支払活動の格納方法

未消込入金

入金を作成すると、Receivablesによって次の表にレコードが作成されます。

AR_CASH_RECEIPTS
AR_CASH_RECEIPT_HISTORY
AR_PAYMENT_SCHEDULES
AR_RECEIVABLE_APPLICATIONS

次のサンプル入金を考えてみましょう。

入金番号: R-101
入金元: ABC Inc
入金日: 05-Jul-11
入金額: 4000

AR_CASH_RECEIPTS表には、入金R-101からの情報が次のように格納されます。

credit_receipt_id	金額	ステータス	receipt_number	タイプ
338700	4000	UNAPP	R-101	現金

AR_CASH_RECEIPT_HISTORY表には、入金R-101からの情報が次のように格納されます。

cash_receipt_history_id	金額	ステータス
457890	4000	決済済

AR_PAYMENT_SCHEDULES表には、入金R-101からの情報が次のように格納されます。

payment_schedule_id	amount_due_original	amount_due_remaining	cash_receipt_id	customer_ trx_id	trx_number	ステータス	amount_applied	区分
510555	-4000	-4000	338700	NULL	R-101	OP	0	PMT

入金の例のステータスはOP (オープン)、amount_appliedはNULLとなっていますが、これは顧客残高に対して入金が消し込まれていないためです。amount_due_original列は、指定されたcash_receipts_idのAR_CASH_RECEIPTS表のamount列の合計と同じになります。これは売掛/未収金活動に関連する入金のため、classはPMTです。amount_due_original列およびamount_due_remaining列は、入金額の逆数と同じになります。

AR_RECEIVABLE_APPLICATIONS表には、入金R-101からの情報が次のように格納されます。

payment_schedule_id	amount_applied	ステータス	payment_schedule_id	code_combination_id	cash_receipt_id	applied_payment_schedule_id	applied_customer_trx_id
408289	4000	UNAPP	400100	01-1100-1000	338700	NULL	NULL

入金が特定のトランザクションに消し込まれていないため、applied_payment_schedule_id列およびapplied_customer_trx_id列はNULLです。amount_applied列は、入金の金額と同じになります。code_combination_id列には、未消込入金に関連付けられたGL勘定科目が格納されます。

消込済入金: 同じ通貨

入金を消し込むと、Receivablesによって次の表にレコードが作成されます。

AR_CASH_RECEIPTS: 入金ごとに1つのレコードが格納されます。
AR_PAYMENT_SCHEDULES: トランザクション・レベルでの顧客残高情報が格納されます。
AR_RECEIVABLE_APPLICATIONS: 現金消込およびクレジット・メモ消込の会計仕訳が格納されます。

入金R-101の例を考えてみましょう(この入金は、6400 USDの顧客請求書I-101に消し込まれます)。

入金番号: R-101
入金元: ABC Inc
入金日: 05-Jul-11
入金額: 4000

AR_CASH_RECEIPTS表には、入金R-101からの情報が次のように格納されます。

credit_receipt_id	receipt_number	金額	ステータス	タイプ	通貨	レート
1521	R-101	4000	UNAPP	現金	USD	NULL

入金を消し込むと、Receivablesによってstatus列がUNAPPからAPPに更新されます。入金の一部のみが消し込まれる場合、ステータスはUNAPPのままになります。

AR_PAYMENT_SCHEDULES表には、入金R-101からの情報が次のように格納されます。

payment_schedule_id	amount_due_original	amount_due_remaining	cash_receipt_id	customer_ trx_id	trx_number	ステータス	amount_applied	区分	通貨
2211	6400	2400	NULL	1422	I-101	OP	4000	INV	USD
2225	-4000	0	1521	該当なし	R-101	CL	-4000	PMT	USD

請求書I-101の支払予定の区分はINVで、入金R-101の支払予定の区分はPMTです。入金の支払予定レコードは、amount_due_remaining列を消込済金額分減額するように更新されます。全額が消し込まれるため、amount_due_remainingはゼロになります。入金のステータスはCLに変更され、amount_appliedは-4000になります。

ノート:

AR_CASH_RECEIPT_HISTORY表で入金を確認できない場合、その入金の消込は、入金の消込対象トランザクションの支払予定には反映されません。

Receivablesでは、請求書の支払予定レコードは、amount_due_remainingを消込済入金の金額分減額するように更新されます。残高全体が支払われていないため、ステータスはOPのままです。Receivablesでは、請求書に消し込まれた金額を反映するようにamount_appliedが更新されます。

