トランザクション・モデルに対するビジネス・オブジェクトの選択

ビジネス・オブジェクトは、実際には、データ・ソースから使用可能な情報のサブセットを形成する一連の関連値です。トランザクション・モデルの場合、モデルのリスク定義で使用する属性を含むビジネス・オブジェクトを選択します。また、モデルが返す結果値を提供するビジネス・オブジェクトも選択します。

たとえば、「支払金額が5,000ドルより大きい」というフィルタをモデルに含める場合は、「支払金額」属性が含まれているため、「支払」ビジネス・オブジェクトを選択します。「支払金額」は結果属性としても機能しますが、他のビジネス・オブジェクトに属する他の属性も同様です。たとえば、「サプライヤ」ビジネス・オブジェクトの「サプライヤ名」属性を使用して、支払が行われたサプライヤを識別できます。そのため、「サプライヤ」ビジネス・オブジェクトも選択します。

提供されているビジネス・オブジェクトを選択できます。各オブジェクトはビジネス・アプリケーションの関連フィールドのセットであり、各フィールドはオブジェクトの属性です。さらに、インポートされたオブジェクト(ファイルからインポートされたデータ)またはユーザー定義オブジェクト(特別に構成された拡張コントロールによって返されるデータ)を選択できます。モデルでは、システム生成オブジェクトも使用できますが、それらを定義するフィルタを作成するため、選択することはできません。

ノート:

「承認」ビジネス・オブジェクトは、ワークフロー・タスクから作成されたアーカイブ済承認レコードと完了済承認レコードの両方を提供します。そのためには、これらの各オブジェクトは、1日に1回実行するようにスケジュールされているアーカイブのワークフロー・タスクの抽出ジョブに依存します。モデルに対してこれらのオブジェクトのいずれかを選択した場合は、モデルを評価する前にジョブを手動で実行して、データが新規に更新されるようにできます。「ツール」>「スケジュール済プロセス」にナビゲートして、ジョブを実行します。これらのビジネス・オブジェクトには、現金仮払金承認、経費精算書承認、仕訳承認、買掛/未払金請求書承認、購買オーダー承認、給与承認およびサプライヤ承認が含まれます。

選択を行う

ビジネス・オブジェクトをモデルに追加するには:

  1. ページの「モデル・オブジェクト」パネルで「追加」をクリックして、モデルを作成または編集します。「ビジネス・オブジェクトの選択」ページが開きます。ここで、各行には、オブジェクトの名前と次の値が表示されます:

    • ビジネス・オブジェクトが属するカテゴリを識別するラベル。カテゴリは通常、トランザクション、監査、構成設定など、ビジネス・オブジェクトが提供するデータのタイプを示します。「その他」カテゴリは、ユーザー定義オブジェクトで構成されます。

    • ビジネス・オブジェクトのソースを識別するラベル。これは、データ・ソースの名前、「内部」(ユーザー定義オブジェクトなど、アプリケーション内で管理)または「インポート済」(インポート・ファイルから作成)です。

  2. オブジェクトを検索します。「検索」フィールドを使用して、ビジネス・オブジェクト名で検索できます。または、「フィルタの表示」をクリックし、オブジェクトのリストを名前、カテゴリまたは製品でフィルタします(指定した製品をサポートするビジネス・オブジェクトの中から選択します)。

  3. 目的のオブジェクトを選択します。それぞれについて、その行のプラス記号をクリックします。アイコンがチェック・マークを表示するイメージに変わります。

    ノート: EPM-ARCSユーザー・アクティビティと呼ばれる単一の提供済ビジネス・オブジェクトは、EPM-ARCSデータ・ソースに属します。その他のすべての提供済オブジェクトは、Oracle Cloudデータ・ソースに属します。2つのソースのビジネス・オブジェクトは相互に排他的です。1つのソースからオブジェクトを選択した場合、もう一方のソースからオブジェクトを選択することはできません。
  4. オブジェクトを選択し終わったら、「戻る」アイコンをクリックして、「モデルの作成」ページまたは「モデルの編集」ページに戻ります。各オブジェクトの表現が、「モデル・オブジェクト」パネルに表示されます。ここで、オブジェクトの属性を参照できます。

選択内容の変更

不要なビジネス・オブジェクトを削除することもできます。

  • 「ビジネス・オブジェクトの選択」ページで作業するときに、モデルに対して選択したオブジェクトのチェック・マーク・アイコンをクリックします。アイコンはプラス記号になり、オブジェクトが選択されなくなったことを示します。
  • 「モデルの作成」ページまたは「モデルの編集」ページの「モデル・オブジェクト」パネルで、オブジェクトの表現を使用します。ここで、オブジェクトのタイトル・バーにある「x」アイコンをクリックします。

属性の作成

オブジェクトの属性を作成できます。それぞれ、それが作成されたモデル(およびモデルから開発されたコントロール)にのみ適用されます。

  1. オブジェクトの表現で、「追加」アイコンをクリックします。「構成可能属性の追加」ダイアログが開きます。

  2. 「属性名」フィールドで、新しい属性の名前を作成します。

  3. 「ベース属性」フィールドで、既存の属性の1つを選択します。

  4. 「モディファイア」フィールドで、算術演算子(+ (加算)、- (減算)、* (乗算)、/ (除算))を選択するか、アンパサンド記号(結合された値のカンマ区切りテキスト文字列を作成する)を選択します。ステップ3で選択したベース属性に適したモディファイアからのみ選択できます。たとえば、日付は減算できますが、乗算できません。

  5. 「タイプ」フィールドで、「値」または「オブジェクト」を選択します。

  6. 「値」を選択した場合は、モディファイアで定義されているように、ベース属性と結合する値を入力します。「オブジェクト」を選択した場合、モディファイアで定義されているように値をベース属性の値と結合する、2番目の属性を選択します。

  7. 「OK」ボタンをクリックします。

たとえば、モデルによって重複する経費を含む従業員経費精算書のレコードが返されるとします。このモデルの結果属性に、経費明細の開始日から終了日までの日数を含める必要があります。モデルのビジネス・オブジェクトの1つである「経費精算書詳細」を使用して2つの新しい属性を作成できます。1つめの属性は2つ目のベースとなる属性として機能します。

まず2つの提供済属性が関係する計算から開始します: 「終了日」から「日付」を除算(「日付」は開始日をレポートする属性の名前です)。「経費精算書詳細」オブジェクトのアイコンを選択して「構成可能属性の追加」ダイアログを開きます。新規属性に名前(1NumberOfDaysなど)を付け、ベース属性として「終了日」、モディファイアとしてマイナス記号、タイプとして「オブジェクト」、最後に「日付」属性を選択します。

ただし、この計算では開始日と自分が属する期間とが分離されるため、最初の計算の結果に1を加算する2番目の計算が必要になります。「構成可能属性の追加」ダイアログを再度開き、2つ目の新規属性に名前(2NumberOfDaysなど)を付けます。今回は、基本属性として「1NumberOfDays」、モディファイアとしてプラス記号、タイプとして「値」、値として「1」を選択します。次に、モデルの結果属性として「2NumberOfDays」を選択します。

これらの属性の名前に数字が組み込まれていることには次の2つの理由があります。最初に、関係が非常に近い2つの属性に対して似たような名前を作成しつつ、それでもやはり両者を区別できます。次に、名前は数字で始まるため、オブジェクトの他の属性より前にリストされ、簡単に見つけることができます。