複数のインシデント、イベントおよび問題への一括応答および管理

複数のインシデントに同じ方法で応答する必要がある場合があります。たとえば、いくつかの本番データベースで表領域が不足している問題により、自分に割り当てられたインシデントのクラスタがあるとします。上司はその表領域を別の管理者が調達した記憶域システムに転送することを提案しています。この状況で、表領域のすべてのインシデントをカスタマイズされた解決状態の"Waiting for Hardware"に設定します。また、インシデントを別の管理者に割り当て、シナリオを説明するコメントを追加します。この状況で、これらのすべてのインシデントを個別にではなく一括で更新します。

インシデントに一括で応答するには、次の手順に従います。

  1. インシデント・マネージャにナビゲートします。

    Enterprise Managerホームページ上の「エンタープライズ」メニューから、「モニタリング」を選択し、「インシデント・マネージャ」を選択します。

  2. ビューを使用して、インシデントのリストを処理するインシデントのサブセットへとフィルタします。たとえば、「オープンなインシデントと問題」ビューを使用して、自分に割り当てられているインシデントおよび問題を確認できます。次に、優先度に従ってリストをソートできます。
  3. 応答するインシデントを選択します。[Ctrl]キーを押しながら個別のインシデントを選択することで、複数の項目を選択できます。または[Shift]キーを押しながら最初と最後のインシデントを選択することで、インシデントの連続したブロックを選択できます。
  4. 「アクション」メニューで目的の応答アクションを選択します。
    • 確認: インシデントを表示したことを示します。このオプションはまた、インシデントについての通知が繰り返し送信されることを停止します。これにより「確認」フラグが「はい」に設定され、自分がインシデントの所有者になります。

    • 管理: インシデントに対し複数処理の応答を実行できます。

      • 確認: インシデントが確認された場合、そのインシデントは暗黙的にそれを確認したユーザーに割り当てられます。ユーザーがインシデントを自分自身に割り当てた場合、そのインシデントは確認済とみなされます。一度確認済となったインシデントを未確認にはできません。確認することにより、そのインシデントについての通知が繰り返されることも停止します。

      • 割当て先: インシデントをインシデントの所有権を持つ管理者に割り当てます。

      • 優先度付け: インシデントの優先度レベルは、「なし」、「緊急」、「非常に高」、「高」、「中」、「低」の、そのまま使用できる優先度の値のいずれかを選択することで設定できます。

      • インシデント・ステータス: インシデントの解決状態を、「調査中」、「解決」またはカスタム定義のステータスのいずれかを選択することで設定できます。

      • エスカレーション・レベル: 管理者はエスカレーション・レベルを、デフォルト値の「なし」に加えてレベル1から5まで設定して、インシデントを更新できます。エスカレートされた問題は、エスカレーションを「なし」に設定することで、エスカレートを解除できます。適切なエスカレーション・レベルは作成したITプロシージャにより異なります。

      • コメント: インシデントの所有者に伝える内容などのコメントを入力できます。

    • 抑止: インシデントを抑止することで、対応する通知を停止し、即時使用可能なビューおよびデフォルトの合計(サマリー・リージョンに表示されるものなど)から削除します。抑止は、通常、インシデントに対するアクションを将来の時点まで遅らせて、その間、コンソールに表示しないようする場合に実行されます。管理者は抑止されたインシデントを、検索条件に「抑止」検索フィールドを含む、インシデントの検索の実行など、明示的にそれらを検索することにより表示できます。

      インシデントは、次の条件のいずれかが満たされるまで抑止できます。

      • 抑止が手動で削除されるまで

      • 将来の指定した日付まで

      • 重大度の状態が変更されるまで(インシデントのみ)

      • クローズされるまで

    • クリア: 管理者はインシデントまたは問題を手動でクリアできます。インシデントの場合、これは手動でクリアできるインシデントを含むインシデントにのみ適用されます。

    • コメントの追加: ユーザーはインシデントおよびイベントにコメントを追加できます。コメントは他のユーザーと情報を共有するのに使用したり、実行しているアクションの追跡情報を提供するのに使用できます。コメントはクローズした問題にも追加できます。

      ノート:

      シングル・アクションの「確認」および「クリア」ボタンは、インシデントのオープンや、複数のインシデントの選択に使用できます。

    前述のアクションのいずれかが、選択したインシデントのサブセットにのみ適用される場合(たとえば、管理者が複数のインシデントを確認しようとし、そのうちの一部がすでに確認済の場合)、アクションは適用可能な場合にのみ実行されます。管理者にはアクションの成功または失敗が通知されます。管理者がこれらのアクションのいずれかを選択する場合、対応する注釈が今後の参照用に追加されます。

  5. 「OK」をクリックします。プロセスのサマリーと確認のダイアログが表示されます。
  6. 必要に応じて、インシデントの処理を続行します。