1 Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードの概要
Enterprise Manager 24aiリリース1は、OracleのEnterprise Managerの最新リリースです。この新しいリリースでは、以前のリリースと比較して、様々な新機能、機能強化、パフォーマンス向上およびバグ修正を提供しています。Enterprise Manager 13cリリース5がある場合、Oracleでは、すべての新機能を利用できるように、Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードすることをお薦めします。
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードを開始する前に、アップグレード・プロセス、アップグレード・ユーティリティおよびアップグレードに関連するその他の重要な側面(サポートされている環境、サポートされているアップグレード・パス、ポートの再利用方法、自動的に引き継がれる以前のリリースの機能、アップグレード後に再実行する必要があるカスタマイズなど)を理解する必要があります。そうすることで、アップグレードの要件および影響を理解し、以前のリリースから円滑に移行するための準備ができます。
この章では、アップグレード・プロセスを示し、アップグレード・プロセスを開始する前に知っておく必要がある重要な側面について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。
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Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードでサポートされているアップグレード・パスおよびサポートされているアップグレード方式
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Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードの一環としてアップグレードまたはインストールされるコンポーネント
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Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードと並行したOracle BI Publisherのアップグレード
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Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードした後のOracle Software Libraryの状態
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Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードした後のOMSおよび管理エージェントの手動による再起動
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Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードする前にスタンバイ・データベース(管理リポジトリ)でOracle Data Guardを構成する場合の強制ロギングの有効化
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Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードする前の、OMCデータ・コレクタおよびCloudエージェントの手動での停止
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードでサポートされているOMS環境
次のOracle Management Service (OMS)環境のいずれかをアップグレードできます。
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単一OMS環境: 単一OMS環境は、複数の管理エージェントで編成される1つのOMSを使用した環境です。通常、小さいデプロイメントです。
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複数OMS環境: 複数OMS環境は、複数の管理エージェントで編成されるサーバー・ロード・バランサ(SLB)でモデレートされた2つ以上のOMSインスタンスを使用した環境です。通常、大きいデプロイメントです。
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードでサポートされているアップグレード・パスおよびサポートされているアップグレード方式
表1-1に、各アップグレード・パスでサポートされるアップグレード・パスを示します。
サポートされているアップグレード・パス
表1-1 Enterprise Managerシステムのアップグレードでサポートされるアップグレード・パス
アップグレード元 | アップグレード先 | サポートされているアップグレード方式 |
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13cリリース5 |
24aiリリース1 |
1システム・アップグレード |
ノート:
Enterprise Manager 13cリリース5更新22 (13.5.0.22)は、Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードに必要な最小リリース更新です。サポートされているアップグレード方式
表1-2 Enterprise Managerシステムをアップグレードするためにサポートされているアップグレード方式
アップグレード元 | アップグレード先 | サポートされているアップグレード方式 |
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13cリリース4 |
13cリリース5 |
1システム・アップグレード |
13cリリース3 |
13cリリース5 |
1システム・アップグレード |
13cリリース2 |
13cリリース2がある場合、13cリリース5に直接アップグレードすることはできません。まず13cリリース3または13cリリース4にアップグレードしてから、13cリリース5にアップグレードする必要があります。 |
1システム・アップグレード |
