セグメント値セキュリティの補助元帳会計固有の考慮事項
この項では、ビジネス機能別のセグメント値セキュリティの目的について説明し、補助元帳会計の概要(活動、設定、トランザクション処理、データ・セキュリティの適用方法など)を示します。
Payables、ReceivablesなどのOracle補助元帳やFusion Accounting Hub補助元帳は、トランザクション情報を取得するために使用されます。この情報は、補助元帳会計エンジンによって処理され、詳細な補助元帳会計仕訳が生成されます。
一般的に、補助元帳会計のアクティビティには次のものがあります:
- 設定: 補助元帳アプリケーション、会計オプション、会計基準、マッピング・セットおよびサポート参照の構成。
- トランザクション: Fusion会計ハブ・トランザクションのインポート、会計の作成および一般会計への転記、手動調整入力、管理残高およびサポート参照残高の保守。
- 照会およびレポート: 補助元帳会計仕訳をレビューし、ソース・トランザクションにドリルダウンし、補助元帳期間クローズ例外レポート、勘定科目分析レポート、補助元帳会計仕訳およびサポート参照残高に関するOTBIレポートなどのレポートをレビューします。
Subledger Accountingでは、Fusion Applicationsのジョブ・ロールは提供されません。 買掛管理などのアプリケーション。 補助元帳会計サービスを消費する売掛管理などは、補助元帳会計によって提供される職務ロールを継承することによって、アプリケーション固有のジョブ・ロールの会計関連アクティビティへのアクセス権を付与します。
会計ハブ・ユーザーは、会計活動を実行するために、カスタム・ジョブ・ロールを定義し、必要に応じて適切な職務ロールを割り当てる必要があります。
設定関連アクティビティにはデータ・セキュリティは適用されませんが、データ・セキュリティは、前述のトランザクション、照会およびレポート・アクティビティの元帳および仕訳ソースの値リストに適用されます。 データ・セキュリティは、補助元帳トランザクションと照会、レポート・アクティビティを実行するジョブ・ロールに対する付与によって実装されます。 次に例を示します - 買掛管理監督者は、買掛/未払金請求書へのアクセス、会計の表示、作成された補助元帳会計仕訳のレビュー、または買掛/未払金仕訳ソースの修正会計仕訳の作成を必要とします。
データ・セキュリティが一般会計および補助元帳ジョブ・ロールの補助元帳会計にどのように適用されるかの概要を次に示します:
| ジョブ・ロール | デフォルトのデータ・セキュリティ |
| 一般会計のジョブ・ロール(一般会計マネージャ、財務スペシャリストなど) |
ユーザーがデータ・アクセス権を持つ元帳の場合:
|
| Oracle補助元帳ジョブ・ロール(買掛管理監督者、売掛管理担当者など) |
ユーザーがデータ・アクセス権を持つ特定のセキュリティ・コンテキスト(ビジネス・ユニット、会社間組織、資産台帳など)の場合:
|
補助元帳会計でのビジネス機能別のセグメント値セキュリティの実装
このトピックでは、セグメント値セキュリティが補助元帳会計にどのように実装されるか、およびセグメント値セキュリティが様々な設定、トランザクションおよびレポート領域にどのように影響するかについて概説します。
Subledger Accountingは、様々なOracleおよびAccounting Hub補助元帳のトランザクション情報を、システムに定義されている会計基準に基づいて会計仕訳に変換する中間処理レイヤーです。 補助元帳会計のユーザー・インタフェースおよびレポートでは、データ・アクセス・セットやビジネス・ユニットなどの特定のデータ・セキュリティ・コンテキストを介したデータ・セキュリティは強制されません。 補助元帳会計のデータ・セキュリティは、補助元帳機能が関連付けられているジョブ・ロールに関連付けられたデータ・セキュリティ・ポリシーによって管理されます。
