動的ランブックの作成
どのランブック作成者も動的ランブックを作成できます。
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インシデントの動的ランブックを作成するには、「エンタープライズ」メニューから、「モニタリング」、「インシデント・マネージャ」の順に選択します。インシデントの行をクリックしてそのインシデントの詳細を表示してから、ランブック・セッションリージョンに移動します。現在アクティブなランブック・セッションがある場合は、それがリストされます。
メトリックの動的ランブックを作成するには、適切なターゲットのすべてのメトリック・ページでメトリックを見つけます。メトリックのパフォーマンス・チャートの横に「Runbookセッション」リージョンが表示されます。
既存のインシデントまたはメトリックがない動的ランブックを作成するには、「ランブック」リスト・ページで「ドラフトの作成」を選択し、「ユニバーサル・コンテキスト」を選択します。ユニバーサル・コンテキストは、外部アーティファクトに依存しないため、特定のコンテキストIDを必要としません。インシデントが発生する前でも、一部のメトリック値がクリティカルしきい値に達するか、インシデント/メトリックがまったく適用されない(ジョブ/エージェント/その他の領域の場合)、ユニバーサル・コンテキストのランブックは、基礎となる問題の優先順位付けと解決に役立ちます。
- 「ランブック・セッション」リージョンで、「ランブックの作成」を選択します。新規ランブック・オーサリングUIがインシデントまたはメトリックのコンテキストで表示されるので、ランブックのステップを作成できます。
- デフォルトでは、オーサリングUIが開き、最初のステップとして概要および前提条件が表示されます。ここで、新しいランブックで達成する内容、およびすべてのランブック・ステップを完了するために必要な前提条件について説明を入力します。読みやすくするために、概要および前提条件ステップでは、マークダウン記法による単純な書式がサポートされています。テキスト入力領域内の情報アイコン(「I」)をクリックして、テキスト・エディタでサポートされているマークダウン要素のリストを表示します。マークダウン書式は、ステップの保存時に適用されます。
- 「ステップの保存」をクリックします。
- ステップの追加ドロップダウン・メニューから、定義するステップ・タイプを選択します。次の5つのステップ・タイプがあります。
- ノート: ノート・ステップを使用してユーザーに指示を与えます。このステップでマークダウン書式を使用でき、ランブック変数を含めることもできます。ランブック変数の詳細は、ランブックのUIを参照してください。
- メトリック・データ: 一定期間のメトリックのグラフィカル・ビューを表示します
- リポジトリSQL: 文書化されたEnterprise Managerリポジトリ・スキーマ・ビュー(MGMT$)に対してSQL文を実行できます。
ノート:
Enterprise Managerリポジトリ・スキーマからの他の要素へのアクセスはサポートされていません。 -
ターゲットSQL: Enterprise Managerにおいて任意のデータベース・ターゲットに対してSQLを実行できます。
- OSコマンドおよびスクリプト: コマンドラインで行うように単一の操作を実行したり、ステップ定義の一部として入力するスクリプトの実行に使用するインタプリタを指定できます。
ステップ・タイプとそれらの使用方法の詳細は、「ステップのタイプ」を参照してください。
- ステップ・タイプを選択すると、ステップ・オーサリングUIが表示されます。ステップのタイトル、そのステップでの実行内容の説明、指示、および結果の解釈に関するその他の情報を入力します。
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デフォルトで、ステップには、インシデントまたはメトリックのコンテキストからの設定が事前移入されます。ステップ・タイプによっては、現在の選択内容をクリックしてポップアップ・セレクタを表示しドロップダウン・リストから新しい値を選択することで、「メトリック・グループ名」などのその他のステップ・パラメータを選択できます。
ノート:
右側に、インシデント・コンテキストからプルされた変数のリストが表示され、それらの中から選択できます。要件を満たす変数がない場合は、ランブック変数の追加をクリックすることで独自の変数を作成できます。
ステップを定義するときに、ステップの出力からデータを割り当てて、作成者が定義した既存のランブック変数の値を移入できます。
Enterprise Manager 13cリリース5更新21 (13.5.0.21)以降では、ターゲット名や内部ターゲット・タイプなど、別のターゲット・インスタンスの詳細を直接設定することも、ランブック変数を使用して設定することもできます。
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他のステップへのリンク(オプション)
マークダウン言語で、
(GOTO:ステップ番号)
を使用して他のステップへのリンクを追加できます。if-else句を使用してステップ入力に基づいて別のステップへのリンクを追加する例を次に示します:
If the value is less than 100, (GOTO:5) Else, move ahead to the next step.
