1 バッチ・ランタイム環境の概要
この章のトピックは、次のとおりです:
1.1 Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchの紹介と構造
バッチ・ランタイムの目的は、UNIX/Linuxプラットフォーム上に堅牢な本番環境を作成できる関数を提供することです。
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchは、次のものから構成されています。
1.1.1 テクニカル関数
テクニカル・レベルには、簡単に作成、保守、デバッグできる、単純なワン・アクション関数が含まれます。たとえば、GDG (Generation Data Group)管理は、このレベルに属しています。このテクニカル・レベルが、バッチ・ランタイムの堅牢な基盤です。
1.1.2 上位レベル関数
上位レベル関数は、バッチ・ランタイムへのエントリ・ポイントを提供します。このレベルは、関数の動作を均質化して、プロダクション・スクリプトで呼び出せるようにします。上位レベル関数は、堅牢な論理ワークフロー(実行オン/オフ、オプション・チェック、事前定義されたリターン・コードなど)を提供するスケルトンに従います。
このレベルには、次の機能を持つ関数があります。
- ファイルの管理(作成、コピー、割当てなど)
- プログラムの起動(COBOL、実行可能ファイルなど)
- データベース(プログラムの接続/切断/コミット/ロールバック、SQL実行)
- レポートの作成
- ユーティリティの実行
1.1.3 インタフェースレベル関数
インタフェース・レベルを使用すると、バッチ・ランタイム・ジョブ管理と、送信、保留と解放、クラス管理、レポーティング、モニタリングなどの対話処理が可能です。
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchには、堅牢で有益なプロダクション関数が用意されています。これらの関数を使用してJCLおよびJES2の機能を簡単にエミュレートできるだけでなく、非実行モード、リターン・コードの事前定義(カスタマイズ可能)、国際化などの追加機能もあります。
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchは、上位レベル関数用に、ネイティブのシェル・インタープリタを使用します。この手法により、固有のプロダクション・ニーズに合わせて新しいランタイム関数を追加できます。
1.2 スクリプト実行フェーズ
バッチ・ランタイム内での実行のために送信されたKornシェル・スクリプトは、次の3つの別々のフェーズで処理されます。
入力フェーズ
このフェーズでは、JOBカードのパラメータが解析されます。
変換フェーズ
このフェーズでは、バッチ・ランタイムは次の処理を実行します。
- スクリプトの範囲内で使用されるすべての外部Kornシェル・スクリプト(プロシージャやインクルード)を展開して単一の完全なスクリプトを作成します。
- スクリプトで使用されるすべての記号を、現在の値に置換することで解決します。
実行フェーズ
バッチ・ランタイムによってスクリプトが実行されます。
親トピック: Batch Runtime環境の概要