補助元帳会計にビジネス機能が関連付けられていません。 修正補助元帳会計仕訳の作成またはレビューに関連付けられたページなど、一部の「補助元帳会計」ページでは、一般会計ビジネス機能コンテキストが適用されます。 一般会計では、元帳全体または特定のプライマリ貸借一致セグメント値への読取りおよび書込みアクセスを制御するデータ・アクセス・セットを介してデータ・セキュリティが強制されます。 一般会計ビジネス機能が補助元帳会計ページに適用されると、補助元帳会計ページにデータ・アクセス・セット・コンテキストがないため、ユーザーに対するすべてのデータ・アクセス・セット付与の累積効果が適用されます。 関連付けられた元帳にのみアクセスできます。
補助元帳会計仕訳が「会計の表示」ウィンドウなどのOracle補助元帳のトランザクションのコンテキストで表示されている場合は、関連する補助元帳のビジネス機能が適用されます。
セグメント値セキュリティ・ポリシーがすべてのビジネス機能に対して定義されている場合、保護されたセグメント値へのアクセスは、適用可能なセキュリティ・コンテキストに基づきます。 たとえば、セキュリティ・コンテキストが「データ・アクセス・セット」に設定されている場合、一般会計ビジネス機能(補助元帳仕訳の作成、補助元帳仕訳のレビューなど)を強制する補助元帳会計ページでは、これらのページの対応する保護されたセグメント値へのアクセスが制限されます。 ただし、補助元帳ビジネス機能を適用する「会計の表示」ページでは、これらの値にはユーザーがアクセスできません。
セグメント値セキュリティ・ポリシーが「すべてのビジネス機能」および「すべてのセキュリティ・コンテキスト」に対して定義されている場合、アクセスは、ビジネス機能別のセグメント値セキュリティが強制されるすべての補助元帳会計ページの対応する保護されたセグメント値に制限されます。
ここでは、補助元帳会計が、勘定体系セグメントが関与する様々な設定、トランザクションおよびレポート領域で、ビジネス機能別のセグメント値セキュリティを実装する方法の要約を示します
| 領域 | ユーザー・インタフェース | ビジネス機能動作別セグメント値セキュリティ | ビジネス機能コンテキスト適用済 |
| 設定 | すべての設定ページ | 未適用 | 該当なし |
| トランザクション | UIまたはスプレッドシートを使用した手動補助元帳仕訳の作成 | 適用済 | 一般会計 |
| 会計オンライン / バッチ・プロセスの作成 | 未適用 | 該当なし | |
| 見越計上逆仕訳会計の作成プロセス | 未適用 | 該当なし | |
| 複数期間会計の作成プロセス | 未適用 | 該当なし | |
| 補助元帳残高の更新プロセス | 未適用 | 該当なし | |
| 会計トランザクションのインポート | 未適用 | 該当なし | |
| 照会とレポート | 補助元帳仕訳のレビュー / 表示 | 適用済 | 一般会計 |
| 補助元帳仕訳のレビュー / 表示 - 勘定科目上書き | 適用済 | 一般会計 | |
| 会計の表示 | 適用済 | 補助元帳コンテキストは、サポートされている補助元帳に適用されます(たとえば、: 買掛管理、売掛管理など。) | |
| 会計の表示 - 勘定科目上書き | 適用済 | 補助元帳コンテキストは、サポートされている補助元帳に適用されます(たとえば、: 買掛管理、売掛管理など。) | |
| ドリルダウン - 補助元帳仕訳明細 | 適用済 | 一般会計 | |
| ドリルダウン - トランザクションの表示 | 適用済 | 補助元帳コンテキストは、サポートされている補助元帳に適用されます(たとえば、: 買掛管理、売掛管理など。) | |
| 勘定科目レポート - 補助元帳仕訳のレビュー | 適用済 | 一般会計 | |
| 勘定科目レポート - 会計の表示 | 適用済 | 補助元帳コンテキストは、サポートされている補助元帳に適用されます(たとえば、: 買掛管理、売掛管理など。) | |
| 仕訳入力レポート | 適用済 | 一般会計 | |
| 勘定科目分析レポート | 適用済 | 一般会計 | |
| 会計の作成実行レポート | 適用済 | 一般会計 | |
| 複数期間会計の作成実行レポート | 適用済 | 一般会計 | |
| 見越計上逆仕訳会計の作成実行レポート | 適用済 | 一般会計 | |
