給与原価のインポート
このトピックでは、給与原価をインポートし、労務スケジュールを使用してスポンサード・プロジェクトまたは非スポンサード・プロジェクトおよび元帳にそれらを配分する方法について説明します。
給与計算では、従業員および契約者はフルタイム給与に基づいて、または、給与計算に送信された給与を使用して給与が支給されます。これらのタイムシートはプロジェクトにも送信でき、プロジェクトの進捗追跡やレポート作成に使用できます。
労務費配分では、Oracle Fusion Projectsトランザクション・ソース内にシードされた「労務費配分」という文書タイプが使用されます。「プロジェクト・トランザクション・ソースの管理」権限を持つユーザーは、これらのトランザクション・タイプを構成して、「労務費配分」文書タイプから生成されるトランザクション・データをインポート後にどのように管理する必要があるかを指定できます。ドキュメント・タイプを構成する方法の詳細は、トランザクション・ソースのオプションを参照してください。
Oracle Payrollからの給与原価の直接インポート
Oracle Fusion Payrollをトランザクション・ソースとして、「給与原価のインポート」スケジュール済プロセスを使用します。詳細は、後述の「給与原価のインポート・パラメータ」を参照してください。
インポート・プロセスのステータスを表示するには、「スケジュール済プロセス」>「概要」ページでプロセスを検索します。
- この統合により、すべてのビジネス・ユニットに対して給与のインポート・プロセスを同時に実行できます。
- インポート・プロセスでは、Oracle Fusion Payrollから、インポート時に選択した給与期間の期間についてアクティブな、個人割当および個人割当支払要素労務スケジュールを含む給与原価のみを受け取ります。
ファイルベース・データ・インポートによる給与原価のインポート
「給与原価のインポート」ワークブック・テンプレートを使用して、給与のプロジェクト原価計算オープン・インタフェース表のトランザクションの事前定義済労務スケジュールに基づいて労務プロジェクトおよび非プロジェクト・コストを作成します。
給与原価のインポートのExcelワークブック・テンプレートの詳細は、『Project Portfolio Managementのファイルベース・データ・インポート』ガイドを参照してください。
インタフェース・プロセスおよびインポート・プロセスを完了するには、労務配分会計担当者ロールが必要です。
FBDIを使用して給与原価をインポートするには:
-
給与原価のインポートのマクロ対応Excelワークブック・テンプレートを使用してデータを準備します。
-
テンプレートのCSVファイルの生成をクリックし、カンマ区切り値ファイルを作成します。
-
給与トランザクション値をインタフェース表にロードします。インタフェース・プロセスの詳細は、Oracle Project Portfolio Management Cloudのファイル・ベース・データ・インポート・ガイドの、給与原価のインポートのトピックを参照してください。
- インタフェース表のロード後、「給与原価のインポート」プロセスを実行して、インタフェース表から給与原価をインポートし、検証および処理してプロジェクト・コスト配分を作成します。
- 必要に応じて、インポート関連の詳細を入力します。これらのオプションの詳細は、後述の「給与原価のインポート・パラメータ」を参照してください。
- 無効なトランザクションの例外は、「労務費の管理」ページおよび「給与原価のインポート・レポート」でトラッキングされます。エラーを修正し、処理を再発行してください。このトピックの詳細は、「労務費の管理」を参照してください。
「給与原価のインポート・レポート」は、「給与原価のインポート」プロセスとは無関係に実行できます。これは、インタフェース・レコードが予期しないステータスになる原因となるエラーの場合に使用されます。このプロセスは、指定された前のプロセスIDに基づいて再実行され、必要に応じてインタフェースレコードをクリーン・アップします。
給与原価のインポート・パラメータ
パラメータ | 摘要 | トランザクション・ソースがOracle Fusion Payrollである場合の適用可否 | トランザクション・ソースがOracle Fusion Projectsである場合の適用可否 |
---|---|---|---|
ビジネス・ユニット | 給与原価に関連付けられた個人および割当のビジネス・ユニット。 | はい | はい |
プロセス・モード |
|
はい | はい |
連結セット(オプション) | 給与計算に使用する連結グループを識別します。 | はい | いいえ |
給与名(オプション) | このプロセスに使用する給与名。 | はい | いいえ |
個人(エラー・モードのみ) | インタフェース表にエラーのレコードがある個人。 | はい | はい |
割当(エラー・モードのみ) | インタフェース表にエラーのレコードがある個人割当の組合せ。 | はい | はい |
バッチ名(オプション) | インタフェース表に存在するバッチ名。これを使用して、原価をインポートおよび配分します。 | いいえ | はい |
期間開始日(オプション) | インタフェース表内のその日付に一致するすべてのレコードの処理をこの日から開始する支払期間開始日。 | はい | はい |
期間終了日(オプション) | インタフェース表内のその日付に一致するすべてのレコードの処理をこの日までに終了する支払期間終了日。 | はい | はい |
支払要素 | インポートする給与原価に関連付けられた支払要素。 | はい | いいえ |
出力レポート
「給与原価のインポート」プロセスが完了すると、「レポートの生成」プロセスが自動的に実行されます。エラーがある場合は、次の出力レポートが作成されます。
-
