増分バックアップとRECOVER COPY

図1-2に示すRMANのアプローチは、増分バックアップを毎日作成し、RECOVER COPYコマンドを使用して、増分変更をデータベース全体のコピーにマージします。こうすると、ディスク上のデータベース・コピーが毎日「ロール・フォワード」されます。

図1-2 ディスクでのRECOVER COPYとテープへのバックアップ

図1-2の説明が続きます
「図1-2 ディスクでのRECOVER COPYとテープへのバックアップ」の説明

この方法には次のメリットがあります。

  • 完全バックアップは最初に1回しか必要ないため、毎週のバックアップ・ウィンドウの合計時間が短縮されます。

  • RMAN SWITCHコマンドで制御ファイルにデータベース・コピーを指定できます。これにより、コピーが実際のデータベース・ファイルになり、RESTOREステップが省かれます。

デメリットは次のとおりです。

  • データベース全体のコピーをディスクに保持するために十分なディスク領域と、そのリカバリに必要なアーカイブREDOログ・ファイルが必要です。

  • データベースの物理コピーが1つしか存在しません。どのポイント・イン・タイムのコピーを保存するかを選択しますが、リカバリできるのはそれ移行のポイント・イン・タイムです。たとえば、過去1週間の任意のポイント・イン・タイムにリストアするには、物理コピーがSYSDATE-7よりも古いことが必要です。デメリットは、次のとおりです:

    • データベースのコピーを保存した時点よりも前の時点にはリカバリできません。

    • リカバリのポイント・イン・タイムが現在時刻に近くなるほど、リストアしてコピーに適用する必要がある増分バックアップ数が増加します。この方法では、全体のリカバリ時間の目標が延長されます。

  • データベース・コピーを圧縮または暗号化できません。