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変数に保存(オプション)
ステップを定義するときに、次のステップに従って、ステップの出力からデータを割り当てて、作成者が定義したランブック変数の値を移入できます:
ノート:
ランブック変数には、単一ステップの出力の1つのセルのみから値を割り当てることができます。- 変数に保存をクリックしてタブを開きます。
- ステップの出力から、変数に保存する値を含むセルをクリックします。これを行うと、ランブック変数に保存ダイアログが表示されます。
- ランブック変数に保存ダイアログ・ボックスで、使用可能な変数を示すドロップダウン・リストをクリックして開き、データを含めるものを選択して、「保存」をクリックします。別のステップからランブック変数に値を保存する場合、作成者が定義したランブック変数はドロップダウン・リストに表示されません。リストが空の場合、または新しい変数を作成する場合は、リストの上部にある新規ランブック変数の作成をクリックし、ポップアップ・ウィンドウを使用して新しい変数を作成します。
変数に保存タブの右側にある保存済変数リストには、ステップ出力からデータを取得する変数が表示されます。
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ステップの指示でのEMページへのリンク(オプション)
マークダウン言語を使用して、EMページへのリンクを指定します。リンクを構築するには、EMページに移動し、ホストおよびポート名の後に"
/
"で始まるURLの部分をコピーします。たとえば、URLがhttp://my.emsite.com:1234/em/faces/si-host-home?type=oracle_database&target=Oemrep_Database
の場合、これを[Target Home Page](/em/faces/si-host-home?)といったリンクとして使用できます。その他の例:
[Runbook Page](/em/faces/runbookPage)
[Target Page](/em/faces/core-uifwk-targetSearch-home)
URLで変数を使用することもできます。たとえば、ターゲット
Oemrep_Database
がtype=oracle_database
の場合、リンクが[Target Home Page](/em/faces/si-host-home?type=$target_type&target=$target_name)
になるように、それぞれ変数target_type
およびtarget_name
に挿入できます。 - 「実行」をクリックしてステップを実行し、現在のパラメータ設定で定義されているチャートや表などのレンダリングされたビジュアライゼーションを表示します。複数のテストを実行して、自分が設定した内容で目的の結果が得られることを確認できます。ステップを実行すると、ランブック変数に保存するように選択された値がそれらのランブック変数に割り当てられるようになります。
- 「ステップの保存」をクリックします。これで、ステップは使用準備が完了し、ステップのリストに追加されるようになります。
- ステップの追加が終了した後、それをまだ編集できるようにランブック・ドラフトを作成しました。それはランブックリスト・ページに表示されます。(「エンタープライズ」メニューから、「モニタリング」、ランブックの順に選択します)。ドラフト・モードでは、作成者のみがランブックを表示および編集できます。
ステップのタイプ
次のタイプのステップを作成できます。
ノート:
ステップに関する次の制限事項は、すべてのステップ・タイプに適用されます。- 1MBのデータ(OMSプロパティ
oracle.sysman.core.runbooks.maxStepDataSizeKB
を介して構成可能) - ランブックごとに20ステップ(
oracle.sysman.core.runbooks.maxSteps
OMSプロパティを介して構成可能)
- ノート・ステップ
ランブックに関連する情報または指示を提供することを目的としたあらゆるタイプのテキスト。ノートではプレーン・テキストを使用できますが、マークダウン言語による単純な書式にも対応できます。ノート・ステップの作成時には、サポートされている書式を示すマークダウン参照表が提供されます。
入力:
- 任意のタイプのテキスト
- テキストの基本書式(マークダウン)
- 箇条書きリスト(1レベル)
- 番号付きリスト(1レベル)
- 太字テキスト
- 斜体テキスト
- 太字、斜体テキスト
- ヘッダー(h3、h4、h5)
- 水平方向の罫線
- 引用
- ランブック変数
- 外部リンク
次のマークダウン表記法を使用して、ノート・ステップ内に3種類の外部リンクを指定できます。
特定のURLへのリンク:
[Link Text](http//www.anothercompany.com)
My Oracle Supportノートへのリンク(MOS IDのみが必要):
[MOS Link Text](MOS:MOS ID)
。例:[Enterprise Manager configuration issues](MOS:1234567.1)
EMページへのリンク:
[Target Page](/em/faces/core-uifwk-targetSearch-home)
ノート:
外部リンクは、Enterprise Manager 13cリリース5更新11 (13.5.0.11)以降で使用できます。
出力:
ランブック変数を値に置き換えた書式設定済テキスト。
例:
Remember to have a named credential for the target database **$ora_target_name** on which the FRA incident has occurred.ノート・ステップでは次のように示されます: Remember to have a named credential for the target database orcl_database on which the FRA incident has occurred.
