リカバリ・アプライアンス環境のユーザー・アカウント

リカバリ・アプライアンス環境の中心コンポーネントは、保護データベース、リカバリ・アプライアンスおよびCloud Controlです。表2-1に、この環境で最も重要なユーザー・アカウントをまとめています。

表2-1 リカバリ・アプライアンス環境のユーザー・アカウント

コンポーネント アカウント・タイプ ユーザー名 説明

Cloud Control

Cloud Controlスーパーユーザー

SYSMAN

このアプリケーション・アカウントはデフォルトで存在します。目的は、Cloud Controlそのものの管理です。リカバリ・アプライアンスや保護データベースの管理には直接関係ありません。

Cloud Control

Cloud Control管理者

ユーザー指定

特定の保護データベースまたは特定のリカバリ・アプライアンスの管理に必要な役割と権限を付与されたCloud Controlユーザー・アカウント。ビジネス要件によっては複数のCloud Control管理者アカウントを設定できます。

リカバリ・アプライアンス

リカバリ・アプライアンス・メタデータ・データベース・スーパーユーザー

SYS

SYSはリカバリ・アプライアンスのユーザー・アカウントを作成できます。ただし、通常はそれ以外のリカバリ・アプライアンスの管理には使用されません。

リカバリ・アプライアンス

リカバリ・アプライアンス管理者

RASYS

このデータベース・アカウントは、RMANリカバリ・カタログとDBMS_RA PL/SQLパッケージを含むリカバリ・アプライアンス・スキーマを所有します(「DBMS_RAパッケージ・リファレンス」を参照)。RASYSユーザー名は固定されており、変更できません。RASYSには、データベース・ユーザー・アカウントを作成するために必要な権限はありません。

リカバリ・アプライアンス

リカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウント

ユーザー指定

このアカウントには、リカバリ・アプライアンスに登録されたデータベースのバックアップを送受信し、それらのデータベースのリカバリ・カタログ・メタデータを操作する権限があります。これは、保護されたデータベースからリカバリ・アプライアンスにREDOデータを送信するために使用するアカウントでもあります。RASYSとは異なり、リカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントには、リカバリ・アプライアンスにおける管理権限はありません。

通常、リカバリ・アプライアンス・メタデータ・データベースには複数のリカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントが含まれます。これらのアカウントは、保護データベースへのアクセスを構成するときに作成されます(「保護されたデータベース・アクセスのためのリカバリ・アプライアンスの構成」を参照)。

すべてのリカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントは仮想プライベート・カタログを所有します。カタログ所有者がアクセスして変更できるのは、アクセス権が認められているデータベースに関連するリカバリ・カタログ内の行のみです。このカタログ・ユーザー名はRMAN CONNECT CATALOGコマンドで参照されます。

保護データベース

保護データベース・バックアップ管理者

SYSBACKUP (SYSBACKUPがサポートされないリリースではSYSDBA)権限を持つユーザー・アカウント。

このアカウントには、保護データベースのバックアップ、リストアおよびリカバリを行う権限があります。これは、RMAN CONNECT TARGETコマンドで参照されるデータベース・ユーザー名です。

図2-2に、RASYSと2つのリカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントの関係を示します。この例では、各リカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントが個別の仮想プライベート・カタログを所有しています。リカバリ・アプライアンス・スキーマの所有者であるRASYSは、RMANリカバリ・カタログの所有者でもあることに注意してください。

図2-2 RASYSとリカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウント

図2-2の説明が続きます
「図2-2 RASYSとリカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウント」の説明

関連項目:

データベース・ユーザー・アカウントの作成方法を学習するには、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。