1 はじめに
概要
Oracle Fusion ERP Analyticsは、Oracle Cloud ERP用の事前構築済のクラウド・ネイティブ分析ソリューションです。
財務、調達およびプロジェクトの専門家が収益性の根本的な要因を明らかにし、運転資本の使用を改善し、ビジネス支出を管理するのに役立ちます。「Oracle Fusion ERP Analytics」を参照してください。
このガイドでは、Oracle Fusion ERP Analyticsの事前定義済オブジェクトをリストします。表、エンティティ関係、サブジェクト領域、ジョブ・ロール、職務ロール、関連するビジネス上の質問、メトリック詳細、事前構築済分析、事前構築済ビジネス・メトリックおよびビルトイン・ダッシュボードに関する情報を確認できます。
プレビューに使用可能な機能
プレビュー機能を使用すると、機能管理者は機能のオンとオフを切り替えることができます。この方法で、組織は、新しい機能がデフォルトでロールアウトされる前に、新しい機能の使用方法を評価および学習できます。
プレビュー機能を有効にするには、プレビュー機能を使用可能にする方法を参照してください。
機能 | 説明 |
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企業契約 | この機能により、購買側の契約を分析できます。これには、契約ヘッダー、契約明細、契約条件および履行明細の詳細が含まれます。 |
助成金管理 | この機能により、付与交付金を分析できます。 |
プロジェクト資産 | この機能により、サブジェクト領域内の資本プロジェクトに関するレポートを作成できます。 |
プロジェクト労務配分 | この機能により、「PPM - プロジェクト労務スケジュール」および「PPM - プロジェクト労務配分コスト」サブジェクト領域を使用して、プロジェクト労務スケジュールおよびプロジェクト労務配分コストを分析できます。 |
受入会計 | この機能により、受入会計サブジェクト領域にインタフェースされた購買オーダーおよび購買オーダー受入からの受入会計に関連するトランザクションおよび配分を分析できます。 |
費用分類 | この機能により、支出購買依頼および購買オーダー・サブジェクト領域で費用分類関連の属性をサポートできるようになります。 |
機能 | 説明 |
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GL未転記仕訳 |
この機能により、GL詳細トランザクション・サブジェクト領域で未転記の仕訳を表示できます。 この機能を有効にしたら、必ず「一般会計」機能領域のデータをリロードしてください。データ・パイプラインのデータのリロードを参照してください。 |
購買の発行済契約 |
この機能により、「契約」サブジェクト領域の発行済契約の詳細に基づいて分析できます。 この機能を有効にしたら、必ず「購買」機能領域のデータをリロードしてください。データ・パイプラインのデータのリロードを参照してください。 |
購買の発行済購買オーダー |
この機能により、「購買オーダー」サブジェクト領域の発行済購買オーダーの詳細に基づいて分析できます。 この機能を有効にしたら、必ず「購買」機能領域のデータをリロードしてください。データ・パイプラインのデータのリロードを参照してください。 |
一般に使用可能な機能
Oracle Fusion Data Intelligenceには、コンソールを使用して有効にする必要がある、一般に使用可能な特定の機能が用意されています。一般に使用可能な機能は、本番ワークロードに使用できる公開機能です。これらの機能を使用すると、機能管理者は機能(デフォルトでは無効)のオンとオフを切り替えることができます。
一般に使用可能な機能を有効にするには、「一般に使用可能な機能の有効化」を参照してください。
機能 | 説明 |
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顧客回収日予測 | この機械学習機能では、未回収顧客請求書の予想支払日を予測します。「顧客回収日予測」を参照してください。 |
顧客回収リスク予測 | この機械学習機能は、未回収AR請求書の顧客回収リスク予測を提供します。「顧客回収リスク予測」を参照してください。 |
サプライヤ定時支払予測 | この機械学習機能は、未回収AP請求書のサプライヤ定時支払予測を提供します。「サプライヤ定時支払予測」を参照してください。 |
受入より前のプロジェクト請求書 | この機能により、プロジェクト請求書サブジェクト領域ですべてのステータスの請求書を表示できます。デフォルトでは、プロジェクト請求書サブジェクト領域には、売掛管理で受け入れられた請求書のみが表示されます。 |
機能 | 説明 |
