予算と予測の編集
プロジェクト・マネージャは、数量および金額を直接変更するか、または金額を決定する属性を変更して、予算および予測バージョン(生成された数量および金額を含む)を編集できます。
予算明細または予測明細のレベルで要約の数量および金額を直接編集し、期間明細に関連付けられている数量および金額を編集します。バージョン、明細または期間のレベルで、特定の比率で金額を修正することもできます。バージョン・レベルで金額を修正する場合は、修正済の値に基づいて別のバージョンを作成できます。
予測バージョンを編集するとき、実績値は変更できません。ただし、残作業見積(ETC)の数量および金額は変更できます。また、明細レベルと、実績金額のない期間(つまり、開始日がETC開始日以降である期間)の、完了時見積(EAC)の数量および金額を変更することもできます。
予算および予測バージョンに加えることのできる変更の概要を次に示します。
期間情報の変更
期間明細の値を直接編集する他に、プラン明細レベルでプランニング・リソースに関連付けられている分割曲線を変更することによって金額の定期分割を変更できます。予算明細または予測明細の開始日と終了日を編集して、関連する期間の数を増減することもできます。
財務プラン・タイプまたはプロジェクト・プラン・タイプの作成または編集中に「日付変更時の手動分割の保守」チェック・ボックスを選択した場合、ユーザー・インタフェースで実行したプラン明細日付変更時に、定期プランニングはプラン・バージョンに保持されます。「手動分割」列は、リソースの定期的な手動分割が保持されるかどうかを示します。
リソース割当
予算バージョンを変更するために、「予算の編集」ページからリソース割当を変更できます。選択したタスクのリソース割当を変更するには、「処理」メニューから「選択したタスクの割当の管理」を選択します。選択したタスクのリソース割当を置換するには、「処理」メニューから「リソース割当の置換」を選択します。
プロジェクト・マネージャまたはプロジェクト管理者は、予算、交付予算または予測でリソースを置換して、財務プランを最新の状態に維持できます。最初にプロジェクト・ロールを使用して高レベル・プランを作成したとします。このロールを特定の指定個人と置換できます。プラン明細間でリソースを置換できます。必要に応じて、特定期間以降の部分交換も可能です。
置換リソースを選択すると、選択したタスクの以前のリソースと置換されます。これは、リソースが使用できなくなり、作業を完了できないときはいつでもリソースを交換できる、「財務プロジェクト・プランの管理」ページで使用可能な機能に似ています。
- 「なし」期間別プロジェクト予算または予測の場合は、部分置換を実行できないので、リソース・プランニングの開始日として置換期間の値を選択する必要があります。
- 同じリソース区分のリソースを置換できます。たとえば、プロジェクト・ロールを指定個人と置換したり、指定個人を別の指定個人と置換します。
- 交換リソースのレートは、現在のジョブ、組織およびロールに基づいて取得されます。計画金額は、置換処理の完了時にすべてのレベルで計算されて積み上げられます。
ソース・バージョンからの予算または予測の再作成
ソース・バージョンから予算または予測を再作成し、新規バージョンを生成せずに、ソース・バージョンに加えられた変更を反映します。たとえば、予測が財務プロジェクト・プランに基づいており、追加のスコープ変更のためにこのプランに新しいリソースが計画される場合、現行作業中または作業中予測を再作成して、変更されたスコープのプランニングを含め、生成される予測バージョンの数を減らします。
- ソース・バージョン: 既存のソース・バージョンから予算または予測バージョンを再作成します。
- 現行作業中バージョン: 再作成するバージョンの作成に使用された財務プラン・タイプまたはプロジェクト・プラン・タイプの既存の現行作業中バージョンから、予算または予測バージョンを再作成します。
- 現行ベースライン・バージョン: 再作成するバージョンの作成に使用された財務プラン・タイプまたはプロジェクト・プラン・タイプの既存の現行ベースライン・バージョンから、予算または予測バージョンを再作成します。
- 現行承認済バージョン: 再作成するバージョンの作成に使用された財務プラン・タイプの既存の現行承認済バージョンから、予算または予測バージョンを再作成します。
- プロジェクト予算または予測バージョンを再作成する処理は、バージョン全体で使用できます。
- プロジェクト予算または予測バージョンを再作成する処理は、明細の手動作成の作成方法を使用して作成されたバージョンの場合や、「バージョンの編集」ページで「タスク・リスト」表示を選択している場合には使用できません。
- バージョンが「ロック済」、「送信済」、ベースライン済または「承認済」ステータスの場合、そのバージョンは再作成できません。
- 再作成するバージョンのプランニング・オプションは、再作成処理の際に尊重されます。たとえば、「日付変更時の手動分割の保守」オプションが選択されている場合、既存の予算または予測より後の終了日を持つ追加期間がソース・データから作成される一方で、手動編集も維持されます。
レートのリフレッシュおよび上書き
レートをリフレッシュすると、プランニング・プロセスで使用されるリソースの現在のジョブ、組織およびロールに基づいてレートが取得されます。リフレッシュすると、潜在的な変更が考慮され、各リソースの現在の情報に基づいてレートが表示されます。
