28 Enterprise Managerの削除(単一および複数OMS環境)

この章では、Enterprise Managerシステム全体を削除する方法、およびOracle Management Service (OMS)を実行していたホストが失われた場合に、Oracle Management Repository(管理リポジトリ)からOMSのエントリを削除する方法について説明します。

この章の具体的な内容は次のとおりです。

削除の範囲

Enterprise Managerシステムのコンポーネントを削除する際の範囲について次に説明します。

表28-1 削除の範囲

環境タイプ OMSタイプ インストール・タイプ 削除されるコンポーネント 削除されないコンポーネント

単一OMS、複数OMS

最初のOMS

新規のインストール

  • 最初のOMS (インスタンス・ホームを含む)

  • 中央エージェント

  • 管理リポジトリ

該当なし

単一OMS、複数OMS

最初のOMS

アップグレード

  • 最初のOMS (インスタンス・ホームを含む)

  • 管理リポジトリ

中央エージェント。

セントラル・エージェントを削除するには、「Oracle Management Agentの廃止と削除」を参照してください。

複数OMS

追加のOMS

新規のインストール

追加のOMS

  • 管理リポジトリ

  • 追加のOMSホストで稼働しているスタンドアロン管理エージェント。

    セントラル・エージェントを削除するには、「Oracle Management Agentの廃止と削除」を参照してください。

複数OMS

追加のOMS

アップグレード

追加のOMS

  • 管理リポジトリ

  • 追加のOMSホストで稼働しているスタンドアロン管理エージェント。

    セントラル・エージェントを削除するには、「Oracle Management Agentの廃止と削除」を参照してください。

Enterprise Managerシステムの削除

単一OMS環境または複数OMS環境でEnterprise Managerシステムを削除するには、次のステップに従います。

ノート:

  • 最初に、削除の範囲で説明した削除の範囲を理解してください。

  • 複数OMS環境では、追加のOMSインスタンスをまず削除してから、最初のOMSを削除します。

  • この項で説明するステップでは、OMSインスタンスが削除されるだけではなく、管理リポジトリも削除されます。

  • 管理リポジトリがデータベースから削除されると、空のデータベースを他の任意の目的に再利用できます。Enterprise Managerスキーマのみがデータベースから削除され、物理ファイルまたはデータベース・ソフトウェアのソフトウェア・バイナリはホストに残ります。

  • この項で説明するステップでは、データベースに適用されたパッチの削除やロールバックは行われません。

  • OMS (最初のOMSまたは追加のOMS)の新規インストールの場合、この項で説明するステップでは、ミドルウェア、OMS、OMSインスタンス・ホームおよび管理エージェント・ディレクトリが自動的に削除されます。

  • OMS (最初のOMSまたは追加のOMS)のアップグレードの場合、この項で説明するステップでは、ミドルウェア、OMSおよびOMSインスタンス・ホーム・ディレクトリは自動的に削除されますが、管理エージェント・ディレクトリは削除されません。管理エージェントは、Oracle Management Agentの廃止と削除の説明に従って削除する必要があります。

  1. OMSホストのOracleホームの削除スクリプトを一時的な場所またはステージング場所にコピーします。

    cp <ORACLE_HOME>/sysman/install/EMDeinstall.pl <temporary_location>

    たとえば、

    cp /u01/software/em24/oms_home/sysman/install/EMDeinstall.pl /u01/tmp_deinstall

  2. OMSを削除します。

    <ORACLE_HOME>/perl/bin/perl <temporary_location>/EMDeinstall.pl -mwHome <Middleware_Home> -stageLoc <temporary_location>

    データベース資格証明(SYSおよびSYSMAN)とWebLogic Domain資格証明を入力するように求められます。資格証明を入力して、削除を進めます。

    Middleware_Homeは、oms_homeext_oms_homeの両方の親ディレクトリです。

    たとえば、

    /u01/software/em24/oms_home/perl/bin/perl /u01/tmp_deinstall/EMDeinstall.pl -mwHome /u01/software/em24/ -stageLoc /u01/tmp_deinstall

ノート:

削除処理により、/etc/oragchomelistファイルから自動開始スクリプトであるS98gcstartupスクリプトのエントリが削除されますが、スクリプト自体は削除されません。このスクリプトとこのスクリプトに関連付けられたsymlinkは、Enterprise Managerを同じホストに再度インストールする際に、インストーラがスクリプトを自動的に上書きし、symlinkを再作成するため、そのまま残しておくことができます。

ただし、Oracle製品のホストをクリアする場合には、このスクリプトとスクリプトに関連付けられたsymlinkを手動で削除することをお薦めします。これを行うには、/etc/rc.d/ディレクトリに移動し、スクリプトS98gcstartupを検索します。通常、このスクリプトは/etc/rc.d/ディレクトリ内のサブディレクトリにあります。スクリプトが存在するサブディレクトリに移動し、スクリプトを削除します。たとえば、/etc/rc.d/rc3.d/S98gcstartup または/etc/rc.d/init.d/gcstartup/S98gcstartupなどにあります。

OMSからのプラグインのみの削除またはアンデプロイ

OMSから、Enterprise Managerシステム全体ではなく、プラグインのみを削除またはアンデプロイする場合は、Enterprise Managerコンソール内の「プラグイン」ページを使用します。手順については、『Oracle Enterprise Manager管理者ガイド』を参照してください。プラグインのみのアンデプロイには、この章を使用しないでください。

管理リポジトリからのOMSエントリの削除

追加のOMSが稼働しているホストを失った場合、必ず管理リポジトリからOMS用のエントリを手動で削除します。これを行うには、次のステップを実行します。

  1. プライマリOMSから次のコマンドを実行して、WebLogicドメインからOracle WebLogic Serverやアプリケーションなどを構成解除し、管理リポジトリからすべてのOMS関連エントリを削除し、OMSのターゲットoracle_oms、oracle_oms_pbs、oracle_oms_console、oracle_oms_apigatewayおよびoracle_oms_svcappを削除します。

    $ORACLE_HOME/bin/omsca delete -OMSNAME <oms name>

    例: 第2のOMSのエントリをクリーン・アップする場合、コマンドは$ORACLE_HOME/bin/omsca delete -OMSNAME "EMGC_OMS2"になります

    このタスクにより、管理リポジトリ・データベース内の削除済OMSへの参照がすべて削除されます。

これで、削除された追加OMSの参照がEnterprise Managerからなくなりました。