I/O制限に近づいているデータベースの特定
「概要」セクションには、Oracle Enterprise Managerによってモニタリングされていないデータベースを含め、Exadataシステムで実行されているすべてのデータベースのI/O状況のサマリーが表示されます。
- I/O使用率制限に近づいているデータベース: 過去24時間で、フラッシュI/O使用率がフラッシュI/O制限のクリティカルしきい値を超えたデータベース/CDBの合計数
- I/O使用率制限に近づいているプラガブル・データベース: 過去24時間で、フラッシュI/O使用率がフラッシュI/O制限のクリティカルしきい値を超えたPDBの合計数

過去24時間におけるデータベースのピーク・フラッシュI/O使用率および有効なI/O制限セクションのヒートマップは、すべてのデータベースのI/O使用率を視覚的に示し、割り当てられたI/Oリソースが十分に使用されていない、または過剰に使用されているデータベースを迅速に特定するために使用できます。ヒートマップ・タイルは、データベースごとに1つずつあり、次のビジュアル・インジケータを備えています:
- タイル・サイズ: データベース・フラッシュI/O使用率に比例
- タイルの色: 次のように、過去24時間におけるピーク・データベース・フラッシュI/O使用率を示します:
- 赤(クリティカル): I/O使用率が組込みクリティカルしきい値(75%)を超えました。
- 黄(警告): I/O使用率が組込み警告(50%)とクリティカル(75%)のしきい値の間でした。
- 緑(クリア): I/O使用率が組込み警告しきい値を下回りました。
ヒートマップには、データを整理するための2つの表示オプション・セット(「表示方法」と「色の基準」)があります。
「表示方法」オプションは次のとおりです:
- データベース/CDB: データベースまたはCDBレベルのピーク・フラッシュI/O使用率を表示します。このオプションは、ExadataシステムにCDBと、非コンテナの単一インスタンス・データベースまたはクラスタ・データベース(非CDB) (あるいはその両方)がどちらもある場合に使用します。
- PDB: PDBレベルのピーク・フラッシュI/O使用率を表示します。これは、ExadataシステムにCDB (したがってPDB)のみがある場合に役立ちます。
「色の基準」オプションは、ヒートマップのレンダリング時に、ピーク・フラッシュI/O使用率の比較を適用するレベルを制御します。「色の基準」オプションは次のとおりです:
- データベース/CDBの使用率: 色は、CDBレベル(または、該当する場合は非CDBレベル)で集計されたピーク・フラッシュI/O使用率を比較することによって決まります。
- PDB使用率: 色は、CDB内のすべてのPDBでのピークPDBフラッシュI/O使用率によって決まります。
- コンテナ内で最も高い使用率: 色は、前述の2つのシナリオ間で到達した最も高いフラッシュI/O使用率によって決まります。これは、非CDB/CDBレベルかPDBレベルかに関係なく、I/Oホットスポットの視覚化に役立つため、最も包括的なオプションです。
ヒートマップのタイルをクリックすると、データベースのピーク・フラッシュI/O使用率および過去24時間における有効なI/O制限セクションの表に、対応するデータベースの使用率メトリックが表示されます。
使用例: コンテナ・データベースASM1.CDB1には3つのPDBがあり、そのうちの1つASM1.CDB1.PDB2のみI/O制限が低くなっています。CDBのピークI/O使用率は低いですが、ASM1.CDB1.PDB2のピークI/O使用率は、過去24時間において少なくとも1回制限に達しました。「色の基準」が「データベース/CDBの使用率」に設定されている場合、このCDBのタイルは緑で表示されますが、「コンテナ内で最も高い使用率」に設定されている場合は赤で表示されます。
クリティカルの範囲内にある多数のデータベースまたはPDBは、必ずしも問題を示しているわけではありません。主要な目的は、最も重要なデータベース(本番アプリケーションに対応するデータベースなど)が緑または黄で表示されるようにすることです。重要なデータベースがクリティカル(赤)の範囲にある場合は、I/O制限の増加、データベースの統合方法の再検討、I/Oワークロードの再分析など、改善策を検討できます。全体的なリソース管理の観点から、Exadataシステムにより多くのヘッドルーム(より多くのI/Oワークロードを処理する容量)があるかどうかを把握するのに役立ちます。