プロジェクト・マネージャまたはプロジェクト管理者がバージョン・レベルのリフレッシュ処理を実行すると、リソース・ブレークダウン・ストラクチャで使用不可となっているリソースがスキップされます。使用不可にしたリソースをリフレッシュする場合は、行単位のリフレッシュを実行できます。同様に、「プラン金額のリフレッシュ」プロセスでは、リソース・ブレークダウン・ストラクチャで使用不可になっているリソースがスキップされます。
予算または予測バージョンを管理する場合や、バージョンを編集する場合に、コスト・レートおよび収益レートをリフレッシュするためのオプションを次に示します。
オプション |
バージョン・レベルでの使用 |
摘要 |
---|---|---|
すべての行のリフレッシュ |
可 |
選択した財務プラン・バージョンのすべてのプラン明細のレートをリフレッシュします。 |
選択した行のリフレッシュ |
不可 |
選択したプラン明細のレートをリフレッシュします。 |
すべての期間のリフレッシュ |
可 |
すべての期間のレートをリフレッシュします。すべての行をリフレッシュするか、選択した行をリフレッシュするかによって、選択したプラン明細のレートまたは財務プラン・バージョンのレートがリフレッシュされます。 ノート: レートのリフレッシュ中、アプリケーションでは純額ゼロの期間を含む、すべての期間と金額が考慮されます。
|
選択した期間および後続期間のリフレッシュ |
不可 |
選択した期間とそれに続く期間のレートをリフレッシュします。すべての行をリフレッシュするか、選択した行をリフレッシュするかによって、選択したプラン明細のレートまたは財務プラン・バージョンのレートがリフレッシュされます。 ノート: レートのリフレッシュ中、アプリケーションでは純額ゼロの期間を含む、すべての期間と金額が考慮されます。
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期間のレートをリフレッシュするオプションは、財務プラン・バージョンで会計期間またはプロジェクト会計期間ごとのプランニングがサポートされている場合に適用されます。
次の点を考慮してください。
- 実績金額をリフレッシュすると、手動入力方法を使用して手動で追加した予測バージョンのETC金額は失われます。
- 期間詳細をレビューするとき、プラン明細内のすべての期間のレートまたは選択した期間とそれに続く期間のレートを訂正できます。
- 「収益生成方法」が「手動入力」に設定されている場合、レート・ベース・リソースの数量が更新された場合や、金額をリフレッシュした後にレートがリフレッシュされた場合でも、収益金額は保持されます。
- また、コスト金額および収益金額(直接費、総コスト、請求レートなど)の計算に使用される有効レートを手動で上書きし、個々の予算明細または予測明細の通貨換算属性を訂正することもできます。
- 予算明細または予測明細の有効レートを上書きすると、関連する期間明細は、それらの上書きされたレートを継承します。
また、「プラン金額のリフレッシュ」プロセスを送信して、既存のプロジェクト・プラン・タイプまたは財務プラン・タイプ・レート設定に基づいて、財務プロジェクト・プラン、予算または予測の作業バージョンをリフレッシュすることもできます。プロセスを送信する前に、財務プロジェクト・プラン、作業予算バージョンまたは作業予測バージョンのリフレッシュのために処理するプロジェクトに基づいてプロセス・パラメータを選択します。たとえば、「プロジェクト・タイプ」または「プロジェクト・マネージャ」パラメータを使用して、特定のプロジェクト・タイプまたはプロジェクト・マネージャを使用して処理するプロジェクトのセットを絞り込みます。「日付: 自」パラメータを使用して、レートをリフレッシュする必要がある期間を選択します。対応する期間は、財務プロジェクト・プラン、予算バージョンおよび予測バージョンで使用されるカレンダに基づいて使用されます。オプションで、「詳細レポート」パラメータを「はい」に設定し、スケジュール済プロセスによって除外されるバージョンのリストおよび除外理由をレビューする詳細レポートを生成します。
レートベース・リソースとレートベースでないリソースの値の変更
レートベースでないプランニング・リソース(財務リソースなど)の場合は、コスト金額または収益金額のみ入力できます。数量およびレートは変更できません。
レートベース・プランニング・リソースの場合、数量、レートまたは金額を編集できます。値を編集すると、次の表で説明するように、事前定義済の優先度ルールを使用して関連する値が自動的に再計算されます。
変更する値 |
優先度ルール |
---|---|
数量またはレート、あるいはその両方 |
数量および対応するレートに基づいて金額を計算します。 |
金額、または金額と数量の組合せ |
数量(使用可能な場合)からレートを計算し、続いて金額を計算します。 |
レートおよび金額 |
更新された金額および既存の数量に基づいてレートを計算します。レートに対する更新は上書きされます。 また、レートおよび金額を指定して、数量を指定しない場合は、新しいプラン明細の作成時にレートは消去され、金額のみが保存されます。 注意:
レートに対する変更、またはコスト金額および収益金額に基づいて数量が変更されることはありません。 |
数量、レートおよび金額 |
更新された金額および既存の数量に基づいてレートを計算します。 |
通貨換算レートのリフレッシュ
財務プロジェクト・プランニング時およびプロジェクト予算および予測の作成時に、最新の通貨換算レートを取得できます。たとえば、現在の換算レートで4年間のプロジェクトを計画できます。後で、最新の値に基づいて通貨換算レートをリフレッシュできます。