- メトリック
このステップでは、指定したメトリックの時系列チャートが表示されます。デフォルトでは、コンテキストで渡されたメトリックですが、それを変更できます。インシデントまたはイベントのコンテキストでランブックを起動すると、イベントが発生した時期もチャートに表示されます。
Oracle Enterprise Manager 13cリリース5更新17 (13.5.0.17)では、メトリックの現在の警告およびクリティカルのしきい値を表す線がチャートに表示されます。これにより、メトリック・トレンドを警告およびクリティカルのしきい値に対して評価できます。
Enterprise Manager 13cリリース5更新21 (13.5.0.21)以降では、ターゲット名や内部ターゲット・タイプなど、別のターゲット・インスタンスの詳細をターゲット・セレクタ入力ボックスに直接入力することも、ランブック変数を使用して設定することもできます。
ノート:
構成メトリックはサポートされていません。入力
- ターゲット名/指定
- メトリック・グループ
- メトリック
- メトリック・キーの値
- 時間範囲の表記法:
開始日と終了日の指定により、メトリック期間を指定することもできます。これらの時間は、nowまたはevt_timeからの相対時間にできます。
- nowは、現在時間に相当します。
- evt_timeは、イベントが発生した日時に相当します。
受信コンテキストからの既知のランブック変数ora_event_timeは、evt_timeに相当します。キーワードnowまたはevt_timeの後に+または-を続け、最後に整数とm(分数の場合)、h(時間数の場合)またはd(日数の場合)を使用します。
例:
now
: ステップ実行時の現在時間now - 6h
: 現在時間の6時間前evt_time + 3d
: イベントが発生した3日後
出力:
- 時系列線グラフの表示
- 凡例
ノート:
インシデントまたはイベントのコンテキストでランブックが起動された場合は、指定した時間範囲にインシデント発生時間が含まれていれば、インシデント発生時間がチャートに表示されます。
- リポジトリSQL
リポジトリ・スキーマ内のMGMT$ビューに対して実行するSQL文を指定します。リポジトリ・ビュー表(MGMT$またはGC$)に対するSQLの実行のみに限定されています。BINDパラメータを使用できます。ステップ・サイズ・データには上限があります。SQL問合せの上限は、20列と1000行、または1MBのデータ(先に上限に達したほう)です。
バインド・パラメータの使用
ランブック変数からSQL文に値をバインドするには、コロンの後にランブック変数参照を続けます。次に例を示します。
select target_name from MGMT$TARGETS where target_type = :$ora_target_type_name
これにより、SQL文中にバインド・パラメータが作成され、そのSQLの実行時に、
$ora_target_type_name
の値がそのバインド・パラメータの値として使用されます。Enterprise Manager 13cリリース5更新21 (13.5.0.21)以降では、リポジトリSQLステップを使用して、別のターゲット・インスタンスの詳細(ターゲット名および内部ターゲット・タイプ)を見つけることができます。これらの値はランブック変数に割り当てることができ、ランブック変数はメトリック・ステップ編集画面でステップの値を制御するために使用できます。
SQL問合せの結果セットの書式設定
- 問合せの列リストにCLOBが含まれている場合は、TO_CHAR()関数でCLOBのcolumn_nameをラップします。
例:
SELECT em_varchar_col, to_char(clob_column) from MGMT$CLOB_TABLE
- 問合せの列リストにタイムスタンプが含まれている場合は、TO_CHAR()関数で日付列名をラップし、正しい日付書式マスクを指定します。
例:
SELECT em_varchar_col, to_char(em_timestamp_col,'DD-MON-YYYY HH24:MI:SS') from MGMT$DATE_TABLE
- ユーザー定義変数が日付を表す文字列であり、その変数が問合せのWHERE句で使用される場合は、その変数名をTO_TIMESTAMP()またはTO_DATE()関数でラップし、対応する日付書式マスクを指定します。
例:
SELECT em_varchar_col,to_char(em_timestamp_col,'DD-MON-YYYY HH24:MI:SS') FROM MGMT$DATE_TABLE where em_timestamp_col < to_date(:$l_user_defined_date_variable,'DD-MON-YYYY')
- 問合せの列リストにCLOBが含まれている場合は、TO_CHAR()関数でCLOBのcolumn_nameをラップします。
- ターゲットSQL
