タイムゾーン設定の変更

この項では、初期の構成およびデプロイメント後に、リカバリ・アプライアンスでタイムゾーンを変更する場合の詳細を示します。タイムゾーン設定を変更する場合は、次のコンポーネントを変更する必要があります。

  • ストレージ・サーバー

  • 計算サーバー

  • Sun Datacenter InfiniBand Switch 36スイッチ

  • Ciscoスイッチ

ノート:

タイムゾーン設定を変更する前に、ストレージ・サーバー上のセル・サービスとOracle Clusterwareサービスを停止する必要があります。

次のタスクでは、コンポーネントでタイムゾーン設定を変更する方法について説明します:

ストレージ・サーバーでのタイムゾーン設定の変更

すべてのストレージ・サーバーに対する設定変更を完了してから、計算サーバーの設定を変更してください。

ストレージ・サーバーでタイムゾーン設定を変更するには、次のようにします。

  1. ストレージ・サーバーにrootユーザーとしてログインします。
  2. セルでプロセスを停止します。
    # cellcli -e alter cell shutdown services all
    
  3. ipconfスクリプトを実行します。
    # /opt/oracle.cellos/ipconf
    
  4. タイムゾーン・プロンプトが表示されるまで、スクリプト・プロンプトに従います。その他の設定は変更しないでください。

    次に、タイムゾーンを南極大陸のマクマードから米国のニューヨーク市に変更する場合の例を示します。米国の番号は230です。

    The current timezone: Antarctica/McMurdo
    Do you want to change it (y/n) [n]: y
     
    Setting up local time...
     
    1) Andorra
    2) United Arab Emirates
    3) Afghanistan
    .
    .
    .
    15) Aruba
    16) Aaland Islands
    Select country by number, [n]ext, [l]ast: 230
    
    Selected country: United States (US). Now choose a zone
     
    1) America/New_York
    2) America/Detroit
    3) America/Kentucky/Louisville
    .
    .
    .
    15) America/North_Dakota/New_Salem
    16) America/Denver
    Select zone by number, [n]ext: 1
    
    Selected timezone: America/New_York
    Is this correct (y/n) [y]:
    
  5. 残りのプロンプトに従いますが、他の値は変更しないでください。
  6. 次のファイルでタイムゾーンの変更が表示されることを確認します。これらのファイルの変更を例を示します。
    • /opt/oracle.cellos/cell.conf

      $VAR1 = {
                'Hostname' => 'xdserver.us.example.com',
                'Ntp servers' => [
                                   '10.141.138.1'
                                 ],
                'Timezone' => 'America/New_York',
      
    • /etc/sysconfig/clock

      ZONE="America/New_York"
      UTC=false
      ARC=false
      #ZONE="Antarctica/McMurdo"
      #ZONE="America/New_York"
      #ZONE="America/Los_Angeles"
      

      コメント化されていない値(先頭に#が付いていない値)が現在の設定です。

    • /etc/localtime

      strings /etc/localtimeコマンドを使用して、ファイルの表示可能な文字を参照します。最後の行にはタイムゾーン設定が含まれます。

      EST5EDT,M3.2.0,M11.1.0
      
  7. サーバーを再起動します。
  8. dateコマンドを使用して、現在のタイムゾーンを表示します。次に、コマンドの出力例を示します。
    # date
    Thu Jun 12 16:43:47 EDT 2014
    
  9. $ADR_BASE/diag/asm/cell/host_name/alert.logファイルを確認します。プロセスを再起動した時刻が現在の正しい時刻と一致していることを確認します。

計算サーバーでのタイムゾーン設定の変更

計算サーバーでタイムゾーン設定を変更するには、次のようにします。

  1. 計算サーバーでrootユーザーとしてログインします。
  2. Oracle Clusterwareサービスを停止します。
    # GI/bin/crsctl stop crs
    
  3. clockファイルを、ストレージ・サーバーの1つからコピーします。
    # scp root@storage_cell:/etc/sysconfig/clock /etc/sysconfig/clock
    
  4. クラスタ・レディ・サービス(CRS)を無効にします。
    # GI/bin/crsctl disable crs
    

    このステップによって、サーバーの再起動時にクラスタ・レディ・サービス(CRS)が自動的に再起動することが防止されます。

  5. 計算サーバーを再起動します。
  6. dateコマンドを使用して、タイムゾーンの変更を検証します。
  7. CRSを有効にします:
    # GI/bin/crsctl enable crs
    

    このステップによって、CRSがその前の構成設定にリストアされます。

  8. CRSを起動します:
    # GI/bin/crsctl start crs

InfiniBandスイッチでのタイムゾーン設定の変更

次の手順では、Sun Datacenter InfiniBand Switch 36でタイムゾーン設定を変更する方法について説明します。

  1. SSHを使用してスイッチに接続し、rootユーザーとしてログインします。
  2. Webアドレスを使用して、Oracle ILOMにログインします。
    http://switch_alias
    
  3. 「構成」タブを選択します。
  4. クロック・タブを選択します。
  5. NTPを使用して時刻を同期フィールドが有効になっていることを確認します。
  6. サーバーの正しいIPアドレスを入力します。
  7. 「保存」をクリックします。

Ciscoスイッチでのタイムゾーン設定の変更

Ciscoスイッチでタイムゾーン設定を変更するには、次のようにします。

  1. Telnetを使用してrootユーザーとしてCiscoスイッチに接続します。
  2. enableコマンドを使用して、特権モードを開始します。
  3. configure terminalコマンドを使用して、構成を開始します。
  4. 次のコマンドを使用して、クロックを設定します。
    clock timezone zone hours_offset [minutes_offset]
    

    前述のコマンドのzoneは標準時が有効の場合に表示するタイムゾーンの名前、hours_offsetはUTCからの時間オフセット、minutes_offsetはUTCからの分オフセットです。デフォルトのタイムゾーンはUTCです。

    サマータイム(Daylight Savings Time)を設定するには、次のコマンドを使用します。

    clock summer-time zone recurring [week day month hh:mm week day month   \
          hh:mm [offset]]
    

    前述のコマンドのweekは月単位の週(1から5の数値)、dayは曜日(Sunday、Mondayなど)、monthは月(January、Juneなど)、hh:mmは24時間形式の時間、offsetはサマータイム中に追加される分数です。hh:mmのデフォルト値は60です。サマータイムはデフォルトでは無効になっています。

    次に、タイムゾーンをアメリカ東部に設定し、サマータイムを有効にする場合の例を示します。

    $ telnet raeth-ip
    Connected to raeth-ip
    Escape Character is 'CTRL+]'
    
    User Access Verification
    
    Password: password
    raeth-ip> enable
    Password: password
    raeth-ip# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
    raeth-ip(config)# clock timezone EST -5
    raeth-ip(config)# clock summer-time EDT recurring
    raeth-ip(config)# end
    raeth-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 6421 bytes to 2041 bytes[OK]
    raeth-ip# show clock
    12:03:43.516 EDT Wed May 12 2012