管理予算の作成の考慮事項

管理予算は、スポンサード・プロジェクトや非スポンサード・プロジェクトの予算がベースラインに設定されると作成されます。

管理予算は、管理セグメント、管理レベル、カレンダ設定などの属性の組合せに基づいて作成されます。スポンサード・プロジェクトの場合は、交付が拡張権限に対して有効か制限権限に対して有効かによって、管理予算の期間が決まります。各シナリオに対して、または属性の組合せに対して、複数の管理予算が作成されます。また、組合せによって、それらの管理予算の名前も決まります。

管理予算の作成方法を決定する要因

スポンサード・プロジェクトと非スポンサード・プロジェクトの両方に、次のルールが適用されます。

  • すでにベースラインに設定されているプロジェクト予算では、タスク管理または最下位リソース管理を有効にできません。
    • また、タスクおよびリソース管理に対する変更は、ベースラインに設定されている予算に制限されます。
    • 予算がベースラインに設定されると、特定の管理レベルのみを変更できます。「追跡」から「勧告」または「絶対」など、低いレベルの管理から高いレベルの管理には変更できますが、高いレベルの管理から低いレベルの管理には変更できません。デフォルト・レート・タイプは、管理予算詳細で変更できます。
  • 最下位リソース管理が有効の場合:
    • リソース・ブレークダウン・ストラクチャに、期待する粒度のリソースが含まれていることを確認します(総コスト・コンポーネントを含む)。最下位リソースに対して「絶対」管理レベルが使用可能になっている場合、予算管理検証を無事通過するためには、最下位リソース(間接費コンポーネントなど)に十分な予算金額が必要です。
    • 最下位リソースがリソース・ブレークダウン・ストラクチャの一部でない場合、トランザクションは、「トランザクションの最下位リソースがありません」という資金ステータスで予算管理検証に失敗します。
    • 予算をベースラインに設定した後は、以前の最下位レベルのリソースを中間レベルまたは最上位レベルのリソースに変更する新しい最下位レベルのリソースは計画できません。
  • タスクのトランザクション日を使用すると、タスクの期間を超えてトランザクションが請求されることがなくなります。管理がタスク期間内に適用されるようにするには、タスクにタスク・トランザクション日を指定する必要があります。これは、タスク管理予算の期間はプロジェクトの日付、つまりプロジェクトの開始日と終了日であるためです。スポンサード・プロジェクトの場合、管理予算の期間は交付期間、つまり交付予算期間の開始日と終了日(または交付前日付とクローズ日)です。
  • 管理セグメントのより高い組合せでより低い管理レベルが設定されている場合、管理セグメントの最も低い組合せでより高い管理レベルを設定することはできません。たとえば、「交付プロジェクト」管理セグメントが「勧告」管理レベルに設定されている場合、「交付プロジェクト最上位リソース」や「交付プロジェクト資金ソース」管理セグメントを「絶対」に設定することはできません。

  • 交付金および資金ソース・セグメントがない非スポンサード・プロジェクトまたはスポンサード・プロジェクト管理予算の場合、管理レベル設定を下位レベルから上位レベルに変更できます。たとえば、既存のプロジェクトに対しては、管理レベルを「勧告」から「絶対」に変更できます。

  • 交付と関連付けられている既存のスポンサード・プロジェクトで、予算バージョンや現行作業中バージョンがない場合は、新しい管理セグメントの管理予算設定を更新できます(交付と資金ソースなど)。交付と関連付けられ、ベースライン予算バージョンがある既存のスポンサード・プロジェクトの場合は、新しい管理セグメントの管理予算設定を更新できません。

  • 管理レベルが変更されると、既存の管理予算もベースラインで更新されます。

  • 管理レベルを「勧告」から「絶対」に変更することは可能ですが、「追跡」と「管理予算を作成しない」の値を高くすることはできません。

  • いずれかのセグメントの管理レベルが「管理予算を作成しない」に設定されている場合でも、レポート目的で「追跡」管理レベルを管理セグメントの最も低い組合せに設定できます。

  • 「追跡」はセグメントの最も低い組合せでのみ設定できるため、多くの組合せで「追跡」は表示されません。例外として、既存の管理セグメントの場合、プロジェクトとプロジェクト最上位リソース、または交付プロジェクトと交付プロジェクト最上位リソースの組合せでは、「追跡」が適切なレベルで表示されます。新規財務プラン・タイプの場合、これらの例外で「追跡」が表示されますが、実際の「追跡」管理予算は、セグメントの最も低い組合せ(プロジェクト最上位リソースと交付プロジェクト最上位リソース資金ソースなど)に対してのみ作成されます。