ステージング検証エラー・レポート: 値が無効なためにステージング表からインタフェース表への移動に失敗したトランザクションの要約がリストされます。
-
給与原価のインポート・レポート: 正常にインポートされたもののエラーがあるトランザクションの詳細が表示されます。
ステージング検証エラー・レポートをレビューし、必要なすべての給与データが正常にインポートされるまで次のステップを繰り返します。
-
ステージング検証エラー・レポートでエラー・メッセージの詳細をレビューし、CSVファイルを再生成します。または、CSVファイルで問題を手動で修正できます。
-
CSVファイルをロードします。
-
「インポートのためのインタフェース・ファイルのロード」プロセスを実行し、次に「給与原価のインポート」プロセスを実行します。
「給与原価のインポート」レポートのエラー詳細をレビューし、「労務配分管理」作業領域の「労務費の管理」ページに移動して、これらのトランザクションを修正します。
処理ロジック
「給与原価のインポート」プロセスでは、次の優先度を使用して、給与原価に適用する労務スケジュールを決定します:
- 割当要素
- 要素
- 割当
追加のガイダンスは、「労務スケジュール」トピックの「労務スケジュール・タイプに基づく給与原価配分の優先度」の項を参照してください。
給与原価に定義された支払期間は、労務スケジュールの開始日と終了日内にアクティブであるのみでなく、プロジェクト、タスクまたは交付の開始日と終了日内にもアクティブな、複数の労務スケジュールのいずれかまたは組合せによって完全に配分できる必要があります。日次レートの計算には、必要に応じて、個人の割当開始日または終了日が使用されます。たとえば、個人割当が10日間の支払期間に5日間で終了した場合、日次レートは5日間についてのみ計算され、処理終了日は割当終了日となります。
給与原価ステータスは、すべての配分のステータスに応じて異なります。いずれかの配分が失敗した場合、労務費は「エラー」ステータスになります。これは、ステータスが「成功」に設定される前に、確実に労務費が完全に配分されるようにするためです。
労務スケジュールを使用する給与原価処理では、次の属性が重要になります:
- 労務スケジュール・バージョンのステータス
- 新規: 「給与原価のインポート」プロセスでは使用されません。
- アクティブ
- 「給与原価のインポート」プロセスで使用されます。
- 開始日および終了日が給与原価の支払期間の開始日および終了日と比較され、労務スケジュール全体がカバーされているかどうか、または組合せ内の別のアクティブな労務スケジュールによって支払期間全体がカバーされているかどうかが確認されます。これは、労務スケジュール・タイプに適用されます。
- 非アクティブ
- 「給与原価のインポート」プロセスでは使用されません。
- いつでも「アクティブ」に設定を戻すことができます。
- 支払期間の開始日と終了日
- 1つ以上の労務スケジュール・バージョンの開始日と終了日、および関連するプロジェクト、タスクまたは交付の開始日と終了日に基づいて、完全に配分できる必要があります。これは、すべての労務スケジュール・タイプに適用されます。
-
支払期間の開始日と終了日の間の作業日数が、日次レートの計算に使用されます。正味作業日数は、就業日のみです。
例:
開始日: 2020年4月13日月曜日
終了日: 2020年4月24日金曜日
正味作業日数: 10日
- プロジェクト、タスク、および / または交付の開始日と終了日: これらを労務スケジュールの開始日と終了日とともに使用することで、コストが確実に完全に配分されるようにします。
給与原価支出項目日計算
デフォルトの導出ルールを変更するには、「給与原価の支出項目日導出」プロファイル・オプションを使用します。オプションで、デフォルト値の「給与プロセス開始日」を「給与プロセス終了日」に変更します。このように変更すると、これらの日付制限があるオブジェクトの開始日ではなく、労務スケジュール・バージョンの終了日または支払期間の終了日の最新の日付に基づいて支出項目日が導出されます。
次に、個人に関連付けられたコストを2つの労務スケジュールに分散させる方法を説明する例を示します。この例で、従業員Mary Marshallは、同じ支払期間中にプロジェクト間で移動されます。
労務スケジュール名 | 開始 | 終了 | ルール | パーセント |
バージョン1 | 2019年1月1日 | 2019年9月15日 | DODプロジェクト | 100% |
バージョン2 | 2019年9月16日 | … | NSFプロジェクト | 100% |
支払期間開始 | 支払期間終了 | 個人 | 金額 |
2019年9月1日 | 2019年9月30日 | Mary Marshall | $1,000 |
プロジェクト | 支出項目日 | 金額 | 処理ロジック |
DODプロジェクト | 2019年9月1日 | $476.19 | 日次レート$47.62で正味作業日数10日 |
NSFプロジェクト | 2019年9月16日 | $523.81 | 日次レート$47.62で正味作業日数11日 |
給与原価のインポートの主要な属性
サードパーティ・ソースから給与原価をインポートする場合は、少なくとも次の詳細を指定する必要があります:
- 「個人」および「割当」: これらの属性は、インポート・プロセス中に検証され、見つからない場合には給与レコードが棄却されます。
-
支払要素: インポートされたデータで指定された支払要素は、「要素」の人材管理(HCM)給与オブジェクトの支払要素オブジェクトに対して検証されます。
要素を作成するには、「要素」HCM設定タスクを使用します。HCM要素を使用すると、次のことが可能になります:- 必要に応じて、特定の仕訳を作成するために、補助元帳会計で要素をソースとして使用できます。
- 給与計算ビジネス・フローとの統合。
詳細は、プロジェクト財務管理および助成金管理の実装ガイドの、Oracle Payrollのお客様以外の給与要素設定手順を参照してください。