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードでサポートされているプラットフォーム
サポートされているプラットフォームのリストを表示するには、My Oracle Supportで入手できるEnterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスします。手順については、『Oracle Enterprise Manager基本インストレーション・ガイド』のEnterprise Manager動作保証マトリックスへのアクセスを参照してください。
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードで提示されるアップグレード範囲
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードに関する情報をいくつか次に示します:
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Enterprise Manager 13cリリース5更新22 (13.5.0.22)以上からのみアップグレードできます。
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既存のデータベースがEnterprise Manager 24aiリリース1に対して動作保証されているデータベースである場合のみ、アップグレードできます。既存のデータベースが24aiリリース1でサポートされているリリースではない場合は、サポートされているリリースにアップグレードしてから、OMSと管理リポジトリのアップグレードを開始してください。動作保証されたデータベースのリストは、My Oracle Supportで入手できるEnterprise Manager動作保証マトリックスで確認できます。Enterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスするには、『Oracle Enterprise Manager基本インストレーション・ガイド』のEnterprise Manager動作保証マトリックスへのアクセスまたはMy Oracle Support (動作保証の項)を参照してください。
たとえば、13cリリース5 (13.5.0.0.0)からのアップグレードを計画している場合、データベースのリリースが古く、Enterprise Manager 24aiリリース1でサポートされていない可能性があります。この場合は、まずデータベースを24aiリリース1でサポートされている最低限のデータベース・バージョンにアップグレードしてから、Enterprise Managerシステムを24aiリリース1にアップグレードします。
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アップグレード操作は常に、OMSおよび管理エージェントの新しいOracleホームが表示されるアウトオブプレース・アップグレードです。古いホームと新しいホームを定期的にバックアップすることをお薦めします。
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これらのアップグレード方式では、管理リポジトリが構成される既存のデータベースはアップグレードされません。
管理リポジトリ・データベースをアップグレードするには、データベース・アップグレード・ツールを使用します。アップグレード・ツールの詳細は、次の場所にあるOracle Databaseドキュメント・ライブラリの『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。
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表1-3に、24aiリリースおよび13c Enterprise ManagerリリースでのOMSと管理エージェント間の互換性について示します。OMSは、この表に示されている管理エージェントのリリースとのみ通信できます。
表1-3 24aiリリースおよび13cリリースにおけるOMSと管理エージェントの互換性
NA Oracle Management Agent 13cリリース3 Oracle Management Agent 13cリリース4 Oracle Management Agent 13cリリース5 Oracle Management Agent 24aiリリース1 Oracle Management Service 24aiリリース1
いいえ
いいえ はい
はい
旧リリースの管理エージェントがある場合は、OMSを24aiリリース1にアップグレードする前に、Enterprise Managerコンソールにあるエージェント・アップグレード・コンソールを使用して管理エージェントを13cリリース5に必ずアップグレードしてください。
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管理エージェントは、どのプラットフォーム上にあっても、そのプラットフォームに対応したOMS 24aiリリース1ソフトウェアを入手できるかぎり、アップグレード可能です。
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Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードを開始する前に、Enterprise Manager 13cリリース5に最新のリリース更新(バンドル・パッチ)を適用してください。
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Enterprise Managerインストール・ウィザードにより、Java Development Kit (JDK) Javaバージョン1.8.0_431およびOracle WebLogic Server 12cリリース2 (12.2.1.4.0)がデフォルトでインストールされます。事前にインストールされたJDKまたはOracle WebLogic Serverは、13cリリース1以降ではサポートされません。
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Enterprise Managerインストール・ウィザードによってインストールされるOracle WebLogic Server 12cリリース2 (12.2.1.4.0)が必ずEnterprise Manager専用となるようにする必要があります。ミドルウェア・ホームにその他のOracle Fusion Middleware製品をインストールしてはいけません。
ORACLE_COMMON
