プロジェクト・コストの処理方法

「コストのインポート」プロセスを使用して、Oracle Fusionアプリケーションまたはサードパーティ・アプリケーションからプロジェクト原価をインポートおよび処理します。この処理では、トランザクションのインポート、トランザクション属性の導出、トランザクションの検証、コストの計算、残余予算のチェックや、支出項目、コスト配分および会計イベントの作成を行います。

次のフロー・チャートは、プロジェクト・コスト・トランザクションの処理を示しています。
内部アプリケーションおよびサードパーティ・アプリケーションからのプロジェクト・コストを処理を示すフローチャート

設定オプション: コストのインポート

トランザクション文書および文書入力のオプションにより、コスト・トランザクションのインポート方法および処理方法を指定します。次の表は、プロジェクト・コスト・トランザクションの処理を決定するその他の設定オプションを示しています。

オプション

設定レベル

摘要

間接費

プロジェクト・タイプ

間接費計算を可能にし、間接費スケジュールを割り当て、間接費会計オプションを管理します。

請求可能トランザクション

作業タイプ

プロジェクト・タイプ

プロジェクト

タスク

トランザクション

トランザクションが請求可能であるかどうかを示します。

支出組織の検証および通貨換算

ビジネス・ユニット

支出組織を検証し、プロジェクト元帳通貨換算レートをビジネス・ユニット実装の一部として決定します。

残余予算チェック

ビジネス・ユニット

プロジェクト

財務プラン・タイプ

ビジネス・ユニット: 予算管理と予算引当会計を使用可能にします。

  • 元帳を使用するビジネス・ユニットにおいて予算管理と予算引当会計を使用可能にするには、その前にまずその元帳の予算管理を使用可能にする必要があります。「設定および保守」作業領域から「予算管理の管理」タスクまたは「予算引当会計の管理」タスクを使用し、対象となる元帳およびビジネス・ユニットの予算管理と予算引当会計を使用可能にします。
  • 調達-支払ビジネス機能: 予算管理と予算引当会計を使用可能にし、残余予算チェックに含めるトランザクション・タイプおよびトランザクション・サブタイプを選択します。
  • プロジェクト会計ビジネス機能: 予算管理を使用可能にし、残余予算チェックから除外するトランザクション・ソースおよび文書を選択します。

プロジェクト: 予算管理使用可能

  • プロジェクトが予算管理に対して使用可能になっている場合、トランザクションはデフォルトで残余予算チェックに含まれます。
  • プロジェクトが予算管理に対して使用可能で、ビジネス・ユニットまたは元帳も予算管理に対して使用可能になっている場合、予算管理使用可能財務プラン・タイプを使用して作成されたベースライン済予算バージョンが、プロジェクト予算管理の対象となるトランザクションに存在する必要があります。
  • 予算管理を使用可能にできるのは、トランザクションがプロジェクトに1つもない場合のみです。コスト・トランザクションが存在する場合、エラー・メッセージが表示されます。このエラーを解決するには、予算管理に使用可能な新規プロジェクトを作成し、予算を作成してベースラインに設定してから、既存のコストを新規プロジェクトに転送します。
財務プラン・タイプ: 予算管理使用可能
  • Project Controlの財務プラン・タイプおよび予算バージョンには、Budgetary Controlで管理予算を自動的に作成できる属性が含まれます。財務プラン・タイプの予算管理設定を構成すると、その財務プラン・タイプから作成した予算バージョンで管理予算を作成できます。
  • プロジェクトで予算管理に対して使用可能にできる財務プラン・タイプは1つのみです。予算管理で使用可能な財務プラン・タイプがプロジェクトの予算バージョンで使用されている場合、予算管理で使用可能な異なる財務プラン・タイプを使用して別の予算バージョンを作成することはできません。

トランザクション管理

プロジェクト

タスク

トランザクションが賦課可能であるかどうかを指定します。

トランザクションの処理方法

「コストのインポート」プロセスでは、未処理トランザクションに対して次のステップを実行します。

トランザクション処理タスク

摘要

トランザクションのロード

他のOracle Fusion ApplicationsからOracle Fusion Project Costingにインポートするためにトランザクションをロードします。

トランザクション属性の導出

個人の人事管理割当の詳細、会計日、プロジェクト会計日、期間情報などのトランザクション属性を導出します。これらの属性は、コスト・レート情報を導出し、会計処理を実行するために使用されます。

トランザクションの検証

トランザクションのビジネス・ルールおよびトランザクション管理ルールを検証します。トランザクション・ソース文書レベルで「インポート中に再検証」オプションが使用可能になっている場合、他のOracle Fusionアプリケーション(Payables、Cost Management、Time and Laborなど)からインポートされたコスト・トランザクションがプロセスによって再検証されます。

追加のトランザクションの作成

超過勤務が使用可能になっている場合、追加のトランザクションを作成します。これは、オプションのタスクです。

コスト計算

直接費および総コストを計算し、トランザクション通貨の金額をプロジェクト通貨、送り側元帳通貨および受け側元帳通貨に換算します。

残余予算のチェック

予算管理ルールと予算引当会計ルールに基づいてトランザクションを検証し、資金ステータスを計算します。

会計イベントの生成

コスト会計イベントを生成します。これは、トランザクションのコスト会計仕訳の作成に使用されます。

支出項目およびコスト配分明細の作成

コストが計算および検証された後、支出項目およびコスト配分を作成します。

ソース・アプリケーションを使用したトランザクション詳細の調整

ソース・アプリケーションを使用してトランザクション処理ステータスを調整します。サードパーティ・アプリケーションは、サービスを使用して、トランザクション・ステータスおよびエラーの詳細を更新します。Oracle Fusion Applicationsの場合、トランザクション・ステータスは常に更新されます。

「未処理コストの管理」ページまたは「コストのインポート」レポートで、待ち状態トランザクションおよび棄却済トランザクションのエラーをレビューできます。エラーを修正した後、トランザクションを発行して再処理できます。アプリケーションは、プロセスを再開するのではなく、エラーがあったポイントからトランザクションを再処理します。たとえば、コスト・レートの決定時にトランザクションが棄却された場合、アプリケーションはコスト・レート決定ステージからトランザクションを再処理し、それより前は再処理しません。

ノート:
  • バッチ・ステータスに関係なく、処理済および未処理のコスト・トランザクションが混在する支出バッチは削除できません。バッチ内の各未処理コスト・トランザクションを個別に削除することも、例外を修正したうえで通常どおりにバッチを再処理することもできます。バッチ内のすべてのトランザクションが正常に処理されると、バッチも「処理済」に設定されます。
  • 処理済支出バッチに未処理のコスト・トランザクションがまだ含まれていて、ステータスが「例外」の場合は、バッチ自体を削除できません。ただし、バッチに未処理のコスト・トランザクションがなくなるまで、バッチ内の各未処理のコスト・トランザクションを個別に削除できます。支出バッチのステータスが「処理済」に変われば、必要に応じてバッチを削除できます。