任意のデータベース・ターゲットに対して事前定義済SQL (単一文のみ)を実行する機能。SELECT文の実行に加え、データ操作言語(DML)およびデータ定義言語(DDL)を実行できます。SELECT文であるかDDLやDMLであるかに関係なく、名前付き資格証明が必要です。
前提条件:
データベース・ターゲットでターゲットSQLステップを実行するには、データベース・ターゲットに対して次の権限が必要です:
- データベースでの任意のSQLの実行
- ターゲットの接続
- ステップで参照される名前付き資格証明へのアクセス
入力
- ターゲット名
- ターゲット・タイプ
- SQL
- 名前付き資格証明
ランブック変数の使用
ターゲットSQL問合せ、DMLまたはDDL文でランブック変数を使用できます。
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SQL問合せ(SELECT文):
バインド・パラメータを使用して、コロンの後にランブック変数参照を続けてランブック変数からSQL文に値をバインドできます。
例:
select target_name from MGMT$TARGETS where target_type =:$ora_target_type_name
これにより、SQL文中にバインド・パラメータが作成され、そのSQLの実行時に、$ora_target_type_nameの値がそのバインド・パラメータの値として使用されます。
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DML文またはDDL文
DML文またはDDL文でランブック変数を使用するには、コロンに続けて
:$ora_target_name
や:$fra_size
などのランブック変数を指定します。例:
alter system set db_recovery_file_dest_size=:$fra_size scope=both
DML文またはDDL文を実行する前に、変数の値を置き換えます。
SQL問合せのWhere句でのISO 8601で書式設定されたランブック変数の使用
ランブック変数の値がISO 8601日付書式(例: 2022-03-01T19:21:00.000Z)であり、日付列を含むデータベース表またはビューに対するwhere句でそれを使用する必要がある場合:
- to_utc_timestamp_tz関数を使用して、その値をデータベースのタイムゾーン付きタイムスタンプ値に変換します。
- 1で示した値は、必要に応じて別のタイムゾーン(ターゲット・タイム・ゾーンなど)に変換できます。
- 1または2で出力された結果をdate型にキャストし、それをwhere句の一部として使用して、date列を含む表と結合します。
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次の例では、utc_time1ランブック変数がISO 8601日付書式(例: 2022-03-01T19:21:00.000Z)の値に設定されていることを想定しています。
例:
例1: タイムゾーン変換を考慮せずに変数値を日付にキャストする方法を示します。
select to_char(min(collection_timestamp),'YYYY-MM-DD HH24:MI:SS') as min_time, to_char(max(collection_timestamp), 'YYYY-MM-DD HH24:MI:SS') as max_time, count(1) as total_count from mgmt$metric_current where collection_timestamp >= cast(TO_UTC_TIMESTAMP_TZ(:$ora_event_time_utc) as date)
例2: 変数値をターゲット・タイムゾーンに変換してからそれを日付にキャストする方法を示します。
select to_char(min(collection_timestamp),'YYYY-MM-DD HH24:MI:SS') as min_time, to_char(max(collection_timestamp), 'YYYY-MM-DD HH24:MI:SS') as max_time, count(1) as total_count from mgmt$metric_current where collection_timestamp >= cast((TO_UTC_TIMESTAMP_TZ(:$ora_event_time_utc) at time zone TIMEZONE_REGION) as date)
出力
- 戻りデータの表形式表示
- OSコマンドおよびスクリプト
指定したターゲットのホスト上のコマンドラインで実行するように、単一の操作を実行したり、指定したインタプリタを使用してステップ定義の一部として入力するスクリプトを実行したりできます。
前提条件:
「OSコマンドおよびスクリプト」のステップを実行するには、次の権限が必要です:
- ターゲット、ターゲットのホスト、およびターゲットのホストをモニターするエージェントに対する表示権限