プロパティはEnterprise ManagerとOracle Fusion Middleware製品の両方で使用されるため、これらを同じミドルウェア・ホームに共存させることはできません。 -
ファイアウォールでSQL ALGを必ず無効にしてください。そうしないと、Enterprise Managerのアップグレード・プロセスが終了したり、同じ操作で長時間ハングすることがあります。
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最大メモリー使用量の制限に対してイベントが設定されている場合は、それを無効にしてからアップグレードする必要があります。
たとえば、
alter system set event='10261 trace name context forever, level 3145728','10262 trace name context forever, level 3145728' scope=spfile;
のようにします -
外部カスタム・オブジェクトがないことを確認する必要があります。たとえば、EMリポジトリ・オブジェクトに依存しているビューまたはMVなどです。
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現在、Always-On Monitoring (AOM)のアップグレードはサポートされていません。新しいバージョンのAlways-On Monitoringをインストールする前に以前のバージョンがアンインストールされていることを確認する必要があります。アンインストール前にバックアップするファイルおよびバックアップ手順の詳細は、Enterprise Manager管理者ガイドのAlways-On Monitoringのアンインストールを参照してください。
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JVM Diagnostics as a Service: Enterprise Manager Cloud Controlリリース13cリリース4以降では、JVMD as a Serviceはサポートされなくなりました。
Enterprise Managerの新規インストールでは、JVMD as a serviceはサポートされません。
以前のリリースからEnterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードする場合は、最新のエージェント・バージョン(24.1以上)のJVMDエージェントを再インストールする必要があります。
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Enterprise Manager 24aiリリース1では、次のコンポーネントは廃止されています:
- EM 24aiメトリック: DNSベースのサービス・テストにおける合計接続時間および合計レスポンス時間
- プラグイン: Fusion Apps (FA)
- ターゲット・タイプ: Exalogic、JBoss/WASターゲット・タイプ(FMWプラグイン内)
- 特定のFMWターゲット・タイプでOPMNをデータ・ソースとして使用するリソース使用メトリック・グループ
- Real User Experience Insight (RUEI)およびRUEI関連のEM機能
- Oracle Directory Server Enterprise Edition (ODSEE)の検出
- Oracle Business Intelligenceのプロビジョニング
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードの一環としてアップグレードまたはインストールされるコンポーネント
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードはアウトオブプレース・アップグレードであるため、Enterprise Managerインストール・ウィザードを起動すると、次のことが実行されます:
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Oracle WebLogic Server 12cリリース2 (12.2.1.4.0)をインストールします。
- Oracle JRF 12cリリース2 (12.2.1.4.0)をインストールします。
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Java Development Kit (JDK) 1.8 (Javaバージョン1.8.0_431)をインストールします。
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Oracle Management Service 24aiリリース1をインストールします。これには、次のものが含まれます:
- WebLogicコンテナ
- ゼロ・ダウンタイムのWebLogicコンテナ。
- APIゲートウェイ
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プラグインをアップグレードするか、すでにデプロイされているプラグインを引き継ぐか、またはプラグインをデプロイします。
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Enterprise Manager 24aiリリース1ソフトウェアに新しいバージョンがある場合は、デプロイされているプラグインをアップグレードします。
13cリリース1以降、Oracle Fusion Middlewareプラグインのデプロイメントまたはアップグレードの一環として、デフォルトでOMSにJava仮想マシン診断(JVMD)エンジンが1つインストールされるようになりました。デプロイする追加OMSごとに、そのOMSとともにデフォルトで1つのJVMDエンジンが提供されます。
JVMDを使用すると、管理者は本番環境でJavaアプリケーションのパフォーマンスの問題を診断できます。問題を再現する必要性がなくなることにより、こうした問題解決に必要な時間が短縮されるため、アプリケーションの可用性とパフォーマンスが向上されます。
JVMDエンジンはデフォルトではOMSホストにインストールされますが、JVMDエージェントはターゲットのJVMに手動でデプロイする必要があります。手順は、『Oracle Enterprise Manager基本インストレーション・ガイド』のJVM診断エージェントのインストールを参照してください。