AR_RECEIVABLE_APPLICATIONS表には、入金R-101からの情報が次のように格納されます。

receivable_application_id	ステータス	trx_number	amount_applied	code_combination_id
3132	UNAPP	NULL	4000	01-1100-1000
3134	UNAPP	NULL	- 4000	01-1200-1100
3135	APP	I-101	4000	01-1200-1100

Receivablesによって、3つのレコードがAR_RECEIVABLE_APPLICATIONS表に挿入されます。最初のレコードは、ステータスがUNAPPで、当初未消込入金が記録されます。2番目のレコードは、ステータスがUNAPPで、当初未消込入金が相殺されます。3番目のレコードは、ステータスがAPPで、消込済請求書への参照を含む消込済入金情報がtrx_number列から格納されます。

code_combination_id列には、入金のステータスに基づいて、この入金のGL勘定科目が格納されます。UNAPPレコードの場合、code_combination_idは未消込入金に関連付けられたGL勘定科目を表します。APPレコードの場合、code_combination_idはこの入金が消し込まれる請求書トランザクションに関連付けられた売掛/未収金勘定です。

消込済入金: 相互通貨

入金R-102の例を考えてみましょう(この入金は、顧客の送金通知に従って、相互通貨レート1 CAD = 0.729355 EURを使用して請求書I-102を全額支払います)。

入金番号: R-102:

入金元: ABC Inc.
トランザクション日: 5-JUL-11
入金額: 100 EUR
換算レート: 1 EUR = .860956 USD

請求書番号: I-102:

トランザクション日: 05-JUN-11
請求書金額: 52.50
換算レート: 1 CAD = .666667 USD

AR_CASH_RECEIPTS表には、入金R-102からの情報が次のように格納されます。

credit_receipt_id	receipt_number	金額	ステータス	タイプ	通貨	レート
1521	R-102	100	APP	現金	EUR	.865956

全入金を消し込むと、Receivablesによってstatus列がUNAPPからAPPに更新されます。入金の一部のみが消し込まれる場合、ステータスはUNAPPのままになります。

AR_PAYMENT_SCHEDULES表には、入金R-102からの情報が次のように格納されます。

payment_schedule_id	amount_due_original	amount_due_remaining	cash_receipt_id	customer_ trx_id	trx_number	ステータス	amount_applied	区分	通貨
2212	52.5	0	該当なし	1423	I-102	CL	52.5	INV	CAD
2224	-100	0	1520	該当なし	R-102	CL	-100	PMT	EUR

請求書の支払予定の区分はINVで、入金の支払予定の区分はPMTです。入金の支払予定レコードは、amount_due_remaining列を消込済金額分減額するように更新されます。全額が消し込まれるため、amount_due_remainingはゼロになります。入金のステータスはCLに変更され、amount_appliedは-100になります。

AR_RECEIVABLE_APPLICATIONS表には、入金R-102からの情報が次のように格納されます。

receivable_application_id	ステータス	trx_number	amount_applied	amount_applied_from	trx_to_rcpt_rate	acct_amt_applied_to	acct_amt_applied_from	code_combination_id
3142	UNAPP	NULL	100	該当なし	該当なし	該当なし	33.33	01-1100-1000
3134	UNAPP	NULL	-100	-100	該当なし	-33.33	-33.33	01-1200-1100
3135	APP	I-102	52.5	100	1.9048	35	33.33	01-1200-1000

Receivablesによって、3つのレコードがAR_RECEIVABLE_APPLICATIONS表に挿入されます。最初のレコードは、ステータスがUNAPPで、当初未消込入金が記録されます。2番目のレコードは、ステータスがUNAPPで、当初未消込入金が相殺されます。3番目のレコードは、ステータスがAPPで、消込済請求書への参照を含む消込済入金情報がtrx_number列から格納されます。

code_combination_id列には、入金のステータスに基づいて、この入金のGL勘定科目が格納されます。UNAPPレコードの場合、code_combination_idは未消込入金に関連付けられたGL勘定科目を表します。APPレコードの場合、code_combination_idはこの入金が消し込まれる請求書トランザクションに関連付けられた売掛/未収金勘定です。