| 補助元帳会計処理基準設定レポート | 未適用 | 該当なし | |
| 会計イベント診断レポート | 未適用 | 該当なし | |
| サード・パーティ管理勘定科目残高レポート | 未適用 | 該当なし |
ケース・スタディ: セグメント値セキュリティの適用
JoeとCassieは、Vision Corporation組織の従業員です。
Vision Operationsビジネス・ユニットは、買掛管理と支払のビジネス機能を特に管理する、Vision Corporation US元帳の多くのビジネス・ユニットの1つです。 貸借一致セグメント値に基づいて会計ユーザーのアクセスを合理化するために、Vision Corporation US元帳には3つのデータ・アクセス・セットが定義されています - 暗黙的なDAS Vision Corporation US以外のVision Corp DAS A、Vision Corp DAS BおよびVision Corp DAS C。
Joeは、米国のVision Operationsの買掛管理スペシャリストとして採用され、買掛/未払金請求関連のアクティビティ(システムでのサプライヤ請求書の検証と記録、支払をタイムリに行うこと、経費をモニタリングすること、税務上のすべての文書を追跡することなど)を管理しています。 場合によっては、請求書が買掛管理で直接取得されなかった場合に、Joeが補助元帳修正会計仕訳の入力を要求されることがあります - 請求書アプリケーション。
Cassieは、勘定科目表のレビュー、財務トランザクションでのデータ分析の実行、収益、費用、資産、負債および資本の勘定科目に関するレポートの生成のために、米国のVision Corporationの一般会計士として採用されています。 また、会計期間クローズ・アクティビティの一環として、会計調整、経過勘定、配賦、通貨再評価および換算を記録する責任もあります。 場合によっては、補助元帳から一般会計への突合せ時に補助元帳修正会計仕訳を作成できます。
買掛管理担当者ジョブ・ロールと一般会計担当者ジョブ・ロールに関連する職責を管理するために、JoeとCassieに提供されるジョブ・ロールとデータ・セキュリティ割当は次のとおりです
| ユーザー | ジョブ・ロール | データ・セキュリティ・コンテキスト |
| Joe | 従業員 | NA |
| 買掛管理担当者 | Vision Operations (BU) | |
| Cassie | 従業員 | NA |
| 一般会計担当 | Vision Corp DAS A | |
| 一般会計担当 | Vision Corp DAS C |
補助元帳会計には、個別のデータ・セキュリティ・コンテキストまたはビジネス機能はありません。 デフォルトでは、勘定科目組合せ内の保護されたセグメントに対応するすべてのセグメント値にアクセスして、Vision Operationsビジネス・ユニットとVision Corporation US元帳の買掛管理担当者ジョブ・ロールと一般会計担当者ジョブ・ロールがそれぞれアクセスできるアクティビティを実行できます。 買掛管理ページと「総勘定元帳」ページに勘定科目組合せを入力する際、保護されたセグメントの特定のセグメント値へのアクセスは、各ユーザーに割り当てられたそれぞれのポリシーに基づいて制限されます。
次のセグメント値セキュリティ・ポリシーがJoeおよびCassieに割り当てられています -
| ユーザー | ジョブ・ロール | データ・セキュリティ・コンテキスト | ビジネス機能 | セグメント | セグメント値 | アクセス・レベル |
| Joe | 従業員 | NA | NA | NA | NA | NA |
| 買掛管理担当者 | Vision Operations (BU) | 買掛管理 | コスト・センター | 110 | 読取り/書込み | |
| 120 | 読取り専用 | |||||
| 買掛管理担当者 | Vision Corporation US (DAS) | 一般会計 | 130 | 読取り/書込み | ||