以前のリリースのEnterprise ManagerにJVMDエンジンが含まれていた場合、それらはすべて自動的に使用停止になります。ただし、古いJVMDエンジンは使用停止になったため、アップグレード後、以前のJVMDエージェントによってモニターされていたターゲットはモニターされません。それらのターゲットのモニタリングを続けるには、ターゲットのJVMにそれらのJVMDエージェントを再デプロイし、新たにインストールされたJVMDエンジンと通信できるようにする必要があります。
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次の場合は、デプロイされているプラグインをアップグレードせずに移行または引き継ぎます:
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Enterprise Manager 24aiリリース1ソフトウェアに新しいバージョンがない場合。
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デプロイされているプラグインがすでにEnterprise Manager 24aiリリース1ソフトウェアのバージョン以上である場合。
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アップグレード対象のプラグインに新しい依存関係が存在する場合またはリリースで導入された新しいデフォルト・プラグインがある場合は、新しいプラグインをデプロイします。
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選択した追加のプラグインをデプロイします。
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- WebLogicコンテナに
GCDomain
と呼ばれるOracle WebLogicドメインを作成します。このWebLogicドメインでは、デフォルトのユーザー・アカウントweblogic
が管理ユーザーとして使用されます。このドメインは、すべてのOMS間で1つです。 EMExtDomain1
というOracle WebLogicドメインをゼロ・ダウンタイム(ZDT)のWebLogicコンテナに作成します。これは拡張ドメインとも呼ばれます。このドメインは、OMSインスタンスごとに1つです。-
nodemanager
と呼ばれるノード・マネージャのユーザー・アカウントを作成します。 -
2つのWebLogicドメイン(
GCDomain
およびEMExtDomain1
)を含む、Oracle Management Service 24aiリリース1に関連するすべての構成の詳細を格納する、Oracle Management Serviceインスタンス・ベース・ディレクトリ(gc_inst)
を構成します。 -
既存の認証されたOracleデータベースのOracle Management Repositoryをアップグレードします。
ノート:
Enterprise Manager 24aiリリース1以降、中央エージェント(OMSとともにインストールされた管理エージェント)がデフォルトでアップグレードされます。
アップグレードされたEnterprise Manager 24aiリリース1で使用されるポート
OMSまたは管理エージェントをアップグレードすると、旧リリースの管理エージェントで使用されていたポートは、アップグレード後の管理エージェントに引き継がれます。そのため、ファイアウォール設定には何も影響しません。
OMSをアップグレードすると、旧リリースのコア・コンポーネントすべてで使用されていたポートは引き継がれます。
ノート:
コア・コンポーネント、ポートが選択される範囲、および割り当てられる空ポートの詳細は、Oracle Enterprise Managerアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイドで基本の理解の章を参照してください。
ファイアウォールをOMS用に構成した場合に、ファイアウォールを通して利用可能にする必要のあるURLの詳細は、Oracle Enterprise Managerアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイドのEnterprise Managerのファイアウォールの構成を参照してください。
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードと並行したOracle BI Publisherのアップグレード
Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース5 (13.5.0.0.0)以降、Oracle BI Publisherは、Enterprise Managerのアップグレード・プロセスの一環としてインストール、構成またはアップグレードされなくなりました。Oracle Analytics Publisher (以前のBI Publisher)には、個別にインストールする必要があるスタンドアロンのOracle Analytics Serverからアクセスする必要があります。
Oracle Analytics Serverの詳細は、スタンドアロンOracle Analytics ServerおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用したOracle Analytics Serverのインストールと構成を参照してください。
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードと並行したプラグインのアップグレード
ここでは、以下の項目について説明します。
24aiリリース1へのOracle Management Agentのアップグレードと並行したプラグインのアップグレード
エージェント・アップグレード・コンソールを使用してOracle Management Agentを24aiリリース1にアップグレードすると同時に、旧リリースのプラグインはすべてデフォルトでアップグレードされます。手動による操作は必要ありません。
24aiリリース1へのOracle Management Serviceのアップグレードと並行したプラグインのアップグレード
Enterprise Managerインストール・ウィザードを使用してOracle Management Serviceを24aiリリース1にアップグレードすると同時に、プラグインは次の状況に基づいて自動的にアップグレード、移行またはデプロイされます:
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新しいバージョンが存在する場合、プラグインはアップグレードされます。
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新しいバージョンが存在しない場合、プラグインは移行されます。
