保護されたデータベース・アクセスの概要

必要な構成を実行して保護されたデータベースがリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信できるようにすることを、データベースの登録と呼びます。登録は、リカバリ・アプライアンスを使用するように保護されたデータベースを初めて設定するときに実行すべき、1回かぎりのタスクです。このタスクでは、リカバリ・アプライアンスと保護されたデータベースの両方での構成が必要となります。

基本的な登録ステップは、次のとおりです。

  1. データベースの追加

    データベースをリカバリ・アプライアンスに追加するプロセスでは、データベースのメタデータをリカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースに追加して、このデータベースを指定した保護ポリシーに割り当てます。DBMS_RA.ADD_DBを実行すると、保護されていないデータベースのステータスが「保護されたデータベース」になります。

  2. データベースへのアクセス権をリカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントに付与

    メタデータ・データベースで仮想プライベート・カタログ・アカウント(リカバリ・アプライアンス・ユーザー)を作成した後、リカバリ・アプライアンスでDBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS実行して、このアカウントを保護されたデータベースに関連付けます。

  3. データベースを仮想プライベート・カタログに登録

    保護されたデータベース・ホストでOracleウォレットを作成し、仮想プライベート・カタログ・アカウントの資格証明を追加します。RMAN REGISTER DATABASEコマンドを使用して、保護されたデータベースをリカバリ・カタログに登録します。

    ノート:

    リアルタイムREDOトランスポートを構成する場合は、保護されたデータベースでいくつかのSQL文を実行する必要があります(『Zero Data Loss Recovery Appliance保護されたデータベースの構成ガイド』を参照)。

図8-1に、保護されたデータベース(CONNECT TARGET)および仮想プライベート・カタログ(CONNECT CATALOG)に接続しているRMANクライアントを示します。バックアップ操作とリストア操作を可能にするには、保護されたデータベース・ホストのOracleウォレットに仮想プライベート・カタログ所有者が存在する必要があります。

図8-1 保護されたデータベース・アクセス

図8-1の説明が続きます。
「図8-1 保護されたデータベース・アクセス」の説明

ファイルをリカバリ・アプライアンスにバックアップしなくても、リカバリ・アプライアンス・カタログにデータベースのメタデータを保存できます。この場合、データベースのステータスは保護されたデータベースではないため、リカバリ・アプライアンスには登録されません。仮想プライベート・カタログ所有者がすでに存在し、作成する必要がないため、こうしたデータベースの将来の登録は簡単になります。