- ステップで参照される名前付き資格証明へのアクセス
入力
- ターゲット名
- ターゲット・タイプ
- 名前付き資格証明
-
コマンド実行タイプ:
単一操作
-
コマンド
ノート:
インタプリタは、ホスト上のOSに対してデフォルト設定されます。
スクリプト
ノート:
Windowsプラットフォームの場合、コマンド実行タイプとしての「スクリプト」は現在サポートされていません。-
スクリプト
-
インタプリタ
ノート:
空白のままにした場合、インタプリタは、スクリプトが実行されるターゲット・ホストのOSに従ってデフォルト設定されます。
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出力:
ターゲット・ホストでコマンドまたはスクリプトを実行した結果の出力を返します。
ランブック変数の作成
ランブック変数には、セッションまたはドラフトの作成時にインシデント詳細から値が移入されます。これらの値は、指示テキスト内で表示するためにステップによって、またはデータを取得するか一部のタスクを実行するステップ定義の一部として使用できます。これにより、ランブック・セッションで、そのセッション固有のコンテキストに基づいた情報提供およびタスク実行が可能になります。また、ドラフトの場合は、作成者が、ハードコードされた値ではなくランブック変数を使用してランブックを定義できるようになります。
ドラフトの作成時にコンテキストとして含まれていない値については、作成者が独自のランブック変数を作成できます。このランブック変数は、次の方法で移入できます:
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ランブック変数は、そのランブックで最終的に作成されるセッション間で同じ値のままの静的値を持つことができます
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ランブック変数では、そのランブックに対して新しいセッションが作成されるたびに、セッション・ユーザーが値を指定することが必要になる場合があります。たとえば、ターゲットDBのSQLのステップの場合に、名前付き資格証明が必要になります。この名前付き資格証明用にランブック変数を作成し、セッション・ユーザーにその値の設定を求めることで、そのステップの一部であるSQLが、そのセッションのターゲットDBに対して、セッション・ユーザーがアクセスできる名前付き資格証明を使用して実行されるようになります。
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ランブック変数には、ステップの出力からデータを動的に移入することもできます。この機能により、ランブック変数の使用がより強力になり、Oracle Enterprise Manager 13cリリース5更新18以降で使用できます。たとえば、データベースで使用されるファイルシステムを決定するステップがあります。作成者は、そのステップの出力をランブック変数に保存し、次のステップでそのランブック変数を使用してファイルシステムの使用可能な空き領域を決定できます。ランブック変数は、ステップの出力の特定の値セルからデータを保存できるため、複数のデータ値を保存する必要がある場合は、複数のランブック変数に保存する必要があります。
作成者に可能なランブック変数のネーミングについて、いくつか制限事項があります。
- 先頭を
ora_
にすることはできません。 - 文字、数字およびアンダースコアのみを使用できます
- 64文字以下である必要があります
- また、資格証明の場合は、_
_cred
を名前に含める必要があります(これにより、ターゲットDBステップで使用される名前付き資格証明の特定のケースをフィルタできるようになります)
ランブック変数を作成するときは、作成者が次の内容を指定します。
- 名前。これにより、ステップにおいてそのランブック変数を参照します(たとえば、
user_target_db_cred
) - 表示名。これは、ユーザーが理解しやすい短い名前です(たとえば、Target Database Named Credential)
- 説明(オプション)。これは、セッション・ユーザーが値の入力を求められたときにセッションUIに表示されます(たとえば、「このターゲット・データベース用の名前付き資格証明を指定してください」)
- ドラフトで使用する値。これにより、作成者がそのステップの実行に使用可能な値を含めて、ランブック・ドラフトを作成できるようになります
- ランブック・セッションで使用される値のオプション:
ランブック・セッションで値を移入する方法についてオプションがあります。次の表に、これらのオプションおよび使用上のガイドラインのサマリーを示します。
ランブック・セッションで使用される値 | このオプションを使用するタイミング | ランブック変数値の移入方法 | ランブック・セッション・ユーザーがこれを変更できるかどうか | 使用上のノート |