| Cassie | 従業員 | NA | NA | NA | NA | NA |
| 一般会計担当 | Vision Corp DAS A (DAS) | 一般会計 | コスト・センター | 110 | 読取り/書込み | |
| 120 | 読取り/書込み | |||||
| 130 | 読取り専用 | |||||
| 140 | 読取り専用 | |||||
| Vision Corp DAS C (DAS) | 160 | 読取り/書込み | ||||
| 170 | 読取り/書込み |
前述のポリシー定義によって、JoeとCassieにそれぞれ異なる補助元帳会計ページにアクセスする方法の例を次に示します
| ユーザー | ユーザー・インタフェース | アクセス |
| Joe | 会計の表示 | このページは読取り専用で、ここで補助元帳ビジネス機能が適用されます。 ユーザーは買掛管理ビジネス機能のコスト・センター値110と120の両方を読み取ることができるため、これらのコスト・センター値を使用する勘定科目組合せにアクセスできます。 |
| 会計の表示 - 勘定科目上書き | このページは読取り\書込みをサポートしており、ここで補助元帳ビジネス機能が適用されます。 ユーザーはコスト・センター値110にのみ読取り\書込みにアクセスできるため、このコスト・センター値を使用する勘定科目組合せにアクセスできます。 | |
| 仕訳 / 仕訳明細のレビュー | このページは読み取り専用で、一般会計のビジネス機能がここに適用されます。 ユーザーは一般会計ビジネス機能のコスト・センター値130を読み取ることができるため、このコスト・センター値を使用する勘定科目組合せにアクセスできます。 | |
| 勘定科目分析レポート | これは読み取り専用のレポートで、ここでは一般会計のビジネス機能が適用されています。 ユーザーは一般会計ビジネス機能のコスト・センター値130を読み取ることができるため、このコスト・センター値を使用する勘定科目組合せにアクセスできます。 | |
| 補助元帳仕訳の作成 | このページは読取り\書込みをサポートしており、ここでは一般会計ビジネス機能が適用されます。 ユーザーはコスト・センター値130のみの読取り\書込みにアクセスできるため、このコスト・センター値を使用する勘定科目組合せにアクセスできます。 | |
| Cassie | 仕訳 / 仕訳明細のレビュー |
このページは読み取り専用で、一般会計のビジネス機能がここに適用されます。 ユーザーは、データ・アクセス・セットVision Corp DAS Aを介してコスト・センターの値110、120、130、140を読み取り、データ・アクセス・セットVision Corp DAS Cを介してコスト・センターの値160、170を読み取ることができます。 そのため、すべてのデータ・アクセス・セット付与の累積効果が一般会計ビジネス機能に適用されます。これにより、ユーザーはコスト・センター値を使用する勘定科目組合せにアクセスできます - 110、120、130、140、160および170。 |
| 勘定科目分析レポート | これは読み取り専用のレポートで、ここでは一般会計のビジネス機能が適用されています。 前述のシナリオと同様に、すべてのデータ・アクセス・セット付与の累積効果が一般会計ビジネス機能に適用されます。これにより、ユーザーはコスト・センター値を使用する勘定科目組合せにアクセスできます - 110、120、130、140、160および170。 | |
| 補助元帳仕訳の作成 |
このページは読取り\書込みをサポートしており、ここでは一般会計ビジネス機能が適用されます。 ユーザーは、データ・アクセス・セットVision Corp DAS Aを介してコスト・センターの値110、120、およびデータ・アクセス・セットVision Corp DAS Cを介してコスト・センターの値160、170を読取り\書込みにアクセスできます。 一般会計ビジネス機能に適用されるすべてのデータ・アクセス・セット付与の累積効果として、ユーザーはコスト・センター値を使用する勘定科目組合せにアクセスできます - 110、120、160、170。 |