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アップグレード対象のプラグインに新しい依存関係が存在する場合またはリリースで導入された新しいデフォルト・プラグインがある場合、プラグインがデプロイされます。
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Enterprise Managerインストール・ウィザードの「プラグインの選択」画面で選択する追加のプラグイン。
「プラグインの選択」画面にリストされていないプラグインをインストールする場合は、次のステップに従います。
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードと並行したリリース更新の適用
24aiリリース1へのアップグレード中に、アップグレード・プロセスの一環としてリリース更新(バンドル・パッチ)を適用できます。
ソフトウェアのみをプラグインとともにアップグレードして後で構成手順に従ってください。この手順には、ビットのみモードでのリリース更新の適用の、OMSビットのみモードを使用してリリース更新を適用するステップが含まれています。
ノート:
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレード中にリリース更新を適用すると、アップグレード・プロセスの完了後に適用する場合に比べて、停止時間が短縮されます。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードする前にスタンバイ・データベース(管理リポジトリ)でOracle Data Guardを構成する場合の強制ロギングの有効化
Oracle Management Repositoryを格納しているスタンバイ・データベースでOracle Data Guardを構成する場合、次のコマンドを使用してデータベースでの強制ロギングを有効にします。
ALTER DATABASE force logging;
データベースへの強制ロギングを有効化しない場合、Enterprise Managerシステムをアップグレードする際にNOLOGGING
コマンドを使用すると、スタンバイ・データベースを破損する可能性があります。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードした後のOracle Software Libraryの状態
Oracle Software Libraryは、Enterprise Managerがアップグレードされるとすぐに機能します。使用できるようにするために、手作業で操作する必要はありません。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードした後のコネクタの状態
Enterprise Managerシステム全体のアップグレード後、従来のEnterprise Managerシステムで構成されたコネクタはEnterprise Managerでも引き続き動作します。ただし、構成されていなかったものは機能しません。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードしたときのカスタム証明書の状態
24aiリリース1にアップグレードすると、Enterprise Manager 24aiリリース1のアップグレード・プロセス中にすべてのカスタム証明書が継承されます。アップグレード前にWebLogic Serverからカスタム証明書を削除して、OMSのアップグレード後に再構成する必要はありません。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードしたときのWebgateの状態
Oracle Enterprise Manager 13cリリース5にWebgateが構成されている場合、Oracle Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードしてもWebgateは自動的に構成されません。アップグレード処理の完了後に再構成する手順については、Oracle HTTP Server Webgateの再構成を参照してください。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードした後のデータベースのXML DB機能
管理リポジトリの構成を予定しているOracle Database上のXML DBなどの機能を有効または無効にしても、Enterprise Managerには影響されません。そのため、Enterprise Managerはそれらの機能に依存していないため、データベースの機能はすべて有効または無効にできます。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードした後のOMSおよび管理エージェントの手動による再起動
OMSと管理リポジトリを格納するOracle Databaseとを同じホストにインストールした場合、ホストを再起動するときに、それとともにインストールされたOMSおよび管理エージェントは自動的に起動しません。これらは手動で起動する必要があります。
OMSを手動で起動するには、OMSホストのOracleホームから次のコマンドを実行します。
ノート:
OMSを起動する前に、ホスト上でデータベースおよびリスナーが起動されていることを確認してください。
$<ORACLE_HOME>/bin/emctl start oms
たとえば、
/u01/software/em24/oms_home/bin/emctl start oms
管理エージェントを手動で起動するには、エージェント・ホームから次のコマンドを実行します。
$<AGENT_HOME>/bin/emctl start agent
たとえば、
/u01/software/em24/agentbasedir/agent_24.1.0.0.0/bin/emctl start agent
Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードに使用するウィザードまたはコンソール
この項では、Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレードに使用するウィザードまたはコンソールについて説明します。特に、次の内容について説明します。
Enterprise Manager 24aiリリース1のエージェント・アップグレード・コンソールの概要
エージェント・アップグレード・コンソールは、Enterprise Managerコンソールに組み込まれているグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。このコンソールは、エージェントを一括アップグレードする単一ウィンドウ・ソリューションとして機能します。
