プロジェクトではプロジェクト・コスト金額の端数処理がどのように処理されますか。
このトピックでは、関連するトランザクション通貨について定義された桁数を超える小数値を含むプロジェクト・コスト金額がOracle Projectsでどのように格納および表示されるかについて説明します。
原価計算前のトランザクションを作成する場合、プロジェクト・コストをプロジェクト原価計算にインポートするときに、データベースに格納される金額は、指定した金額と一致します。同様に、レートベース・トランザクションをロードするときに、直接費の計算(レート * 数量)によって、トランザクション通貨について定義されているものよりも直接費の精度が高くなった場合、直接費はそのまま格納されます。
ただし、これらの直接費が「プロジェクト・コストの管理」などのページに表示されるときには、選択した通貨の構成済の精度に基づいて、これらの数値に含まれる小数値が端数処理されます。
たとえば、USドル通貨の構成済の精度は2です。したがって、プロジェクト・コスト$123.456をインポートした場合、データベースに格納される金額は$123.456ですが、表示される金額は$123.46です。
「分割」または「分割および転送」修正中の端数処理
プロジェクト・コストに対して「分割」または「分割および転送」修正を実行したときに、新しく作成された分割プロジェクト・コストに、構成済の精度よりも桁数の多い小数が含まれる場合、これらの値はデータベースにはそのまま格納されますが、アプリケーションに表示されるときには、これらのそれぞれの分割値が端数処理されます。
例として、「分割」修正に関連付けられた詳細を取得した表を次に示します:
見出し | 数量 | 格納される直接費 | 単位 | 計上される金額 | 表示される値 |
---|---|---|---|---|---|
当初トランザクション | 1 | $8365 | 通貨 | NA | NA |
「分割」修正によって生成されるトランザクション | 0.725 | $6064.625 | 通貨 | $6064.63 | $6064.63 |
0.275 | $2300.375 | 通貨 | $2300.38 | $2300.38 | |
合計 | 1 | $8365 | NA | $8365.01 | $8365.01 |
上の表で:
- 当初トランザクションの数量は1で、直接費は$8365です。
- 「分割」修正によって、このトランザクションが2つのプロジェクト・コストに分割されます。一方の数量は0.725で、直接費は$6064.625になり、もう一方の数量は0.275で、直接費は$2300.375になります。これらの直接費を加算すると、当初トランザクションに関連付けられた直接費である$8365になります。
- ご覧のとおり、このトランザクションに使用される通貨はUSドルであり、構成済の精度は2です。したがって、これらの分割金額を計上するときに、四捨五入の端数処理方法を使用して小数値が2桁に端数処理され、計上される金額はわずかに変更されて$6064.63および$2300.38となり、プロジェクト・トランザクションの合計コストに1セントが加算されます。
- 「プロジェクト・コストの管理」ページで、新しく分割された金額に関連付けられた詳細を検索すると、表示される値は端数処理された金額になり、この例では1セントの差異が生じます。ただし、データベースに格納されている実際の直接費の値は端数処理されません。
完全な精度の値を使用してコスト金額をレポートするには、「プロジェクト・コスト計算 - 実績コスト・リアルタイム」サブジェクト領域など、Oracle Transactional Business Intelligenceのサブジェクト領域を使用します。レポートで使用されるコスト・メジャーの列プロパティでカスタム数値書式を指定することで、必要な小数点以下の桁数まで表示できます。