0アプリケーションを再デプロイします。
    • クイック・スタートの場合: 古いクイック・スタート・フォルダの名前を変更します。新しくダウンロードしたZIPファイルを解凍し、start.sh (Linux)またはstart.cmd (Windows)を実行します。
    • EARデプロイメントの場合: アプリケーション・サーバーの手順に従って、古いデプロイメント・バージョンを削除します。次に、新しいバージョンをデプロイし、アプリケーションを起動します。

2.3.3 アウトオブプレース・アップグレード

Spatial Studioのアウトオブプレース・アップグレードの場合は、次のステップを実行します:
  1. 新しいホストに作業ディレクトリを作成します。
    mkdir ~/.sgtech
  2. sgtech_config.json構成ファイルを古いホストの作業ディレクトリから新しいホストにコピーします。
    cp old/sgtech_config.json ~/.sgtech

    構成ファイル内のmaster_seedエントリが失われると、すべての接続パスワードが破損します。これが発生した場合は、アップグレードを続行し、アップグレード済のSpatial Studioインスタンスにログインして、各接続を編集し、パスワードを再入力してから再接続します。

  3. Spatial Studioアプリケーションをデプロイします。
    • クイック・スタートの場合: 新しくダウンロードしたZIPファイルを解凍して、start.sh (Linux)またはstart.cmd (Windows)を実行するだけです。
    • EARデプロイメントの場合: アプリケーション・サーバーの手順に従って、新しいバージョンをデプロイし、アプリケーションを起動します。

    アプリケーションの起動時に、リポジトリ・データベース・スキーマが自動的にアップグレードされます。