ノート:
- Enterprise Manager 24aiリリース1以降、中央エージェントは古いOracle Management Service (OMS)とともに自動的にアップグレードされます。OMSを24aiリリース1にアップグレードしても、スタンドアロン管理エージェントはアップグレードされません。古いOMSを24aiリリース1にアップグレードした直後にアップグレードしてください。
- エージェント・アップグレード・コンソールを使用すると、スタンドアロン管理エージェントをアップグレードできますが、かわりにエージェント・ゴールド・イメージを使用してスタンドアロン管理エージェントをアップグレードすることをお薦めします。ゴールド・エージェント・イメージ・コンソールを使用すると、ゴールド・イメージの作成および管理と、既存のスタンドアロン管理エージェントの更新が可能です。「Enterprise Manager 24aiリリース1のエージェント・アップグレード・コンソールの概要」を参照してください。
エージェント・アップグレード・コンソールにアクセスするには、「設定」メニューからEnterprise Managerの管理をクリックし、「エージェントのアップグレード」を選択します。
ノート:
エージェント・アップグレード・コンソールを使用して管理エージェントをアップグレードするには、複数OMS環境でOMSインスタンスをすべてアップグレードする必要があります。
エージェント・アップグレード・コンソールは、「エージェントのアップグレード・タスク」タブと「エージェントのアップグレード後のタスク」タブで構成されます。
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「エージェントのアップグレード後のタスク」タブは、アップグレードした中央エージェントの古いディレクトリのクリーンアップおよび中央エージェントのクリーンアップ・ジョブの概要の表示に使用できます。エージェント・アップグレード・コンソールにアクセスするには、「設定」メニューからEnterprise Managerの管理を選択し、「エージェントのアップグレード」を選択します。
Enterprise Manager 24aiリリース1のゴールド・エージェント・イメージ・コンソールの概要
ゴールド・エージェント・イメージ・コンソールは、Enterprise Managerコンソールに組み込まれているグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。このコンソールは、既存のスタンドアロン管理エージェントを一括アップグレードする単一ウィンドウ・ソリューションとして機能します。スタンドアロン管理エージェントとは、管理対象外ホストにインストールされた管理エージェントで、管理対象外ホストを管理対象ホストに変換したり、そこで稼働しているターゲットをモニターします。
ゴールド・エージェント・イメージ・コンソールにアクセスするには、「設定」メニューからEnterprise Managerの管理を選択し、「ゴールド・エージェント・イメージ」を選択します。
ゴールド・エージェント・イメージ・コンソールを使用して、次のタスクを実行できます。
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新しい管理エージェントのプロビジョニング。
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既存の管理エージェントの更新。
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管理エージェントのアップグレード(管理エージェント・ソフトウェアのアップグレード)。
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管理エージェントへの新しいプラグインのデプロイ。
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管理エージェントにデプロイされている既存のプラグインのアップグレード。
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管理エージェントへのパッチのデプロイ。
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管理エージェントにデプロイされているプラグインへのパッチのデプロイ。
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エージェント・ゴールド・イメージのコンプライアンス・レベルをチェックして、エージェント・ゴールド・イメージにすでに関連付けられている環境内の管理エージェントの割合と、それ以外の割合の特定。
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エージェント・ゴールド・イメージのアクティビティの追跡管理(発行されたゴールド・イメージ・ジョブ、ステータス、アクティビティの開始時間および終了時間など)。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードした後のOPSSスキーマに対する変更
Enterprise Managerシステムがアップグレードされると、SYSMANUPGR_OPSSのかわりにSYSMAN122140_OPSSがOracle Platform Security Service (OPSS)スキーマに使用されます。
Enterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードする前の、OMCデータ・コレクタおよびCloudエージェントの手動での停止
Oracle Management Cloud (OMC)エージェントを使用している場合は、Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレード処理を開始する前に、リポジトリ・データベースに接続しているデータ・コレクタおよびCloudエージェントを停止する必要があります。
OMCデータ・コレクタはOracle Enterprise Managerスキーマからデータを取得する統合製品であるため、OMCを使用している場合はEnterprise Manager 24aiリリース1にアップグレードする前にリポジトリ・データベースに構成されているデータ・コレクタおよびCloudエージェントを停止する必要があります。停止しない場合、Enterprise Manager 24aiリリース1へのアップグレード中にロックの問題が発生することがあります。