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構成可能な勘定科目分析 | 構成可能な勘定科目分析(CAA)は、Oracle Fusion Data Intelligenceの財務全体のセルフサービス拡張機能であり、機能管理者は、初期抽出日から総勘定元帳と複数の補助元帳ソースにわたるデータを組み合せた包括的な勘定科目分析テンプレートを定義できます。「構成可能な勘定科目分析」を参照してください。 |
予算引当会計 |
この機能により、「GL貸借対照表」および「GL収益性」サブジェクト領域を使用して予算引当残高を分析し、「GL詳細トランザクション」サブジェクト領域を使用して予算引当仕訳を分析できます。 この機能を有効にしたら、必ず「一般会計」機能領域のデータをリロードしてください。データ・パイプラインのデータのリロードを参照してください。 |
Oracle Fusion ERP Analyticsの前提条件
Oracle Fusion ERP Analyticsおよび提供されているサブジェクト領域を使用するには、次の前提条件をレビューおよび設定してください。
勘定科目への財務カテゴリの割当て
Oracle Fusion ERP Analyticsおよび提供されているサブジェクト領域を使用する前に、財務カテゴリを勘定科目にリンクしてください。
- Oracle Cloud ERPにサインインします。
- 「自分の企業」にナビゲートし、「設定および保守」をクリックして、「設定および保守」作業領域で次の場所に移動します。
- オファリング: 財務
- 機能領域: 財務レポート体系
- タスク: 勘定体系構造インスタンスの管理
- 「検索」で、「モジュール」リストから「一般会計」を選択し、「検索」をクリックします。
- 「検索結果」でアプリケーションを選択し、「検索結果」の下にある「構造インスタンスの管理」をクリックします。
- 「キー・フレックスフィールド構造インスタンスの管理」ページで、「検索」の下の「構造名」から該当する名前を選択し、「検索」をクリックします。
- 検索結果から勘定体系インスタンスを選択し、「編集」をクリックします
- 「キー・フレックスフィールド構造インスタンスの編集」ページの「セグメント・インスタンス」で、「セグメント・コード」列から勘定科目セグメントを特定し、「値セット・コード」で対応する値をクリックします。
- 「値セットの管理」ページの「検索結果」で「値の管理」をクリックし、「値の管理」ページで「検索」をクリックしてすべての勘定科目コードをリストします。
- 「検索結果」で、すべてのアクティブな勘定科目に、「財務カテゴリ」列で財務カテゴリが割り当てられていることを確認します。
- アクティブな勘定科目に財務カテゴリが割り当てられていない場合は、次のいずれかの方法で割り当てます。
- 「財務カテゴリ」列で財務カテゴリを手動で選択します。
- ファイル・ベース・データ・インポート(FBDI)テンプレートを使用して、財務カテゴリをアクティブな勘定科目にマップします。
- これらの値をスプレッドシートにダウンロードするには、「アクション」をクリックし、「Excelにエクスポート」を選択します。
勘定体系のキー・フレックスフィールド・セグメントをBI対応にする
Oracle Fusion ERP Analyticsおよび提供されているサブジェクト領域を使用する前に、Oracle Transactional Business Intelligenceのキー・フレックスフィールド・セグメントを有効にしてください。
- Oracle Cloud ERPにサインインします。
- 「自分の企業」にナビゲートし、「設定および保守」をクリックして、「設定および保守」作業領域で次の場所に移動します。
- オファリング: 財務
- 機能領域: 財務レポート体系
- タスク: 勘定体系構造インスタンスの管理
- 「勘定体系構造インスタンスの管理」で、「モジュール」の「一般会計」を選択し、「検索」をクリックします。
- 「検索結果」で、「構造インスタンスの管理」をクリックします。
- 「キー・フレックスフィールド構造インスタンスの管理」ページで、「検索」の下の「構造名」から該当する名前を選択し、「検索」をクリックします。
- 検索結果から勘定体系インスタンスを選択し、「編集」をクリックします
- 「キー・フレックスフィールド構造インスタンスの編集」ページの「セグメント・インスタンス」で、各セグメントを選択して編集アイコンをクリックし、「キー・フレックスフィールド・セグメント・インスタンスの編集」ダイアログで「BI有効」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。
必要なセグメントのセグメント・ラベルの作成およびBIオブジェクト名へのマップ
Oracle Fusion ERP Analyticsおよび提供されているサブジェクト領域を使用する前に、セグメント・ラベルを作成してBIオブジェクトにマップしてください。
レポートおよび分析のためにOracle Transactional Business Intelligence (OTBI)で利用する予定の各セグメント・ラベルのBIオブジェクト名を移入します。