  • 新規財務プラン・タイプの場合、プロジェクトまたは交付プロジェクトのレベルで「追跡」を選択すると、より低いレベルがすべて「追跡」に変わり、レコードが使用不可になります。

  • 「予算管理設定」タブを使用して、プロジェクト予算の予算管理許容範囲パーセントおよびデフォルト・レート・タイプを更新できます。これらの変更は、予算がベースラインに設定されると、それぞれの管理予算に反映されます。

スポンサード・プロジェクトの場合の管理予算の作成方法を決定する要因

スポンサード・プロジェクトの管理予算では、「交付」、「プロジェクト」、「最上位タスク」、「最下位タスク」、「最上位リソース」、「最下位リソース」および「資金ソース」が管理セグメントになります。次のいずれかの管理セグメントを設定できます。
  • 交付プロジェクト
  • 交付プロジェクト最上位タスク
  • 交付プロジェクト最下位タスク
  • 交付プロジェクト最上位リソース
  • 交付プロジェクト最下位リソース
  • 交付プロジェクト最上位タスク最上位リソース
  • 交付プロジェクト最上位タスク最下位リソース
  • 交付プロジェクト最下位タスク最上位リソース
  • 交付プロジェクト最下位タスク最下位リソース
  • 交付プロジェクト資金ソース
  • 交付プロジェクト最上位タスク資金ソース
  • 交付プロジェクト最下位タスク資金ソース
  • 交付プロジェクト最上位リソース資金ソース
  • 交付プロジェクト最下位リソース資金ソース
  • 交付プロジェクト最上位タスク最上位リソース資金ソース
  • 交付プロジェクト最上位タスク最下位リソース資金ソース
  • 交付プロジェクト最下位タスク最上位リソース資金ソース
  • 交付プロジェクト最下位タスク最下位リソース資金ソース

スポンサード・プロジェクトの「要約」カレンダは、交付前の日付から交付クローズ日の範囲になります。交付前の日付または交付クローズ日が使用不可の場合は、交付開始日から交付終了日の範囲になります。定期カレンダは交付予算期間と同じです。

次の4つの管理セグメントの管理レベルが「絶対」のシナリオについて考えてみます。管理セグメントの組合せごとに1つ、4つの管理予算が作成されます。拡張権限に対して交付が有効になっている場合、カレンダは、4つの管理予算すべてに対して「要約」に設定されます。制限権限に対して交付が有効になっている場合、カレンダは、4つの管理予算すべてに対して「定期」に設定されます。
  • 交付プロジェクト
  • 交付プロジェクト最上位リソース
  • 交付プロジェクト資金ソース
  • 交付プロジェクト最上位リソース資金ソース

また、「交付プロジェクト最上位リソース資金ソース」管理セグメント用に5番目の管理予算が作成されます。この管理予算に対して、管理レベルは「追跡」に、カレンダは「定期」に設定されます。

次に、拡張権限に対して交付が有効になっている、次のシナリオについて考えてみます。

  • 交付プロジェクト: 絶対

  • 交付プロジェクト最上位リソース: 絶対

  • 交付プロジェクト資金ソース: 勧告

  • 交付プロジェクト最上位リソース資金ソース: 追跡

このシナリオでは、管理セグメントごとに1つ、4つの管理予算が作成されます。最初の3つの管理セグメントについてはカレンダが「要約」に設定されますが、4番目の「交付プロジェクト最上位リソース資金ソース」についてはカレンダが「定期」に設定されます。同じシナリオで、制限権限に対して交付が有効になっており、4つの管理セグメントすべてのカレンダが「定期」に設定されている場合は、管理セグメントごとに1つ、4つの管理予算が作成されます。

スポンサード・プロジェクトの場合は、管理タイプとカレンダ設定に応じて、複数の管理予算を作成できます。次の表は、管理セグメント、管理レベル、カレンダ設定、交付が拡張権限に対して有効か制限権限に対して有効かに応じて、これらのシナリオで作成される管理予算の例を示しています。各管理予算の名前には詳細情報が含まれています(プロジェクト番号_35文字の交付番号_管理_セグメント_管理_レベル)。管理予算の例を次の表に示します。

