買掛/未払金トランザクションに対する税金の会計処理

買掛/未払金トランザクションの税金に対するデフォルトの会計処理は、税金の内容、税金控除ステータス、および関連する税金構成に割り当てられた税勘定に基づきます。

買掛/未払金トランザクションの会計処理は、次のようなカテゴリに依存しています。

  • 未照合標準請求書

  • 購買オーダー照合済請求書

  • 受入照合済請求書

  • 前払金

未照合標準請求書

次の表では、未照合標準請求書の税金の会計処理について説明します。

税金の内容

控除ステータス

借方勘定

貸方勘定

ノート

すべての税金

控除対象

控除対象税金

買掛/未払金

控除対象税勘定は、税金控除設定から導出されます。そこに定義されていない場合は、税率から導出されます。

すべての税金

控除対象外

税金費用

買掛/未払金

税金費用勘定に対する借方記入は、税率に対して税金費用勘定が指定されている場合にのみ適用されます。定義されていない場合、借方記入はトランザクション明細の手数料勘定に適用されます。

支払の税金ポイントに繰り延べ

控除対象

中間税

買掛/未払金

これらの税金の控除は支払まで延期されます。支払では、税金控除勘定の借方を使用して中間税勘定が貸方記入されます。

支払の税金ポイントに繰り延べ

控除対象外

税金費用

買掛/未払金

自己申告

控除対象

控除対象税または税債務

控除対象税または税債務

これらの税金は、第一者組織が申告し、支払うことになります。貸方は、買掛/未払金勘定ではなく税債務勘定に転記されます。

自己申告

控除対象外

税金費用

控除対象税または税債務

相殺税

控除対象

控除対象税または税債務

買掛/未払金

相殺税は常に100%控除対象です。これらの税金はマイナス・レートを使用して定義され、請求書配分がマイナス金額で作成されます。基本の税金と相殺税との間で買掛/未払金額が打ち消されます。残りは、税金費用勘定または税金控除勘定に対して借方記入され、税債務勘定に対してマイナスで借方記入されます。

購買オーダー照合済請求書

購買オーダー照合済請求書に対する税務会計アプローチは、未照合請求書の場合と同様です。購買オーダー照合済請求書が未照合請求書の会計と異なる主な領域は、次のとおりです。

  1. 税率に対して税金費用勘定が指定されていない場合は、対応する品目明細の勘定に使用する手数料勘定が使用されます。

  2. 購買オーダーと請求書の税金に相違がある場合は、差異として識別され、相応に会計処理されます。税額差異は、控除対象外の税額に対してのみ会計処理されます。控除対象の税額は、前述のとおりに会計処理されます。差異勘定はOracle Fusion Payables構成の一環として定義されます。

  3. 税金請求価格差異および税率差異の勘定科目導出は、次の表で説明されているように、使用される品目と経過勘定の処理方法に依存します。

    品目タイプ

    受入時計上: 使用可能

    受入時計上: 使用不可

    費用

    購買オーダー手数料勘定が使用されます。

    税金費用勘定が使用されます。

    在庫

    購買オーダー差異勘定が使用され、これはOracle Fusion Inventoryの組織パラメータの受入勘定からデフォルト設定されます。

    購買オーダー差異勘定が使用され、これはInventoryの組織パラメータの受入勘定からデフォルト設定されます。

税額差異の会計処理について説明します。

税金の内容

控除ステータス

差異タイプ

借方勘定

貸方勘定

ノート

すべての税金

控除対象外

税率差異

税金費用、手数料勘定

買掛/未払金

税率差異の請求書配分は、税額差異以外の会計処理に使用する勘定に転記されます。税率に税金費用勘定が設定されている場合は、同じ勘定が使用されます。ない場合は、手数料勘定(品目明細の会計処理に使用)が使用されます。

すべての税金

控除対象外

請求価格差異

請求価格差異勘定

買掛/未払金

これは、請求価格の変更に起因する購買オーダーと請求書との税額の相違です。この金額は請求価格差異勘定に転記されます。品目明細との差異に対する会計処理に使用される勘定と同じです。

すべての税金

控除対象外

購買オーダー換算レート差異

購買オーダー換算レート差異損益勘定

買掛/未払金

これは、換算レートの変更に起因する購買オーダーと請求書との税額の相違です。この金額は、換算レート差異損益勘定に転記されます。品目明細との差異に対する会計処理に使用される勘定と同じです。

受入照合済請求書

通常の買掛/未払金請求書と受入照合済請求書との会計上の唯一の違いは、控除対象外の税金が借方に記入される勘定です。この金額は、費用または手数料勘定のかわりに買掛/未払金経過勘定に借方記入されます。

次の表では、受入照合済請求書の会計処理について説明します。

税金の内容

控除ステータス

借方勘定

貸方勘定

すべての税金

控除対象外

買掛/未払金経過勘定

買掛/未払金

受入照合済請求書に適用可能な差異に対する会計処理は、購買オーダー照合済請求書と同じです。

前払金

税金に対する消込済金額処理が「再計算済」である場合は、前払金充当に対して税金が再計算されます。前払金と請求書との税額の差異は、税金差異勘定に転記されます。金額変更(プラスまたはマイナス)に従って、金額はこの勘定に貸方記入または借方記入されます。

税金の一部が控除対象である場合は、控除対象外の税額のみが税金差異勘定に転記されます。

ノート:

税金差異勘定を適用できるのは、請求書への前払金の1対1完全充当がある場合、および含まれる税額に差異がある場合のみです。