次のセグメント・ラベルについて、次のようにBIオブジェクト名を移入します。
セグメント・ラベル | BIオブジェクト名 |
---|---|
FA_COST_CTR | ディメンション - コスト・センター |
GL_BALANCING | ディメンション - 貸借一致セグメント |
GL_ACCOUNT | Dim - 勘定科目セグメント |
Oracle Fusion Data Intelligence内で利用する他のすべての不適格セグメント・ラベルについては、BIオブジェクト名に次のいずれかを移入します:
- ディメンション - GLセグメント1
- ディメンション - GLセグメント2
- ディメンション - GLセグメント3
- ディメンション - GLセグメント4
- ディメンション - GLセグメント5
- ディメンション - GLセグメント6
- ディメンション - GLセグメント7
- ディメンション - GLセグメント8
- ディメンション - GLセグメント9
- ディメンション - GLセグメント10
BIオブジェクト名のマッピングは、3つの修飾セグメントおよび最大10個の非修飾セグメントに使用できます。Oracle Fusion Data Intelligenceでは、最大13個のGLセグメントをそれぞれサポートできます。
ノート:
事前定義済セグメント・ラベルにBIオブジェクト名を割り当てることはできません。新しいセグメント・ラベルを作成し、それにBIオブジェクト名を割り当てる必要があります。コスト・センター、勘定科目および貸借一致セグメント・ラベルの使用は必須です。勘定体系では、これらのラベルがセグメントの1つに割り当てられている必要があります。セグメント・ラベルがスペースのない1つの単語であることを確認してください。
- aからz、AからZ、0から9の範囲の文字または_ (アンダースコア)のみを使用します。
- コードの先頭を数字にしません。
- コードの合計長が21文字を超えないようにします。
会社間セグメントを使用してレポートを作成する場合、既存のGL_INTERCOMPANYは読取り専用であり使用できないため、ラベルを作成する必要があります。セグメント・ラベルを作成し、それにBIオブジェクト名を割り当てる必要があります。
- Oracle Cloud ERPにサインインします。
- 「自分の企業」にナビゲートし、「設定および保守」をクリックして、「設定および保守」作業領域で次の場所に移動します。
- オファリング: 財務
- 機能領域: 財務レポート体系
- タスク: 勘定体系構造インスタンスの管理
- 「勘定体系構造インスタンスの管理」で、「モジュール」の「一般会計」を選択し、「検索」をクリックします。
- 「検索結果」で「処理」をクリックし、「セグメント・ラベルの管理」を選択します。
- 「セグメント・ラベルの管理」ページで、
をクリックして新しいセグメントを作成し、マップするすべてのセグメント・ラベルについてそれをBIオブジェクト名にマップして、「保存」および「閉じる」をクリックします。事前定義済セグメント・ラベルを使用していない場合は、セグメント・ラベルを作成します。
- 次のステップを使用して、勘定体系構造のセグメントにこれらのセグメント・ラベルを割り当てます。
- 「検索結果」で、「アクション」をクリックして「構造の管理」を選択し、「検索」の下の「キー・フレックスフィールド構造の管理」ページで「検索」をクリックします。
- 「検索結果」で、勘定体系構造を選択して「編集」をクリックします。
- 「セグメント」で、セグメントを選択して「編集」をクリックします
- 選択したセグメントの「キー・フレックスフィールド・セグメントの編集」ダイアログの「セグメント・ラベル」で、該当する使用可能なラベルを選択し、「選択されたラベル」に移動します。「保存」→「クローズ」をクリックします。
- すべてのセグメントに対してこのステップを繰り返します。
- すべてのセグメントにラベルを割り当てた後、次のステップを使用してフレックスフィールドをデプロイします。
- 「勘定体系構造インスタンスの管理」タスクにナビゲートします。
- 「検索結果」で、「モジュール」の「一般会計」を選択して「検索」をクリックします。
- 「検索結果」で、「一般会計」が選択されていることを確認し、「フレックスフィールドのデプロイ」をクリックします。
階層のフラット化と公開
階層をOracle Fusion ERP Analyticsで使用できるようにするには、階層をOracle Cloud ERPでフラット化して公開する必要があります。
- Oracle Cloud ERPにサインインします。
- 「自分の企業」にナビゲートし、「設定および保守」をクリックして、「設定および保守」作業領域で次の場所に移動します。
- オファリング: 財務
- 機能領域: 財務レポート体系
- タスク: 勘定科目階層の管理
ノート:
