高度な操作と構成
次のトピックでは、ランブック管理者および作成者に役立つ可能性がある領域を説明します。
ユーザーの削除と動的ランブックへのその影響
Enterprise Managerユーザーを削除すると、次のように動的ランブックに影響します。
- 公開済ランブック
- ユーザーを削除する場合は、削除されるユーザーが所有する公開済ランブックを、他のEnterprise Managerユーザーに再割当てできます
- 再割当先ユーザーには、ランブックの作成権限は必要ありません。それは後で付与できます。
- 削除されたユーザーが公開済ランブックを所有しており、再割当先ユーザーが指定されていない場合、ランブックはリポジトリ所有者に再割当されます
- ユーザーを削除する場合は、削除されるユーザーが所有する公開済ランブックを、他のEnterprise Managerユーザーに再割当てできます
- ドラフト・ランブック
- 削除されたユーザーが所有するドラフト(未公開)ランブックは必ず削除されます
- ドラフト・ランブックの一部として保存されたデータも、同様に削除されます
- ランブック・セッション
- 再割当先ユーザーが指定されている場合でも、ランブック・セッションは、どのユーザーにも再割当てされません
- 削除されたユーザーが所有するオープン状態のランブック・セッションは、自動的に完了としてマークされます。
- 削除されたユーザーが所有する完了状態のランブック・セッションは、他のセッションと同様に、期限が切れると自動パージ・ポリシーによって削除されます。
構成可能なプロパティ
ランブックのOMSプロパティ
動的ランブックの構成には、次のOMSプロパティを使用します。OMSプロパティの設定の詳細は、OMSのEMCTLコマンドに関する項を参照してください。
- ステップ・データ・サイズ上限
名前:
oracle.sysman.core.Runbooks.maxStepDataSizeKB
説明: ランブック・ステップ用に許容される最大データ・サイズ(KB)。
デフォルト: 1024 (1 MB)
最小: 100 (100KB)
最大: 10240 (10MB)
- 許容される最大ステップ数
名前:
oracle.sysman.core.Runbooks.maxSteps
説明: 1つのランブックで許容される最大ステップ数。
デフォルト: 20
最小: 10
最大: 50
- セッションの最短存続日数
名前:
oracle.sysman.core.Runbooks.RunbookSessionMinLifeDays
説明: セッションがパージされるまでの保持日数の初期値。
デフォルト: 14
最小: 14
最大: 30
- セッションの最長存続日数
名前:
oracle.sysman.core.Runbooks.RunbookSessionMaxLifeDays
説明: ランブック・セッションがパージされるまでの許容される最長日数。
デフォルト: 45
最小: 45
最大: 90
- OSコマンド・ステップによって返される最大出力サイズ
名前:
oracle.sysman.core.runbooks.oscmd.maxRunStepOutputSize.KB
説明: OSコマンド実行ステップで返される最大データ・サイズ(KB)。
デフォルト: 1024 (1 MB)
最小: 10 (100KB)
最大: 10240 (10MB)
- OSコマンド・ステップの実行の最大時間
名前:
oracle.sysman.core.runbooks.oscmd.maxRunStepTime.seconds
説明: OSコマンド実行ステップREST APIに許容される最大時間(秒)。
デフォルト: 120 (2分)
最小: 15 (15秒)
最大: 600 (10分)
リポジトリSQLのスロットル
Enterprise Managerのパフォーマンスへの影響を最小限に抑えるために、SQLのスロットルを有効にできます。詳細は、リポジトリ・セッション(SQL)スロットルを参照してください。
関連ランブック
ランブック・セッションは、関連ランブックの「インシデントの詳細」ページから直接開始するか、すべての関連ランブック…をクリックすると、関連性スコアでランク付けされたランブックのリストから選択できます。インシデントに適用されるランブックは、ランブック・セッションの開始ページの表に、必要に応じてページ区切りされて表示されます。

このページから、関連性スコアをガイドとして使用して、インシデントの解決要件に最も一致するランブック・セッションを開始できます。前述のとおり、関連性スコアは昇順にソートされます。
関連性スコアについて
関連性スコアは、ランブックが現在のインシデントとどの程度一致しているかを示す尺度です。一致のレベルが大きいほど、関連性スコアは高くなります。ランブック・ドラフトは、特定のインシデントのコンテキストで作成され、公開時にそれらの値の一部が転送されます。ランブックは公開され、インシデントに使用できるときでも、このインシデントのコンテキストの一部が転送されます。その初期コンテキストは、公開されているランブックに、提供されているプロパティのどれが必須で、どれがオプションかを示します。
関連性スコアが作成されると、現在表示しているインシデントのコンテキストが公開済ランブックと比較されます。スコアを生成するには、次のものを使用します。
- 必須プロパティはすべて指定する必要があります。これは、現在のインシデントのランブック・セッションを作成するために必要です。
- オプションのプロパティが評価されます。オプションのプロパティが存在する場合は、関連性スコアが増加します。公開済ランブックのプロパティ値が現在のインシデント・コンテキストと一致する場合、スコアはさらに増加します。
- ステップで使用されるランブック変数が評価されます。オプションのプロパティと同様に、ステップで使用される変数がインシデントによって提供される情報に表示される場合、関連性スコアが増加します。インシデントと変数の値が一致すると、スコアがさらに増加します。
ノート:
デフォルトでは、Enterprise Manager 13cリリース5更新10 (13.5.0.10)より前に公開されたランブックは、関連性スコアが低くなります。これらを新しいランブックと同等にするには、これらの古いランブックを再公開する必要があります。再公開すると、システムは関連性スコアを再計算します。
古いランブックをすばやく再公開するには、次の手順に従います。
ランブック所有者として:
- 公開されているバージョンのランブックを見つけて、新しいバージョンを作成します。これにより、ランブック・ドラフトが作成されます。変更する必要はありません。ランブック・ドラフトは自動的に保存されます。
- 次に、この新しいドラフトをすぐに公開します。ランブック・ドラフトの公開ダイアログが表示され、既存の公開済ランブックをこの新しいバージョンに置き換えるかどうかを尋ねられます。このオプションを受け入れるには、「OK」をクリックします。ランブックが公開されます。