支出のタイプ

管理セグメント

管理レベル

カレンダ

管理予算の例

拡張権限

交付プロジェクト

交付プロジェクト最上位リソース

交付プロジェクト資金ソース

交付プロジェクト最上位リソース資金ソース

交付プロジェクト最上位リソース資金ソース

絶対

絶対

絶対

絶対

追跡

要約

要約

要約

要約

定期

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Top_Resource

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Funding_Source

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Top_Resource_Funding_Source

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Top_Resource_Funding_Source_Track

制限権限

交付プロジェクト

交付プロジェクト最上位リソース

交付プロジェクト資金ソース

交付プロジェクト最上位リソース資金ソース

交付プロジェクト最上位リソース資金ソース

絶対

絶対

絶対

絶対

追跡

定期

定期

定期

定期

定期

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Top_Resource

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Funding_Source

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12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Top_Resource_Funding_Source_Track

拡張権限

交付プロジェクト

交付プロジェクト最上位リソース

交付プロジェクト資金ソース

交付プロジェクト最上位リソース資金ソース

絶対

絶対

勧告

追跡

要約

要約

要約

定期

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Top_Resource

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Funding_Source

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Top_Resource_Funding_Source_Track

制限権限

交付プロジェクト

交付プロジェクト最上位リソース

交付プロジェクト資金ソース

交付プロジェクト最上位リソース資金ソース

絶対

絶対

勧告

追跡

定期

定期

定期

定期

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Top_Resource

12345_AwardProjectSample12345SponsoredPrj_Funding_Source

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非スポンサード・プロジェクトの場合の管理予算の作成方法を決定する要因

非スポンサード・プロジェクトの管理予算では、「プロジェクト」、「最上位タスク」、「最下位タスク」、「最上位リソース」および「最下位リソース」が管理セグメントになります。次のいずれかの管理セグメントを設定できます。
  • プロジェクト
  • プロジェクト最上位タスク
  • プロジェクト最下位タスク
  • プロジェクト最上位リソース
  • プロジェクト最下位リソース
  • プロジェクト最上位タスク最上位リソース
  • プロジェクト最上位タスク最下位リソース
  • プロジェクト最下位タスク最上位リソース
  • プロジェクト最下位タスク最下位リソース

レベルが最も低い管理セグメントに、レベルがより高いセグメントよりも高い管理を設定することはできません。たとえば、プロジェクトが「勧告」に設定されている場合、プロジェクト最上位リソースを「絶対」に設定することはできません。プロジェクトが「追跡」に設定されている場合、プロジェクト最上位リソースを「絶対」や「勧告」に設定することはできません。アプリケーションでは、プロジェクトの「管理予算を作成しない」はサポートされていません。

非スポンサード・プロジェクトの「要約」カレンダは、最小のプランニング要素開始日またはプロジェクト開始日から最大のプランニング要素終了日またはプロジェクト終了日の範囲になります。定期カレンダは、予算のプランニング・オプションに割り当てられるカレンダです(「会計期間」または「プロジェクト会計期間」)。

プロジェクトとプロジェクト最上位リソースの両方の管理セグメントで管理レベルが「絶対」になっているシナリオについて考えてみます。両方の管理セグメントで、カレンダは「要約」に設定されています。このシナリオでは、2つの管理予算が作成されます。プロジェクト最上位リソース管理セグメント用に3番目の管理予算が作成され、カレンダ・タイプは「定期」に設定され、管理レベルは「追跡」に変わります。

別のシナリオでは、プロジェクトの管理レベルが「絶対」に、カレンダが「要約」に設定されています。プロジェクト最上位リソースの管理レベルは「追跡」で、カレンダは「定期」です。このシナリオでは、2つの管理予算が作成されます。同様に、非スポンサード・プロジェクトの場合は、管理タイプとカレンダ設定に応じて、複数の管理予算を作成できます。

これらのシナリオで非スポンサード・プロジェクトに対して作成される管理予算を次の表に示します:

管理セグメント

管理レベル

カレンダ

管理予算の例

プロジェクト

プロジェクト最上位リソース

プロジェクト最上位リソース

絶対

絶対

追跡

要約

要約

定期

P12345

P12345_Top_Resource

P12345_Top_Resource_Track

プロジェクト

プロジェクト最上位リソース

絶対

追跡

要約

定期

P12345

P12345_Top_Resource_Track