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セッション・ユーザーまたはステップの実行によって指定されます | このオプションは、ランブック・セッション・ユーザーがランブック変数の値を指定する場合に使用します。通常、ランブック変数を移入するためにランブック・ステップを実行します。上級ユーザーの場合、セッション・ユーザーは必要に応じてランブック値を手動で入力できます。 | ランブック・セッションで、ユーザーはランブック変数を移入するステップを実行するか、変数の値を入力します。 | はい - 値を入力するか、ステップを実行します | 変数の初期値は空(null)です。 |
値は作成者またはステップの実行によって提供されます | このオプションは、セッション・ユーザーがランブック変数値を手動で指定できないようにする場合に使用します。かわりに、セッション・ユーザーがステップを実行して値を移入するか、ランブック定義の一部として値を定義します。 | ランブックの作成者は、ランブック定義の一部として値を定義するか、ユーザーがステップを実行して値を移入します。 | はい - ランブックの作成者がランブック変数を移入するステップを作成する場合のみ、ステップを実行します | 作成者がステップを実行して変数の値が移入されることを想定している場合、変数の初期値はnullです。 |

ランブックの公開
ランブック・ドラフトの定義が終了したら、それを公開する準備は完了です。それは、公開後はすべてのランブック・ユーザーが使用できるようになります。ランブック・ドラフトの作成者のみがそれを公開できます。
ランブックリスト・ページ(「エンタープライズ」→「モニタリング」→ランブック)に移動し、「ドラフト」タブに移動します。自分のランブックの「アクション」メニューから、「公開」を選択します。ランブックがまだ開発中であるかドラフトがまだ関連している場合は「ドラフトを保持」を選択し、「OK」をクリックします。「公開済」タブをクリックすると、「公開済ランブック」リストに自分のランブックが表示されます。
ランブックの新バージョンの作成
- 公開済ランブックからドラフトを作成します。ランブックページに移動します。目的のランブックの「アクション」メニューから、「新規バージョンの作成」を選択します。
- ドラフトの編集中も、ユーザーがセッションの作成を続行できるように、そのランブックの公開済バージョンは使用可能なままになります。
- ランブック作成者は、これを行うためにコンテキストIDを指定する必要があります。
- 新しいドラフトが公開されると、以前に公開されたランブックが、ユーザーによる確認後にそれと置き換えられます。
- この新しい公開されたランブックが、今後のすべてのランブック・セッションの作成に使用されるようになります。それが以前のランブック・セッションに影響することはありません。
既存のランブックからの新しいランブックの作成
時間と労力を節約するために、「類似作成」処理を使用して、既存の動的ランブックから新しい動的ランブックを作成できます。「類似作成」は、公開済またはドラフト・ランブックのどちらかに使用できます。
公開済動的ランブックの使用
ノート:
公開済ランブックの所有者でない場合も、「類似作成」アクションを使用できます。- 「エンタープライズ」メニューから、「モニタリング」、ランブックの順に選択します。
- 「公開済」タブをクリックして、公開済ランブックの表を表示します。
- 選択したランブックの「アクション」ドロップダウン・メニューから、「類似作成」を選択します。「類似作成」ダイアログが表示されます。
- 新しいドラフト・ランブックの作成に使用するコンテキストIDを入力します。
- 「OK」をクリックします。ランブックのエディタ画面が表示され、公開済ランブックがドラフト・モードで表示されます。このドラフトの所有者として、このランブックは指定したコンテキストIDのコンテキストで編集できます。
ドラフト動的ランブックの使用
ドラフト・バージョンのランブックを所有していると、より完全なコピーを作成できます。選択したドラフト・ランブックには、すでにコンテキストIDが含まれているため、その情報を指定する必要はありません。
- 「エンタープライズ」メニューから、「モニタリング」、ランブックの順に選択します。
- ドラフト・タブをクリックして、所有するドラフト・ランブックの表を表示します。
- 選択したランブックの「アクション」ドロップダウン・メニューから、「類似作成」を選択します。「類似作成」確認ダイアログが表示されます。
- 「OK」をクリックします。ランブック・エディタ・ページに、新しいドラフト・ランブックが表示されます。
その他の操作
ランブックを公開した後は、「アクション」メニューから他の操作を実行できます。
次の操作を実行できます。- ランブックを表示するか非表示にして、公開済ランブックを全員に使用可能にするかどうかを制御します。
- 公開済ランブックを削除します。
ノート:
これらの操作は、ランブック作成者またはランブック管理者のみが実行できます。外部リンクの追加
将来のランブック・ユーザーに追加の診断情報またはコンテキスト情報を提供できる情報に、外部リンクを追加できます。