I/Oリソース管理アドバイザ

Enterprise Manager I/Oリソース管理アドバイザは、Exadataシステムで実行されているすべてのデータベースでのフラッシュI/O使用率を分析したり、システムI/Oリソースの使用状況を最適化するための潜在的なメジャーを特定するためのツールを提供することで、Exadata I/Oリソース管理(IORM)の効果的な使用を容易にします。このクラスは次の機能を提供します。

  • 包括的なシステム・レベルのI/Oの概要: ツリーマップ、表、メトリック・チャートなどの複数レベルでの様々なビジュアライゼーションにより、IORM設定の包括的な概要と、Exadataシステム全体のI/O使用率のサマリーが提供されます。これらのビジュアライゼーションを使用すると、システム制限または隣接データベースによるI/O使用のためにフラッシュI/O抑制が発生しているコンテナ・データベース(CDB)、プラガブル・データベース(PDB)または非コンテナ・データベースを特定できます。

  • 詳細なデータベース・レベルのI/O分析: 影響を受けた可能性があるデータベースが特定されると、追加のドリルダウン・ビジュアライゼーションにより、I/O使用率、スループット、レイテンシなど、複数のディメンションにわたってデータベースとそのネイバーのI/Oパフォーマンス履歴を分析できます。このレベルでの分析は、データベースで実際に抑制および関連するパフォーマンス低下が発生しているかどうか、またIORMプランを更新する必要があるかどうかを判断するのに役立ちます。

トピック:

前提条件

I/Oリソース管理アドバイザを使用するには、次の要件を満たす必要があります:

  • 関連するDatabase MachineターゲットまたはExadataインフラストラクチャ・ターゲット(あるいはその両方)に対してExadata管理パックを有効にします。
  • Oracle Enterprise Manager Exadataプラグインのバージョンは、エージェントと管理サーバーの両方で13.5.1.23以降である必要があります。
  • Exadataシステム内のあらゆるストレージ・サーバーには、ソフトウェア・バージョン21.1.0.0.0以降が必要です。
  • Exadataシステム内のすべてのストレージ・サーバーは、同じデータベース間IORMプランを共有し、Oracle Enterprise Managerで検出される必要があります。
  • 「Exadataデータベース・フラッシュ・ディスクI/O統計」メトリックは、Exadataシステムに関連付けられているOracle Enterprise Manager Exadata Storage Serverグリッド・ターゲットに対して有効にする必要があります。

リファレンス: 概念

  • Exadataシステム: Oracle Enterprise ManagerOracle Exadata Database Machineターゲットとして表されるオンプレミスExadataまたはクラウドベースのExadata (Oracle Exadata Database Service on Cloud@CustomerおよびOracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure (どちらもOracle Enterprise ManagerExadata Infrastructureターゲットとして表されます))のいずれか。
  • ピーク・フラッシュI/O使用率: 過去24時間で、動作中のすべてのストレージ・サーバーでのデータベースまたはPDBの平均I/O使用率の最大値。たとえば、DB1は3つのストレージ・サーバー(S1、S2、S3)によって処理されます。これらの3つのストレージ・サーバーでの過去24時間におけるDB1の平均フラッシュI/O使用率は、それぞれ50%、51%、52%です。この場合、DB1のピーク・フラッシュI/O使用率は、52%です。
  • フラッシュI/O使用率のしきい値: I/Oリソース管理アドバイザには、次のしきい値が組み込まれています:
    • クリティカル: フラッシュI/O使用率がデータベースI/O制限の75%を超えています
    • 警告: フラッシュI/O使用率がデータベースI/O制限の50%を超えています
  • データベース・フラッシュI/O制限: データベースを管理するI/Oプラン(データベース間プラン(CDBおよび非CDB)やCDBプラン(PDB)など)で指定されているデータベースのI/O制限。I/Oプランの概念の詳細は、I/Oプランの管理を参照してください。

リファレンス: I/O制限の計算

I/Oリソース管理アドバイザのデータを正しく解釈できるように、I/O制限の計算方法について、次の詳細に留意してください:

  • データベース・フラッシュI/O制限:
    • 管理プランのフラッシュI/O制限値が0 (ゼロ)の場合、ストレージ・サーバーはこれをI/O使用量に制限がないと解釈するため、そのデータベースのI/O制限は実質的にストレージ・サーバーの容量の100%になります。
    • 管理プランのフラッシュI/O制限値がゼロ以外の値の場合、ストレージ・サーバーではこれを実際の制限値として使用します。
  • プラガブル・データベース・フラッシュI/O制限:
    • 管理プランのフラッシュI/O制限値が0 (ゼロ)の場合、ストレージ・サーバーはこれをI/O使用量に制限がないと解釈するため、そのデータベースのI/O制限は実質的にCDBのフラッシュI/O制限の100%になります。
    • 管理プランのフラッシュI/O制限値がゼロ以外の値の場合、ストレージ・サーバーではこれを実際の制限値(CDBのフラッシュI/O制限の割合として算出)として使用します。

また、Exadataバージョン19.x以降では、IORMプラン制限がフラッシュI/O使用率にのみ適用できるため、I/Oリソース管理アドバイザではフラッシュI/O使用率のみに重点を置いています。「limit属性の使用」を参照してください。

I/Oリソース管理アドバイザの使用

I/Oリソース管理アドバイザは、Database MachineおよびExadataインフラストラクチャ・ターゲットで使用できます。起動するには、Database MachineまたはExadataインフラストラクチャ・メニューから「I/Oリソース管理アドバイザ」メニューをクリックします。

IORMプランがすでに実施されているかどうかにかかわらず、I/Oリソース管理アドバイザは、次のシナリオを含む、システムI/Oリソースの管理および最適化に役立つ貴重なインサイトを提供します。

  • I/O使用率が高いデータベースを特定し、I/O帯域幅がさらに必要かどうかを判断します。
  • 消費量を抑制できるように、必要以上のI/Oを消費するデータベースを特定します。
  • I/Oリソース使用率の履歴を分析して、I/O使用率が高い期間が同時に発生し、パフォーマンスの低下を引き起こしている可能性があるかどうかを把握します。