入金の戻し処理

入金の戻し処理を行うと、Receivablesによって次の表にレコードが作成されます。

AR_CASH_RECEIPTS
AR_CASH_RECEIPT_HISTORY
AR_PAYMENT_SCHEDULES
AR_RECEIVABLE_APPLICATIONS

入金R-101が実績入金ではない場合、入金の戻し処理トランザクションを入力して、入金を取り消します。

AR_CASH_RECEIPTS表には、戻し処理済入金の情報が次のように格納されます。

credit_receipt_id	金額	ステータス	receipt_number	タイプ
338700	4000	REV	R-101	現金

当初入金のstatus列がapplied (APP)からreversed (REV)に更新されます。

AR_CASH_RECEIPTS_HISTORY表には、戻し処理済入金の情報が次のように格納されます。

cash_receipt_history_id	金額	ステータス
545352	4000	戻し処理済

戻し処理済入金を記録するために、転記不可能な新規レコードがAR_CASH_RECEIPT_HISTORY表に挿入されます。また、当初入金レコードのcurrent_record_flagがNULLに更新され、当初入金レコードのreverse_gl_date列が移入されます。

AR_PAYMENT_SCHEDULES表には、戻し処理済入金からの情報が次のように格納されます。

payment_s chedule_id	amount_due_original	amount_due_remaining	cash_receipt_id	customer_trx_id	trx_number	ステータス	amount_applied	区分
510555	-4000	0	338700	NULL	R-101	CL	0	PMT
30191	6400	6400	NULL	101467	I-101	OP	0	INV

請求書の支払予定の区分はINVで、入金の支払予定の区分はPMTです。入金は戻し処理されているため、amount_due_remaining列とamount_applied列はゼロ、status列はclosed (CL)です。

Receivablesでは、請求書の支払計画レコードは、amount_due_remainingを戻し処理済入金の金額分増額するように更新されます。残高全体が支払われていないため、ステータスはOPのままです。トランザクションが請求書に消し込まれていないため、amount_applied列はゼロです。

AR_RECEIVABLE_APPLICATIONS表には、戻し処理済入金の情報が次のように格納されます。

receivable_application_id	amount_applied	ステータス	payment_schedule_id	code_combination_id	cash_receipt_id	applied_payment_schedule_id	applied_customer_trx_id
408292	-4000	APP	400100	01-1200-1100	338700	30191	101467
408293	4000	UNAPP	400100	01-1100-1000	338700	NULL	NULL
408294	-4000	UNAPP	400100	01-1100-1000	338700	NULL	NULL

Receivablesによって、3つのレコードがAR_RECEIVABLE_APPLICATIONS表に挿入されます。最初のレコードは、ステータスがAPPで、applied_payment_schedule_id列およびapplied_customer_trx_id列から、消込済請求書への参照を含む入金の当初消込が相殺されます。

2番目のレコードと3番目のレコードは、ステータスがUNAPPで、当初未消込トランザクションが相殺されます。APPレコードのcode_combination_idは、この入金が当初消し込まれた請求書に関連付けられた売掛/未収金勘定です。2つのUNAPPレコードのcode_combination_idは、未消込入金に関連付けられたGL勘定科目です。

その他入金

その他入金を作成すると、Receivablesによって次の表にレコードが作成されます。

AR_CASH_RECEIPTS
AR_CASH_RECEIPT_HISTORY
AR_MISC_CASH_DISTRIBUTIONS

次のその他入金の例を考えてみましょう。

入金番号: R-102:
入金元: Stock Broker
入金日: 07-Jul-11
入金額: 500

AR_CASH_RECEIPTS表には、その他入金の情報が次のように格納されます。

credit_receipt_id	金額	ステータス	receipt_number	タイプ
345678	500	APP	R-102	MISC

その他入金に対してステータスAPPが使用されます。売掛/未収金活動に関連していない入金の場合、type列はMISCです。amount列には入金の正味金額が格納され、receipt_number列には入金番号が格納されます。

AR_CASH_RECEIPTS_HISTORY表には、その他入金の情報が次のように格納されます。

cash_receipt_history_id	金額	ステータス
467890	500	決済済

その他入金の有効なステータス値は、REMITTED、CLEAREDおよびREVERSEDのみです。

AR_MISC_CASH_DISTRIBUTIONS表には、その他入金の情報が次のように格納されます。

misc_cash_distribution_id	cash_receipt_id	code_combination_id	金額
101789	345678	01-1190-1000-3000	250
101790	345678	01-1195-1000-3000	250

code_combination_idには、その他入金に関連付けられたGL勘定科目が格納されます。各入金には複数の勘定科目配分がある場合があります。指定した入金の配分の合計は、入金の金額と同じになります。