すべてのタスクが表示されていることを確認します。
- 「タスク」で、「勘定科目階層の管理」をクリックし、フラット化するツリー構造を識別します。ツリーのアクティブなバージョンが複数ある場合は、すべてのアクティブなバージョンをフラット化する必要があります。Oracle Fusion Data Intelligenceでは、アクティブなツリー・バージョンのみが考慮されます。
- 「検索結果」で、バージョンを選択します。「処理」で「フラット化」を選択し、「列のフラット化」を選択します。
- 「勘定科目階層の管理」で、「オンライン・フラット化」をクリックし、「強制フラット化」を選択します。
- 勘定体系のすべてのセグメントのすべてのバージョンについて、これらのステップを繰り返します。すべてのセグメントのすべての階層について、これらのステップを完了する必要があります。
- 次のステップを使用して、フラット化したすべての階層および階層バージョンを公開します。
- a.「設定および保守」作業領域で、「財務」オファリング、「財務レポート体系」機能領域および「勘定科目階層の公開」タスクに移動します。「表示」リストに「すべてのタスク」が表示されていることを確認します。
- 「勘定科目階層の公開」の検索結果で階層を選択し、「検索」をクリックします。
- 「検索結果」で、公開する勘定科目階層の「公開」チェック・ボックスを選択します。
- 「公開」をクリックして、残高キューブを更新します。
勘定体系の各セグメントへの階層の割当て
Oracle Fusion ERP Analyticsで階層を使用できるようにするには、Oracle Cloud ERP勘定体系の各セグメントに階層を割り当てる必要があります。
- Oracle Cloud ERPにサインインします。
- 「自分の企業」にナビゲートし、「設定および保守」をクリックして、「設定および保守」作業領域で次の場所に移動します。
- オファリング: 財務
- 機能領域: 財務レポート体系
- タスク: 勘定体系構造インスタンスの管理
- 「勘定体系構造インスタンスの管理」で、「モジュール」の「一般会計」を選択し、「検索」をクリックします。
- 「検索結果」で、「構造インスタンスの管理」をクリックします。
- 「キー・フレックスフィールド構造インスタンスの管理」ページで、「検索」の下の「構造名」から該当する名前を選択し、「検索」をクリックします。
- 検索結果から勘定体系インスタンスを選択し、「編集」をクリックします
- 「キー・フレックスフィールド構造インスタンスの編集」ページの「セグメント・インスタンス」で、各セグメントを選択し、「編集」
をクリックします。
- 選択したセグメントの「キー・フレックスフィールド・セグメント・インスタンスの編集」ダイアログの「ツリー名」で適切な値を選択し、「OK」をクリックします。
- 勘定体系インスタンスのすべてのセグメントに対してステップを繰り返します。
- すべてのセグメントにラベルを割り当てた後、次の手順に従ってフレックスフィールドをデプロイします。
- 「勘定体系構造インスタンスの管理」タスクにナビゲートします。
- 「勘定体系構造インスタンスの管理」で、「モジュール」の「一般会計」を選択し、「検索」をクリックします。
- 「検索結果」で、「一般会計」が選択されていることを確認し、「フレックスフィールドのデプロイ」をクリックします。
分析通貨の換算レートの設定
Oracle Fusion ERP AnalyticsのOracle Cloud ERPデータが正確になるようにするには、分析通貨の換算レートを設定する必要があります。
Oracle Fusion Data Intelligenceレポート構成では、機能管理者は、元帳通貨から分析通貨への換算にOracle Fusion Data Intelligenceが使用する換算レート・タイプを指定できます。換算レート・タイプを指定する前に、分析通貨金額が正しく計算されるように、Oracle Cloud ERPでこのレート・タイプの換算レートが定義されていることを確認してください。事前作成済のワークブックおよびダッシュボードでは分析通貨金額が使用されるため、最初にこの設定を実行する必要があります。参照
拡張可能フレックスフィールドの強制デプロイ
Oracle Fusion ERP Analyticsと適切に連携するには、Oracle Cloud ERPの拡張可能フレックスフィールドをデプロイする必要があります。
- Oracle Cloud ERPにサインインします。
- EGO_ITEM_EFFの「拡張可能フレックスフィールドの管理」タスクフローから「オフラインでリフレッシュおよびデプロイ」を実行します。
- 「スケジュール済プロセス」から、Transactional Business IntelligenceのOracle Fusionデータ拡張のインポート・ジョブを実行して、Oracle Metadata ServicesをOracle BI Cloud Serviceと同期します。